「どっちでもいいんだぞ」と言える親でいたい
最初の相談は、大学受験を控えた娘さんへの声かけについて。第一志望に落ちたとき、何と言えばいいのか悩んでいるという内容です。
箕輪さんは長男の中学受験の際、本番直前のタクシーの中で「どっちでもいいんだぞ」と伝えたと話します。
一生懸命やった結果で得るものがあればいいけれど、結果そのものはぶっちゃけどっちでもいい、というスタンスです。
どっちでもいいんだぞと。あの、まあぶっちゃけどっちでもいいよと。ただ一生懸命頑張って、結果出て、一生懸命頑張ったらいいことあるなって思えたらいいけど、まあ結果なんてぶっちゃけどっちでもいいよって。
「受からないとダメだ」と思える親のほうが、むしろ愛があるのかもしれない、とも箕輪さんは言います。自分はそう思えないし、塾に行けと言ったこともない、と。
けんすうさんは、第一志望でなかった学校でも、入ってから良かったとなるケースは多いと補足します。
お互い「一浪して早稲田組」だった
話の流れで、箕輪さんもけんすうさんも、中高一貫校で6年間ほぼ勉強せず、現役では受からなかったと判明します。
もう問題文の意味がわかんない。何を問われてるのか。え、俺中高一貫だったから、マジで六年間一秒も勉強してなかったから。
けんすうさんは成城中学成城学園とは別系統で、元は陸軍学校をルーツに持つ男子校。育ちの良いイメージの強い成城学園とは校風が異なるの出身。箕輪さんは「成城学園」と勘違いしていたと笑います。
浪人してからスイッチが入った点も2人共通でした。最初からちゃんとやろうと決めて1年間勉強に向き合い、その結果として早稲田に進学しています。
「浪人していると後がない感じがして、より追い込まれるのでは」というけんすうさんの問いに対し、箕輪さんは「広く受ければどこかには入れる」と落ち着いた答えを返します。
結論として、頑張って落ちたなら「頑張ったね」でいいのではないか、というところに着地します。
契約終了に動揺する人へ。「最悪のケース」をリアルに描く
次は契約社員として働いていたが3月末で契約終了になった、というラジオネーム千葉さんからの相談。理由も詳しく教えてもらえず「人生最大に動揺している」と書かれています。
契約が終了することになりました。理由を聞いても詳しく教えていただけず、自分が期待に応えられなかったのか、何か他に理由があるのかわからずじまいです。あと一ヶ月で転職をしないといけなく、人生最大に動揺しています。こういう時どうしたらいいのですか?
箕輪さんがまず勧めたのは、起こり得る「最悪の最悪」を具体的にシミュレーションすることでした。漠然とした不安は、輪郭がわからないからこそ怖い、という考え方です。
最悪の最悪、例えば生活保護でってなって、でもそれが漠然と生活保護でとかってなると不安だから、ちゃんと生活保護を調べて、月いくらもらえるんだと、リアルにイメージして。
最悪の地点が見えれば、あとはそこからのプラスを積み上げるだけ。不安なときは、何が不安なのかをメモに書き出して整理している、とも話しています。
不安を感じたら、最悪のケースを具体的に調べてリアルに描く。生活水準、住む場所、収入の見込みまで落とし込むと、「最悪でもここか」と分かり、戦える状態になる。
「99%の不安は起こらない」は本当か
「最悪のケースはだいたい起こらない」とよく言われますが、箕輪さんの答えは逆でした。
起こらないと思ったもの全部起こってる。
大丈夫だろうと油断していたことほど、実際にはほとんど起きてしまったと振り返ります。週刊誌に書かれるなど、想定外の事態が現実に起きてきたからこその言葉です。
だからこそ箕輪さんが重視するのは「起きないと安心する」ことではなく、「起きた後にどう立て直すか」を準備しておくことです。最悪のシナリオを具体化しておけば、実際に起きてもゼロから慌てずに済む、という考え方です。
契約終了の理由については、深く考えすぎなくていいというのが2人の見立てです。会社の予算削減など、本人にあまり関係のない理由のことも多いから、と。
一方で、自分を責めるべきときと、認めてあげるべきときの線引きは難しい、とも認めています。
自分を責めた方がいい時もあれば、自分を認めてあげる方がいい時もあるじゃん。無責任にさ、大丈夫だよって言うのはいいけど、子供とかにすら、でも俺って無責任だなって思う時もある。
「5万×6社」のほうが、雇われるより敷居が低い
話は、契約社員という働き方そのものに広がります。箕輪さんは、業務委託で複数社と関わる生き方を強く勧めました。
なんか五万をもらう会社を六社来るみたいなノリでいいと思う。で、五万なんて誰でも払えるから。
月30万の正社員枠を獲りに行くより、5万円の業務委託を6社・8社と並べたほうが、結果的に同等以上の収入になりやすい。雇用は重い決断だから、5万円のほうが先方も払いやすい、というのがけんすうさんの解説です。
雇う側のリスクが大きく、交渉も重い。受かるためのハードルが高い
1社あたりの金額が小さく相手も払いやすい。合計で30万を超えやすく敷居が低い
内定辞退して行き先なし。会場に「降臨」した相談者
続いては、ベンチャー勤務30歳のつノイさんからの相談。転職先から内定をもらい、退職も会社に伝えた後、有給消化中に「次の仕事つまんなそうだな」と感じて内定辞退してしまったという内容です。
辞めることだけ確定してて行き先がありません。薄給手当がぼろいらしいので、妻には起業でもすると言ってみたのですが、やりたいことは特にないです。順番を盛大に間違えた気がするのですが、ここからどうしたらいいと思いますか? 実は家族に同僚の送迎会があると嘘ついてこのイベントに来てます。
2人がまさかと思って会場を確認すると、つノイさんが本当に客席にいる、という展開に。箕輪さんは一目見て、内定辞退してきた人間が髪をセットしてくること自体に余裕がにじむ、と見立てます。
全然反省してない。そんな俺っていう悦に入っちゃってる。あの髪、だってセットしてきてんで。
転職先を有給消化中に蹴った人間が髪をセットしてくるあたりに、自信と余裕がにじんでいる、という見立てです。
「追い込まれないと成果が出ない人」という見立て
冗談めいたいじりから一転、箕輪さんは彼を「追い込まれないと成果を出せないタイプ」だと読み解きます。
彼は多分あの今までの人生で追い込まれた時に成果を出してるから。この失業手当とか妻にバレるとか、自分をギリギリのところ追いやって何かをやろうとしてる。
このまま予定通り転職していたら自分が腐ってしまう、という本能的な危機感が、内定辞退という行動の裏側にあるのではないか、ということです。
箕輪さん自身も、文春砲のあとや金がない時期にこそヒットを連発してきたと振り返り、自分も「ちゃんと頑張る理由」が必要なタイプだと話しています。
上司の方針と違う提案は、どう通す?
2部の最初は、ラジオネーム カリンさんの相談。クライアントのためになると考える自分の提案と、上司が会社として進めたい方向が異なるとき、どちらで進行するのがいいか、という内容です。
自分が本当にクライアントのためになると考える提案と、上司が会社として提案したい方向が異なる時、どちらによって進行するのがベターですか?
AIの回答は「上司が示す会社の方向性を優先し、その中で工夫する」という保守的なもの。2人はこれを「保守AI」と笑い、自分たちの実体験を語り始めます。
受け止めつつ無視して、勝たせる
箕輪さんの方法は、表向きは上司の意見を肯定しつつ、実際は自分の案を進めて、結果を出してから「上司のおかげ」と言う、というものでした。
A案とB案あるじゃないですか。上司がA案がいいって言うじゃないですか。確かに、確かにそうですねみたいな。ああ、確かにA案の方がいいわってB案を勧めるんです。
大事なのは、自分が選んだB案で必ずうまくいかせること。うまくいかなければ責任を問われますが、うまくいけば上司も「ま、いっか」となる、というのがポイントです。
けんすうさんもリクルート時代、定例で却下されそうな案を、ミーティング後すぐに動かしてリリースまで持っていき、次回の定例ではPVが出ている状態で議論にする、という方法を取っていたと話します。
次の水曜日までもうリリースしちゃって。勝手に。で、PV出して、次のミーティングでPVこんだけ出てますって言うと、もうなんかみんな自分が承認したかどうかもう忘れてるので、それ見ながら議論になるんですよね。
上司を「共犯者」にする
もうひとつのキーワードが「共犯者にする」でした。箕輪さんがオンラインサロンを始めたとき、幻冬舎の副業禁止規定があると後から発覚しましたが、すでに初回ゲストとして社長(書き起こしでは「賢治さん」)を呼んでいたため、止められなくなっていたといいます。
賢治さん来ちゃったら会社の人も言えないですもん。
A案・B案の話でも同じで、結果が出たあとに上司を打ち上げに誘って奢ってしまえば、もう一蓮托生。出世する上司を作る人が、結局自分も出世する、というのがけんすうさんのまとめです。
受け止める
表向きは上司の意見を肯定し、敵にしない
実行して結果を出す
自分が正しいと思う案を、必ず成功させる
共犯者にする
「あなたのおかげ」と打ち上げ・成功体験を共有し、味方化する
なお、けんすうさんは「上司として議論したいケースもある」と補足。上司に言われたから、で諦めずに、ちゃんと理由を説明して議論することも大事だと付け加えています。
「なめられループ」をどう壊すか
次は、ラジオネーム もちっこさんからの相談。地味ないじめや嫌がらせのターゲットにされやすく、「あれには何をしてもいい」という空気を作られてしまう、という内容です。
どこへ行ってもあれには何してもいいという空気を作られてしまう。絶望的ななめられループをどうにか壊したいです。お二人が相手にこいつには踏み込んじゃいけないと思わせるために意識的にやってる武装があれば教えてください。
箕輪さんはまず、いじりやいじめは「村社会における当番制」のような構造があると言います。
村社会において、コミュニティにおいて、一人なめる人が、いじられがい(いじられ役)がいないと回らないんですよ。で、その人を誰にするかっていう順番、当番制で、それを受け入れがちな人っていうのがいるっていう構造です。
男子校で銀杏いじりから抜け出した話
箕輪さん自身も、千葉県内の中高一貫の男子校で、一度だけ「当番」が回ってきた経験があるそうです。秋の銀杏の季節、「身が臭い」というノリでいじられ、本気で学校に行きたくないほど辛かった、と語ります。
転機は、いつものメンバー数人と帰っていたある日。いじりが始まった瞬間、そのうちの一人を地面に押し倒し、殴り続けたのだといいます(書き起こしでは話者ラベルが揺れているが、文脈上は箕輪さんの体験談)。
本当に前に絶対に許さないからなって。
殴ったことそのものを推奨するわけではなく、「本当にやめろ」という強烈な意思表示が、いじりを終わらせたという話です。
けんすうさんは、自分の場合は「裏で何かあるとブログにすぐ書きそうな人」というイメージを周囲に持たれていることが、結果として抑止力になっていると話します。
なんかあったらネットに晒しそうというイメージが先行した結果、あんまりないんですよ。その代わりなんか会社と契約する時にめっちゃブログに書くなっていう契約が入れられたりしますね。
難病と「明日死ぬとしたら」を考える
最後の相談は、46歳独身女性・花子さんから。脳梗塞をきっかけに、難病であることが判明し、突然死を覚悟しておくよう言われている、という重い内容でした。
僕らが明日死ぬかもしれないという覚悟をして生活しないといけないと仮定すると、どういう日々を送りますか? 独身という家庭での答えを聞いてみたいです。また明日起きれるかなと考えてしまい、夜に寝るのが毎日怖いです。怖さを軽減できそうなことが思いついたら聞いてみたいです。
最近、夢だった小さな和食屋を始めたばかり。気を遣われたくないので、今は通常通り過ごしているそうです。
箕輪さんの答えは、意外にもシンプルでした。
明日死ぬって言って劇的に変わるかっていったら、まあ明日だったら変わるかもしれないけど、一ヶ月後に死ぬってなったら変わるかな。でも子供とか好きな人と一緒に、まあ何も変わんないかな。
1年後と言われても、おそらく今と同じように仕事を続け、子供や好きな人と過ごすだろう、と話します。
けんすうさんも、独身という仮定でも、ダラダラ旅行することよりは「今の仕事をやりきる」ことを選ぶだろうと答えています。
そのうえで2人とも、相談者が「夢を叶えたばかりで、いまの暮らしを通常通り続けたい」と思えている時点で、すでに充実した日々を送れているのではないか、と受け止めていました。
だからこれで死ななかったらさ、最高の話だよ。
まとめ
昼から酒を飲みつつ進んだ初の公開収録は、軽口の合間に「自分なりの不安との付き合い方」が滲む回になっていました。受験、契約終了、職場、なめられ、終活と、相談の重さはそれぞれ違いますが、「最悪を直視する」「結果で味方を作る」「やりたいことを今やる」という3点が、通奏低音として流れています。
- 子どもの受験には「どっちでもいい」と伝え、結果より頑張った事実を肯定する選択肢もある
- 不安は最悪のケースを具体的に調べ、メモに書き出すことで輪郭を持たせる
- 5万円×6社の業務委託は、雇用より敷居が低く、現実的な選択肢になり得る
- 上司と意見が違うときは、受け止めつつ自分の案で結果を出し、「共犯者」にする
- なめられループを壊すには、本気で怒る意思表示と、相手にこいつには触らないと思わせる武装が要る
