"最悪は必ず起こる"──箕輪厚介がスマホにメモする「人生のアキレス腱」とは
箕輪・けんすうのご神託ラジオ第23回は、初の公開収録。リスナーから届いた3つの人生相談──「娘の大学受験に落ちたら何と声をかける?」「契約終了で人生最大のピンチ」「内定辞退して無職、妻には嘘」──に、箕輪厚介さんとけんすうさんが本音で答えます。「不安の9割は起こらない」は嘘だと断言する箕輪さん流の危機管理術から、月5万円×6社の新しい働き方まで、その内容をまとめます。
娘の大学受験──「どっちでもいいんだぞ」は愛か無責任か
娘の大学受験真っ最中です。第一志望に落ちた時に何と声をかけたらいいでしょう。高校の時にすでに留学してすでに一年ダブっているので、本人は浪人を考えていません。滑り止めで一大学だけセンター試験利用でA判定はいただいているのですが、そこには本当は行きたくないそうです。
箕輪さんは、長男の中学受験の際に合格発表前のタクシーの中で「どっちでもいいんだぞ」と声をかけたそうです。一生懸命頑張ったこと自体が大事であって、結果はどちらでもいい──それが偽らざる本音だったとのこと。
「受からないとダメだ」って思える親って逆に愛があるのかなって思うぐらい、俺思えないんだよね。どっちでもいいじゃんって
ただし箕輪さん自身、この姿勢を「無責任かもしれない」とも感じているようです。厳しい親の方が将来子どもが幸せになることもある。「大丈夫だよ」と言ってあげるのが優しさなのか、それとも甘やかしなのか──その線引きは難しいと二人は認めます。
けんすうさんは「第一志望でなかったとしても、入ったところがすごく良くて大学受験で成功したら"良かったね"になる」とフォロー。結局のところ、頑張った事実を認めてあげること、そしてどこに行っても道は開けるという安心感を持たせることが大切なのかもしれません。
偏差値39から早稲田特待生へ──二人の浪人エピソード
受験の話から、箕輪さんとけんすうさんの浪人体験に話が及びます。驚くほど似た経歴でした。
箕輪さんは中高一貫校で6年間「一秒も勉強しない」と決めていたそうです。中1から遊んでいたら中3で取り返すのは不可能だと悟り、「浪人してから本気でやる」と先生に宣言していたとのこと。現役時代はセンター試験で問題文の意味すらわからず、偏差値は39。しかし浪人して本気でスイッチが入ると勉強が楽しくなり、早稲田大学人間科学部早稲田大学の学部の一つ。所沢キャンパスに位置し、人間環境科学・健康福祉科学・人間情報科学の3学科がある。の特待生(4年間学費無料)として合格しています。
中高6年間勉強ゼロ。偏差値39。センター試験で何を問われているかわからない
浪人1年で猛勉強。早稲田大学人間科学部に特待生として合格(4年間学費無料)
けんすうさんも成城中学東京都新宿区にある私立中高一貫男子校。元は陸軍の学校をルーツに持ち、成城学園(世田谷区、共学)とは別の学校。OBに俳優の田中圭などがいる。・高校の中高一貫からほぼ同じパターンで浪人し、早稲田を中心に受験して合格したそうです。「成城っぽい、端に構えたお坊ちゃん」と箕輪さんにいじられる場面もありましたが、成城学園(世田谷区の共学校)とは別の学校であることをけんすうさんはしっかり訂正していました。
東大とか慶応の赤本だけずっと机の上に積み重ねるってギャグをやってた。本当に勉強したい真面目な子がその赤本欲しいのに使えない
二人のエピソードが示すのは、「浪人=失敗」ではないということ。追い込まれてからスイッチが入る人間もいるし、一度挫折したからこそ次に全力を出せることもあります。相談者の娘さんにとっても、今の結果がすべてではないかもしれません。
契約終了で人生最大のピンチ──最悪のケースをリアルに想定する方法
契約社員だったのですが、3月末で契約が終了することになりました。理由を聞いても詳しく教えていただけず、自分が期待に応えられなかったのか、何か他に理由があるのかわからずじまいです。あと1ヶ月で転職をしないといけなく、人生最大のピンチを迎えました。動揺しています。こういう時どうしたらいいのですか?
過去への執着を今すぐ捨てて、輝かしい未来だけを見据えて行動開始してください。
AIの回答に箕輪さんは「大したこと言わねえな」とバッサリ。そこから語られたのが、箕輪さん流の「最悪のケース想定法」です。
ポイントは、最悪が重なった場合をとことんリアルにシミュレーションすること。たとえば「最悪の場合は生活保護になる」とだけ思うのではなく、実際に申請の方法を調べ、月にいくらもらえるのか、どんな場所に住めるのか、何が食べられるのかまで具体的にイメージする。すると「最悪でもここか」という底が見えて、漠然とした不安がかなり軽減されるそうです。
けんすうさんも「不安って何が不安だかわからないところから来る」と同意。同時に、契約社員の契約終了は「自分が悪いから」とは限らず、会社の予算削減などなんとなくの理由であることも多いので、あまり自分を責めすぎないことも大切だと補足します。
箕輪がスマホにメモする「人生のアキレス腱」
契約終了の相談から派生して、箕輪さんの日常的な習慣が明かされます。炎上や週刊誌報道などを経験してきた箕輪さんは、スマホのメモアプリに「今の自分の人生のアキレス腱はどこか」を毎日のように書いているそうです。
今ここがアキレス腱だ、人生の、みたいな。ここ突かれたらやばいとか。ここ突かれたら訴えるとか
不安な時はまず「何が不安なのか」をメモに書き出す。漠然とした恐怖を言語化し、整理するだけで、課題が明確になり、対処可能なタスクに変わるという考え方です。
そしてここで、けんすうさんが「最悪のケースってやっぱり起こらないんですか?」と質問。箕輪さんの答えは明快でした。
「不安の9割は起こらない」という有名な言葉がありますが、箕輪さんの実感は真逆。「起こらないと思ったもの全部起こってる」と断言します。ただし、だからこそ事前に最悪を想定しておくことに意味がある。最悪が起きてしまった後に状況を整理し、「あとはやっていくだけ」と切り替えるのが箕輪流の危機管理術です。
内定辞退→無職→妻に嘘──追い込まれないと本気を出せない人種
転職先から内定をもらい退職を伝えたが、有給消化中に「次の仕事つまんなそうだな」と思って内定辞退。辞めることだけ確定して行き先がない。失業手当が50万ぐらい入るので妻には「起業でもする」と言ったが、やりたいことは特にない。有給消化の残り日数が減るにつれ怖くなってきた。ここからどうしたらいいか?(※家族に「同僚の送別会がある」と嘘をついてこのイベントに来ている)
公開収録ならではの展開で、相談者の角井さんは会場にいました。箕輪さんは顔を見た瞬間に「全然反省してない。そんな俺っていう悦に入っちゃってる」と指摘。さらに「髪セットしてきてるじゃん」とツッコみます。
しかしそこから箕輪さんの分析は意外な方向へ。角井さんは自分の実力に自信があるからこそ内定を辞退したのであり、「このまま転職先に行ったら自分が死ぬ」と本能で感じ取って、あえて自分を追い込んでいるのではないか──という読み解きです。
彼は多分、今までの人生で追い込まれた時に成果を出してる。失業手当とか妻にバレるとか、自分をギリギリのところに追いやって、何かをやろうとしてる
箕輪さん自身も「ヒットを出している時は全て追い込まれていた」と振り返ります。お金がなかった時、文春砲週刊文春によるスクープ報道の通称。芸能人・政治家・経営者などのスキャンダルを報じることで知られる。箕輪さんも過去に報道の対象となった。の後──「ヒット出さなきゃ自分の存在が認められない」と追い込まれた時にこそ、一文字一文字にこだわり、結果として本が売れたとのこと。
けんすうさんも「やらなきゃいけないし、面白くならなきゃいけないと思っているが、このままだとダメだと感じて、あえてリスクを取って追い込んでいる」と理解を示します。無謀に見える行動の裏に、「安定を選んだら本気が出せない」という自己認識があるのかもしれません。
5万円×6社で月30万──雇われるより業務委託の方が敷居が低い
契約終了の相談に対し、箕輪さんが提示したのが「5万円ビジネス」という考え方です。
1社に正社員として雇ってもらうのはハードルが高い。企業にとっても月30万円を1人に払い続ける正社員雇用はリスクが大きいからです。しかし「月5万円の業務委託」なら、企業側も気軽に発注できる。それを6社から受ければ月30万円、8〜10社なら40〜50万円になります。
月30万円を1社から得る
企業にとって雇用リスクが大きい
採用のハードルが高い
月5万円×6社=30万円
企業にとって発注しやすい
仕事を得る敷居が低い
けんすうさんも「マジでわかる」と強く同意。「みんな雇われようとするとすごい大変な交渉になるけど、5万円くださいの仕事は結構気軽にもらえる。フリーランスとか業務委託が怖いからみんな選択肢に上がらないだけ」と補足します。
契約社員として1社に依存していた状態から、複数社と業務委託で関わる働き方へ──見方を変えれば、契約終了は新しい働き方に移行するきっかけにもなり得ます。
まとめ
初の公開収録となった今回は、3つのリスナー相談を通じて「不安との向き合い方」「追い込まれた時の力の出し方」「働き方の固定観念を外すこと」が語られました。
箕輪さんの「最悪は必ず起こる」という言葉は一見厳しいですが、だからこそ事前に最悪を想定し、メモに書き出して言語化しておくことで、実際にそれが起きた時にパニックにならず「やっていくだけ」の状態に持っていける──という実践的な知恵でもあります。
そして「追い込まれないと本気が出せない」という人間の性質を否定するのではなく、むしろ肯定した上で「どう活かすか」を考えるスタンスが、二人の相談回答に共通していました。受験、失業、内定辞退──どんな局面でも、底を知ることが次の一歩につながるのかもしれません。
- 受験に落ちた子どもには「どっちでもいいんだぞ」と結果より過程を認める声かけが大切。ただし「大丈夫だよ」が無責任になるリスクも意識する
- 不安な時は「最悪の最悪」をリアルにシミュレーションする。漠然とした恐怖を具体的な数字に変えることで、底が見えて行動に移せる
- 箕輪さんはスマホのメモに「人生のアキレス腱」を毎日書いて整理している。不安の言語化が危機管理の第一歩
- 「不安の9割は起こらない」は箕輪さんの実感では嘘。最悪は起こるからこそ事前の想定と、起きた後の立て直し力が重要
- 追い込まれないと本気が出せない人もいる。安定を手放すことで逆にスイッチが入るタイプには、リスクを取ること自体が戦略になり得る
- 正社員として1社に30万円もらうより、月5万円の業務委託を6社から受ける方が敷居が低い。働き方の固定観念を外すことが重要
