上司を共犯者に変える交渉術と、いじめられない武装──箕輪厚介・けんすうが語る人生のリアル
編集者・箕輪厚介さんと、アル株式会社代表・けんすうさんが、AIの「ご神託」をもとに自由にトークする箕輪・けんすうのご神託ラジオ。今回はリスナーからの3つの相談に答える形で、「上司と意見が合わない時の処世術」「いじめられやすい体質の対処法」「難病宣告後の生き方」について語りました。その内容をまとめます。
上司の方針を無視してもいい?──共犯者を作る技術
自分が本当にクライアントのためになると考える提案と、上司が会社として提案したい方向が異なる時、どちらに寄って進行するのがベターですか?
上司と意見が合わない──働いていれば誰もが経験する場面です。AIの回答は「上司の方針を優先して、その中で最善を尽くす」という保守的なものでしたが、箕輪さんとけんすうさんは別のアプローチを提示しました。
A案とB案で悩んでて、B案の方がいいと思うんすよって言って、A案の方がいいって言われたら、「確かにそうっすね」って言ってB案を進めるんです。
箕輪さんの方法は明快です。上司の意見を一度受け止めつつ、自分が正しいと思う案を実行する。ただし、ここで最も重要なのは「必ず成功させること」です。
ステップ1:意見を受け止める
「確かにA案の方がいいですね」と同意を示す
ステップ2:自分の案を実行する
上司の指示は無視して、B案を進める
ステップ3:成功させて感謝を伝える
「〇〇さんのおかげでうまくいきました」と手柄を渡す
成功すれば上司は自分が承認したかどうかも曖昧になり、部下の功績を自分の成果として受け取ります。失敗した時は「あいつが勝手にやった」と言い訳できるため、実は上司もそれほど困らないのです。
けんすうさんもリクルート時代に似た経験をしています。定例会議が水曜日だったため、木曜日からプロジェクトを開始し、次の水曜日までにリリースを完了。会議では既にPVが出ている状態で報告したそうです。
次のミーティングで「PVこんだけ出てます」って言うと、もうなんかみんな自分が承認したかどうかもう忘れてるので、それ見ながら議論になるんですよね。
上司を共犯者にする
箕輪さんが最も強調したのは「上司を共犯者にする」という手法です。幻冬舎の見城徹見城徹(けんじょう・とおる)。幻冬舎創業者・代表取締役社長。『たった一人の熱狂』などの著書があり、箕輪さんの上司にあたる。さんに副業を認めさせた際のエピソードが印象的でした。
オンラインサロンを始めた箕輪さんは、幻冬舎が副業OKか不安になりました。そこで見城さんとの食事の席で「著者は本だけでは食っていけなくなる。コミュニティが必要だ」と話し、一回目のゲストに見城さんを招待したのです。
一回目のゲストに来ていただくとかは大事なんですよ。共犯者にするってこと。
その後、就業規則で副業が禁止されていることが判明しましたが、既に見城さんが参加していたため「俺も知らなかったからいいよ」となったそうです。
けんすうさんも「上司を出世させる人が一番出世する」と補足しました。成功を上司のおかげにすることで、結果的に自分も評価されるという構造です。
舐められやすい人が持つべき武装
昔から地味な単独いじめや嫌がらせのターゲットにされがちで困っています。特に周りが「あの人がこんなことするの?」と驚くようなタイプの人の悪意を覚醒させてしまいがちです。どこに行っても「あの人には何してもいい」という空気を作られてしまう。お二人が相手に「こいつには踏み込んじゃいけない」と思わせるために意識的にやっている武装があれば教えてください。
いじめやハラスメントのターゲットにされやすい──これは深刻な悩みです。AIは「沈黙で受け流し、射抜くような視線を向ける」という回答でしたが、お二人はもっと実践的な対処法を語りました。
コミュニティには「いじられ役」が必要
箕輪さんは、村社会やコミュニティには「いじられ役」が必要だという構造を指摘しました。男子校時代、クラスでは半年に一回誰かがいじめのターゲットになっていたそうです。
村社会において、いやコミュニティにおいて、一人舐める人が、いじられがいないと回らないんですよ。で、その人を誰にするかっていう順番、当番制で、それを受け入れがちな人っていうのがいるっていう構造です。
現在の経営者仲間のグループでも、令和トラベルの篠塚さん篠塚孝哉。株式会社令和トラベル代表取締役。旅行業界で活動する経営者で、箕輪さんの経営者仲間グループの一員。が「いじられ役」になっているそうです。本人は優秀なのに、返しが下手で面白くないため、グループの緩衝材のような役割を果たしているといいます。
箕輪流・いじめ対処法:殴る
箕輪さん自身も高校時代、「箕輪臭い」といじられた経験があるそうです。銀杏の季節に始まったこのいじりは、箕輪さんを深く傷つけました。
超つらかった。本当に家でもすごい辛かった。悲しくて、寝る時とかも、え、学校行きたくない、だって俺人気者なのに、なんか急にこんなノリになったの?みたいな。
そして箕輪さんがとった行動は、浜松町駅で仲間の一人を地面に押し倒して殴り続けることでした。「本当にお前絶対に許さないからな」と伝えた結果、いじりはなくなったそうです。
現在のビジネスインフルエンサー界隈でも、箕輪さんはいじられると「マジで?なんでいじってんの?」と本気で怒るそうです。「やばいというか、俺別にいじられるキャラじゃないぞと。なめんなよっていうのは大事かも」と語りました。
けんすう流・武装:ネットに書く
けんすうさんの武装は別の形でした。「ブログとかにそんなに裏であったこと書かないのに、書くタイプだと思われてて」という状況が、結果的に予防線になっているそうです。
なんかあったらネットにさらしそうというイメージが先行した結果、あんまりないんですよ。その代わりなんか会社と契約する時にめっちゃブログに書くなという契約が入れられたりしますね。
実際には書かないのに、「書くかもしれない」というイメージがキャラクターとして定着することで、周囲が慎重になるという効果です。
明日死ぬとしたら──難病宣告と向き合う
今年の夏に脳梗塞がきっかけで難病が見つかりました。患者の平均寿命は48歳で、現在国内で同じ病気は20名ほど。ほぼ突然死になるのを覚悟しておくことと言われていて、状況的にそれが明日になってもおかしくない。どう終活すればいいのかピンと来ません。今は小さな和食屋を営んでいて、夢を叶えたばかりなので通常通り生活してるけど、それがいいのかなという結論です。お二人が明日死ぬかもしれないという覚悟をして生活しないといけないと仮定すると、どういう日々を送りますか?また、夜に寝るのが毎日怖いです。怖さを軽減できそうなことが思いついたら聞いてみたいです。
深刻な相談ですが、お二人の答えは意外にシンプルでした。「変わらない」というものです。
変わんない気がするけどな。だから恵まれてるんでしょうね。ってかやりたいことしかやってないから。
箕輪さんは、明日死ぬとしても、一ヶ月後でも、一年後でも、令和の虎にも出るし、発言もすると答えました。普段からやりたいことだけをやっているため、死が近づいても劇的には変わらないというのです。
けんすうさんも同様でした。「結局そこでダラダラ旅行してもなんか満たされるかというとそうでもないので、今の仕事をやりきるみたいなことをやりそうな気しますね」と語りました。
やりたいことしかやってないから変わらない。子供や好きな人と一緒にいる。令和の虎にも出る。
旅行しても満たされない。今の仕事をやりきることが一番大事。
お二人が共通して強調したのは、「このPodcastが人生で一番大事」という点でした。やりたいことを今やっているからこそ、死が近づいても変わらないという結論です。
そして箕輪さんは最後にこう付け加えました。「これで死ななかったらさ、最高の話だよ」──難病を抱えながらも夢を追い続ける相談者への、希望を込めたメッセージでした。
まとめ
今回の収録は昼酒を飲んだ箕輪さんと、公開収録という珍しいスタイルで行われました。途中からロフトプラスワン的な雰囲気になりつつも、リスナーの深刻な悩みに真剣に向き合う姿が印象的でした。
上司との対立、いじめ、難病──どれも簡単には答えが出ない問題です。しかし、お二人の回答に共通していたのは「自分の人生を主体的に生きる」という姿勢でした。
上司の指示を無視してでも正しいと思うことをやり、成功させて手柄を渡す。いじられたら本気で怒り、境界線を示す。そして、死が近づいても変わらずやりたいことをやり続ける。
理想論ではなく、実践してきた人間の言葉だからこそ、重みがあります。
- 上司と意見が合わない時は、一度受け止めつつ自分の案を実行し、成功させて手柄を渡す「共犯者作り」が有効
- いじめやハラスメントのターゲットにされたら、本気で怒り「いじられキャラじゃない」と境界線を示すことが重要
- 明日死ぬとしても変わらない生活を送れているなら、それが最高の終活。やりたいことを今やることが全て
- 組織には「いじられ役」が必要という構造を理解しつつ、自分がその役割を受け入れるかは選択できる
