「忙しい」をドイツ語で言い換える力
今回のテーマは、忙しい人におすすめの学習法や学習習慣です。
まず「忙しい」をドイツ語で確認します。基本の表現は Ich bin beschäftigt. で、英語の I'm busy にあたる言い方です。
ただ、komachiさん自身がよく使うのは Ich habe viel zu tun. の方だといいます。beschäftigt は何かに従事して忙しい感じ、Ich habe viel zu tun. はやることに追われている感じで、後者の方が自分の状態に近いそうです。
ここで話は「言い換え力」に広がります。単語を思い出せずに「言えない」となってしまう人が多いですが、それはもったいないと話されています。
忙しいっていう単語知らなくても、一番簡単な言い方は Ich habe keine Zeit. 私は時間がない。これだけでも十分ですよね。
ほかにも Ich muss viel arbeiten.(たくさん働かないといけない)や Ich habe viele Hausaufgaben.(宿題がたくさんある)など、状況を具体的に描写すれば十分伝わります。
忙しい理由をドイツ語で説明すれば、beschäftigt を知らなくても表現できます。言い換えできないか何度も確認してほしいと話されています。
ポイント1 勉強の優先順位を決める
一つ目のポイントは、勉強の優先順位を決めることです。これが一番大事だといいます。
komachiさん自身も、子育てが始まってから忙しさが増えたと話します。それでも仕事も子育ても語学学習もプライベートも、と欲張って続けているそうです。
もったいないと感じるのは、「話せるようになりたい」という生徒さんが、文法書や単語帳、Duolingoばかりをやっているケースです。Duolingoスマホやパソコンで学べる無料の語学学習アプリ。ゲーム感覚で単語や文法に触れられる。
話す練習を一切していないってことになって、あんまり(会話に)つながらないですね。
komachiさんが実際にやっているのは、強制的にオンラインレッスンを入れて、会話をせざるを得ない環境を作ることです。独り言では続かないので、相手がいる先生と話す形にしているそうです。
忙しい人ほど、レッスンが仕事から離れる息抜きにもなるといいます。英語も週に一回45分のオンラインレッスンを受けているそうです。
前日は仕事が忙しくてキャンセルしようか直前まで迷ったものの、受けたら結局よかったと感じたと話されています。
さらに、話せるレベルに達するにはたくさんの失敗が必要で、その失敗の総量は人によってあまり変わらないと考えているそうです。だからこそ失敗の経験値を貯めることが大切だといいます。
前日のレッスンでは、アメリカ人の先生が言う「シーマネ」が「彼女は」+「お金」に聞こえて悩んだものの、話の流れから島根県のことだと気づいたそうです。
こうした気づきは対人コミュニケーションでこそ生まれます。だからオンラインレッスンなどを活用するとよいと話されています。
ポイント2 参考書は一冊をやり込む
二つ目のポイントは、参考書に複数手をつけず、一冊をやり込むことです。
いろいろな参考書を全部やろうとすると、限られた時間では中途半端になりやすく、結局身にならないといいます。これと決めたものを最後までやり込むのがおすすめです。
参考書の選び方として、二つのパターンが紹介されています。
一つ目は、四技能を満遍なく学べる参考書です。おすすめ度はこちらが高いといいます。四技能聞く・話す・読む・書くという言語学習の4つの能力のこと。バランスよく伸ばすことが重視される。
これは語学学校やレッスンで使う教科書にあたることが多く、Schritte、Menschen、Begegnungen といったドイツ出版のオールドイツ語教材が定番として挙げられました。
これらを暗記するくらいの勢いでやり込むのが一番おすすめだといいます。
二つ目は、完全独学でやりたい初級者向けの文法演習書です。手を動かして書き込めるものがよいそうです。
日本語出版のものでは「しっかり身につくドイツ語トレーニングブック」が挙げられました。文法を勉強して、ひたすら作文をしていくやり方です。
ドイツ出版のオールドイツ語の文法演習書では Grammatik aktiv が定番で、少し知識があって復習も兼ねたい人におすすめだと話されています。
Schritte・Menschen・Begegnungenなど。レッスン併用向けで、おすすめ度が高い。
トレーニングブックやGrammatik aktivなど。完全独学の初級者向け。
ただし文法ばかりでは意味が薄いとも話されており、忙しいなら満遍なく学べる方がおすすめだといいます。
ポイント3 隙間時間を活用する
三つ目のポイントは、隙間時間をうまく使うことです。
レッスンや演習など机に向かう勉強を木の幹にたとえるなら、隙間時間の活用は葉の部分にあたり、木を大きくするために大事だといいます。
家事やドライヤーの時間、寝る前、通勤通学など、忙しくても何かしら隙間時間はあります。そこでもドイツ語に触れることが大切だと話されています。
手はふさがっていても耳や目が使える時は、YouTubeやポッドキャストを活用しています。オールドイツ語などの音声を聞くようにしているそうです。
使い分けとして、リスニングが苦手なうちや初級のうちは字幕が見られるYouTube、少し得意になってきたらポッドキャストを聞いているといいます。
次に挙げられたのが、先ほど触れたDuolingoです。komachiさんはフランス語をドイツ語で学ぶ形で三年以上毎日続けているそうです。
ただしDuolingoだけでは意味が薄いと考えていて、一日一回までと決めています。優先順位では正直一番最後くらいの位置づけだといいます。
寝る前にベッドでSNSを見る時間に一回だけやり、日中にキャラクターから急かされる通知は見て見ぬふりをしているそうです。
Duolingoって効果あると思いますか?
コンプリートした生徒さんに聞いたところ、「直接的な効果はあまりないが、単語のいい復習にはなるかも」という答えだったそうです。komachiさんも同意見で、一日30分やるほどではないが単語の復習にはなる、という立ち位置で隙間時間に使うのがよいと話しています。
子育て中の人向けの工夫も紹介されました。数字は言語を問わず難しいので、手を洗う時にフランス語で数えたり、寝かしつけでフランス語の数字を1から100まで言ったりしているそうです。
ドイツ語では子ども向けの歌を取り入れています。手を洗う時の歌 Hände waschen, Hände waschen müssen jedes Kind を、子どもの手を洗う時に歌うのがルーティンになっているそうです。
子どもがいなくても、お風呂や寝る前に数字を数えたり歌を口ずさんだりする形で応用できると話されています。
スマホ設定とその場で調べる習慣
続いて紹介されたのが、スマホの言語設定です。学習したい言語に設定するのがおすすめだといいます。
わからなくなったら戻せばよいだけなので、一度ドイツ語にしてみてほしいと話されています。設定は Einstellungen と表示され、意味を想像しつつ辞書で確認する、という使い方をしていたそうです。
ここから次のポイントに続きます。わからないことをその場で調べることが、忙しい人にはおすすめだといいます。
時間にゆとりがある人は後で調べられますが、忙しい人は後回しにすると忘れたり「まあいっか」となったりします。だから疑問に思った時にその場で調べることが大切です。
伸びる人の特徴として、能動的に勉強していることが挙げられました。自分で疑問を持ち、それを解決していくプロセスがあるといいます。
今はChatGPTのようなAIもよくできているので、AIに聞くのでもよいそうです。一番大事なのは後回しにしないことだと話されています。
komachiさんはスーパーで買い物中でも端に寄って調べ、どうしても調べられない時はメモに残して家で調べるようにしているそうです。
ポイント5 効果が高い勉強をする
最後のポイントは、効果が高い勉強をすることです。何が効果的かは人によりますが、科学的に言われている傾向もあるといいます。
例としてよくあるのが、ドイツのニュースを流し聞きするケースです。定番として Tagesschau という番組が挙げられました。Tagesschauドイツの代表的なテレビニュース番組。日本のNHKニュースのような位置づけで、ネイティブ向けに作られている。
ただ、難しいものを流し聞きしてもノイズのように流れていくだけで、komachiさん自身がやっても効果は薄いと感じるそうです。
そこでおすすめされているのが、自分が理解できるやさしい音声をしっかり聞くことです。
Tagesschau にはやさしいドイツ語版の Tagesschau in einfacher Sprache があり、YouTubeやウェブで見られます。おおよそA2くらいのレベルで、独検3級から2級くらいでもスムーズに理解できるといいます。
難しいものを流し聞きするより、簡単だと思えるコンテンツをたくさんインプットする方がよいと話されています。
単語の暗記法やDuolingoが効果的かどうかは人によるので、試行錯誤しながら、効果があると思うものを優先順位の上位に置いていくとよいそうです。
忙しくても伸びる人の「ドイツ語センサー」
まとめとして、忙しくても伸びる人は、脳のリソースの10%くらいを常にドイツ語に向けている状態に近いと話されています。
たとえば会議で「打ち合わせ」という単語が出た時に「ドイツ語で何て言うんだろう」と思ったり、スーパーでほうれん草を見て同じように考えたりする、という感覚です。
こうした能動的な疑問が増えると、ドイツ語に触れる回数が一日に十回、二十回と増えます。一回は一分や30秒でも、塵も積もれば力が伸びていくといいます。
komachiさん自身も、ドイツ語・フランス語・英語それぞれのセンサーが常にオンになっていて、ふとした時に調べる「脳内会議」がよく行われているそうです。
忙しい人こそ、まとまった時間ではなく日常の隙間時間を生かして、一日の中でドイツ語に触れる割合をどれだけ作れるか、ゲーム感覚で楽しんでほしいと話されています。
まとめ
忙しくてもドイツ語が伸びる人は、勉強の優先順位を決め、限られた時間と隙間時間を使ってドイツ語に触れる回数を増やしています。会話練習で失敗の経験値を貯め、参考書は一冊をやり込み、やさしい音声を大量に聞き、疑問はその場で調べる。日常の中に「ドイツ語センサー」を持つことが、忙しさの中でも伸びる鍵だと話されました。
- 目標が「話せるようになりたい」なら、会話練習を優先順位の上位に置く。
- 参考書はあれこれ手を出さず、一冊を暗記する勢いでやり込む。
- 家事や寝る前などの隙間時間に、音声・アプリ・数字や歌でドイツ語に触れる。
- 難しいものの流し聞きより、理解できるやさしい音声をたくさん聞く。
- 疑問は後回しにせず、その場で辞書やAIで調べる習慣をつける。
