今年度から始まった「学校薬剤師」という役割
たいぞーさんは、薬局で在宅医療や外来患者への対応をしながら、社内の新人育成や研修の企画・講師なども担っている薬剤師です。
今回のエピソードでは、今年度から新たに始めることになった学校薬剤師という活動を入り口に、薬との向き合い方について考えを語っています。
学校薬剤師は、小学校や中学校、高校、保育園や幼稚園などの衛生管理を担う役割だと説明されています。
具体的には、水道の水質調査、プールの授業がある場合のプールの水質調査、給食の食器の衛生管理、教室の明るさや二酸化炭素濃度の測定などを行うとのことです。
こうした調査を通して教育環境の状況を把握し、問題があれば教育機関と一緒に改善策を検討していくのが、学校薬剤師の仕事だと語られています。
薬物乱用防止教室で語られてきた「ダメ。ゼッタイ。」
学校薬剤師として教育機関に関わる中で、たいぞーさんは、学校のカリキュラムに薬の教育が組み込まれていることを知ったといいます。
薬物乱用に関する授業が、学校薬剤師に依頼されるケースがあるという話を聞いたそうです。こうした授業には、薬剤師会がプレゼンテーション資料などをサポートとして用意してくれることもあると紹介されています。
先日、たいぞーさんは、薬物乱用教室を実際に行っている人の内容や、薬剤師会が提供している資料を見る機会があったと話しています。
自身が小中学生だった頃を振り返ると、薬物乱用教室のようなものがあったことをうっすら覚えている、とも語られています。
たばことか麻薬、覚醒剤みたいなものに手を出したらダメだよ、みたいなような話を聞いたのを覚えています。
麻薬や覚醒剤などは一度始めると依存性があって危険なため、安易な気持ちで始めると抜け出せなくなる。そうした危機感を伝えることが、乱用の入り口に入らないためのストッパーの役割を果たしていると、たいぞーさんは整理しています。
「薬は怖い」を伝えすぎると起きる誤解
一方で、こうした話を聞く中で、たいぞーさんは、自分もそういう機会があるかもしれないと考えながら、気をつけないといけない点が一つあると感じたそうです。
それは、麻薬や覚醒剤の乱用がいけないことである一方で、薬というのは怖いものなんだというメッセージを強く伝えすぎると、子どもたちに間違った誤解を与えてしまう可能性がある、という懸念です。
乱用される薬剤については、近年は市販薬のオーバードーズも問題になっており、そうした使い方は体にも社会生活のバランスにも良くないため、避けたほうがよいことだと述べられています。
ただし、薬が怖いというメッセージを伝えすぎると、本当に治療に必要な薬に対してまで、必要以上に怖いという印象を与えてしまいかねない、とたいぞーさんは指摘しています。
薬を使う病気になって、本当に必要な薬に対しても怖いというような、あの印象を与えてしまいかねないんじゃないかな。
目指すのは「怖がらせる」ではなく「上手に付き合う」
この気づきから、たいぞーさんは、乱用防止で大切なことは何なのかを改めて考える機会になったと語ります。
薬を怖いものだと認識させることで乱用を防ぐのではなく、薬は適切に使うことが大切なんだということが上手に伝わるようにしなければならない、というのがたいぞーさんの考えです。
そのため、薬と上手に付き合うにはどうしたらいいかを子どもたちにも考えてもらう。乱用教室がそうした機会になるとよいと述べられています。
乱用を防ぐストッパーにはなるが、治療に必要な薬まで過度に怖がらせる誤解を生みかねない
必要な時には薬に頼り、過剰には頼りすぎない。薬との適度な距離感を育てる伝え方
必要な時には薬に頼り、過剰に頼りすぎない。そして誤った使い方で変な頼り方をしない。こうした薬との適度な距離感を保てるようにすることが大切なのではないか、とまとめられています。
上手に付き合うためのコツがうまく伝われば、これから人生を歩んでいく子どもたちが、自分の健康を上手にコントロールしながら生活していくことを支援できるのではないか、と語られています。
学校薬剤師として、これから伝えたいこと
今年度から学校薬剤師をすることになるため、乱用教室などの機会があれば、メッセージの伝え方を自分の中で改めてブラッシュアップしていきたいと、たいぞーさんは話しています。
機会に恵まれた時にはチャレンジしてみようかなというふうに思います。
今日の放送が、子どもたちを含めた薬剤師が関わる人たちに、薬に対する適切な距離感や正しい認識を持ってもらうにはどうしたらいいかを考えるきっかけになれば、という言葉で回は締めくくられています。
まとめ
薬物乱用防止教育の「薬は怖い」というメッセージは、乱用の入り口を防ぐ一方で、治療に必要な薬まで怖がらせる誤解を生みかねません。たいぞーさんは、怖がらせるのではなく、薬と上手に付き合い、適度な距離感を保つことを伝えたいと語りました。
- 今年度から学校薬剤師として、水質調査や教室環境の管理などを担うことになった
- 麻薬や覚醒剤などの乱用を防ぐ啓発は、危険への入り口を止めるストッパーとして必要
- 「薬は怖い」と伝えすぎると、治療に本当に必要な薬まで過度に怖がらせる誤解につながりかねない
- 目指すべきは、薬を適切に使い、必要な時には頼り、過剰には頼りすぎない「適度な距離感」を育てること
- この距離感が伝われば、子どもたちが自分の健康を上手にコントロールする支援につながる



