青本とは何か、なぜ受験生のバイブルなのか
薬学で患者を語る薬剤師のたいぞーさんが、今回取り上げたのは「青本を捨ててしまうのはもったいないのではないか」というテーマです。
青本とは、薬剤師なら誰もが知る国家試験のバイブルとも言える受験参考書です。薬ゼミという国家試験の予備校が発行しています。
各単元ごとに冊子が分かれていて、辞書のような本を10冊ほど購入するとのこと。たいぞーさんは「筋トレか」というぐらい本を持ち歩いた受験時代を振り返ります。
わからないところや苦手なところを青本に直接書き込み、自分だけのオリジナル参考書を作っていく。それを多くの学生がしていたと話します。
仕事を始めても青本を使い続ける理由
たいぞーさんは薬学で患者を語ることを実践しているため、青本は今も全て家に置いてあり、必要なときに開いて内容を確認しているそうです。
「あれ、これ薬の影響どうなんやろう」とか、「これの理論ってどういう風になってたっけな」っていうようなことを振り返るのに必ず使うだろうなということを思って、未だに青本は全て家に置いてあります。
受験参考書を作る予備校のテキストだけあって、わかりやすく調べやすい形でまとまっているため、とても重宝すると話します。
そこそこの値段を払って購入したものでもあり、捨てるのはもったいないと感じながら、今でも置いて使っているとのことです。
若手が青本を手放してしまう現実
たいぞーさんは、入ってきた若手に「青本ちゃんと持ってる?」と聞くことがあるといいます。
ところが、大抵の若手は入社して働き始めるタイミングですでに青本を捨ててしまっていたり、後輩に譲ってしまっていたりして、手元にないことが多いそうです。
たいぞーさんは、これをもったいないと感じつつ、一つの薬剤師の仕事に対する認識の表れなのかもしれないと考えます。
国試が終わって「やっと勉強から解放された」と青本を手放すのは、六年間学んできた薬学を現場で使うと認識していないからではないか、という見立てです。
専門知識を使わなくても成り立ってしまう仕事
その認識でいると、現場に出てから薬学の知識を使うのは難しくなるとたいぞーさんは指摘します。
一方で、薬剤師の専門性は活かそうと思えば最大限活かせるものであり、活かすほど患者さんの薬物治療が薬剤師ならではの視点で見えてくるといいます。
ただ残念なことに、専門知識を使わなくても、今の薬剤師の仕事は成り立ってしまう側面があると話します。
処方監査
処方通りに薬を揃え、添付文書と照らし合わせて監査する
疑義照会
問題があれば添付文書の内容に従って照会する
服薬指導
提供書に記載された内容をなぞるように説明する
会話して見送る
患者さんから情報を聞き取り、心地よい会話をして帰ってもらう
それだけでも薬剤師の仕事というのは残念ながら成立してしまうというのが現状あるのではないかなと思います。
ただ、たいぞーさんは薬剤師にはもっとプロとしてやれる仕事があると考えており、その根幹にあるのが薬学だと話します。
青本を大切にすることから始まる薬学の実践
国家試験のために使った青本を手放してしまう。その認識を改めることで、薬学の専門性を活かした患者さんへの関わりができるとたいぞーさんは語ります。
時間と労力、お金もかけて学んできた六年間の勉強を現場で最大限活かし、専門性を学んだ薬剤師として患者さんに貢献する。そんな面白みとやりがいのある仕事につながる一歩が、青本を大切にすることだといいます。
モヤモヤを晴らすための二つのイベント
放送の最後には、二つのイベントの告知がありました。
一つ目は、10月25日に兵庫県姫路市で開催される日本在宅薬学会のバイタルサイン講習会です。
たいぞーさんは、専門性を活かせているか日々疑問に思い、「六年間こんなに学んできたのにもっとできないのか」とモヤモヤを抱えて働いている人に向けて紹介します。
この講習会では、血圧測定や聴診器の手技を学ぶだけでなく、薬剤師がなぜバイタルサインを学ぶのかという意義や目的も学べるとのこと。得た情報を薬学的な視点で読み解き、多職種や患者さんへ還元する実践まで含めて学べる内容だと話します。
申し込みは残り五枠となっているとのことでした。
二つ目は、9月26日の夕方3時からオンラインで開催される学生向けイベント「Tricon」です。
現場の薬剤師と一緒に症例検討をすることで、大学で学ぶ薬学を現場で実践する感覚を体感できるといいます。就職活動中の学生が多い時期でもあり、薬剤師として働くイメージの解像度を上げる機会にもつながると話します。
参加費は無料で、たいぞーさんが勤める帽子や薬局を含む全四社が合同で行うオンラインイベントとのことです。
現場の薬剤師への呼びかけ
たいぞーさんは、来週から実習も始まる時期であることに触れ、現場の薬剤師に向けて呼びかけました。
学生の方に「こんな面白いイベントあるみたいだから、よかったら参加してみたらどう?」というふうにお声がけいただけますと幸いです。
まとめ
青本を手放すという何気ない行動の裏に、薬学を試験のための勉強と捉えてしまう認識があるのではないか。たいぞーさんは、青本を大切にすることが薬学を現場で活かす第一歩になると語りました。
- 青本は国家試験のバイブルであり、たいぞーさんは今も現場の振り返りに使っている
- 多くの若手は入社時に青本を手放してしまい、そこに薬学を現場で使う認識の薄さが表れている
- 専門知識を使わなくても薬剤師の仕事は成立してしまうが、活かせばより専門的な関わりができる
- 青本を大切にすることが、薬学で患者を語る実践の一歩になる
- バイタルサイン講習会(10/25・姫路)と学生向けイベントTricon(9/26・オンライン)が告知された
