組織の中で働く薬剤師と企業理念
たいぞーさんは発信活動を続けながら、一会社員として組織の中で薬剤師の力を発揮しています。
多くの薬局が企業理念を掲げて地域で活動しているなかで、現在勤める薬局の理念は「地域一番薬局となり、地域の人々の健康に貢献します」というものだと紹介します。
この理念にとても共感していて、地域で一番になることを目指したいと話されています。
地域一番薬局となって地域の人々の健康に貢献するということは、つまり僕が日頃から発信している「薬学で患者を語る」を実践すること。ここにも通じるところがあると思っています。
前職の理念「薬に責任を持つ」とは
現在の理念に加えて、前職の中川調剤薬局での企業理念もとても好きだったと振り返ります。
その理念が「薬に責任を持つ」というものでした。
薬を扱う職種として、扱う薬に責任を持つことは至極当たり前のことにも思えます。ただ、それが具体的に何を指すのかを、たいぞーさんは大きく3つに整理して考えていたと話します。
対人業務での責任の果たし方
1つ目は、患者さんへの関わりにおける責任です。
薬剤師が専門性を活かし、患者さんの治療や人生、意思決定に寄り添う。その意思決定がよりよく尊重され、薬物治療もそれを尊重したものになるように関わっていく。これが対人業務における責任だと考えていました。
対物業務での責任の果たし方
2つ目は、患者さんに薬をきちんと渡すという、いわゆる対物業務での責任です。
たいぞーさんは、この業務を質高く、安全に、そして効率よく行うことが責任の果たし方だと話します。
対人業務にはどうしても体力や時間、気力が必要になります。それを対物業務に奪われてしまうと、患者さんに責任ある仕事ができなくなりかねません。
だからこそ質を落とさず安全に行いつつ、効率的にこなすことで時間や気力、体力を生み出す。そういう仕事の仕方が大切だと考えていたと語ります。
事業を継続することも責任のうち
3つ目は、事業を継続していくという観点での責任です。
いい医療やサービスを届けようと思うからこそ、それを地域の中で続けられるかが重要になると話します。
どれほど崇高な理念を掲げても、それが一過性で終わってしまえば本末転倒だと指摘します。
医療を必要としている人は、一度サービスを受けたら問題が解決して、しばらくいらなくなるというものではありません。お腹が空いてご飯を食べて満たされる、というような感じではないんです。
継続的に伴走し、人生に寄り添う存在がいることが大切だと話します。
そのためには薬局が事業として継続できる体制が必要で、お金の問題も切り離せません。稼ぐところできちんと稼ぎ、継続性を持った事業として行うこともまた、薬に責任を持つことの一つのあり方だと語ります。
たいぞーさんは、対人業務・対物業務・事業継続性という3つのどれか一つでは足りず、すべてを果たして初めて「薬に責任を持つ」仕事が全うできると考えていました。
対人業務の責任
専門性を活かし、患者の意思決定と薬物治療に寄り添う
対物業務の責任
薬の受け渡しを質高く・安全に・効率よく行う
事業継続の責任
稼ぐべきところで稼ぎ、地域で医療を続けられる体制をつくる
理念を軸として次の組織へ持ち込む
今は組織が変わり、たいぞーさんは新たな企業理念のもとで働いています。
それでも前職で考えていた「薬に責任を持つ」という理念は、自分の中に深く根付いていると話します。
現在の「地域一番薬局となり、地域の人々の健康に貢献します」を実践するうえでも、この視点はとても大事だと語ります。
自分の中に醸成されたこの大切な企業理念を通して得た軸を、新たな会社の中でもぶらさずに、大切な信念として持ちながら会社に、そして地域に貢献していく。
企業理念を自分の中の軸として定めること。そうすることで見えてくる薬剤師としての仕事のあり方を、改めて考えるきっかけになればと締めくくっています。
まとめ
たいぞーさんは、前職で掲げていた「薬に責任を持つ」という理念を、対人業務・対物業務・事業継続性という3つの責任として整理し、組織が変わった今も自分の軸として持ち続けていると語りました。
- 現在の理念「地域一番薬局となり、地域の人々の健康に貢献します」は、「薬学で患者を語る」の実践に通じると考えている
- 「薬に責任を持つ」とは、対人業務・対物業務・事業継続性の3つをすべて果たすことだと整理していた
- 対物業務は質高く安全に、かつ効率よく行うことで、対人業務に必要な時間や気力を生み出せる
- 医療は継続して寄り添う必要があるため、事業として続けられる体制やお金の問題も責任の一部
- 組織が変わっても、根付いた企業理念を軸としてぶらさずに持ち続けることが仕事のあり方を支える
