なぜいま業務のあり方を見直すのか
現場では、機械の導入やタスクシフトの話題がよく出るとたいぞーさんは切り出します。
背景にあるのは、令和8年の調剤報酬改定です。調剤報酬改定 ── 薬局が受け取る調剤に関する報酬の点数を定めた公定価格を、国が定期的に見直すこと。改定内容によって薬局の収益構造は大きく変わる。薬局にとって厳しい改定になっていると話されています。
だからこそ、今までの業務のあり方を見直すちょうどよい機会でもあると位置づけます。
報酬体系の変化の中で、人員不足の解消、業務の効率化、人件費の削減といった目的から、機械化やタスクシフトが語られる場面は多いのではないかと指摘します。
効率化の視点だけで業務を見直す危うさ
たいぞーさんは、こうした視点そのものはとても重要だと認めます。
業務のあり方を組み立てていかないと、事業を継続できず、患者に医薬品を供給し治療を進める場所そのものを失うことにもつながるからです。
一方で、ここだけを捉えて業務を見直してしまうと、本質を見失うことにつながるのではないかと懸念を示します。
機械化やタスクシフトの本当の意味とは
では、機械化やタスクシフトの本当の意味は何か。
たいぞーさんの考えは、薬剤師とはそもそも何をする人なのかを改めて定義することにあるというものです。
現場の業務を一つ一つ分解すると、薬剤師でなくてもできる専門性の低い仕事と、専門性が必要な仕事が見えてきます。
例えば電話やファックスのやりとりは、薬剤師でなくても担える部分があるかもしれません。一方で、患者の健康や薬に関わる専門領域は、薬剤師でなければできない仕事だと話されています。
薬剤師が抱え込む状態は専門性を活かせているのか
たいぞーさんは、業務の中身を仕分けせずに薬剤師がすべてを抱え込んだ状態を、専門性を活かしているとは言えないと指摘します。
むしろ、やらなくてもいい仕事をしている分だけ専門性が埋もれ、薬剤師を持て余している状態とも捉えられると話します。
だからこそ、機械に任せられるものは機械に、他の職種に任せられることはその人たちに任せていく。その上で薬剤師は、自分たちにしかできない仕事に集中すべきだと述べます。
そして、患者に届けられる価値を届けていくことが、薬剤師の責任として生まれてくるものではないかと語ります。
そのためには、薬剤師にしかできない仕事を全うできる仕組みや環境を作ることが大切だと強調します。
業務を分解する
薬剤師でなくてもできる仕事と、専門性が必要な仕事に仕分けする
任せられることを手放す
機械や他職種に任せられることを、それぞれに任せる
仕組みと環境を作る
薬剤師にしかできない仕事を全うできる状況を整える
専門性に集中する
薬剤師が患者に届けられる価値に集中する
薬剤師にしかできない仕事の「ど真ん中」
では、薬剤師にしかできない仕事とは何か。
たいぞーさんは、薬学的な視点で患者を見て、治療に関わることが、そのど真ん中の領域だと考えています。つまり、薬学で患者を語るという仕事をすることです。
この本質の部分が明確になると、業務は自然と整理されていくと話します。
機械や他の職種に任せられることが見えてきて、仕組みを作り、薬剤師はそれに従って専門性を発揮する。結果として無駄が減り、効率が上がり、人件費の削減や人員不足の解消にもつながっていくと述べます。
コスト削減は目的ではなく副次的な効果
たいぞーさんは、本質はあくまで薬剤師が専門性を活かして患者に健康という価値を届けることにあると整理します。
コスト削減や人員不足の解消は、副次的な効果によるものであって、それ自体が目的ではないと話します。
もし副次的なところに着目してタスクシフトを進めてしまうと、現場は疲弊してしまうと警鐘を鳴らします。
なぜなら、何を守るべきかが曖昧なまま、ただ業務だけが削られることになってしまうからです。
薬剤師の役割を定義し専門性に集中。結果として効率化やコスト削減もついてくる
守るべきものが曖昧なまま業務だけが削られ、現場が疲弊する
うまくいく「順番」と、仕組みづくりの意味
大事なのは順番だとたいぞーさんは言います。
まず薬剤師の本質的な役割を定義し、薬剤師が何をすべきかを定める。そして、そこで成果を出せる薬剤師を育て上げる。
その上で、集中するための手段として機械化やタスクシフトを考えていくと、うまくいきやすいと述べます。
この順番で進めることで、現場の質も効率も一気に上がり、薬局の価値がより一層高まると話します。
ここまで踏み込んで取り組むかどうかが、結果が出るかどうかを大きく左右すると締めくくります。今日の放送が、タスクシフトを本質の再定義の手段として捉えるきっかけになれば嬉しいと語られています。
まとめ
この回は、機械化やタスクシフトを効率化やコスト削減の話に閉じず、薬剤師の本質を定義する取り組みとして捉え直す内容でした。順番を守ることが鍵だと語られています。
- 令和8年の調剤報酬改定は、業務のあり方を見直す機会でもある
- 効率化の視点だけで業務を削ると、本質を見失う恐れがある
- 薬剤師にしかできない仕事のど真ん中は、薬学的な視点で患者を見て治療に関わること
- コスト削減や人員不足の解消は目的ではなく、副次的な効果である
- まず本質を定義し成果を出せる薬剤師を育てた上で、機械化やタスクシフトを手段として考える


