薬剤師がバイタルサインを学ぶ意味
本題に入る前に、たいぞーさんは2つの告知を紹介しています。1つは7月19日・20日に大阪のグランキューブ大阪で開催される、第19回日本在宅薬学会の学術大会です。
たいぞーさんはこの大会の実行委員として運営に関わっていると話されています。在宅の始め方や関わり方に加え、褥瘡や心不全、ACPといった専門的なテーマも学べる内容です。
この大会では、調剤事務にあたる薬局パートナー向けのセッションも2日間を通して設けられているといいます。さらに外来業務やOTC販売など、薬局運営全体を考える視点も扱われます。
もう1つの告知は、10月25日に兵庫県姫路市で開催されるバイタルサイン講習会です。血圧計や聴診器の使い方といった手技だけでなく、薬剤師がなぜバイタルサインを学ぶ必要があるのかも扱う内容だと説明されています。
たいぞーさんは、取った血圧の値や聴診した音を、そのまま情報として伝えるのではなく、薬学的な視点で読み解くことが大切だと話されています。参加枠は10名で、収録時点で4枠が埋まり、残り6名の募集とのことです。
調剤報酬から見えてくる薬局パートナーの役割
今日の本題は、薬剤師を動かすのは実は薬局パートナーだ、という話です。前日の配信で薬局パートナーの4つの役割を取り上げたことを踏まえた内容だといいます。
たいぞーさんは、今の薬局では調剤報酬に基づいて仕事をすることが大事な働き方の1つだと話されています。今年の改定でも、薬剤師が患者にどう関わったかで報酬が得られる仕組みへと変わってきているといいます。
専門的な関わりの必要性は、薬学がないと見抜けない部分もあります。しかしたいぞーさんは、調剤報酬というルールを通して見たとき、薬局パートナーにも薬剤師の仕事を積極的に促す役割があるのではないかと考えています。
薬剤師を動かして薬局の収益につなげていくというような、主体的な役割を担うこともできるのではないかなということを思ったりしています。
薬剤師も気づいていない「薬学的観点」
たいぞーさんは、具体例として薬学的有害事象防止加算を挙げます。これは処方内容について医師に疑義照会を行い、処方が変更された場合に算定できるものです。
ただ電話をして処方が変わればよいわけではなく、他の病院との重複や副作用、相互作用を解消するための介入であることが求められます。そのうえでもう1つ、薬学的観点から処方変更の必要性を感じたことも条件になっています。
たいぞーさんは、この薬学的観点の部分が最も自由度が高いと指摘します。処方変更を薬学的に考えたかどうかは薬剤師の頭の中にしかないため、薬剤師にしかわからないように見えるからです。
一方でたいぞーさんは、自身の経験から別の見方も示します。薬学的に考えているのに、薬剤師自身がその認識を持てていない場面があるというのです。
例えば、ずっと血圧の薬を飲んでいた人の処方から、急にその薬が消えていたとします。状態を聞くと血圧が低いわけでもなく、診察でやめた事実もなかったため、疑義照会をして処方が追加されたという場面です。
この薬が消えていた原因が、医師のパソコン操作のミスだったとすると、薬剤師は「なかったから聞いただけ」と言うかもしれません。しかしたいぞーさんは、その判断の裏にある思考に注目します。
薬がきちんと効いて状態が安定しているなら、継続する必要があるのではないか。そう考えて疑義照会をしているなら、そこには薬学的観点があると見なせる要素があるのではないか、という見方です。
薬局パートナーの一声が専門性を自覚させる
たいぞーさんは、保険請求では支払基金の判断もあるため、必ずしも算定できるとは限らない点を承知しておいてほしいと補足しています。そのうえで、業務の中身として薬学的観点はあるのではないかと話されています。
ここで薬局パートナーの役割が見えてきます。薬剤師が「算定要件を満たしていない」と言ったときに、薬局パートナーが問いかけをするという場面です。
あれ、これ必要性、薬剤師さん判断したんじゃないんですか。
これって効果が出てるかどうかって、薬学的な視点で考えたからこそ必要だと思ったんじゃないんですか。
こう問いかけられると、薬剤師も「言われてみればそうだ」と、自分が活かしている専門性に気づけることがあるといいます。声をかけてもらうことで、はっと自覚できるという見立てです。
たいぞーさんは、そうした気づきによって薬剤師は自分の専門性が思わぬところで使われていると自覚でき、より専門性を意識した業務ができるようになると話されています。薬局のサービスの質は、この一声で大きく変わるといいます。
処方の疑問
薬剤師が疑義照会を行い処方が変更される
薬局パートナーの問いかけ
薬学的に判断したのではないかと声をかける
薬剤師の気づき
自分の専門性が活きていたと自覚する
サービスの質
専門性を意識した業務へと変わる
前職で実感した優れた薬局パートナーの存在
たいぞーさんは、薬剤師に専門性を使わせるのも薬局パートナーにできる役割だと話されています。前職では、一緒に働いていた優秀な薬局パートナーたちがそうした役目を担ってくれていたと振り返ります。
そうした人たちがいたからこそ、自分は専門性を活かして働けていたと今も感じているといいます。前の職場では日々の業務の中で、そうしたやり取りが毎日繰り広げられていたそうです。
たいぞーさんは、薬剤師にそんなことは言えないと感じる人もいるかもしれないと話されています。ただ、伝える時にはポイントがあり、学術大会の座談会でそうした議論ができる場も設けているといいます。
まとめ
たいぞーさんは、調剤報酬の薬学的観点を切り口に、薬局パートナーが薬剤師の専門性を引き出す役割を語りました。一声かけることで薬剤師が自分の専門性に気づき、薬局のサービスの質が変わるという視点が示された回です。
- 今の薬局では、調剤報酬に基づいた働き方が重要になっている
- 薬学的有害事象防止加算には、薬学的観点からの処方変更という条件がある
- 薬剤師自身が、活かしている専門性に気づいていない場面がある
- 薬局パートナーの問いかけが、薬剤師の専門性の自覚を促す
- 優れた薬局パートナーの存在は、薬剤師の専門性を活かすうえで大きい
