なぜかワールドカップの情報が入ってこない
番組冒頭でたいぞーさんは、サッカーワールドカップが開催中で日本全国が盛り上がっている一方、自分にはその情報がほとんど届いていないと打ち明けます。
もともとサッカーへの興味が薄く、家ではテレビを子どもたちがほぼ独占しているため、ニュースを見る機会も少ないと話します。
ただ、それだけでは説明がつかない点にたいぞーさんは注目します。以前なら興味が薄くても、ネットやテレビからワールドカップの情報が自然と流れてきたというのです。
人生37年生きてきて、ワールドカップが開催されている時はなんとなくでも情報を得ていたと思うんですが、今回に関しては本当に全くもって情報が入ってきていなくて。
Xやおすすめのニュースでもワールドカップの情報が流れてこない。この変化からたいぞーさんは、ある仕組みの存在に気づきます。
気づかせたのはレコメンドとフィルターバブル
たいぞーさんは、この現象の背景にレコメンド機能があると指摘します。興味のある情報に合わせて情報が届く仕組みが、逆に興味のない情報を遮断していたというわけです。
そしてこの状態が、フィルターバブルとして以前から課題視されてきたことに触れます。
自分の関心のある情報しか入ってこないと、たとえ自分の認識が間違っていても正しいと思い込んでしまう。たいぞーさんは、ワールドカップの情報が届かない自分の体験を通して、この偏りを実感したと語ります。
患者が触れる薬の情報にも同じことが起きる
ここからたいぞーさんは、話を薬剤師の仕事へとつなげます。今は患者さん自身がスマホで薬や病気のことを調べるのが日常的になっているためです。
そこにレコメンドやフィルターバブルが働くと、患者さんは自分が知りたい医薬品情報にしか触れられなくなる。これには良い面も悪い面もあるといいます。
たとえば副作用が気になる患者さんは、副作用に関する情報ばかりを調べることになります。すると、その人のもとには副作用の情報が次々と集まってきます。
その結果、薬は危険なものだという認識が固定化され、服薬の拒否や治療がうまく進まない事態につながりかねないと、たいぞーさんは懸念します。
不安のある検索
副作用が気になり、副作用の情報を繰り返し調べる
レコメンドの作用
同じテーマの情報ばかりが集まってくる
認識の固定化
薬は危険だという考えが固まる
行動への影響
服薬拒否や治療の停滞につながりかねない
情報の背景を前提に患者と関わる
たいぞーさんは、患者さんにこうした状況が見られたとき、正しい薬の情報を知ってもらうのも薬剤師の役割だと考えています。
ただし、その関わりでは、患者さんがフィルターバブルに陥っている可能性を念頭に置くことが大切だといいます。
患者さんの中には、自分で調べてたくさんの情報にアクセスできたという実感があり、それが考えの根拠になっているからです。
この根拠を無視して頭ごなしに否定すると、患者さんは「こっちは根拠があるんだ」と反発し、薬剤師との関わりそのものを断ってしまう恐れがあります。
たいぞーさんは、正しい情報を知ってもらい正しく薬を使うことは大事だとしたうえで、患者さんがどんな背景で情報を得ているかにも目を向ける必要があると話します。
まとめ
たいぞーさんは、ワールドカップの情報が自分に届かないという身近な体験から、レコメンドやフィルターバブルが患者さんの情報環境にも影響していることを語りました。情報そのものだけでなく、その背景に目を向けて患者さんと関わる大切さを伝える回でした。
- 興味のない情報が届かなくなる現象の裏には、レコメンド機能とフィルターバブルがある
- 患者さんは自分が知りたい薬の情報にしか触れられず、認識が偏ることがある
- 副作用ばかり調べると薬は危険という認識が固定化し、服薬拒否につながりかねない
- 患者さんの考えには本人なりの根拠があり、頭ごなしの否定は関わりの断絶を招く
- 情報の内容だけでなく、患者さんが情報を得ている背景にも目を向けて関わることが大切
