薬局パートナーという呼び方の提唱
今回のテーマは、薬局における調剤事務スタッフの役割です。受付をして処方内容をパソコンに入力する作業を思い浮かべる方も多いかもしれません。
ただ、たいぞーさんは、この職種をとても可能性の大きい仕事だと考えています。
「薬局パートナー」という呼び方は、たいぞーさんが実行委員を務める日本在宅薬学会の中で、調剤事務スタッフの新たな名称として提唱しているものです。
最近は処方入力や保険請求だけでなく、ピッキングなどの調剤業務のサポートに関わる人も増えてきていると話します。
だんだんなんか、この仕事って薬剤師の下請けみたいな仕事なのかなというふうにも見えてくる側面も実際あるんじゃないかなというふうにも思います。
しかし、たいぞーさんは、薬局パートナーは薬剤師の下請けにとどまる職種ではないと考えています。以前の会社でこの職種の可能性を考え続けた結果、役割は大きく4つに分かれると整理しました。
プレイヤーとしての役割
1つ目はプレイヤーとしての役割で、患者さんに直接対応する仕事です。
この領域は薬剤師の専門領域と重なる部分もありますが、資格を取ればOTC販売ができますし、栄養士の資格を持つ薬局パートナーであれば栄養指導を患者さんに直接行うこともできます。
健康相談についても、答えを出すことはできなくても、話を聞いて情報を整理することはできると話します。
たとえば、介護支援を受けるにはどうすればよいかといった相談は、薬剤師でなくても対応できる仕事だと言います。
サポーターとしての役割
2つ目はサポーターとしての役割です。これは薬剤師が専門性を発揮しやすくするための関わりで、たいぞーさんが前の会社で特に重宝した存在だといいます。
具体的には、患者さんから的確に情報を聞き取って薬剤師に共有したり、患者さんの様子から気づいたことをそっと伝えたりする役割です。
たとえば、最近腰が曲がって息切れもしてしんどそうだ、といった気づきを共有してもらえると、薬剤師はそこから薬との関係を考え始められます。
いま飲んでいる薬がうまく効いていないのかもしれない、副作用が出ているのかもしれない、と一歩踏み込んだところから患者さんに関われるようになります。
つまり、薬剤師が自分で気づくために使う「考える体力」を一つ減らし、より本質的な薬学の専門性に集中できるようにする役割だといいます。
将来的には、セルフメディケーション関連機器を活用して、患者さんの客観的情報を主体的に集めて薬剤師に共有する役割も担えるのではないかと展望を語りました。
オペレーターとしての役割
3つ目はオペレーターとしての役割で、業務全体を支える裏方の仕事です。いまの調剤事務の業務の多くはここに含まれます。
調剤補助、在庫管理、レセ入力、処方箋の取り扱い、保険請求、書類の整理整頓などが挙げられます。
これらは一見すると下請けのように感じるかもしれません。しかし、この仕事がなければ薬剤師自身がそこに手を出すことになります。
そうなると薬剤師の時間が奪われ、患者さんに関わる時間が減ってしまいます。
マネージャーとしての役割
4つ目はマネージャーとしての役割で、店舗運営に関わる仕事です。たいぞーさん自身も店長として働いていますが、店長業務のほとんどは薬剤師の専門性がほとんど要らない仕事だと考えています。
こうした運営業務を薬剤師が担っている薬局は多いといいます。しかし薬剤師以外の職種が担えば、薬剤師はもっと専門的な領域に力を発揮できます。
さらに、店長に昇格していく人は、現場で臨床的な関わりに成果を上げている人が少なくありません。
そうした人が運営業務に手を取られると、質の高いサービスを患者さんに届けられなくなる。これも大きな課題だと指摘します。
店舗運営業務を薬剤師以外のスタッフが担うことは、薬局が届けるサービスの質を上げる意味でも重要だと話しました。
プレイヤー
患者さんに直接対応する
サポーター
薬剤師の専門性発揮を支える
オペレーター
業務全体を支え時間を生む
マネージャー
店舗運営を担い質を高める
薬局パートナーが薬局の質を左右する
これら4つの役割を通して見ると、薬局パートナーがどのような役割を担うかは、薬局のサービスの質を大きく左右するとたいぞーさんは考えています。
そして、さまざまな役割を担える可能性の多い職種だとも語ります。
日本在宅薬学会の学術大会では、こうした役割を多面的に学べるセッションが多数設けられており、薬剤師だけでなく薬局パートナーの参加も呼びかけています。
まとめ
薬局パートナーは受付や入力だけの仕事ではなく、プレイヤー・サポーター・オペレーター・マネージャーという4つの役割を担える可能性の大きい職種だと語られました。それぞれの役割が、薬剤師の専門性発揮と薬局のサービスの質を支えています。
- 調剤事務スタッフを「薬局パートナー」と呼び直し、可能性を捉え直す提唱がある
- 4つの役割は、患者対応・薬剤師支援・業務運営・店舗運営に分かれる
- オペレーターの仕事は下請けではなく、薬剤師を患者の元へ送り出す本丸の役割
- 店舗運営を薬剤師以外が担うことで、薬局全体のサービスの質が上がる
