バイタルサイン講習会の告知と経過観察の重要性
番組冒頭では、10月25日の日曜日に兵庫県姫路市で開催される、日本在宅薬学会のバイタルサイン講習会が告知されました。
たいぞーさんは、令和8年の調剤報酬改定で、患者を経過的に見ていくことが薬剤師の役割として評価されるようになった点に触れます。
患者の情報や状態を薬学的な視点で読み解くことが大切であり、そのための手段としてバイタルサインの手技を学ぶ意義があると話されています。
講習会では手技だけでなく、なぜ学ぶ必要があるのかという社会的背景や調剤報酬の成り立ち、現場での実践方法までを含めて学べる5時間のセミナーになっているとのことです。
参加枠は10枠の少人数制で、収録時点で4枠が埋まっていると案内されました。
AI活用シンポジウムで語られた「目的化させない」視点
本題では、たいぞーさんが実行委員を務める日本在宅薬学会学術大会での学びが共有されます。
たいぞーさんはシンポジウムのオーガナイザーを担い、「医療現場におけるAI活用」をテーマに企画したと話します。
このシンポジウムは、AIを使えば便利で楽になるという話だけでなく、薬剤師の専門的な能力がより発揮できるAI活用とは何かを考えるきっかけを目指したものでした。
その中で語られたのは、AIをどう使うかを考える前に、まず自分たちがどういう医療をしたいのかを問うことの大切さです。
やりたい医療のなかで、どこに課題があり、AIを使うことでどの課題を解決できるのか。そうした視点を持って導入することが必要だと話されています。
AIを使うことそのものが目的化してしまわないようにするということが大事だ
AIに任せることと薬剤師がすることの切り分け
AI導入を考えるときには、AIに何を任せ、薬剤師は何をするのかをきちんと分解していくことが大切だと語られます。
今の業務のなかで自分たちが何を担っているのか、どこをAIに任せられて、どこは任せられないのかを考えていく必要があるという内容です。
たいぞーさんは、この考え方が薬局パートナー制度を導入するときにも同じだと気づいたと話します。
たいぞーさん自身が制度の構築に関わった経験から、薬剤師が絶対にやらなければならない領域と、薬剤師でなくてもできる業務を切り分け、後者を任せていったことを思い出したと振り返ります。
AI・薬局パートナー・外部委託に共通する本質
たいぞーさんは、AI活用も薬局パートナーへの委託も、薬剤師が担ってきた業務を別の担い手に委ねる「タスクシフト」だと整理します。
そのタスクシフトの方向性が薬局パートナーになるのかAIになるのかという違いだけで、本質は同じだと感じたと話されています。
さらに、いま議論されている調剤の外部委託も同じだと続けます。
業務フローのなかで何を外部委託し、何をしないのか。それによって委託した側とされた側にどんな動きの違いが生じ、薬剤師の働き方がどうなるのかという視点で考えると、外部委託を組み込めるかどうかが見えてくると語られます。
調剤機械の導入も結局は同じことだとして、たいぞーさんはこれらを共通する取り組みとして捉えます。
目的を定める
どういう医療をしたいのかを最初に考える
課題を見つける
その医療を実現するうえでの課題を洗い出す
業務を分解する
何を任せ、何を薬剤師がやるかを切り分ける
手段を選ぶ
AI・薬局パートナー・外部委託・機械から選ぶ
価値を届ける
薬剤師が本質的な業務に向かい患者に価値を届ける
すべては薬剤師の業務をタスクシフトし、薬剤師がより本質的な業務に向かうための手段だとまとめられます。
その本質的な業務とは何かを見定めて実践し、患者にきちんと価値を届ける。そんな薬剤師や薬局を目指すための手段として活用する視点が語られました。
まとめ
AI活用シンポジウムでの学びを起点に、AI・薬局パートナー・外部委託・調剤機械の導入が、いずれも薬剤師のタスクシフトという同じ本質を持つことが語られた回でした。手段よりも先に「何のために」を問う姿勢が共通の肝として示されています。
- 患者を経過的に見ていくことが調剤報酬改定でも評価されるようになった
- AI導入では「使うこと」を目的化せず、どんな医療をしたいかを先に考える
- AI・薬局パートナー・外部委託は、担い手が違うだけで本質はタスクシフトで共通する
- 目的を見極めることが、テクノロジー導入や協働の第一歩になる
