個人のパフォーマンスだけでは片手落ち
たいぞーさんはまず、薬局で働くうえで目の前の患者さんに最大のパフォーマンスを発揮することは、とても大事な視点だと話します。
ただ、それだけで仕事が成り立つわけではないと続けます。薬局には他にも待っている患者さんがいて、他の薬剤師も一緒に働いているからです。
そこで出てくるのが「全体最適化」という考え方です。自分の目の前の患者さんへの対応がどれだけ良くても、それだけでは片手落ちだと言います。
たとえば、ある薬剤師がひとりの患者さんにとても良い関わりをしている一方で、そのために他の薬剤師に業務の負担がかかり、その人がパフォーマンスを発揮できなくなる場合があります。
そうなったとき、本当に「良いパフォーマンスが発揮できた」と言えるのか。たいぞーさんは、そこに疑問が出てくると指摘します。
目の前の患者さんに最大のパフォーマンスを持って関わるということと共に、チーム全体で全体最適化が図れる、そんな仕事をしていくことも、みんなで働いていく上では大事になるんじゃないかなと思います。
声かけだけでは実践できない
では、全体最適化を実際にやろうとするとどうすればいいのか。たいぞーさんは、その方法を考えておくことも大事だと言います。
「みんなで全体最適化を考えて働こう」と声を上げること自体は、必要な第一歩です。
ただ、その声かけだけで全体最適化をイメージして働けるかというと、なかなかできない場面も多いのではないかと話します。
そこで必要になるのが、言葉だけで終わらせないことです。全体最適化とは一体どういうことなのか、チームの目的や理想の形をきちんと共有しておく。
そのうえで、どのような選択を取ればその理想に近づくのかを、みんなの中ですり合わせておく。そうすることで、全体最適化の視点を持って働けるようになると考えられます。
今と未来、個人と全体という視点
全体最適化を考える際に、たいぞーさんはもう一つ大事な視点を挙げます。それは「今この瞬間の最適化」と「未来に向けた最適化」の両方を持つことです。
未来に向けた最適化とは、これからのチームを作っていくうえでの視点で、現場でのOJT研修もその一つだと説明します。
たとえば、スタッフ教育のために使う時間は、一見すると目の前の患者さんに関わる時間を奪ってまでやるべきことなのか、と迷う場面かもしれません。
たいぞーさんは、この点は健全に疑いながら考えて行う必要があるとしつつも、教育の機会を持つことが将来的な薬局全体のパフォーマンス向上につながるかもしれないと話します。
今と未来、個人と全体という様々な視点を持ってスタッフみんなが動くことで、薬局として最大のパフォーマンスを発揮し、患者さんにより良い医療を提供できるようになると考えられます。
明確な答えはない、だから問い続ける
たいぞーさんは、こうした全体最適化をどう実現すればいいのか、明確な答えがあるわけではないと率直に語ります。
日々やってみて、うまくいったと感じることもあれば、なかなかできず難しいと思うことも多いといいます。
それでも、こうした実践ができたらいいなという理想を常にイメージしながら、現場で仕事をしていると話します。
今、全体の最適化ということが実現できているだろうか。全体最適化とは一体どういうことなんだろうかということを考えながら仕事をする、そんなきっかけがこの放送から生まれると嬉しいなと思います。
まとめ
目の前の患者さんへの全力の対応は大事ですが、それがチーム全体の負担につながっては片手落ちだというのが、この回の核心です。全体最適化の視点を持ち、今と未来、個人と全体をつなぐ働き方を、たいぞーさんは問い続けています。
- 目の前の患者さんへの最大のパフォーマンスと、チーム全体の最適化を両立させることが大切
- 全体最適化は声かけだけでは実践できず、定義・目的・理想の形を共有しておく必要がある
- 今この瞬間の最適化と、OJT研修など未来に向けた最適化の両方の視点を持つ
- 明確な答えはなく、理想をイメージしながら日々の現場で試行錯誤し続ける
