セミナーでの気づき
たいぞーさんは、月に一度「イケてる服薬情報提供書執筆講座」という有志のセミナーを、かれこれ5年続けています。
そこでは、たいぞーさん自身が提出した服薬情報提供書をもとに、医師に考えが伝わる文章をどう書くかを、30分かけて考えているといいます。
7月10日の回で、たいぞーさんは、患者さんの服薬管理を支援すると考えたとき、そもそも周りにどんな支援体制があるのかを把握できているのか、と気づかされたと話します。
たとえばデイサービスの利用の有無、ヘルパーが週に何回入っているか、介護サービスとどれだけつながっているか。家族の支援はどれくらい得られるのか、といった点です。
さらに、薬剤管理を実際に担っているのは本人なのか、家族なのか、介護職なのか。誰がやっているのかという点も含まれます。
服薬指導をして患者さんに関わりながら、そういった詳細な情報をきちんと把握せずに関わっていることも、少なからずあると改めて気がつきました。
環境の把握が見立てを左右する理由
たいぞーさんは、この把握不足を自分にとって重大なエラーだと受け止めています。
そもそも服薬管理ができているかどうかは、薬物治療がどの程度実行され、薬が体でどう働いて今の状態をつくっているのかを評価するうえで、とても重要な情報だからです。
そして、そのキーになる情報を誰が把握しているのかがわからないと、いざ見立てのために情報が欲しいとき、誰にアプローチすればよいのかが不明確になってしまいます。
結果として、十分な関わりができないことにもつながってしまうのではないか、とたいぞーさんは指摘します。
支援体制の把握
デイサービス・ヘルパー・家族など、誰がどう関わっているかを知る
管理者の特定
薬剤管理を本人・家族・介護職の誰が担っているかを把握する
情報源の明確化
見立てに必要な情報を、誰に聞けばよいかがわかる
十分な関わり
適切なアプローチで薬物治療を評価できる
情報を聞くときに必要な視点
環境や状況を知るには、患者さんやご家族に聞き取っていくことが必要になります。
ただし、ここで大事になるのが、その情報を聞き取って何をするのか、どういう目的で聞いているのかをきちんと説明できることだ、とたいぞーさんは言います。
目的を説明できないまま生活状況を細かく尋ねると、根掘り葉掘り聞かれていると感じさせ、一種の不信感を抱かせるきっかけにもなりかねません。
だからこそ、薬学的な観点で見立てるためにその情報が必要であること、そしてそれによってどんな成果を届けられるのかを、薬剤師自身が認識したうえで情報収集を行う視点が求められます。
そうした視点を持って関わることで情報が集まり、患者アセスメントや薬学的な介入をしっかり実践でき、薬剤師としての価値を届けられる仕事につながる、とたいぞーさんは考えています。
一歩踏み込み、その情報を活かしきる
たいぞーさんは、一歩踏み込んで聞くことの大切さはもちろんのこと、聞いた情報を大切に扱うことも重要だと話します。
踏み込んで得た情報を、薬剤師としての患者介入の質を上げるために活用しきる。そういった視点を持って関わることの大切さを、改めて考える機会になればと締めくくりました。
まとめ
服薬を支える周囲の支援体制を把握することは、薬物治療を評価し、必要な情報源を見極めるための重要なファクターです。目的を明確にしたうえで踏み込み、得た情報を活かしきる視点が、薬剤師としての価値につながります。
- 患者さんの服薬を支える支援体制の把握は、薬物治療の評価に欠かせない
- 誰が薬剤管理を担っているかがわからないと、情報を得る相手が不明確になる
- 目的を説明できないまま細かく聞くと、不信感を招きかねない
- 薬学的な見立てのために情報が必要だと自覚したうえで聞き取る
- 踏み込んで得た情報を大切に扱い、患者介入の質を上げるために活かしきる
