情報の洪水との適度な付き合い方
冒頭でむなかたさんは、この一週間のAI界隈の慌ただしさを振り返ります。FableAI関連のツール/サービスとして番組内で言及されたもの。エピソード内では利用期限が設けられていた点が話題になっている。が登場し終わるかと思いきや延長され、今度はChatGPTの5.6OpenAIが提供する対話型AI「ChatGPT」の新バージョンとして番組内で言及されたもの。が出るなど、新情報が次々に飛び込んでくる状況です。
そのなかで大切なのは、情報が大量に出ても「押しつぶされない適度な付き合い方」だと語ります。極限まで追いたい人は追うのもよし。ただ、追えないからといって「追えない同士で置いていかれる」と焦る必要はない、というのがむなかたさんの見解です。自分のペースで触っていけばよい、と自分にも言い聞かせるように話します。
追えないとしても、追えない同士を追いていかれてるみたいなのは、そこまで考えなくていいんじゃないかな。
お金をいただくとは「役に立つ」こと
今回のテーマは、AI活用者の多くが抱える「マネタイズ」です。むなかたさん自身も、今年度の幸先が悪くマネタイズをどうにかしなければ、という危機感から話を始めます。
その大前提として語られるのが、「お金をいただく=他の人が喜ぶこと・役に立つことをして、その対価を得る」というシンプルな原則です。喜ばせ方には様々なパターンがあります。欲しいものを作って成果物を渡す、知識が欲しい人の相談に乗る、状況に合わせて最適なものを提案する(コンサル・アドバイザー)などです。
「こういうのが欲しい」という人に作って提供する。
相手の状況に合わせて最適なものを提案するコンサル・アドバイザー型。
普段は何もしないが、何かあった時に対応する月額保守型。常に稼働していなくても月々の対価を得られる。
なぜ「物を作る」ハードルが上がったのか
数ある稼ぎ方のうち、「何かを作ってお金を稼ぐ」というやり方は今、ハードルが大きく上がっている、とむなかたさんは指摘します。理由はAIによる飽和です。
お悩みを持っている人自身がAIを使えるなら、そもそも自分で作ってしまいます。仮に本人が作れなくても、周りにAIを使える人がいれば、その人たちが全員ライバルになります。つまり、他人と違う価値を提供することが難しくなっている、というわけです。
お悩みを持つ人
自分でAIを使えば、自力で作ってしまう
本人が作れなくても…
周りのAIを使える人が全員ライバルに
結果
他人と違う価値を出すのが難しい=飽和
狭いコミュニティで唯一無二になる戦略
では飽和した「作る仕事」でどう戦うか。むなかたさんが提示する一つ目の答えが、「狭いコミュニティ」にフォーカスすることです。ここでのコミュニティはオンラインに限らず、むしろオフライン──地域、会社、サークルなど身の回りが対象です。
オンラインや全世界で見れば、自分よりすごい人は無限にいて、上を見ればキリがありません。しかし「自分の町内で一番AIに詳しい」「町内で一番いいウェブサイトを作れる」という状態になれば、その人にお願いしようと選ばれます。狭い範囲であっても、そこで秀でた「負けないぞ」という領域を見つけるのが有効だ、というわけです。
自分よりすごい人が無限にいる。上を見たらキリがなく、埋もれやすい。
地域・会社・サークルなど身近な範囲。「ここなら一番」になれれば選ばれる。
具体例として挙げられるのが、近所のお店のホームページ制作です。月に何十万・何百万という規模ではないかもしれませんが、地域のお店のサイトを作るような仕事なら実現できるかもしれない、と語ります。
専門領域 × AI という掛け算の強さ
二つ目の戦略が、汎用的なスキルではなく「自分の強みとの掛け算」です。単に「ウェブサイトが作れる」だけでは再現できる人が多いですが、自分の専門領域と組み合わせると、一気に再現できる人が減ります。
たとえば医療現場にいてAIが使える人なら、その現場のボトルネックや「ここが良くなればいいのに」という課題を肌で知っています。一方、エンジニア経験しかないむなかたさんは、学校の先生・ジム・工事現場などがどんなことに困っているかが全くわからない、と正直に語ります。だからこそ、プレーンな開発能力しかないエンジニアはむしろピンチかもしれない、という逆説的な見方を示します。
職場では追加でお金をもらうのは難しくても、ポジションの確立や昇給・昇格の足がかりになる可能性があります。専門領域のなかでAIを駆使できる人はそう多くないため、その分野で唯一無二の存在になれる余地がある、とまとめます。
イメージと現実をすり合わせる
むなかたさんは、この配信をわざわざ聞いている人はよほどAI情報に敏感な層であり、すでに十分な力を持っているはずだ、と励まします。すごい人が多すぎて「自分なんて」と過小評価しがちですが、その力をいろんな場所で使えないか見てほしい、と促します。
ここで参照されるのが、過去に番組で行った「お悩み解決サイト選手権」です。要領は同じで、①どんな悩みがあるか、②AIやプログラミングでどう解決できるか、③それを形にする、④誰かに使ってもらう、という流れです。
大切なのは、いきなり「お金をよこせ」ではなく、「こういうの作ってみたんだけど触ってみて」と周りに渡すことです。そうすることで、自分のイメージと実際のニーズを照合できます。自分がイメージするものには自分流の偏見が入りがちで、「絶対バカ売れする」と思ったものが売れず、「大した機能じゃない」と思ったものが意外と刺さることもあります。
むなかたさん自身も、いまだにこの感覚がずれることが多いと明かします。だからこそイメージと現実のすり合わせを繰り返すことで、人に刺さるものが少しずつわかってくる、と語ります。
まとめ
今回はマネタイズの「物を作る」側面に絞った休日回でした。AIの普及で制作の仕事は飽和しつつありますが、戦い方はあります。広いオンラインではなく身近な狭いコミュニティで唯一無二になること、そして自分の専門領域とAIを掛け算することです。
さらに、頭のなかのイメージだけで判断せず、実際に作って人に触ってもらい、ニーズとのずれを調整していく姿勢が大切だと語られました。むなかたさん自身も試行錯誤中であり、「日々精進」と締めくくります。「人に教える」側の話は、また次の休日回で語られるかもしれません。
- 情報が多すぎる時代は、追えない自分を責めず「適度な付き合い方」でよい
- お金をいただく本質は「他人が喜ぶ・役に立つこと」への対価
- AIの普及で「物を作る仕事」は飽和し、他者と違う価値を出しにくくなっている
- 戦い方①:地域・会社など狭いコミュニティで一番になる
- 戦い方②:自分の専門領域 × AI の掛け算で唯一無二を狙う
- いきなり売らず、試作を周りに触ってもらいニーズとのずれを調整する
