Web集客伴走支援と、あるお客さんの違和感
伊藤さんは独立後すぐにWeb集客伴走支援を始めたと話します。内容は簡単に言うとSEO戦略で、計画を立て、記事を書いてもらい、狙ったキーワードの順位を上げていく支援です。
最終的には順位を上げてお問い合わせをもらうところまで、大体1年かけて支援するとのことです。
その過程では、GoogleアナリティクスやGoogle Search Console、母体となるWordPress本体の状況も確認します。
今回は、過去のお客さんで「しばらくお問い合わせがない」という相談があった事例が語られます。
順位もアクセスも落ちていた。でも残った違和感
相談時、確かにキーワードの順位が落ちていて、アクセスも明らかに下がっていました。競合が強くなったなど、原因はいろいろ考えられます。
アクセスが減ればお問い合わせが減る原因にはなります。ですが伊藤さんには別の違和感がありました。
経路情報Googleアナリティクスなどでわかるユーザーがサイトのどのページをどの順で辿ったかの情報。1セッションごとの動きを追える。を見ると、プロフィールからトップページ、さらにお問い合わせページまで到達しているアクセスが結構あったのです。
プロフィール見た人って、結構もう結構な確率でお問い合わせに行くんですよ。
お問い合わせ前にプロフィールを見るのはよくあるパターンで、プロフィールページは大事だと伊藤さんは考えています。
数ヶ月お問い合わせがないのに、プロフィールとお問い合わせページを行き来している。それなら1件くらいあってもおかしくないと感じたそうです。
フォームを調べて見つかった3つの候補
違和感を持った次に見るのは、WordPress本体とサイトのフォームの状況です。すると「これかも」という点がいくつか出てきました。
1つ目はSMTP認証がされていなかったことです。
SMTP認証をしなくても、プログラムを使えばメール自体は送れてしまいます。しかしそれは、いわゆるなりすましメールと同じ扱いになります。
その結果、Gmailやレンタルサーバーのホストで迷惑メールに振り分けられたり、厳しいホスティングでは届かずに破棄される可能性もあると説明されます。
2つ目はSPFレコードとDKIMが未設定だったことです。
2024年にGoogleがこの認証を厳格化し、レコードが入っていないとなりすましメール扱いにするようになりました。当時ニュースとして大きく取り上げられたと伊藤さんは振り返ります。
ただ、個人でやっている方にはその情報が入ってこないため、そのまま放置されていることが多いと言います。このお客さんもレコードを設定していませんでした。
そもそも、WordPressからお問い合わせがあったのに飛んでないみたいな可能性もあったわけですよ。
3つ目はGoogle reCAPTCHAフォームへのスパム投稿を防ぐGoogleの仕組み。が二重に入っていたことです。セキュリティ用とフォーム用で重複していたと考えられます。
これもエラーの原因になり、フォームの段階で送信が止まっていた可能性があったそうです。伊藤さんが試験した時はエラーせず飛んだものの、断定はできない状況でした。
SMTP認証が未設定
なりすまし扱いで迷惑メール判定や不達になる
SPF・DKIMが未設定
2024年の厳格化でなりすまし扱いになりやすい
reCAPTCHAの二重設定
フォーム送信の段階でエラーが起きる
修正の翌週に引き合い。ただし断定はできない
これらを修正したところ、翌週に「引き合いが来ました」という報告が届きました。お客さんは「これのせいだったのか」と話していたそうです。
一方で伊藤さんは、誤解を与えたくないと慎重に補足します。本当にお問い合わせがなかった可能性もゼロではないという立場です。
迷惑メールとして振り分けられる可能性も破棄される可能性ももちろんゼロじゃないけど、絶対そうとは言えない。
そして最大の問題は、WordPress上に記録が残らないため、実際に送信があったのかどうかがわからないことだと指摘します。
自分でできる予防と確認の方法
ここから得られる教訓として、まずフォームの送信試験を定期的に行うことをすすめています。
個人でWordPressを管理しているなら、週末など曜日を決めて試験するとよいそうです。BtoBなら土日に試すのも一案です。伊藤さんの保守先では毎週試験しているとのことです。
もしContact Form 7WordPressでよく使われるお問い合わせフォームのプラグイン。を使っているなら、FlamingoContact Form 7から送信された内容をWordPress内に記録として残せるプラグイン。メールが届かなくても送信の有無を確認できる。の導入もおすすめだと話します。
伊藤さんは以前、お問い合わせ内容がデータベースに残ることを懸念してFlamingoを使っていませんでした。ですが「届いているかもわからない」状況の方が最悪だと考え、今ならおすすめするかもしれないと立場を変えています。
飛んでるかどうかわかんない、ログに残ってないっていうのが、こうなってくると微妙だなと思ったりする。
自分で確認する方法として、Gmailにメールを取り込んでいる場合のヒントも紹介されます。メールアドレスの横のアイコンが「?」になっていたら、なりすましメールと判定されている証拠だと言います。
その場合はSMTP認証がされていない可能性があるので、設定した方がよいとのことです。対策のやり方はブログで書く予定だと話しています。
まとめ
せっかくサイトを見てお問い合わせしようとしても、最後のフォームで届かなければ、特にBtoBでは見送られてしまいます。アクセス低下を疑う前に、まずお問い合わせ導線が正しく機能しているかを確かめておきたいところです。
- お問い合わせがゼロなら、SEOやアクセスより前に「届いているか」を疑う。
- SMTP認証・SPF・DKIMの未設定は、メール不達やなりすまし判定の原因になる。
- フォームの送信試験は定期的に、そして更新のたびにも行う。
- Contact Form 7ならFlamingoで送信記録を残すと、届かなくても送信の有無を確認できる。
- Gmailのアイコンが「?」なら、なりすまし判定のサイン。
