振り切った美容本『そうです、私が美容バカです。』とは
今回紹介するのは、まんきつさんの『そうです、私が美容バカです。』と、続編の『そうです、私が美容バカです。極ツヤ』の2冊です。池田さんは面白すぎて一気に読んだと話します。
そして読み終えて、これは笑って終わる本ではないと感じたそうです。今の時代にとても大事なことが書いてあると考えたと話されています。
『そうです、私が美容バカです。』は2024年に発売されました。以前から著者の発信を面白いと感じていたものの、しばらく手に取らずにいたそうです。
購入のきっかけは、著者のプロフィール写真でした。とても綺麗で若々しく、自分とほぼ同世代なのになぜこんなに若々しいのかと思わず手に取ったと話されています。
まずタイトルがいいと感じたそうです。同年代なら、志村けんさんの「そうです、私は変なおじさんです」のオマージュだとピンとくるのではないかと話します。
人から「あーい」言われたらどうしようとか、こう思われたらどうしようみたいな感じで、私たちって日々もじもじしちゃうじゃないですか。そういうのを全部すっ飛ばして、「そうです、私です」と自分から名乗ってしまう、その清々しさがいいなと思いました。
美容というテーマもいいと言います。美容は本来、人から綺麗だと思われたくてやるもの、つまり他人の目を一番気にする領域です。
その領域で堂々と「私が美容バカです」と名乗るねじれ感覚が面白いと話されています。
笑って学ぶ、しくじり全出しの美容エピソード
中身はめちゃくちゃ笑えると言います。美容のプロが成功体験を書くのが従来の美容本ですが、この本はしくじりまで全出ししている点が痛快だそうです。
たとえば、顔のパーツの中心が下にあるほど童顔に見えるという説から、おでこを広げれば童顔に見えると考えたエピソードがあります。若い頃、家庭用の永久脱毛器でおでこを広げたそうです。
ところがオチがあって、髪をヘアゴムできつくまとめる技を使い続けたせいで生え際が後退し、結局脱毛器は不要だったという失敗談になっています。
もう一つは、毛穴のない人形のような肌に憧れた話です。ピーリングをエスカレートさせ、最終的に塩素系漂白剤をお風呂に入れて肌が死んだそうです。
最近は「トンデモ美容」で検索し、ヒルに血を吸わせるといった美容法まで実践しているそうです。振り切りっぷりがすごいと話されています。
池田さんが一番好きだったのは、毛穴をなくしたい話の着地点です。まんきつさんは毛穴を消す労力をやめ、ごまかすことにしたそうです。
毛穴をじっと見られないように、自分の体を常に少しだけ動かす。話し相手の目の焦点が定まらないように微妙に揺れることで、毛穴を見せなくするみたいなことが書いてあって、すっごい面白かったですね。想像のはるか上を行く天才だなと思いました。
もちろんトンデモ美容ばかりではなく、有効な話も多く載っていると言います。池田さんが早速試したのが、冷水で絞った濡れタオルを顔に巻いてサウナに入る方法です。
普通に入るより肌の調子が良くなるそうで、実際に試したところ達人っぽく見え、肌もしっとりツヤツヤになったと話されています。
もう一つ、極ツヤに載っていた「朝こそしっかりクレンジングで汚れを落とす」という説にも納得したそうです。寝ている間の皮脂と夜つけたものが混ざって汚れているという理由です。
以前はぬるま湯だけの洗顔がいいと思っていたそうですが、朝からクレンジングをするようにしたところ、肌の調子が良くなったと話されています。
体を張った一次情報こそがこれからの財産
ここから本題です。池田さんは、この本を美容とエンタメの本でありながら生き方本だと感じたそうです。ポイントは3つあると話します。
1つ目は、体を張った一次情報であることです。池田さんは、これからの時代に必要なのは人体実験だと心から思ったそうです。
AIに聞けば正解っぽい答えが3秒で返ってくる時代です。美容もキャリアも副業も、理屈は誰でもすぐ手に入ります。
その中で残るのは、自分の体を通した一次情報だけだと言います。塩素系漂白剤で肌が死んだという情報は検索しても出てこないからこそ面白いのです。
池田さんにも似たしくじり美容があります。大学生の時、お腹に巻いて寝るだけで痩せるという謎の機械を7万円のローンで買ったそうです。
なんでこれで納得したんだろうと思ったのが、「お腹に電子レンジを巻くようなものなんです」って言われたんですよ。電子レンジみたいに分子を発熱させて脂肪が燃えるって言われて、なるほどと思っちゃって。でも全然痩せなかったんですよね。
この失敗から、巻いて寝るだけでは痩せないという一生消えない一次情報を得たと言います。当たり前でも、自分の経験を通して腹落ちしたそうです。
さらに、学生にとっての7万円をドブに捨てたことで、うまい話を持ちかけられても立ち止まれるようになったそうです。授業料としては悪くなかったと話されています。
しくじりを隠さず、現状を直視する強さ
2つ目は、しくじりを隠さないことです。この本を読んで、しくじってもネタにすればいいと安心したそうです。
私たちは失敗を隠し、うまくいった話だけを見せがちです。従来の美容本もそうで、厳選した成功だけを書いていました。
でもまんきつさんは逆です。意味がなかったことやアホみたいなこともそのまま書いています。おでこの話などは紹介しなくてもよかったのに、自分でバラしている点がいいと話されています。
3つ目は、現状を直視することです。まんきつさんの自己客観化力はすごいと言います。
何十倍にも毛穴が見える拡大鏡や、人から見られている自分のまま見えるリバーサルミラーを使って、徹底的に落ち込むそうです。自分の顔をごまかさず直視するのを恐れない姿勢に感心したと話します。
これは目標達成とも同じだと言います。現状を知り、こんなものだという地点からの差分を埋めていく。そこからしか始まらないのです。
池田さんにとってのリバーサルミラーは「書くこと」だそうです。頭の中はいくらでも盛れますが、書き出すとそのままの自分が出てくると話します。
個人的なしくじりも打ち明けています。人中が深いのがコンプレックスで、小中学生の頃は家でセロハンテープを貼って寝ていたそうです。もちろん浅くはなりませんでした。
今も深いままですが、まったく気にならなくなったそうです。問題は解決していないのに、自分の中では終わっている状態です。
どこかのタイミングで、全体のバランスを見るようになり、別にいいやと気にしなくなったと言います。まんきつさんが毛穴を消すのをやめたのと同じ思考かもしれないと話されています。
記憶は盛れない、だから書き残す
美容に振り切ったまんきつさんが最終的にたどり着いたのは、美容は自己満足八割、幻想二割、自分が納得いくかどうかだったそうです。
美容は一度やると際限なくなると言います。池田さんもシミ取りをして薄くなると嬉しい一方、誰かに褒められないともっとと永遠にやろうとしてしまうそうです。
他人の採点表から降りて、自分の採点表に切り替える境目が難しいと言います。自己満足八割と思えた瞬間に、相手にどう思われるかから自分の満足へシフトできると話されています。
そして一番刺さった言葉として、極ツヤの終盤の一節を紹介しています。
最近は肌よりも脳が老ける方が怖い。顔はメイクでどうにかなるけれど、記憶は盛れない。忘れるって本当にじわじわ来る。この言葉が確かにと思ったんですよね。
顔はメイクや美容で盛れ、経歴も少しは盛れる。でも自分の記憶だけは盛れないと言います。やった経験、嘘をついた経験、しくじった経験は盛れないのです。
放っておくと、ぼんやりした記憶だけになって消えていきます。だからこそ、しくじりや一次情報を書き残すのがいいと話されています。
今回、7万円の謎の機械やセロハンテープの話をネタにできているのも、記憶に残していたからだと言います。残さなければ「お金の使い方が下手だ」という結論だけが残り、経験そのものを忘れてしまうかもしれません。
朝の10分で「人体実験のログ」を取ろう
そこで池田さんが提案するのが、朝の10分を人体実験のログを取る時間にすることです。夜は落ち込みがちでも、朝なら客観的に見て笑えると言います。
今日の朝の問いは、昨日一番高くついたしくじりを一つ書き出し、そこでわかったことを一行にしてみることです。お金でも時間でも労力でもよいそうです。
具体例として、安いからと大量に買ったシートパックが肌に合わず、もったいないと使い続けて肌が赤くなった話が挙げられます。そこから「安さで選んだことは心も安くなる」と一言にまとめられるかもしれません。
もう一つはコミュニケーションの例です。相談を受けたのに「でもさ」と反論して相手が黙ってしまった。そこから「聞くと答えるは違う行動だ」とわかる、といった振り返り方です。
これは自分だけが持つ一次情報で、AIには絶対に書けない経験だと言います。しかも朝に振り返れば、そこまでひどく落ち込まずに済むそうです。
まとめ
『そうです、私が美容バカです。』は、笑えるしくじりの数々を通して、体を張った一次情報の価値と、しくじりを隠さず書き残すことの大切さを教えてくれる一冊です。振り切るとは、どこまでやってどこでやめるかを自分で決めることだと池田さんは話します。
- 体を通した一次情報は、AIには語れない自分だけの財産になる
- しくじりは隠すと黒歴史、表現すると共有できる財産になる
- 現状を直視することからしか、美容も目標達成も始まらない
- 振り切るとは、どこでやめるかを自分で決めることでもある
- 朝の10分で昨日のしくじりを一行にまとめ、人体実験のログを残してみる
