朝ごはんのためだけに西へ東へ出かける漫画
今回紹介されたのは、秀良子さんの漫画『おしゃべりは、朝ごはんのあとで。』です。小学館から出ている全2巻の作品で、サクッと読めると話されています。
テーマは、引きこもりの漫画家が美味しい朝ごはんを食べるためだけに西へ東へ出かけていくというコミックエッセイです。
手に取ったきっかけは、美容院で読んだ京都特集の雑誌でした。そこで京都のミシュランレストラン、瓢亭の朝粥が紹介されていたそうです。
軽いタッチで、専門家ではない一般目線なのがいいところだと語られています。モーニングと聞いて思い浮かぶミーハーな店やベタな店を紹介してくれるといいます。
感想がちょっと雑なんですね。「美味しい」とか「とろける」とか、そんな感じなんですよ。でもそこがなんか敷居が低くなくて、とっても素敵だなと思いました。
連載1回目が自腹のパリという無謀さ
驚いたのは、第一回が本にもなっていないネット配信の状態だったという点です。自腹でやってくださいと言われていたそうです。
それなのに、行き先の第一回がパリでした。旅費も出ない状態でパリに飛び、マカロンで有名なラデュレやルーブル美術館の中のカフェで朝ごはんを食べています。
その後は京都の瓢亭別館で朝粥を食べ、築地、沖縄、香川ではうどんタクシーに乗ってうどんを食べまくったといいます。
そうして連載が続くようになり、やっと旅費が出てハワイまで遠征できるようになったそうです。自腹で本気でやっていたところから、そこまでたどり着いたことに、一緒に読みながら喜んでしまったと話されています。
食べ物の絵がさすが漫画家で、とても美味しそうなのも好きなところだといいます。理屈ではなく、絵を見た瞬間に体が反応するそうです。
池田さん自身が行ったことのある店も出てきたそうです。赤坂の一龍別館のソルロンタン、香川の賀茂うどん、皇居近くのパレスホテルのグランドキッチン、中華街のマーさんの店のお粥などが挙げられています。
朝ごはん一つのために飛行機に乗るのは、効率で考えたら最悪です。だからこそ、結果が出るかわからない中で突き進み、最終的にハワイまで行けたという物語性が楽しいと語られています。
楽しくなかった朝の異業種交流会
ここから、この漫画を読んで思い出した自身の話が語られます。
最初の本『朝4時起きで、すべてがうまく回りだす』を出す前、2008年ごろに朝活を取材するため、朝の異業種交流会に行きまくっていた時期があったそうです。
仕事の取材で行っていた面もありますが、今振り返っても全然楽しくなかったといいます。交流会の輪の中になかなか入れず、壁の花になってしまったそうです。
会によっては、名刺交換した相手から営業メールが来たり、初対面なのに悩みを聞かれてドン引きしたりしたと話されています。4人ほどのグループで仕事を回すことを強制される会もあったそうです。
参加者はガツガツしていて、正直怖かったといいます。
名刺をこう握りしめながら、みんな次に繋がる相手を探してるんですね。目の前の人と話してるのに、次に会う人を探しながら見るから、目の前の人と話してないんです。みんなキョロキョロしてるんです。
当時は、自分がコミュニケーション下手だから楽しめないのだと落ち込んでいたそうです。しかし最近になって、その違和感に名前がついたと語られます。
不安からの朝活が生む「Have to」の落とし穴
朝を楽しむのではなく、朝の時間を使って這い上がってやるという空気だったと振り返ります。美味しい料理が出ていたはずなのに、食事の話は何もなかったそうです。
その会での朝は、人脈と成果への通り道になっていました。大切にしている朝が粗末に扱われている感じがして、それで傷ついていたのではないかと話されています。
今思えば、あれは不安からの朝活だといいます。このままではまずい、置いていかれるという焦りで朝活をすると、そうなってしまうそうです。
そこで池田さんは、朝活には2種類あると伝えています。
「やらなきゃ」から始める朝活。不安や焦りが動機になる
「したい」「欲しい」から始める朝活。楽しさが動機になる
どちらもあって当たり前ですが、Have toで全部埋め尽くすと全然楽しくないと語られます。多くの人はHave toで始めて、朝活を無理だと感じたり、意識が高い人たちを怖いと感じたりしてしまうのではないかといいます。
踏み台にするのが絶対に悪いというより、自分は嫌だと感じたと話されています。
好きなことから始めた「早朝グルメの会」
そこから始めたのが「早朝グルメの会」です。朝活の取材と同じ2008年ごろ、朝に好きなことをしようと始めた会だといいます。
食べることが好きなので、朝から素敵な空間で食事をするためだけに起きたら絶対に続くと考えたそうです。ホテルモーニングをラグジュアリーな雰囲気の中でみんなで食べる、それだけの会でした。
この会はとても人気になり、100回以上開催され、メルマガ配信から3分ほどで満席になるほどだったといいます。
人気の秘訣は、テンションが上がる楽しいことをする点だと語られます。ホテルのモーニングは夜に比べてお得な上、ピカピカの空間で「池田様、おはようございます」と朝から大切にされる特別感があるそうです。
この漫画も、最初から予算をつけて人気を狙う雰囲気ではありません。ただミーハーな気持ちで、ときめく場所や美味しいと思える場所に出かけていく気持ちが漫画に乗っていて、それが心地よかったと話されています。
不安を全否定はしない、でもWantを一つ混ぜる
最後に、一つだけ伝えたいことがあると語られます。交流会をディスってしまったけれど、不安から始まった朝活を全否定はしたくないといいます。
そういう会に行って頑張ろうとしている人は、不安だからこそまだ自分を諦めていない証拠だと話されています。人生がどうでもいいと思っていたら、そもそも早起きも面倒な交流もしないからです。
ただ、今の自分ではダメだという不安から朝を利用しようとすると、全然楽しくなくなってしまうといいます。まずは楽しいところからやるのがいいそうです。
不安は燃料としてはすぐ消えてしまうとも語られます。動き出しのモチベーションにはなっても、走っている間ずっと苦しいからです。だからHave toばかりにせず、Wantを一つだけ混ぜることが大事だといいます。
例えば、朝食にちょっと豪華な卵を買って卵かけご飯を大事に食べる、いつものインスタントコーヒーを今日はドリップにして香りを楽しむ、といった小さなことでいいそうです。今日はこれが食べたいから起きた、というものが一つあるだけで朝の過ごし方が変わると話されています。
問いワーク:朝を踏み台にしないために明日何をするか
番組の締めくくりとして、今回の問いが紹介されます。
朝を踏み台にしないで、朝そのものを楽しむために、明日私は何をしたらいいか?
箇条書きで一つだけでもいいので、手帳やノートに書いてみるとよいと提案されています。
池田さん自身は、来週友達と目的を持ってモーニングに行く予定だそうです。SNSでバズった、ほうれん草をぎっしり詰めたスピナッチのサンドイッチを食べる約束をしているといいます。
この約束があるだけでテンションが上がるそうです。食べたいものが浮かんだら友人を誘ってみるのもいいかもしれないと話されています。
他にも、会社近くの池のほとりで体操する人たちを眺める、涼しい朝に風の匂いを嗅ぎながら散歩する、といったヒントが挙げられます。
最近ハマっているのは水耕栽培だそうです。会社でブロッコリースプラウトやパクチースプラウトを育てていて、朝に根や芽が伸びる様子を見ると生命力にあふれて素敵だと感じるといいます。
そんなふうに、朝一番に見て楽しむものを見つけたり決めたりすると、朝を踏み台にしないで過ごせるのではないかと語られました。
まとめ
朝がつらいのは早起きそのものではなく、朝の一番はじめに他人の用事や焦りを優先してしまうからだと語られた回でした。漫画『おしゃべりは、朝ごはんのあとで。』の、ただ美味しい朝ごはんのために出かける姿勢を手がかりに、朝を楽しむ視点が共有されています。
- 朝を人脈や成果への「踏み台」にすると、朝そのものを楽しめなくなる
- 朝活には「Have to(やらなきゃ)」と「Want(したい)」の2種類がある
- 不安は燃料としてすぐ消えるので、Have toの中にWantを一つ混ぜるとよい
- 豪華な卵やドリップコーヒーなど、小さな「食べたいから起きた」で朝は変わる
- 明日、朝そのものを楽しむために何をするか、一つだけ書き出してみる
