人と人の「間」がソフトウェア化すると何が起きる?
後編の冒頭で、高木さんは上野山さんに、シリコンバレーで見たデジタルの未来を踏まえて、今どんな社会をイメージしているのかを尋ねます。上野山さんは「めっちゃでかい問いでむずすぎる」と言いながらも、ソフトウェアによって世の中が劇的におもしろくなっている感覚が強まっていると答えます。
上野山さんが示したのは、「人間」という言葉の二文字目、つまり人と人の「間」の部分がソフトウェア化し、アルゴリズム化し始めているという見立てです。
人間の二文字目のこの間の部分がソフトウェア化し始めてるってことと、この間の部分がアルゴリズム化し始めているってことが今起こってんですよ。
上野山さんによれば、PKSHA Technologyが取り組むニューラルネットワーク ── 人間の脳の神経回路をまねた計算モデル。大量のデータから特徴を学習でき、画像認識や言語処理など現在のAI技術の中心になっていますの領域も、イーサリアム ── スマートコントラクトと呼ばれるプログラムを動かせるブロックチェーン基盤。仮想通貨のやり取りだけでなく、さまざまな分散型サービスの土台として使われていますのようなブロックチェーン技術も、人と人の間に介在するソフトウェアという点で同じ流れにあります。上野山さんは、これをここ数十年の変化をシンプルに言い表したものだと考えています。
上野山さんが具体例に挙げたのはTwitterとInstagramです。同じSNSでも、人と人の間に置くソフトウェアの設計によって、そこで起こるコミュニケーションの質は大きく変わるといいます。
匿名の人と人の間にテキストを置くと喧嘩が増え、悪意が増幅する。人のマイナス感情に触れる脳の性質が広告モデルにハックされている
DMでは悪意が飛び交うこともあるが、写真の上、表向きにはあまり悪意が飛び交っていない
上野山さんは、人と人の間にどんなソフトウェアをデザインするのかという問いを「超巨大な問い」と表現します。人間とソフトウェアが共進化するようなものもあれば、DAO ── 分散型自律組織。中央の管理者を置かず、ブロックチェーン上のルールと参加者の投票で運営される組織の形態ですのように人間同士のインセンティブシステム自体をアルゴリズム化する試みもあるといいます。
上野山さんにとって、こうした人と人の間のソフトウェア設計は社会デザインそのもの、コミュニティデザインそのものです。そこに知的システムが組み込まれていく未来を考えると「だいぶおもろい」と語っています。
Facebookが怒られ続けるのは「未完成なソフトウェア」だから?
高木さんが、そうしたソフトウェアの導入は今どんどん進んでいるのかと尋ねると、上野山さんは「実験が走りまくってる感じ」だと答えます。その例として挙げたのが、批判を浴び続けるFacebookのマーク・ザッカーバーグです。
上野山さんは、Facebookへの批判はザッカーバーグが杜撰だからというより、人と人をダイレクトにつなぐ領域を、まだ完成していないソフトウェアの形でいきなり手がけたことで起きている問題だと見ています。上野山さんは、Twitterのジャック・ドーシーも同じように怒られていいとも付け加えています。
ソフトウェアのデザインが未完成なんだと思うんですね。ものすごくこう、化石みたいなものが目の前に置かれてる感じ。
そこ(未完成なソフトウェア)で人間がガチャガチャやってるっていう。未来から見ると、ようあんなんでやっとったねっていう。
高木さんは続けて、ソフトウェアはiPhoneのようなAppleのハードウェアに乗っているが、両者はどういう関係なのかと問います。上野山さんは、ハードウェアが規定される未来もありうるとしつつ、まずソフトウェアの進化がまだまだ続くと答えます。
高木さんが「アルゴリズムって何ですか?」と素朴に尋ねると、上野山さんは「ちょっと複雑な処理」という和訳を示しました。上野山さんの説明では、ほとんどのソフトウェアはデータベースの数字を足し算・引き算して表示しているだけです。
四則演算なんですよ。小学3年生ぐらいの処理なんですよ。この中にもっと複雑な処理がめっちゃ動くようになる。
高木さんが囲碁やチェスで人間と対戦したマシンのようなものかと聞くと、上野山さんは「あれも一個の話」と答えています。今のソフトウェアの中にもっと複雑な処理が入ることで、できることが劇的に広がるというのが上野山さんの考えです。
コミュニケーションの不具合はソフトウェアで直せるか
人と人の間のデザインが具体的にどう変わるのかについて、上野山さんはPKSHA Technologyの事業を例に説明します。PKSHA Technologyは、テレワークでの社内問い合わせや、コールセンターへの電話など、人と人のやり取りの間に介在するソフトウェアを多く手がけているといいます。
上野山さんは、自社のソフトウェアを「めっちゃチープな言い方をするとチャットボット」だとしつつ、本質は言葉を理解するソフトウェアだと語ります。人間とソフトウェアが言葉で会話するインターフェースは、現状ほとんど存在しないといいます。
一次受け
顧客の問い合わせをまずソフトウェアが受け、その場で解決することもある
状況の引き継ぎ
解決しなければ、お客さんの状況をオペレーターに繋いで初めて電話が成立する
クレームの吸収
いきなり飛んでいたクレームをソフトウェアが吸収する
おもてなしの創意工夫
オペレーターが電話を取った瞬間から、もう一人の人間に届ける工夫ができる
上野山さんは、遠隔だといがみ合ってしまう人たちの感情をソフトウェアがうまくフィルタリングするようなことが、広い意味でできるようになる可能性があると話します。
その背景には、上野山さんが大学生の頃から持ち続けている仮説があります。それは「世の中のほぼすべての問題はコミュニケーションの不具合で起こっている」というものです。
上野山さんは大学生の頃、戦争もそれではないかとまで考えていたといいます。対面では友達を傷つけられなくても、非対面ならできてしまうことがある、というのが上野山さんの見方です。
上野山さんは、単に自動化するだけのソフトウェアは、人手が足りない場合を除いてあまり要らないと考えています。ソフトウェアを実装する目的は、人間が持っている不具合を拡張したり直したりすることにあるといいます。
世界ってめっちゃ複雑じゃないですか。一人の脳に入んないぐらい複雑じゃないですか。みんななんか過度なモデル化をしてわかった気になってるけど、何もわかってないわけじゃないですか。
一人の脳に入らないほどの数の人と分かり合えるはずがない、という前提に立つからこそ、アルゴリズムが介在して遠隔でもスムーズにコミュニケーションできる未来は「結構な確度で来る」と上野山さんは見ています。
「デジタル敗戦」の日本が進むべき独自の道とは
高木さんが、日本は「デジタル敗戦」と言われていると切り出すと、上野山さんはまずその意味を問い返します。そのうえで上野山さんは、日本は日本ならではのデジタル化をしていくべきで、国ごとのならではのデジタル化が進化すべきだと答えました。
上野山さんは、GAFAのプラットフォーム1つに世界が乗る状態が本当にいい世界なのかはわからないと話します。それは国力の観点だけでなく、かつてのグローバリゼーションで語られた「みんなが金太郎飴のように同じシステムに乗る」という流れを圧倒的に加速させるからだといいます。
高木さんも、その方向は自身のビジョンとは「真逆」だと応じます。高木さんは、中国は巨大な市場を背景に別の仕組みで対抗しているが、市場が縮小する日本は世界との競争力を一定保ちながら独自の道をどう行くのかが問われていると語りました。高木さんは、価格が安く保たれ独自進化したプロダクトが多い日本は、すでに独自の道を行き始めているとも感じています。
国レベルの話として、上野山さんが確実に言えると挙げたのは通貨と決済です。たとえば「Googleコイン」のようなものにすべてが置き換われば、通貨発行権そのものが取られることになるといいます。
上野山さんは、決済がすべてオンラインになった場合についても、国土という範囲の中で決済が成り立つという前提が侵されるとして、この2つにどうスタンスを取るかは国家戦略として本当に考えたほうがよいと指摘します。
スマートシティ議論のパラドックスと、ソフトウェアが伝わらない理由
上野山さんは最近、トヨタの代表も参加するようなスマートシティの議論に加わったといいます。上野山さんはそこで「結構いいことを言った」つもりが、会場がシーンとしてしまったエピソードを紹介します。
上野山さんが指摘したのは、スマートシティのパラドックスです。センサーネットワークやカメラが張り巡らされた未来都市のようなイメージがあるのに、そもそもそんな街には誰も住みたくない。それにもかかわらず予算は大きくついている、という矛盾です。
上野山さんは、デジタルをレバレッジして良い暮らしを立ち上げるなら、デジタルと親和性の高いソーシャルグラフ ── 人と人とのつながりの関係を網の目のように表したもの。SNSの友達関係やフォロー関係などがデータとして扱われますに働きかけるしかないと考えました。コロナ禍で出会いが減り、街から賑わいが減っているからこそ、スマートシティのOSがそこに介入すべきだというのです。
このスマートシティプレイヤーのOSとアプリケーション入れると人口自体が増えていくっていう出口以外ないんじゃないですかねって話を。
高木さんは、これも人と人の間の話だと受け止めます。高木さんは、Googleがトロントで進め、計画が止まったサイドウォークラボ ── Googleの親会社Alphabet傘下の都市開発企業。カナダ・トロントでのスマートシティ計画を進めましたが、2020年に撤退を発表しましたの例を挙げます。そこでも仕組みを整えた末に、誰がどう集まりコミュニティを作るのかが論点になったといいます。
上野山さんも、わざわざソフトウェアのレイヤーを街に重ねるなら、人のつながりに介入する以外に出口はないと同意します。
高木さんが、日本の街づくりにはテクノロジーが入っておらず、そこへの理解も足りないと話すと、上野山さんは「普通理解できないじゃないですか」と返します。上野山さんは、ソフトウェアの中で何が動いているかが理解されないのは、作っている側の怠慢でもあると考えています。
作ってる側は作ってる側で、なんかこの技術面白くね?っていう好奇心、技術好奇心ドリブンで動いてる人が多いので、わざわざそれをベネフィットベースに翻訳して伝える人めちゃ少ないっていう。
上野山さんは、技術とUXデザインのような高い専門性を連鎖させないと社会実装できない複雑な領域だからこそ、横断的にメッセージングしていきたいと語ります。ただし、PKSHA Technologyとしてはプロダクトで語りたいという「囚われ」もあり、プロダクトを形にしてから語りたいと考えているそうです。
ウェルビーイングは計測できるのか?
高木さんが、上野山さんが今一番関心のあることを尋ねると、上野山さんは「人間の内部状態、ウェルビーイング度合いをデジタルデータ化できないか」だと答えます。
高木さんは、自身が関わる富山県のプロジェクトでもウェルビーイングをど真ん中に据えていると応じます。富山県のプロジェクトでは「幸せ人口1000万」をビジョンに、ウェルビーイングを測り、それを軸に関係人口を1000万人つくることを目指しているといいます。
上野山さんが「ウェルビーイングを因数分解するとどうなるか」と尋ねると、高木さんは3つの要素の掛け算で答えました。
上野山さんは、それを最大化する行動を取るためには、工学的に考えると計測できなければならないと話します。上野山さんはこの1年ほど、さまざまなセンサーを買ってウェルビーイングの計測方法を調べ、友人と共同研究のようなサブプロジェクトも動かしてきたそうです。
上野山さんの仮説では、ウェルビーイングを表す生体マーカーは最終的にはホルモン分泌の状態です。ホルモン分泌の状態をスマホの画面である程度可視化できれば、「今日は調子が悪いからこういう行動は控えよう」といったフィードバックで行動が大きく変わると考えています。
何かが欠乏してるって無意識だけが駆動してて、行動が歪んでいくってことがめちゃくちゃ起こるはずなんですよ。
上野山さんによれば、満たされているときは何に守られているのか自覚できず、何かが欠けて初めて「あれ?」となります。しかも、なぜ欠けたのかも無意識レベルで起きているためわからないことが多いので、そこをセンシングしたいというのが研究の動機です。
上野山さんは現在、ロシア製の機械を買って大学に送り研究しているといいます。その機械は「タニタのすごい版」のような体重計型の装置で、手足を乗せて15秒ほどでウェルネス指数と、それを分解したさまざまな指数が出るそうです。
名古屋ではシニアの方がこの機械でデータを取り続けてきましたが、上野山さんは、結局センシングしたデータと「フィーリンググッドですか?」という主観的な満足を照らし合わせる研究になると話します。そこで悩ましい結果も出てきたといいます。
フィーリンググッドだって言ってる人の方が身体的な健康度は低いみたいな相関が出たりするっていう。
上野山さんは、「俺は大丈夫」と言う人ほど自分の体調に鈍感で、健康の悪化に気づかない可能性を挙げます。ウェルビーイング研究ではアンケートで主観を取るのが本丸らしいものの、国民性や答え方による計測バイアスがあるため、身体マーカーを取れないかを探っているそうです。
高木さんは、GDPのような客観指標から一人ひとりの充実度や幸福度へと物差しが移るウェルビーイングを「革命的」だと評価します。一方で、雪国の富山県では謙遜から主観的な評価が低めに出やすく、本音をどう測るかが論点になっていると明かしました。
上野山さんは、年に1回の市のサーベイではピンとこないと話します。上野山さんの考えでは、晴れ・曇り・雨のような3〜4段階の雑な計測でも、スマホで毎日確認できるほうが行動は大きく変わります。
夜の食べすぎから、人間に近づくソフトウェアの歴史へ
上野山さんは、自分は去年ごろまで健康意識が相対的にかなり低かったと振り返ります。病気をしないという意味では基本的に健康だったそうです。
去年ぐらいなんか夜めっちゃ飯食うと次の日体調悪いって気づいて。すごいこと発見したと友達に言ったら、お前それ30歳ぐらいに気づいてるぞって。
高木さんが、ウェルビーイングの研究は個人的な興味なのかと尋ねると、上野山さんは個人的な興味でもあり、ソフトウェアと人間の共進化というテーマにもつながると答えます。上野山さんは、ソフトウェア産業の歴史は、コンピューター側から人間側へとフォーマットを切り替えながら近づいてきた歴史だと話します。
上野山さんは、ソフトウェアが体の中にまで入れば、人間側の状態がデータ化・計測され、フィードバックがかかる未来が確実に来ると考えています。PKSHA Technologyの事業として今それに取り組むのは未来すぎるものの、上野山さん個人としては強い関心があるといいます。
高木さんが、その未来に気づいているのはAppleだけかと問うと、上野山さんは、Appleが気づいているかはわからないとしつつ、Appleの製品ロードマップは「相当すごいんだろう」と答えます。高木さんも、Apple WatchやAirPodsで体に近づき、心拍数などのデータを持つAppleなら体の中に入れてもいいとすら思うと話しました。
上野山さんは、ウェアラブルは「ブランドビジネス」である可能性があると指摘します。さらに上野山さんは、ジョブズ最後のプロダクトといえる宇宙船のようなApple本社が、10年後ぐらいに投入されるリング型デバイスの形をしているのではないか、という妄想を披露しました。
GAFAの中でAppleが異質なのはなぜ?
高木さんが、上野山さんはよくAppleについて語るが、Appleは他のGAFAと比べて異質なのかと尋ねます。上野山さんは、創業した頃はAppleがそれほど好きではなかったと明かします。
やればやるほど、俺らこんな未来のことわかっちゃったって思うことってやっぱ多いわけですよ。なんだけど、やればやるほどAppleもっと先わかってるんだってことがわかっちゃうみたいなことがめっちゃ起こってて。
上野山さんがもう1つ異質だと感じているのは、Appleが驚くほど人間理解に基づいたものを作る点です。上野山さんは、高木さんとの議論の中で、自分たちは「技術に取り憑かれた理系集団」と見られがちだが、本当の興味はデバイスではなく人間側に起こる変化だと気づいたといいます。
技術に取り憑かれた理系集団のように見られ、興味の中身を言語化できていなかった
ソフトウェアがおもしろいのは、人間と社会を劇的に変える技術だから。本当の興味は人間側に起こる変化だと自覚した
高木さんも、Appleは技術を見せる際に人間やライフスタイルにフォーカスし、それをエンパワーする姿勢が見えるからこそ愛されやすいと応じます。
上野山さんは、Apple本社の初期にいたiTunesの開発者と議論した際の話を紹介します。iTunesを作る経営会議では、デバイスの議論ではなく、東京の街の音楽とパリの街の音楽はどう違うのか、人にとって音楽とは何なのかを議論していたそうです。上野山さんはそれを「ただの憧れ」と笑っています。
焚き火にハマる理由は「センタリング」にあった
高木さんは、上野山さんが最近Twitterで「焚き火やばい」と言い続けている理由を尋ねます。高木さん自身も、仕事の途中に上野山さんから差しで話そうと誘われ、都心のど真ん中にある屋上の焚き火スペースで二人で焚き火をしたことがあるそうです。
上野山さんは、焚き火の良さを素朴に語るのではなく、この日の話全体につながる「センタリング」という観点から説明します。上野山さんによれば、経営をしていると、脳がロジックで考える「こうあるべき」と、身体がテンションを上げられないことがずれていき、身体と脳が分離していくことが往々にして起こります。
上野山さんは、焚き火はサウナや瞑想に似ていて、脳で考えていることがどんどん消えていく時間だと話します。上野山さんの説明を順に追うと、次のような流れになります。
上野山さんは「めっちゃ説明的になった」と笑い、一言でいえば「火を見てると落ち着く」という話だとまとめます。高木さんは、焚き火は経営者としてのバランスを整える時間なのだと受け止めました。
上野山さんは、前編で話したようなWill(意志)ドリブンで自分のやりたい領域と事業を重ねるには、自分自身への解像度が高くないとダメだと付け加えます。
「テンションが上がるか」は好奇心と過去の痛みのどちらから来るのか
上野山さんは、雑な言葉だと断りつつ、テンションが上がるかどうかがとても大事だと日に日に思うようになったと話します。最近は採用面接でも、その人がどこでテンションが上がるのかばかり見ているそうです。
シンペイさんとかテンション上がんないものあったら寝るじゃないですか。
寝ますね。
高木さんは、経営者らしく振る舞ってはいるものの限界があり、自分の好奇心をドライブするやり方でしか形にならないと語ります。そうでなければ「下手したら寝ちゃう」とのことです。
上野山さんは、好奇心でドライブするやり方と、過去の痛みの克服でドライブするやり方は少し違うと問いかけます。高木さんの答えは、二つの役割を分けて捉えるものでした。
常に意識しているわけではないが、ベースの行動原理になっている。点と点をつないで物語を作る感覚に近い
その時々の行動を動かす、もっと動物的なもの。理屈関係なくやってしまうが、振り返るとつながっていることが多い
最後に高木さんは、上野山さんの生い立ちから起業、ソフトウェアとデジタルの未来、今の関心領域までを聞き、「脳が満たされました」と前後編を締めくくりました。
まとめ
上野山さんが描く未来の中心にあるのは、人と人の「間」をソフトウェアがどうデザインするかという問いです。コールセンターやスマートシティ、ウェルビーイングの計測、Appleへの共感、焚き火まで、話題は幅広く広がりましたが、上野山さんの関心は一貫して技術そのものではなく、人間側に起こる変化に向いています。
- 人と人の間がソフトウェア化・アルゴリズム化しており、その設計は社会デザインやコミュニティデザインそのものだと上野山さんは考えている
- 上野山さんは大学時代から「世の中のほぼすべての問題はコミュニケーションの不具合で起こる」という仮説を持ち、それを直すソフトウェアに価値を見出している
- スマートシティは、ソーシャルグラフに介入して出会いや賑わい、人口を増やす以外に出口がないのではないかと上野山さんは問題提起した
- ウェルビーイングを日常的に計測できれば行動が変わるという仮説のもと、上野山さんは生体マーカーの研究に取り組んでいる
- 焚き火によるセンタリングで身体と脳のずれを整え、テンションが上がるものを見極めることが、自分のやりたいことと事業を重ねる土台になる




