「Googleと共存する方法」を考える
たいろーさんが最近つらつらと考えたのは、「Googleと共存する方法」だといいます。
きっかけの一つが、スマートニュースが出した地図アプリのWonderlandでした。
Wonderlandは「全く新しい地図アプリを作ろう」という心意気で始まったアプリで、以前この番組でも紹介されています。
たいろーさんによれば、GoogleやAppleの地図アプリは、地図やナビゲーションであろうとするほど自然と難しくなってしまう部分があります。
Wonderlandはそこをピンポイントで突き、「目的地がない時の散策アプリ」として用途を特化させたといいます。
同じようにマップビューを開く地図アプリではあるものの、「この辺りに何があるんだろう」と一目でパッと見つけていく用途に絞り込んでいます。
その用途でだけは、GoogleのマップやAppleの地図アプリよりかは便利、というところに刺しに行ってるような位置づけなんですよ。
「それGoogleがもうやってるじゃん」の壁
たいろーさんは、こうしたケースは実際にもよくあると感じているそうです。
サービスやアプリを作る仕事では、往々にして「それってもうどこそこがやってるじゃん」という話が出てきます。
「それだってもうGoogleがやってるじゃん」となると、一気にやる意義もやる気も失せてしまいがちだといいます。
そんなものやってもそもそも意味がないし、やったところでGoogleに勝てないし、みたいな話になることって結構多いんですよね。
確かに、検索エンジンを今から作ってもGoogleには勝てません。
AIチャットアプリを作っても、世界に名だたる会社がすでに手がけているため意味がないと思われがちです。
ところが稀に、Googleがやっていたはずなのに始めてしまって、世界で伸びたサービスがあるとたいろーさんは指摘します。
TimeTreeが伸びた理由
一つ目の例が、以前にも紹介したTimeTreeです。
創業者は韓国の人ですが、日本発のアプリだといいます。
MAUは4000万から5000万ほどあり、そのうち半分は海外ユーザーの利用だと語られています。
名実ともにグローバルアプリと言って差し支えないものの、機能としては友達や家族、恋人とカレンダーを共有するだけのアプリです。
ではGoogleカレンダーがあるのだから、それで済む話ではないか、という疑問が浮かびます。
しかしTimeTreeはそうはならず、伸びました。
たいろーさんは、その理由をよく考えるとユースケースの違いにあると分析します。
Googleカレンダーって、会社の方で使う、仕事で使うカレンダーであって、それを家族とか友人と共有するのかっていうと、まあしないし、しにくいし、もっと言うと「したくないかな」って思うんですよね。
別アカウントのGoogleカレンダーを作ることはできますが、アカウントを切り替えるのは面倒で、むしろやりづらくなります。
だからこそ、特定のユースケースに特化し、アプリごと分かれたカレンダーはやりやすいのだといいます。
みてねが刺さったユースケース
もう一つの例が、mixiが作った「みてね」です。
家族で子どもの写真などを共有するためのアプリで、動物などでもよいものの、最も多いユースケースは子どもだといいます。
綺麗なアルバムを作り、核家族の間はもちろん、親や祖父母とも写真を共有するためのサービスとして位置づけられています。
これもまた、「Googleフォトがあるじゃん」「Appleのフォトアプリで共有できるから意味ないんじゃないの」となったはずだとたいろーさんは言います。
って絶対そうなったはずなんですよ、最初の企画会議か何かで。でもそうはならなかったんですよね。
みてねも今や自他ともに認めるグローバルサービスとなり、海外の顧客にも結構使われているそうです。
理由はやはりユースケースの違いにあります。
写真を紙のアルバムにできたり、子どもの写真を存分に愛でるためのオプションサービスが目白押しだといいます。
Googleフォトでもできなくはないものの、デジタルデータで楽しむだけでなく、カレンダーやデジタル写真立てにできるといった「かゆいところに手が届く」体験が喜ばれるのだと語られています。
特定ユースケースに刺すという発想
たいろーさんは、特定のユースケースにおいてのみぶっ刺さる形でも、サービスは成立させられる可能性が十分あると結論づけます。
業界の人間も、サービスやアプリを作るとき、すぐに「もうすでにそれあるじゃん」「意味ないよ」と考えがちだといいます。
特定のライフステージや人生のある時期に差し掛かったとき、突如として欲してしまう行動はないか。
そうした視点で考えることが、巨大サービスと共存する道になるかもしれないと締めくくられています。
主に仕事や個人利用。家族・友人との共有は切り替えが面倒でやりづらい
家族・友人との共有という用途に特化。アプリごと分かれているぶんやりやすい
まとめ
巨大サービスがある領域でも、特定のユースケースに深く刺せばサービスは成立し得ます。「もうあるじゃん」で思考停止しないことが共存への出発点だと語られました。
- Wonderlandは「目的地がない時の散策アプリ」として地図の用途を特化させている
- TimeTreeは家族・友人とのカレンダー共有に絞り、Googleカレンダーと差別化して伸びた
- みてねは子どもの写真共有と紙アルバム化などのオプションで刺さり、グローバルに広がった
- 「Googleがやってる」で止めず、特定ユースケースやライフステージを起点に考えることが共存の鍵
