ロンドン到着、対面収録で聴く「ある出来事」
サイエントークは、研究者のレンさんとOLのエマさんが科学をエンタメっぽく語るポッドキャストです。今回の収録は、レンさんがロンドンに到着した翌日の夕方6時半に、2人が久々に対面で行いました。
ロンドンの夕方は、日本の昼3時ぐらいの明るさだといいます。在宅勤務のエマさんに代わって、レンさんがミネストローネとブロッコリーとアボカドのサラダを作り、「ご飯担当」になったという近況も語られました。
レンさんが話したかったのは、4月末から5月にかけて日本にいた時のある出来事です。エマさんは冒頭1分ほどだけ聴いた状態で、残りの音源をリアクションしながら聴くことになりました。
今日はちょっとね、日本に最後4月末から5月ぐらいまでいたんですけど、ちょっとその時のとある出来事について話したいなと思ってまして。
初回配信日から聴いていた高校生「シミくん」との対面
レンさんの音源は、札幌駅でシミくんと会う場面から始まります。シミくんは制服姿で、学校帰りの平日の夕方でした。
シミくんはサイエントークの第1話がアップロードされたその日から聴いているリスナーです。レンさんは、配信初週の聴取は10人ほどで、初日に聴いた人は5人もいないのではないかと振り返ります。
多分5人ぐらいしかいないんじゃない?5人もいないと思う。
番組開始はちょうど4年前ほどで、シミくんは当時中学2〜3年生でした。その頃におたよりを送り、レンさん公認の「弟子1号」になっています。
今回の対面のきっかけは、シミくんのお父さんからレンさんに突然届いたDMでした。それまで直接のつながりはなく、「旅立ちの前に一瞬だけでもお目にかかる時間はございますでしょうか」という依頼だったといいます。
京都大学医学部か筑波大学か、受験生シミくんの現在地
シミくんは高校3年生になったばかりの受験生です。勉強に集中するためにスマホを控えると宣言していましたが、本人いわく「若干使いつつ」という状況です。
志望校は一度変わり、現在の第1志望は京都大学医学部、第2志望は筑波大学の理工学群物理学類です。筑波大学では研究や宇宙物理が学べることに惹かれているといいます。
レンさんの受験時代とは仕組みが変わり、いまはセンター試験ではなく共通テスト ── 大学入学共通テスト。2021年からセンター試験に代わって実施されている全国共通の試験で、多くの国公立大学が1次試験として利用していますです。シミくんによれば、京都大学では共通テストの点数が大きく圧縮されて計算されるため、2次試験での勝負が大きいといいます。
(共通テストで)数学が200点分が50点分になるみたいな。
シミくんは、京都大学の受験生は数学と物理が得意な人ばかりなので、国語などで点差をつける必要があると分析しています。
グッズにお父さんまで、ヘビーリスナー親子の熱量
シミくんは番組のトートバッグやTシャツ、ステッカーまで使っています。トートバッグはお父さんも使っていて、お父さんは本人いわく「僕の0.8倍ぐらいのヘビーリスナー」です。
シミくんが繰り返し聴いたのは、科学史よりも人生史のシリーズでした。特にプロポーズ回あたりを寝る前にずっと聴いていたといい、レンさんは「朝活」の回を自分たちの黒歴史だと照れています。
興味の方向にも番組が影響しています。シミくんは素粒子物理に興味があるとおたよりに書いていましたが、ビッグバンの回で聴いた宇宙背景放射 ── ビッグバンの名残として宇宙全体から届くマイクロ波の電波。昔のアナログテレビの砂嵐の一部にも含まれていたといわれますの話から、宇宙物理に傾きつつあるといいます。
大学から専攻分野まで多分結構本当に影響受けてます。サイエントーク。
上の発言はシミくん自身のものです。レンさんは、昔は本や図鑑で進路を考えたが、いまはポッドキャストでも親しみやすく興味の入口を作れると喜びます。
弟子1号のおたよりが他のリスナーに与えた影響
シミくんは番組への恩を口にしつつ、「最近ちょっと微妙ですよね」とレンさんが自虐すると、ニュートンの回などを挙げて面白かったと返します。レンさんは科学史を時代ごとに話の毛色を変えながら、最終フェーズに持っていく構想も明かしました。
ニュートンの回を聴いたあと、シミくんはYouTubeでニュートンの微積分学の欠点などを調べ、詳しくなったといいます。
レンさんは、シミくんのおたよりが他のリスナーにも影響を与えてきたと伝えます。弟子になりたいという人が現れ、学生の熱いおたよりが面白いというコメントも届いていました。
まず弟子1号で他の人も弟子になりたいですみたいなのもあったし、やっぱり学生の熱いお便りがやっぱ面白いみたいなコメントもね。
レンさんは、おたよりで忍者の絵文字をたくさん使っていたシミくんがどんな人なのか想像していたといいます。実際に会うと、制服を着たちゃんとした学生でした。
エマさんの感想「もっと変な人だと思ってた」
ここで音源はいったん止まり、エマさんの感想が入ります。エマさんが最初に驚いたのは、シミくんの声と話しぶりでした。
もうね、私じゃなくって、あの、シミくんがレンくんと一緒にサイエントークやったらいいんじゃないかっていうぐらい上手いし。
なんかもうちょっと変な人だと思ってた。正直。
エマさんは、おたよりの強烈な印象から、数学や物理が大好きな変わったキャラを想像していました。実際のシミくんは常識的で、高校3年生とは思えない落ち着きぶりだったといいます。
エマさんの中では中学2年生のイメージのままだったため、高校3年生になっていたことにも時の流れを感じています。中学生がおたよりをくれたこと自体がうれしく、数年後に受験を控えて会えたことを「感慨深い」と話しました。
「無視できない」お父さんからの長文DM
レンさんが会いに行こうと決めた理由は、シミくんのお父さんからの長文DMの熱量でした。ゴールデンウィーク中に届いたメッセージは、「レンさん公認の弟子シミの父です」と名乗るものだったといいます。
お父さんはこれまでおたよりを送ったことはありませんでした。DMには、息子のモチベーターになってくれたことへの感謝と、受験勉強の心のよりどころになればという願いが書かれていました。
で、俺これ来て、いやこれちょっとこれは無視できないなと思って。
予定が詰まっていた中でレンさんがピンポイントで空いている日を伝えると、お父さんからは「札幌駅でも千歳でも行きます」と返事が来たそうです。エマさんは、その熱さがシミくんと似ていると感じています。
お父さんは本当は大学合格後に会わせたかったものの、いまのモチベーションになればと連絡したといいます。エマさんは、レンさんたちが日本に戻る来年5月ごろに、合格の報告を受けたいと話しました。
収録はお父さんの許可を得たうえで行いました。カフェが混んでいたため、コンビニでコーヒーを買い、札幌駅に座って話したので、音質が悪いことをレンさんは断っています。
Spotifyだけで40ギガ、理系ポッドキャストを網羅した中学生
後半の音源では、シミくんのポッドキャスト愛が語られます。シミくんは、学校で一番ラジオを聴いているのは自分だと自負しています。
(シミくんの)Spotifyだけで40ギガバイト。
上はシミくんの話を受けたレンさんの驚きです。シミくんはゲームアプリを1つも入れておらず、スマホの容量の3分の1ほどをポッドキャストが占めていました。
サイエントークとの出会いは、ポッドキャストを聴き始めたばかりの頃でした。当時は再生回数を気にせず、手当たり次第に聴いて、面白い番組を全部フォローしていたといいます。
シミくんはベストオブベストや佐々木亮さんの宇宙話、コペテンナイトなど、当時の理系ポッドキャストを網羅していました。理系ポッドキャストはいまでは当時の10倍ほどに増えたのではないか、とレンさんは見ています。
シミくんは、サイエントークが他番組とコラボしたことが、理系ポッドキャストが増えたきっかけの1つではないかと考えています。レンさんも、自分自身がそうだったように、誰かが始めるきっかけになっていたらうれしいと応じます。
「学び尽くすには人生が短い」、ゆる言語学ラジオからショート動画まで
シミくんは、関連番組のサイエンマニアや、ゆる言語学ラジオ ── 言語学をテーマに雑談形式で語るポッドキャスト・YouTube番組。水野太貴さんと堀元見さんが出演していますの水野さんとのコラボ回を何度も聴き、言語学にも興味を持ったといいます。
この言葉はシミくんの発言で、エマさんも音源を聴きながら「名言出た」と反応しています。
レンさんは、Z世代はショート動画ばかり見ていると思っている大人も多いが、まだまだ捨てたものではないと話します。シミくんは、自分もショート動画を見てしまうと笑い、ヒコロヒーさんのラジオにおたよりを送って褒められた経験も明かしました。
レンさんは、気軽に会えることこそ番組が目指している距離感だと語ります。2人がいたのは、札幌駅南口のAPIAの上にある、円錐を斜めに切ったようなガラスの構造物の中でした。
英国への旅立ちと、若い世代に広がるリスナー層
シミくんは、エマさんが自分を覚えていてくれたらうれしいと話します。レンさんは、エマさんは自分の話は忘れてもおたよりは意外と覚えていると答えました。
レンさんはこれから1年ほどイギリスに住みます。飛行機自体は14〜15時間でも、札幌から東京経由だと24時間近くかかり、レンさん自身も渡英を前にドキドキしていました。
シミくんは、最近のおたより回で小学4年生から聴いているという人や留学に行く人などが増え、リスナー層が若くなっていると感じています。
レンさんによれば、総数では20代後半から30代が最も多いものの、世代間の差はそれほど大きくありません。若いリスナーやおたよりを送る人は徐々に増えていて、紹介しきれないほど溜まっているといいます。
ネット上の存在が「実在」した日、アートワークとAIの話
シミくんが初めておたよりを送ったのは、番組2回目のおたより回のころで、2021年ごろです。シミくんにとっては、おたよりを送るという概念自体がそれまでなかったといいます。
(おたよりを)送ってから、僕の人生が始まった。
上は「そっからですよ、僕の人生が始まったの」というシミくんの言葉を受けた場面です。レンさんは、ネット上の存在だった自分が実際に会ってみて「ちゃんとでかいでしょう」と尋ね、シミくんは一瞬で気づいたと答えます。
話題は番組のアートワークにも及びました。初期はフリー素材の灰色のイラストでしたが、いまは写真をもとにしたイラストに変わり、最近はエマさんの描いたイラストをAIに読ませて動きをつけたり、サムネイルをAIで作ったりしているそうです。
シミくんは、エピソードごとのイラストをInstagramで見てから本編を聴くのが楽しみだといいます。Instagramは好きな人たちを見るためだけにブラウザで使っていて、レンさんとエマさんはその使い方を健康的だと評しました。
一点だけ深掘る癖は「学者向き」か
受験まで残り8か月ほどとなり、シミくんはそろそろ本腰を入れなければと話します。悩みは、知的好奇心が一部分に向かいすぎて、他の教科がおろそかになる癖です。
でも学者向きである気がするな。
レンさん自身も受験前は化学や生物など好きな科目ばかり勉強していましたが、受験は総合勝負なので切り替えが必要だったと振り返ります。
シミくんは大学数学に夢中になった時期があり、特殊関数まで勉強したといいます。ただ得意というより、知りたいところを深掘っていく「好きなだけ」だと本人は話しています。
レンさんも、フェルマーの最終定理 ── 17世紀にフェルマーが書き残した数論の予想。300年以上誰も証明できず、1995年にアンドリュー・ワイルズが証明を完成させましたを解いた人の話などを読み、数学の歴史には独特の魅力があると感じてきました。
レンさんは、一人が一生でできることは限られているから、過去の人の成果を引っ張ってきて問題を解決する点が科学の面白さかもしれないと語ります。
数学史を義務教育に?ストーリーで学ぶ科学
シミくんは、一時期は本気で義務教育に数学史を入れるべきだと思ったほど、数学史に感動したといいます。レンさんも、科学史的な話を授業に入れたらいいのにと共感します。
それはね、脱線が多すぎる。
上は、シミくんの「サイエントークを義務教育にすればいい」という提案へのレンさんの返しです。それでもレンさんは、ストーリーとして楽しめる要素があれば科学を好きになる人は増えると考えています。
シミくんは、高校物理が微積分を使わないことももったいないと指摘します。レンさんは、暗記ゲームのようになってしまうのは悲しいと応じました。
一方で、教師の友人から聞く話では、教える内容が増えすぎて、授業はいかに詰め切るかになっているといいます。授業のネタにサイエントークを使っている先生もいて、レンさんは先生たちも本当はもっと話したいのではないかと推察しています。
内容が多く時間が足りないため、結論を覚えて穴埋めする形になりやすい
歴史や理屈の流れから入るので、興味の度合いが変わり、入りやすい
口コミと出会い方、レビュー欄への違和感
シミくんの学校には、サイエントークを聴いている友人が3人ほどいて、レンさんに会いたかったと言っていたそうです。レンさんは、ポッドキャストは口コミでしか広まらない気がすると話します。
シミくんは、ネットでは情報が多すぎて、何かに入ってもすぐ別のものに移ってしまうと考えています。だからこそ、SNSを使う前に他人の評価を気にせず自分で番組を選んで聴いた自分は、いい出会い方をしたといいます。
評判から入っちゃうとね、フィルターかかっちゃいます。
シミくんは、Appleポッドキャストのレビュー欄に、番組の本質を外した批判が書かれることにも違和感を持っています。好きな番組の出演者への厳しい批判を見て、あえて「最高」と書き込んだこともあるそうです。
レンさんは、表面的な部分だけを見て書くくらいなら書かないほうがいいと話し、やっている側にはきついものだと率直に語りました。高校3年生の言葉として世の中の人にも聴いてほしい、とレンさんは感じています。
「成し遂げた」と思う日は来ないほうがいい
まだ17歳のシミくんは、自分は何も成し遂げていないと言います。レンさんは、何かを成し遂げたと思う日は自分にも来ない気がすると答えました。
何か成し遂げたなって思う日、俺来ない気するんだよね。来るかな。来たら終わっちゃうよな。
何かこれやり遂げたっていう経験は絶対あるけど、もう成し遂げてないことないわってなる人生は嫌だよ。
レンさんは研究者になりたいという夢を叶えた今も、まだこれからだと思っているといいます。そこで、自分の仕事を当ててみてほしいとシミくんに問いかけました。
明かされたレンさんの職業、製薬の研究者
レンさんはこれまで職業をあまり明かしてきませんでした。ジャンルを当てたら公表してもいいと言われたシミくんは、「製薬」と見事に言い当てます。
というか、製薬の研究者。だから一言で言うと薬作る研究者。
シミくんは、製薬の研究者がなぜ数学の解説をしているのかと突っ込みます。レンさんも「意味わかんない」と笑いながら、薬学部出身だとはどこかで話していたと認めました。
レンさんが薬に興味を持ったのは、中高生のころ、錠剤を飲むだけで頭痛が治る仕組みを説明できないと気づいたことでした。それ以前から、科学のものづくりをしたいとも思っていたといいます。
レンさんは、好奇心の強い人が行き着くのは「謎」であり、謎を追求したいなら研究者か探偵が向いていると語ります。そのうえで、分子を作れれば何でも作れると考える中で、一番難しいのが薬作りだったといいます。
分厚い参考書『化学の新研究』とP軌道の話
シミくんは有機化学に挫折しかけたものの、歴史を知るとだいぶ楽しくなったといいます。カバンから出てきたのは、700ページほどある『化学の新研究』の改訂版でした。
シミくんは、レンさんにサインしてもらうためにこの本を持ってきていました。エマさんも音源を聴きながら、自分の時代にもあった資料集のような本だと反応しています。
分厚い本が好きなシミくんは、高校の入学祝いで模範六法 ── 法令を収録した分厚い六法全書の一種。判例も付いた実務向けの本で、数千ページに及びますを買い、14分の1ほど読んで挫折したそうです。レンさんも辞書を全部読もうとして挫折した経験を語りました。
『化学の新研究』で2人が盛り上がったのはコラム欄です。シミくんは電子のスピンや電子雲の話に興奮したといい、レンさんは、大学で多くの人が挫折するのがこの軌道のあたりだと話しました。
シミくんは、P軌道 ── 原子の中で電子が存在する領域(軌道)の種類の1つ。ダンベルのような形をしていて、化学結合の仕方を理解する鍵になりますなどは高校の教科書には出てこないものの、知っていると結合の仕方などがわかると話します。
暗記ではなく理屈で、有機化学の「武器」と設計図
シミくんは、ただ暗記して飲み込むのが嫌いだといいます。レンさんも、金属なら自由電子と覚えて穴埋めするような高校化学のやり方は好きではないと共感しました。
シミくんは、遷移金属と典型金属の融点や柔らかさの違いも、軌道から考えて納得できたといいます。レンさんは日本刀を作るときに金属を叩く理由にも触れつつ、大学の研究では結晶構造のような知識はあまり使わなかったと話します。
有機化学の研究室にいたレンさんが一番使うのは、メタセシス反応 ── 炭素同士の二重結合を組み替える反応。2005年のノーベル化学賞の対象になり、医薬品などの合成に広く使われていますやディールス・アルダー反応 ── 2つの分子から6員環を一度に作る反応。天然物や医薬品の合成で頻繁に使われる、有機化学の代表的な反応の1つですのような反応のパターンです。
これとこれ混ぜたらこうなるんだみたいなパターンをいろいろ知っておくと、天然にあるものを見たら、あ、ここを分解したらこうやって作れそうだなみたいな、設計図がなんとなく書けるようになって、そこからが楽しい。
レンさんは、最初は反応という「武器」を蓄える段階でも、電子の動きがわかってくると全部をロジカルに考えられ、見たことのない分子の性質もある程度わかるようになると話します。
武器を蓄える
さまざまな反応のパターンを知る
理屈がつながる
電子がどう動き、どこが脱離するかがわかる
設計図が書ける
天然の分子を見て作り方を考えられる
未知の分子にも
見たことのない分子の性質も推測できる
ただレンさんは、反応そのものを電子のスピンなしで説明するのは難しく、教科書はちょうどいいところで「手加減」しているとも指摘します。そこでもどかしさを覚えて一歩踏み出す人は少なく、嫌いになってしまう人が多いといいます。
「興味を持てたら勝ち」、比べずに学ぶ純粋な動機
シミくんは、嫌いな化学はあまりないと話します。最近になって、学問には得意不得意という概念はあまりなく、興味を持てたら勝ちなのではないかと気づいたそうです。
(勉強は)比べなくて、自分がただ面白い、好きって思ったから勉強するっていうのはやっぱ一番純粋な動機だなと思って。
上はシミくんの発言です。レンさんは、その閾値が低ければ低いほどよく、そうでなければ続かないと応じ、エマさんも「本質的だな」と音源に反応しました。
シミくんは、優秀な人はどこにでもいるからこそ、自分にしかできないことを求めるといいます。学校のSSH ── スーパーサイエンスハイスクール。文部科学省が理数教育に重点を置く高校を指定する制度で、生徒が課題研究に取り組みますの研究では、物理や化学、生物が中心の中で、数学を選んだのはシミくんだけでした。
シミくんは、逆張りのような気持ちもあって数学を選び、学校に提出する論文を書いている途中だといいます。音源はここで区切られました。
好奇心で学ぶ人と受験のために学ぶ人、研究者への分かれ道
音源を聴き終えたエマさんは、合格後の卒業旅行でイギリスに来てはどうかと提案します。レンさんは、高校の卒業旅行でイギリスはハードルが高いと笑いました。
レンさんは、シミくんとは話していて感覚が近いと感じ、高校3年生と話すことで自分のほうが勉強になったといいます。エマさんは、精神年齢は大人なのに好奇心は若いところがいいと話しました。
エマさんは、自分が受験に受かるために嫌々勉強し、大学に入ってすぐ忘れたことを振り返ります。そのうえで、好奇心で学ぶかどうかが研究者になれるかの分かれ道だったのかもしれないと考えました。
なんか結局研究者ってさ、そういう好奇心がなきゃ続かないじゃん。
記憶して受かるための勉強。大学に入ってからつまずき、研究者になれない
納得できるところまで深掘りする。研究者になる側で、レンさんやシミくんはこちら
ただしエマさんは、研究者として高いレベルの大学に行くには幅広く勉強する力も必要で、「どっちも」だと付け加えます。レンさんも、研究者には専門外の勉強や英語も必要なので、受験には意味があると考えました。
エマさんは、研究者になるだけが人生ではないとも話します。自分は研究者にはならなかったものの、大学を目指して学び社会に出た経験は良かったし、コネクションやスキルも得られたといいます。
中2だったシミくんの成長と、後編への予告
エマさんは、最初は中学2年生だったシミくんが、いまではP軌道や物理の微分について話していることに驚いています。レンさんは、『化学の新研究』のページがびっしりの書き込みで埋まっていたと明かしました。
音源は1時間を超えるため、後編に続くことになりました。レンさんは、シミくんの熱量が他のリスナーにも伝わっていることを願っています。
これを聞いてる勉強してる人とか、受験生に限らず。何かを勉強してる人とか。みんな頑張ろうって感じがすごいする。
2人は、今回の対面がシミくんの受験勉強のモチベーションになればと話します。シミくんにとって2025年のおたよりはこの音声で、ここからは受験に集中する予定です。
後編にもシミくんの名言がたくさん出てくると予告され、概要欄には過去のおたより回も貼られています。2人は、来年シミくんから報告を聞ける日を楽しみにしています。
まとめ
初回配信日から聴き続けてきた高校3年生のシミくんとの対面は、番組が1人の進路や好奇心に影響していたことを示す出来事でした。理屈まで深掘りして学ぶ姿勢、比べずに好きだから学ぶという動機は、レンさんとエマさんにとっても学び直しのきっかけになったようです。
- お父さんからの熱いDMがきっかけで、レンさんは札幌駅でシミくんと対面した
- シミくんはサイエントークの影響で宇宙物理に関心を持ち、大学や専攻選びにも影響を受けている
- 暗記ではなく理屈とストーリーで学ぶことの面白さを、2人は化学や数学史を例に語り合った
- エマさんは、好奇心で学ぶかどうかが研究者への分かれ道になると感じつつ、幅広い勉強も必要だと話した
- 話は後編に続き、シミくんの受験の結果報告を2人は楽しみにしている





