朝日新聞のスタジオで「カガクをヒラク」の2人と対面
サイエントークは、研究者のレンさんとイギリス駐在員のエマさんが科学をエンタメっぽく語るポッドキャストです。今回は東京・築地の朝日新聞ポッドキャストの収録スタジオから、ゲストを迎えて収録されました。
ゲストは、朝日新聞ポッドキャスト「ニュースの現場から」の科学番組「カガクをヒラク」を担当する石倉徹也さんと下地達也さんです。下地さんは大阪からリモートで参加しています。
石倉さんは2007年に朝日新聞に入社し、20年近く在籍しています。1年ほど前まで科学を担当する部署に長くいましたが、現在は記事を編成するコンテンツ編成本部に所属しているため、科学記者は「自称」だと笑います。
下地さんは2018年入社の32歳で、科学記者ではありません。高校野球などの取材をしてきましたが、高校時代は理数科で科学が好きだったといい、2024年に今の部署へ移ったことで石倉さんと番組を始めることになりました。
(番組で)科学をめちゃくちゃ開きまくれたらいいなというところで頑張っているところです。
番組での役割は、石倉さんがナビゲーター、下地さんがMCです。エマさんは、石倉さんがレンさん、下地さんがエマさんのような立ち位置だと整理しています。
「ナビゲーター」という肩書きはなぜ生まれた?
レンさんは「カガクをヒラク」の立て付けが少し特殊だと感じていました。下地さんによれば、番組はもともと、まだ記者だった石倉さんと下地さんが一緒に番組を作ったところから始まっています。
ところが石倉さんは「デスク」になり、忙しくなってしまいました。エマさんの「デスクって何ですか?」という質問をきっかけに、新聞社の役職の説明が始まります。
石倉さんの説明では、デスク ── 新聞社などで記者の原稿をチェックし、掲載や配信の可否を判断する立場の人。一般企業の課長や係長に近い中間管理職にあたりますは「次長」と呼ばれる役職です。記者が書いた原稿をリリースする権限を持ち、何かあったときに責任を取る、記者より少し上の立場だといいます。
記者
取材して原稿を書く
デスク(次長)
原稿をチェックし、載せてよいか判断する
リリース
デスクがOKを出した記事が掲載・配信される
下地さんは、記者が出した記事が勝手に全部載る仕組みにはなっていないと補足します。石倉さんはデスクを「ストッパー」や「OKボタンを押す人」にたとえました。
下地さんが心配したのは、デスクになった石倉さんと番組を続けられなくなることでした。そこで、それまでなかった「ナビゲーター」という役職を作り、記事を書いた記者をゲストに呼びつつ、石倉さんが解説に入る形にしたそうです。
あの石倉さんが喋る机になってしまったせいで、その石倉さんと番組を続けられなくなるんじゃないかっていう危惧があり。
ナビゲーターってね。そう、ナビゲーターって何なの?ずっと疑問に思ってた。
番組の始まりは前年の6〜7月ごろで、まだ1年たっていません。番組名を考える企画会議の回では、参考になる番組としてサイエントークの名前が挙がっていたそうです。
石倉さんは、サイエントークは完璧な名前だと感じた一方、「サイ」や「トーク」は使えないと考えたと振り返ります。レンさんとエマさんは、その回をドライブ中に一緒に聴いていたといいます。
4年前の「納屋」スタジオと、朝日新聞とのご縁
サイエントークと朝日新聞ポッドキャストの縁は古いものです。番組開始から約8か月後、神田さんがサイエントークに出演し、その後2人は朝日新聞のスタジオに招かれました。
その収録はちょうど4年前の3月で、配信は2022年5月でした。当時のスタジオは場所も違い、細長く暗い道の先にある倉庫の奥のような部屋で、「納屋」と呼ばれていたといいます。
マジで震えてて。どうしようって思って。こんななんか朝日新聞の本社に来ちゃったよみたいな感じだったし、
なんかまだコラボとかもあんま慣れてなくて、ガッチガチだった。
当時の企画では、事前に10問ほどの質問が届き、最初に短く答えてから収録が始まる形式でした。エマさんは回答をたくさん用意して覚えていったそうです。
4年後に訪れたスタジオはすっかり綺麗になっていて、レンさんは驚いたといいます。下地さんは、朝日新聞ポッドキャストの黎明期を知るのはむしろサイエントークの2人のほうかもしれないと話しました。
その朝日新聞ポッドキャストが科学番組を作り、しかもサイエントークを参考にしていたことを、レンさんは「胸アツ」と表現します。両番組は、東京書籍の番組「聞く新しい理科」にもそれぞれ出演しており、いわば「お隣さん」の関係でもありました。
科学記事と音声、伝え方はどう違う?
サイエントークの2人は、科学記者をゲストに迎えるのは今回が初めてです。レンさんは、本を読んで噛み砕いて話す「我流」で番組を続けてきたため、記事とポッドキャストの両方を知る2人にその差を聞きたいと切り出しました。
石倉さんは、記事とポッドキャストでは頭の使い方がまったく違うと答えます。記事では、何より間違えてはいけないという意識が優先順位の上位にあるそうです。
活字では同じ言葉を何度も使うことはまずなく、とにかく短くしろと教育されてきたと石倉さんは話します。一方の音声では、言い換えながら同じことを何度も表現できます。
同じ言葉を繰り返さず、とにかく短く。見ただけで論理的に理解できる文章にする
同じことを何度言ってもよく、別の表現で言い換えながら伝えられる
科学記事では、読んだ誰もが理解できるよう、前提を低く設定します。たとえば「制御性T細胞 ── 免疫の働きが過剰にならないよう抑える役割を持つT細胞の一種。2025年のノーベル生理学・医学賞の対象となった研究で知られます」といった専門用語をいきなり使わず、説明の枕詞をどこかに入れるよう教えられてきたそうです。
いきなりこう制御性T細胞って使わないで、それの枕詞をちゃんとどっかに入れたりして、誰かがこう迷子にならないようにっていうのがすごく、
新聞記者の世界には、1年目を「1年生」と呼ぶような学校っぽい文化があります。教えてくれるのはデスクや、2年ほど上の先輩たちだといいます。
石倉さんはもともと素粒子を研究していた理系出身で、わかりやすい記事など書いたことがありませんでした。入社当初は、びっくりするほど怒られたと振り返ります。
なんか記事書いて印刷したものを普通にゴミ箱にビリビリビリビリって捨てられるとか。
下地さんは「半沢直樹でしか見たことない」と驚き、エマさんはコンプライアンス的にも大丈夫なのかと反応します。石倉さんも今はもうないだろうとしつつ、赤ペンで直されて書き直しを命じられることはしょっちゅうあったと話しました。
自分の原稿が原形をとどめず、デスクが書いた原稿になって戻ってくることも多かったそうです。石倉さんはその差分を見比べ、次からはそう書こうと真似ることで書き方を身につけていきました。
科学記者は何年で一人前になる?
エマさんが「何年生で一人前になるのか」と尋ねると、石倉さんは3年目くらいだと答えます。デスクがほとんど直さずに記事が出るようになり、自信がついて少し調子に乗るのが、多くの記者が通る道だそうです。
一方の下地さんは、3年目ごろに取材も原稿もうまくいかず苦しんだ時期があったといいます。そのとき相談した7年目の先輩の言葉から、一人前には10年ほどかかるのかもしれないと感じたそうです。
その先輩は7年目にして、ようやく私は書きたいことを書く筆力が身についてきたから、自由に書けるようになり始めて面白いみたいなこと言ってたんですよ。
朝日新聞の記者は、科学志望でも最初から科学を書くわけではありません。石倉さんの場合、1年目は警察担当の事件取材、2年目は高校野球、3年目は県庁や市役所の行政取材でした。
この3つを突破すると、自分のやりたいことを書けるだけの筆力や取材力が芽生えてくる、と石倉さんは話します。素粒子出身の記者もみんな同じ道を通るといい、科学記事を書きたくて入社した石倉さんは、3〜5年は修行だと思って我慢したそうです。
エマさんは「事件は1年目の人が書いたのか」と新聞を見る目が変わりそうだと笑います。ただ石倉さんによれば、東京や大阪などの大都市の警察取材は、雲の上のような超ベテランが担当しているそうです。
科学担当は十数人、「ドングリ記者」まで個性派ぞろい
科学系の記事を書くのは本社に上がってきた記者なので、一番若くても4〜5年目です。新聞記者の中で科学をやりたい人はそれほど多くないといいます。
石倉さんによると、サイエンス担当の記者は現在十数人ほどです。昔はもっと多かったものの人数は減っており、一方で20〜30年同じ部署にいる生き字引のようなベテランもいます。
下地さんは、科学の記者には個性的な人が多いと話します。石倉さんは、大学や大学院での研究分野が好きなまま科学記者になった人が多いからだと説明しました。
代表例が、杉浦奈美さんという女性記者です。家にドングリが100個ほどあり、ほとんどの種類を持っているといい、実際にドングリの記事をたくさん書いているそうです。
杉浦さんは「カガクをヒラク」にも出演し、リワイルディング ── かつてその土地にいた動物や、それに近い生き物を再び導入して、本来の生態系を取り戻そうとする考え方。日本語では「再野生化」とも呼ばれますの話をしたはずが、3分の1ほどドングリの話をしていたと下地さんは振り返ります。
ずっとドングリの話してました。なんかドングリの話止まらないでとか言ってて。
石倉さんがノーベル賞級と語る「陽子崩壊」のロマン
では石倉さんの個性は何か。下地さんは、石倉さんを「陽子崩壊が大好き」な人だと紹介します。説明するのが恥ずかしいと言いながら、石倉さんが語り始めました。
原子の中心には原子核があり、その中に陽子と中性子があります。中性子は比較的壊れやすい一方、陽子 ── 原子核を構成する、正の電荷を持つ粒子。水素の原子核は陽子1個でできていますは今の物理の標準理論では壊れない、永遠のものとされています。
例えば僕が死んでも、僕の細胞の中にある陽子っていうのは、ずっとその灰になったとしても、この宇宙の中、世の中をこう漂っている。
ところが最新の理論では、陽子もいつか崩壊すると予想されています。石倉さんは、物質は巡り続けるのではなく、いつか無になるという点に惹かれており、その陽子崩壊を観測したいと話します。
捕まえてって観測したい。発見したい。発見すると絶対ノーベル賞です。
岐阜県のカミオカンデ、そしてスーパーカミオカンデ ── 岐阜県飛騨市の地下にある、巨大な水タンクを使った観測装置。ニュートリノの観測などで知られ、陽子崩壊の探索も続けていますは、30年ほどにわたって陽子崩壊を探してきましたが、まだ見つかっていません。現在は3つ目となる巨大施設ハイパーカミオカンデが建設中です。
カミオカンデ
最初の観測施設
スーパーカミオカンデ
30年ほど探索を続けるも未発見
ハイパーカミオカンデ
建設中の3つ目の巨大施設。見つかるかはまだわからない
見つからない理由は、陽子の寿命が非常に長いからです。水の中には陽子があるので、大量の水を集めれば確率的に1年に1個ぐらいは壊れてくれる、という発想で観測を続けていると石倉さんは説明します。
なんかすごい新しい物理の扉が開くんですよ。本当にそれ(陽子崩壊)で観測されるかどうかで。
レンさんはここで、番組名の「カガクをヒラク」はそこから来ているのかと突っ込み、冒頭のやり取りにつながります。
レンさんは、フェルマーの最終定理 ── 17世紀にフェルマーが書き残し、約350年後の1995年にワイルズが証明を完成させた数学の難問が解けたときのように、自分に関係なくても未解決問題が解けるとワクワクすると共感します。そのワクワクを伝えることこそ記事やメディアの大事な役割ではないか、と問いかけました。
取材で最新理論を浴びる時間が一番楽しい?
石倉さんの答えは、取材しているときが一番楽しい、というものでした。研究者から最新の理論を浴びせられ、頭がパニックになりながらも、今まさに最新の理論を聞いているのだと高揚するそうです。
だから(取材は)聞いて終わりだったら最高だなって思う。思ってますいつも。
エマさんは、そういう気持ちになれる人だからこそ科学記者になれるのだろうと受け止めます。ただ、数学記者も名乗る石倉さんでも、数学者の話はわからないことが多いといいます。
要はこういうことですかって言っても、その要はに対して答えてくれてなくて、全然やっぱりどんどんどんどん奥に入ってっちゃって、
それでも記事は書かなければなりません。石倉さんは、わかりやすくするにはこのくらい噛み砕く必要があると研究者に伝え、自分なりの解釈とすり合わせて調整しながら書くことがあるそうです。
記事全体を研究者に見せることはしませんが、理解の要所は「ここはこういう理解でいいですよね」と確認することがあります。記事は研究者が発表した論文に依存するため、「そういうことじゃない」と言われるとドキッとするといいます。
研究者と仲良くなると、論文を出す前にこっそり教えてくれたり、電話で「これ書いてよ」と売り込んでくれたりすることもあるそうです。プレスリリースでも構わないものの、直接言ってもらえると嬉しくて頑張って書こうと思えると石倉さんは話します。
科学記者はどうやってネタを見つける?
エマさんは、売り込みではなく自分でネタを取りに行くときはどうするのかを尋ねました。石倉さんによれば、研究者は論文で勝負しているため、ネタ探しも論文が起点になります。
科学記者のもとには、サイエンスやネイチャーなどの出版社から、近く公開される論文のリストが毎日大量にメールで届きます。リストは英語で、難しいタイトルと概要が並んでいるそうです。
レンさんは、研究者も関連分野の雑誌を見て読む論文を決めているので、やっていることはほぼ同じだと感じます。ただ石倉さんは、どれを書けば読者に受けるかはわからず、面白いと思って書いてもピンと来てもらえないことがあると話します。
選び方はあくまで記者本人が書きたいかどうかなので、得意分野に偏りがちです。石倉さんは物理や数学の論文はしっかり読む一方、ドングリの研究には多分目もくれないと笑いました。
大学などから定期的に届くプレスリリースや記者会見をもとに書くこともあります。ただし、同じ資料が各社に届くため、他社も同じタイミングで記事を出すことになります。
各社に同じ資料が届くため、他社と横並びになりやすい
自分にしか書けない記事になるが、なかなかうまくはいかない
石倉さんが本当に書きたいのは、自分しか気づいていない記事です。エマさんは、そうした熱意があるからこそ記事が面白くなり、特定の分野が大好きな人が科学記者になるのだろうと話しました。
科学の面白さはどうすれば広まる?
下地さんは「どうやったらもっと科学の面白さが広まるか」という大きな問いを投げかけ、自らサイエントークのやり方に触れます。身近なところから入り、噛み砕いた先に生活がある点が印象的だといいます。
例に挙げたのが、東京書籍の番組での回です。「カガクをヒラク」が月に行く計画を話したのに対し、サイエントークは「月がなくなったら人間はどうなるか」という仮定から、1日が8時間になるかもしれないといった話をしていました。
下地さんは、ショート動画やAIの要約があふれ、長文への耐性がない人が増えていることを意識しているといいます。3秒でわからないと美味しくない、という状況の人に向けて出していることを忘れないようにしているそうです。
味の素いっぱい入れて、添加物いっぱい入れて、なんかもうしょっぱくないと味わかんないみたいな状況になってる人たちに向けて出してるっていうのは意識しなきゃなっていうのは思ってますね。
そのため番組では「つまり」を問い直したり、例え話を使ったりしています。石倉さんがよく使う「奈良の大仏何個分」という例えも、高さの感覚は人によって違うためロケットの説明では難しいといいます。
石倉さんは、科学とポッドキャストには親和性があると実感してきたと話します。サイエントークは肩肘張らずに聞けるうえに視点が面白く、「月がなかったら」という発想や潮汐摩擦 ── 月の引力で起きる潮の満ち引きが地球の自転にブレーキをかける現象。これにより地球の1日は少しずつ長くなっていますの話は「ずるい」と感じたそうです。
えー、マジそこ行ったの?と思って。
サイエントーク側でも試行錯誤は続いています。人とチンパンジーの遺伝子が実は99%一致ではなかったという回は、割合そのものではなく「科学は変わる」という考えから出発したといい、最近は話したいことをただ話すのではなく、エマさんのヒントも取り入れているそうです。
エマさんは、自分が興味のないテーマだとそれがリスナーに伝わってしまうと明かします。そのため最近は、自分からトピックをリクエストすることもあるといいます。
すごいつまんなそうにしてるみたいな風に言われるんですけど、でもつまんないものはつまんないとか、興味があんまないものはなんかなかなか興味持てないんで。
記事起点のテーマ選び、強みと悩みは?
石倉さんも、何が求められているのか、本当に面白いのかはいつも不安だと共感します。レンさんは、自分たちはテーマを自由に決められるが、新聞社の番組では旬のニュースなど取り上げなければならないものもありそうだと指摘しました。
「カガクをヒラク」は縛っているわけではないものの、科学記事を見つけて掘り下げる形で作っています。石倉さんは、記事でなくてもいいなど、もっと間口を広げてもいいかもしれないと話します。
ただ番組は、記事を書いた記者を呼んで3人で話す形式です。記者がいないと、石倉さんと下地さんがただ好きなことを話す回になってしまうため、ある意味で人に依存した作りになっていると石倉さんは説明します。
記事を書いた記者を呼べる。現場を見た臨場感を伝えられるが、記事と記者に依存する
テーマは自由に決められるが、研究者をゲストに呼ぶのはハードルが高い
エマさんとレンさんは、記事のために調べ上げ、現場の雰囲気まで伝えられる記者を呼べることを羨ましいと話します。サイエントークは最近研究者を呼び始めましたが、まだ3人ほどです。
最近出演した、アメリカで免疫を研究する人も、たまたま番組を聴いてメールをくれたことがきっかけでした。初対面でいきなり出演を依頼するのは、匿名の個人からの依頼で胡散くさく見えかねない、とレンさんは話します。
南極の観測船とスターリンクでつないだ収録
話題はドングリ記者の杉浦さんに戻ります。杉浦さんはいま南極観測船のしらせ ── 日本の南極観測を支える砕氷艦。観測隊員や物資を南極の昭和基地などへ運びますに乗り、1か月半ほど船内で生活していて、4月上旬に帰ってくる予定です。
実は少し前、南極と築地のスタジオをスターリンクでつないで収録したそうです。スターリンクのアンテナは外に置かなければならず、杉浦さんは寒さの中で凍えながら話していたといいます。
寒さでバッテリーがみるみる減り、収録は20〜30分ほど続いたところで、最後は電源が切れて終わりました。
あと2パーしかないですって言って、ブツブツブツって切れましたね、最後。
エマさんは、当事者にはなりたくないがリスナーとしては聴いてみたいと笑い、レンさんも帰国後に話を聞いてみたいと興味を示しました。
「カガクをヒラク」の配信予定と宇宙人トーク
最後に下地さんが番組を紹介しました。「カガクをヒラク」は朝日新聞ポッドキャスト「ニュースの現場から」で毎月第1火曜日に定期配信しており、ときどき増刊号も出しています。最新のサイエンスを、楽しく、優しく、面白く届けることがモットーです。
直近では、3月31日に南極のトッテン氷河にいる杉浦さんとのリモート収録回が配信されます。4月7日には、JAPAN PODCAST FES 2026で石倉さんと下地さんが本気の宇宙人探しについて45分間語った回が予定されています。
サイエントークも宇宙人の回を配信しており、エマさんは、まずポップなサイエントークから入り、詳しい話を「カガクをヒラク」で聴く方法もいいのではと提案します。
両番組の宇宙人トークは、内容がよく似ていました。最初の挨拶をどうするか、言葉が通じない中でどうコミュニケーションを取るか、相手の感覚器官をどう探るか、といった話です。
サイエントークでは、球の形をした宇宙人「タマチアン」というキャラクターまで作り、前後や左右の概念をどう伝えるかを考えたそうです。その後レンさんが、サイエントークの2人も「カガクをヒラク」にゲスト出演したことを伝え、本編を締めくくりました。
収録を終えて、2人が振り返るコラボ回
収録後、エマさんは「すごく楽しかった」と振り返り、終始和やかな雰囲気だったと話します。本編には登場しませんでしたが、スタジオには神田さんもいて、収録後は一緒にカレーを食べに行ったそうです。
レンさんは、サイエントークの2人が出演した回も「ニュースの現場から」で配信されていることを紹介し、エマさんもそちらも面白かったと勧めました。
感想は「#サイエントーク」で募集しています。コラボ情報はLINEオープンチャットで随時発信しており、さらに交流したい人向けには、チャットや月1回のミーティング、書籍化プロジェクトを進めるコミュニティ「サイエントークラボ」もあるそうです。
まとめ
科学記者は、事件や高校野球の取材から始まり、厳しい添削を受けながら筆力を身につけ、本社で好きな分野を書くようになります。間違えないことと、誰も迷子にさせないことを大切にする記事の作法は、言い換えを重ねられる音声とは対照的です。研究者のロマンを浴びる取材の楽しさと、それを読者に届ける難しさの両方が語られた回でした。
- 新聞記事は、短く繰り返さず、前提を低くして誰もが論理的に読める文章が求められる
- 記者は1年目の事件取材、2年目の高校野球、3年目の行政取材などを経て、本社で希望の分野を書くようになる
- 科学記者は論文リストや研究者からの売り込みを手がかりに、自分にしか書けない記事を探している
- 石倉さんが観測を待ち望む陽子崩壊は、見つかれば新しい物理の扉を開くとされている
- 科学を広めるには、身近な入り口と、生活につながる噛み砕き方が大切だと語られた






