自分の性格はリスナーに伝わっている?
サイエントークのレンさんは最近、普段ポッドキャストで話していても、2人がどういう人間なのかはリスナーにあまり伝わっていないのではないかと感じていたそうです。
なんか(僕らが)どういう人間なのかってリスナーの人にあんま伝わってないかもってちょっと思ったの最近。
エマさんは「喋っている感じから伝わるのでは」と返しますが、レンさんは一度きちんと性格を診断し、その結果を聞いてもらえば2人の解像度が上がるのではないかと提案します。
性格診断と聞いてエマさんがまず思い浮かべたのはMBTIでした。エマさんは以前レンさんにも受けてもらっていて、結果はエマさんがISFP、レンさんがENTJと、4文字すべてが逆だったといいます。
君の性格診断の結果によると、冷徹で結果を追い求めるリーダーみたいな。感情がないみたいな感じらしいよ。
レンさんは「そんな冷徹要素ないけどな」と首をかしげます。一方のエマさんの結果は「冒険家」タイプで、日本人に多いとされる、平和主義でマイペースな性格だったそうです。
MBTIは本当に当てになるのか
レンさんによると、MBTI診断はBTSが取り上げたことで流行したらしいものの、学術的には科学的根拠に乏しく、あまり当てにならないとされているそうです。
最近結構これめっちゃ流行ってんだけど、科学的な根拠全然ないっていうのが割と多くって、あんま当てになんないらしいってなってる。学術的には。
エマさんは「質問の数も多いし、何かに基づいた診断だと思っていた」と驚きつつ、そもそも性格の分類に正解・不正解はなく、「こういう分類です」と提示しているだけなら根拠が乏しくても仕方ないのでは、と疑問を投げかけます。
レンさんの説明では、巷で流行しているMBTIと、元になった本家のMBTIはそもそも少し異なります。さらに本家ですら、ほかの性格検査との相関が小さく、妥当性 ── 心理検査が、測ろうとしている性質を本当に測れているかを示す指標。ほかの検査との結果の一致などで確かめられますが低いと言われているそうです。
もう1つの論点が信頼性 ── 心理検査で、同じ人が時期を変えて受けても同じような結果が出るかどうかを示す指標。結果が安定しているほど信頼性が高いとされますです。レンさんは、期間を空けて受けても前回と同じ結果になるかという点で、MBTIは低いとされていると紹介しました。
あ、そうなの?私3、4回ぐらい受けたけど、全部同じだったけど。
エマさん自身は結果が変わらなかったものの、周囲では1文字だけ違う結果が出た人もいたそうです。そこでレンさんは、MBTIよりも科学的根拠があるとされる性格テストを調べてきました。
レンさんは、今回試すテストも絶対的なものではないと念を押します。支持する研究者もしない研究者もいるなかで、比較的安定性があるとされるものの1つを、参考としてやってみるという位置づけです。
「性」のテーマを、なぜ「性格」で語るのか
この企画は、毎月開催されている「科学系ポッドキャストの日」への参加回です。毎回1つの番組がホストとなってトークテーマを決め、20〜30番組ほどが同じテーマで話します。
2025年3月のテーマは、性別の「性」の1文字でした。ホストを務めたのは女性2人による番組「35歳、右に行くか、左に行くか」で、3月の国際女性デーにちなんでこのテーマにしたそうです。
レンさんとエマさんは、この「性」を「性格」や「性質」の意味で受け取りました。普段あまり自分たちの性質を話していないからこそ、一度さらけ出してみようという趣旨です。
一回裸になってもいいんじゃないかっていう、そういう回です。
10問の簡易診断に2人が答えてみた
今回のテストは10問で、各質問に0〜4の5段階で答えます。0が「全く当てはまらない」、1が「ほとんど当てはまらない」、2が「どちらでもない」、3が「まあ当てはまる」、4が「完全に当てはまる」です。レンさんも初挑戦で、リスナーにもメモを取りながら一緒にやってみることを勧めています。
1問目は「初対面の人と会ったり、会話を楽しむことができるか」。初対面の人と話すポッドキャストも手がけるレンさんは4、エマさんは1と答えました。
話さなきゃいけない時とかは普通に雑談とかはしますけど、話さなくていいんだったらなるべく話したくないかなみたいな感じですかね。
2問目の「他人に思いやりがあり、親切な行動をとっているか」には、エマさんが1と回答します。差別はしないものの、自分が一緒にいたいと思う人を尊重し、そうでない人にはあまり時間をかけないからだそうです。レンさんは3としました。
3問目の「物事をきちんとこなし、効率的に行動できるか」は、2人とも2でした。エマさんは「きちんとはこなすけれど効率的ではない」、レンさんは「ものによってはむっちゃ雑」というのが理由です。
4問目の「心配事が多く、不安になりやすいか。気分の浮き沈みが激しいか」は、2人とも3。エマさんは浮き沈みは激しくないものの「常にちょっと心配」で、レンさんは浮き沈みがあると自覚しています。
5問目の「新しいことを知るのが好きで、好奇心旺盛か」には、レンさんが迷わず4。新しいことを知るのが好きでなければポッドキャストは無理だと話します。エマさんは最終的に1を選びました。
後半5問は「逆の質問」だった
後半の6問目は「大勢が苦手。恥ずかしがり屋で物静かなタイプか」。エマさんは苦手なときもそうでないときもあるとして2、レンさんは物静かではないとして0でした。
7問目の「思ったことをすぐに口に出し、他人に同情しないタイプか」は、2人とも1。エマさんは、近しい人にはとても同情する一方で、そうでない人にはあまり関心がないものの、言ってはいけないことは言わないと説明しています。
8問目は「後先考えずに行動したり、ギリギリまで物事に手をつけないか」。レンさんは「めっちゃ当てはまる」として4、エマさんは準備する方だとして1を選びました。
9問目の「めったに悩み事がなく、基本的にリラックスしているか」で、エマさんは落ち着いてはいるものの、どれだけ幸せでも何かしら悩み事を見つけて悩むとして1。レンさんは3でした。
なんかこの質問あれだね、リラックスしてるかしてないかっていうところと、悩み事があるかないかっていうところ。これなんか別々な気がするけど。
10問目の「保守的な考え方が好きで、割と現実的なタイプか」についても、エマさんは保守的と現実的がひとまとめにされている点に引っかかります。最終的にエマさんは3、どちらの面もあるというレンさんは2と答えました。
ビッグファイブの5つの性格特性とは?
レンさんは、この10問がビッグファイブ診断 ── 人の性格を5つの特性の組み合わせで捉える心理学の性格モデルに基づく診断。心理学研究で広く使われていますだと明かします。測るのは、外向性、協調性、誠実性、神経症的傾向、開放性の5つです。
1〜5問目がそれぞれ5つの特性に対応し、6〜10問目は同じ特性を逆の方向から聞いています。後半の点数は0を4、1を3のように反転させ、1問目と6問目、2問目と7問目というように足し合わせると、各特性が8点満点で出ます。
結果発表、2人はやはり真逆だった
診断結果は、エマさんの予想どおり多くの項目で対照的になりました。5つの特性ごとの点数は以下のとおりです。
| 特性 | レン | エマ |
|---|---|---|
| 外向性 | 8点 | 3点 |
| 協調性 | 6点 | 4点 |
| 誠実性 | 2点 | 5点 |
| 神経症的傾向 | 4点 | 6点 |
| 開放性 | 6点 | 2点 |
外向性が高いと社交的・活動的で、低いと意見をはっきり言わない、人があまり好きではない、といった傾向があるそうです。エマさんは「そうかもしれない」と受け止めました。
協調性については、エマさんがほかの性格診断ではたいてい高く出るのに、今回は中間の4点。協調性が低い特徴として「自分のことを考えている」と聞くと、エマさんは「やっぱ私低いかもしれない」と口にします。
誠実性はレンさんが2点、エマさんが5点です。誠実性が低いと面倒くさがりで見切り発車が多いとされますが、エマさんは、結婚式の準備はレンさんの方がちゃんと事前にやっていたと振り返ります。
レンさんは、今回は各特性が2問だけの簡易版なので、結果がぶれることは十分ありうると補足しています。
神経症的傾向はレンさん4点、エマさん6点。エマさんは常にうじうじ考える悲観的なタイプだと認めます。開放性はレンさん6点、エマさん2点で、開放性が低い人は現実的で実用的なものに興味があり、マニュアル好きな傾向もあるそうです。
マニュアルの話から、エマさんは以前番組に登場した友人のせいちゃんを思い出します。家具を組み立てるときに説明書を何も見ずに進め、それでもたいていうまくいき、しかもとても速かったそうです。
ネガティブであることは悪いことか
エマさんは、外向的な方が、新しいことに挑戦する方がいいのは明らかだとして、自分の性格の悪さが浮き彫りになったと嘆きます。ただ神経症的傾向については、高すぎなければ悪くないと考えているそうです。
ネガティブであることは割といいことなんじゃないかって結構思ってる。
その方が失敗しないようにいろいろ努力したりするし、自分を良くしようと努力したりするから。
レンさんも、仕事では重要な場面であえてネガティブになると話します。リスクを洗い出すのは基本的にネガティブな作業で、レンさんはそれが得意だと自負しています。
毎回、「いや、ちょっと僕心配性かもしんないんすけど」みたいな。で、いろいろ言って、いやでも意外とそれがこう現実になったりもするから。
エマさんは、ずっとポジティブな人は自分の悪いところがわからず、盲点を抱えて「痛い人」になりそうだと指摘します。レンさんも、自分の弱みがわかるのは結構いいことだと同意しました。
レンさんが心配性を使い分けるようになったきっかけは、人前での発表だといいます。発表前に自分の発表を自分で徹底的に批判するシミュレーションを行い、それへの対策を練るため、本番ではもう心配性ではなくなっているそうです。
ここからレンさんは、結局はバランスだと感じたと話します。見切り発車がよいケースもあるものの、度が過ぎれば生きていけないので、見切り発車するタイミングを判断していること自体が計画的なのかもしれない、という見方です。
就活で答えた「強みと弱み」
レンさんは、就職活動で定番の「自分の強みと弱み」について問いかけます。エマさんは「努力することです」と答えたような気はするものの、実際はそれほど努力しないと笑います。仕事向けの別の性格診断では協調性が高いと出たそうで、和を乱すことはしないといいます。
レンさんの就活時の強みは好奇心でした。研究でも異なるテーマを同時に進めた時期があり、積極的にチャレンジしてきたことを強みとして話したそうです。弱みは「せっかち」でした。
自分に仕事のボールがある状態めっちゃ嫌だから、すぐ相手に投げたくなるっていうのは。
レンさんは、せっかちは他人に押し付ければ弱みになるが、自分にとってはスピード感を持って動ける強みにもなる、と答えていたといいます。エマさんは、弱みを最後に強みに変えて締めくくるのは就活の「あるある」だと応じました。
お互いから見た強みと弱み
自分のことより相手のことの方が言えるのでは、ということで、2人はお互いの強みと弱みを挙げ合います。レンさんから見たエマさんの強みは、家事全般をきっちりこなすところです。
ベッドはそういうなんかもう汚れとかを持ち込むなみたいなさ。ガチギレされたことあるけど。
エマさんは「そんなにキレてない」と否定しますが、レンさんは、そんなことを意識して生活したことがなかったので、すごいと感じたそうです。一方、エマさんの弱みとして挙げたのは頑固さでした。
特に君に対してはあんまり遠慮がないから。仕事の場においてはね、すごく遠慮して気を使いながら言うんだけど、君に対しては遠慮しないから。
エマさんから見たレンさんの強みは、好奇心や外向性に加え、物事をコツコツ続けられることです。4年間も週1回ポッドキャストを続け、忙しい時期でも最後にはやり遂げる点に信頼感があるといいます。
逆にレンさんの弱みは、気分の浮き沈みが激しいことです。ただしエマさんによると、人間関係が築けないほどではなく、対処可能な範囲で、しかも家の中だけだそうです。
なぜか私といる時だけ気分の浮き沈みが激しくなるって言われたことある気がする。
レンさんも、外では協調性を保てるのに、家に帰ると協調性が最低になるときがあると認めます。エマさんは、それはポジティブに言えばさらけ出せている関係で、ネガティブに言えばお互いの悪い面を引き出している面もあるのかもしれない、とまとめました。
親しき仲にも礼儀あり、そして英国紳士
2人は、ある程度は協調性を保とうとした方がいいのかもしれないという結論に至り、エマさんは「親しき仲にも礼儀あり」を今年の目標にしようと提案します。今年はレンさんもイギリスに渡り、再び2人暮らしを始める予定だそうです。
レンさんの目標は英国紳士になることです。エマさんは、イギリスのおじさんが被る帽子を見てレンさんが欲しがっていた話を持ち出しますが、レンさんは見た目だけでなく、内面的な紳士さも目指したいと話します。
俺の目標はああいう帽子が似合う、あの老人になるのが目標ですよ。やっぱり。
パートナーより先に幸せになってはいけない?
レンさんは、YouTubeで聞いた成田悠輔さんの話を紹介します。ノーベル賞を受賞した夫婦から聞いた言葉として「パートナーより自分が幸せになってはいけない」と語っていたそうです。ただしレンさん自身、ソースはかなり薄いと断っています。
レンさんは、相手の幸せを先に置けば揉めることも少なくなると考えます。これに対しエマさんは、他人を幸せにするにはまず自分が幸せでなければならない、とよく言われると反論しました。
相手ファースト。自分が先に満たされていると、相手に嫉妬が生まれる可能性がある
まず自分が最低限の幸せをキープし、そのうえで相手をより幸せにする
レンさんは「お金をたくさん持った自分が相手に分け与える」ような状態をイメージしていましたが、エマさんが想定していたのは、自分のコップが満たされた状態からのスタートでした。
とりあえずそのコップが満たされた状態で、からスタートして、で、相手も幸せにしたらいいんじゃないっていう感じ。私が言ってたのは。
レンさんは「段階がちょっと違うのか」と納得し、どちらも大事だという形で話はまとまりました。
性格の似たカップル、真逆のカップル
エマさんは、ほかの夫婦やカップルにも同じ診断を2人で受けて、こうした議論をしてほしいと話します。正反対の2人もいれば、似た者同士もいるはずだという考えです。
レンさんが、外向性も協調性も開放性も低く神経質な人同士だと関係が難しそうだと言うと、エマさんは「それ私じゃん」と返します。エマさんは、友人を振り返っても、自分と性格が反対の外向的な人と仲良くなりやすかったそうです。
エマさんは、どこからを内向的とするかにもよると指摘します。MBTIではI(内向型)の人が多く、コミュニケーション能力が高くてもIの人は珍しくないという見方です。
レンさんは、内向的・外向的という区分が、インドア派・アウトドア派というくくりとニュアンスが似ていて、インドア派が多い現代では内向的と判断される人が増えているのではないか、と疑問を口にします。エマさんは「少しはありそう」としながらも、内向的でも自然が大好きな人もいそうだと返しました。
難しいね。分類するのって。無理だな。診断しといてあれだけど、改めて難しいなって気がする人間。
性格は場所や集団によって変わる
エマさんは、ビッグファイブはMBTIより安定性が高いとされるテストなので、結果はあまり変わらないはずだと確認します。レンさんは、変わるケースもあるうえ、今回は10問の簡易版で、フル版を受けられるサイトもあると補足しました。
レンさんが今回の会話で気づいたのは、性格診断は普通1人でやるものだが、複数人で「こういう人だよね」と言い合うことで見えてくる部分があるということです。
確かにね、なんか自分が思ってる自分像と他人が思ってる自分像って違う場合もあったりするもんね。
レンさんの気分の浮き沈みも、エマさん以外にはまず知られていない一面です。エマさんは、家の中と外、属する集団、年齢によって性格は少しずつ変わるものではないかと話します。
その集団の中での役割とか、あの、仮面というか。そういうのもあると思うから。
レンさんは定期的に診断をやり直してみたいと提案し、イギリスで英国紳士になれば誠実性が8点になるはず、と冗談めかして話しました。
リスナーも診断して「何%レン、何%エマ」?
最後に2人は、リスナーにもこの診断を一緒に試してほしいと呼びかけます。5つの点数と感想をつぶやいたり、お便りで送ってもらえたら面白いというのがエマさんの提案です。
2人の結果がかなり対照的なことから、レンさんは「レンとエマを両極に置いて、どちら寄りかを示す版」を作りたいと話します。エマさんは、エマ100%と出たら「うわ最悪」となるでしょ、と自虐を飛ばしました。
エマ要素でプラスいいみたいなコメントをつければいいんだよ。外向性が低いけど、すごい深く考えられるとかさ、そういう。
レンさんは、今回の簡易版は点数が低いとネガティブな説明が多く書かれていたと振り返り、エマさんに憧れているリスナーもいるはずだとエールを送って締めくくりました。
まとめ
この回は、MBTIの科学的根拠の弱さを出発点に、より安定性があるとされるビッグファイブ診断の簡易版を2人で受け、結果から互いの強み・弱みや関係性までを語り合う内容でした。性格の分類は難しく、場所や相手によっても変わるというのが、診断をやってみたうえでの2人の実感です。
- MBTIは流行している一方、妥当性や信頼性の面で学術的には根拠が乏しいとされている
- ビッグファイブは外向性・協調性・誠実性・神経症的傾向・開放性の5特性で性格を捉え、簡易版は10問で試せる
- レンさんとエマさんの結果は、外向性・誠実性・開放性などで対照的だった
- ネガティブさや心配性も、リスク管理や自己改善に生かせば強みになりうる
- 性格は家の内外や属する集団で変わり、他人と診断を見せ合うことで見えてくる面がある





