バンドからV2東京へ、ナイトカルチャーとの出会い
まず話は、武田さんが音楽やクラブに触れるようになったきっかけから始まりました。
最初の始まりは、多分僕が中学生ぐらいの時、当時ライアーゲームっていうドラマがあったじゃないですか。中田ヤスタカさんの曲を知ったのは大人になってからなんですけど、やっぱりそういうのを当時聴いてたりとか。
高校時代にはビジュアル系のコピーバンドをやるなど、幅広いジャンルの音楽に触れていたと話されています。
転機となったのは、二十歳ごろに六本木のV2東京というクラブで働き始めたことでした。
そこでやっとこう、クラブカルチャーに触れるっていう機会があってっていう感じですね。もし多分そのV2東京に入ってなかったら、あんまりクラブとかも行かなかったんで、もしかしたら今こうなってなかったかもしれないですね。
当時はEDM全盛期。武田さんの最初の役割はバーテンダーではなく、VIP席まわりの担当だったそうです。
VIP席にシャンパンガールっていう、シャンパンを出すダンサーさんとかを安全に送り届けたりとか、いろいろ頭で計算しながら、いろんなとこに行ってもらってみたいなお仕事をしてて。
三軒茶屋のバーからサブカル・ネットカルチャーへ
転職を重ねた後、4〜5年前に三軒茶屋のバーでバーテンダーを始めたことが、今のスタイルにつながっていきます。
三軒茶屋のとあるバーでバーテンダーを始めて。そこからバーテンダーとか、サブカルチャーな感じのちょっとDJに目覚めたりとかっていうのがスタートしたって感じです。
もともと高校時代にゲームセンターの音楽ゲームやニコニコ動画にのめり込んでいた武田さん。その熱が再燃したのは、同じジャンルが好きなお客さんとの出会いがきっかけだったと話します。
もう今友達なんですけど、お客さんに同じこうジャンル感が合う人がいて。ちょっとなんかおもろいから俺らもDJやるみたいな流れで始まりましたね。
当初はアニソンDJを目指していたものの、難しくて断念。それでもアニソンとハードコアが大好きな時期を経て、今に至っているそうです。
ZERO TOKYOのフロアとキャッシュレス文化
話題は、2023年ごろにオープンしたZERO TOKYOへ。マッシュさんは初めて訪れたときの驚きを語ります。
メインフロアの巨大LEDモニターや、複数に分かれたフロア構成がワクワクさせてくれると言います。
あんまりああいう感じで分かれてるフロアのあるクラブって多分ないと思うんで。キャパも広いし。
各フロアにバーカウンターがあることも魅力ですが、これは運営上の必要性でもあると武田さんは明かします。
実際あの数のバーがないとお客さんをさばけないっていうのもあるんですけど。ゴールドディスクとかはもう全部のバーカンが行列できてるみたいな状態なんで、大変苦労しておりますね。
もう一つの特徴が、ZERO TOKYOがキャッシュレスオンリーで運営されていること。会計がスムーズになる一方で、まだ知られていない面もあるようです。
いまだにちょっと現金対応できないんだみたいなお客さんもあるので。
バーテンダーが明かすクラブのドリンク事情
リスナーからのお便りで、武田さんの一番好きなドリンクを尋ねる質問が届きました。
ZERO TOKYOはいろんな種類のお酒が揃っていてとても嬉しいです。武田さんが一番好きなドリンクがあれば知りたいです。
意外にもその答えはシンプルなものでした。
実際好きなお酒って意外とシンプルで、全然梅干しサワーとかビールが好きだったりとか。多分これほとんどのバーテンダーさん意外とそうだったりするんじゃないかなと思います。
武田さんはZERO TOKYOに梅干しサワーを導入した張本人でもあります。甘いドリンクばかりでは動きづらくなるという配慮からでした。
実際フードとかも無いので、ちょっとそういうので紛れたらいいかなと思って、梅干しサワー入れてみたりとかしてて。
ナイトクラブやエリアごとに人気のドリンクが違うのも面白いところ。秋葉原のイエガー文化に対し、ZERO TOKYOではイベントによって傾向が変わると言います。
結構ヒップホップ系だとハブ酒。テキーラが飲めない人はハブ酒だったら飲めるみたいな人も多かったり。GOLDDISCみたいなイベントだとコカボム、通称ボマーって呼んでるんですけど。
コカボムは見た目が可愛くて写真映えする一方、量が普通のショットの2〜3倍あり、飲むのは意外と大変だそうです。
武田さんがZERO TOKYOに導入。しょっぱさで甘いドリンク続きの口をリセットできる
ヒップホップ系イベントで人気。テキーラが苦手でも飲める人が多い
通称ボマー。可愛いグラスで映えるが、量は通常ショットの2〜3倍
名古屋で流行。ジャスミンハイなどすっきり系で夏に人気だが、店により扱いが異なる
神接客とスマドリ、これからのお酒の楽しみ方
マッシュさんは、武田さんの人柄のあたたかさと接客を熱烈に語ります。慌ただしくても「後で乾杯しようね」と笑顔で応える姿勢が印象的だと言います。
だいぶこう、お客さんお客さんっていう風に、自分自身だったりするので。もうお客さんを一人一人なるべく全てカバーしたいみたいなのは結構ありますね。
一方で、乾杯を全部受けているとベロベロになってしまうため、最近はペース配分を意識していると笑いながら明かしました。
お便りではおすすめの二日酔い対策も。武田さんはあまり二日酔いにならないタイプですが、飲む前後にしっかりご飯を食べることを心がけているそうです。
絶対飲むってわかってる時はもう確実にご飯食ってから行くし、終わってからもちゃんとご飯食べるしっていうので、常にお腹にご飯は入ってる状態は多いかもしれないですね。
お酒が飲めない人への配慮も話題に。ソフトドリンクでの乾杯も大歓迎だと武田さんは話します。
乾杯の時とかも言ってくれたら、みんなテキーラ飲むってなった時だったら、ジンジャーエールをショットに入れてあげたりとかしてる。その場を楽しくやってもらったら全然ソフトドリンクでもいいし。
野外フェスのドリンクとバーテンダーの裏側
武田さんはナイトクラブだけでなく、SUMMER SONICやULTRA JAPANなどの野外フェスでもドリンクを提供しています。
サマソニとかULTRA JAPANは、クエルボさんから主にお仕事を個人でいただいてて。基本的に僕がお出しするのはクエルボのカクテルだったりショットっていうのを出させてもらったり。
フェスならではの演出も魅力です。氷の柱にイエガーマイスターのボトルが閉じ込められ、みんなで溶かして乾杯するといったアトラクション性があると盛り上がりました。
華やかに見えるバーテンダーの仕事ですが、裏側は体力勝負でもあります。
ZERO TOKYOぐらいの規模になってくると、飲料系がもうとんでもない量の箱とかで来るんで、華やかに見えて実は裏ではだいぶ体力的な仕事だったり。働いてる側とお客さん側からはだいぶギャップがあるかなって。
飲み終わったグラスやカップの扱いについては、バーカウンターに持ってきてもらえば回収するとのこと。素朴な疑問がすっきり解消されました。
ワンダーランドとクルー文化、日曜深夜を塗り替える
武田さんが主催するイベント、ワンダーランドは、ベースミュージック、アニソン、ネットカルチャーを融合したパーティーです。始まりはスタッフナイトの企画でした。
最初は企画チームの方からスタッフナイトをやろうよみたいな。いざ作るってなった時に、いやこれお客さん来ないだろうと思って。せっかくいい機会もらえたし、ちゃんとやりたいなっていうのがあって。
日曜深夜の開催にもかかわらず、有給を取ってまで来てくれる人がいることに武田さん自身も驚いていると言います。
フロアごとにキャスティングの意図が異なるのも特徴です。メインのリングは外国人客も楽しめる作りに、B2のボックスはあえてカオスな空間にしているそうです。
ボックスなんかは完全に、SoundCloudとかで曲を配信されてる方だったりとか、もう少しごちゃごちゃした音楽が流れるなっていうのをとにかく突っ込んで、もうカオスにしたくて。
まだZERO TOKYOに出ていないけれど勢いのあるアーティストを、ボックスで積極的に起用しているとも話しました。実際、今や人気クルーとなったHEAVEN'S GATEも、ZERO TOKYO初出演はワンダーランドからだったそうです。
ヘブンズゲートっていうイベントがめちゃめちゃ気になってて。インスタかなんかの動画で見た時に、うわやばと思って声かけさせてもらったのが始まりでしたね。
裏方から表方へ、武田さんが描くこれから
最後に、これから挑戦したいことを尋ねました。DJ、オーガナイザー、バーテンダーを兼ねる武田さんは、クラブの核の部分に関わりたいという気持ちが芽生えていると話します。
一回バーテンダー辞めるっていうのもあれなんですけど、一回退いて、なるべくそういうチャレンジできる場所があったらそっちに行ってもいいなっていうのもあったり。若い子たちとか、今トラック作って頑張ってますみたいな子たちをどんどん上げていきたいなっていうのは考えてますね。
マッシュさんは、バーテンダーもパフォーマーの一人であり、大事な出役だと強調します。過去に愛想の悪い接客に出会った経験から、その意味を実感していると語りました。
基本スタッフってやっぱり裏方っていう感じの方が要素的には強いかなと思うんですけど、バーテンだったら表出てもいいんじゃないかなぐらいの。
武田さんは、お客さんと演者、そして箱をつなぐ存在でありたいと考えていると話します。
知り合いがいたらやっぱ心強いかなっていうのはあるんで。箱側と演者さんだったりお客さんのつなぎ目みたいな、になればいいかなみたいなのは結構思ったりはしてますね。
まとめ
DJ、オーガナイザー、そしてバーテンダーという複数の顔を持つ武田さん。今回のトークからは、ドリンクや接客への細やかな工夫と、裏方から一歩表へ踏み出そうとする前向きな姿勢が伝わってきました。パーティーをより多くの人が楽しめる場にしたいという想いが、その言葉の端々ににじんでいます。
- 武田さんはV2 TOKYOでの勤務を機にクラブカルチャーに触れ、三軒茶屋のバーでバーテンダーとサブカル系DJの道に進んだ
- 好きなお酒は梅干しサワーやビールとシンプルで、ZERO TOKYOへの梅干しサワー導入は甘いドリンク続きへの配慮から生まれた
- ソフトドリンクでの乾杯を歓迎するなど、飲めない人も含めてパーティーを楽しめる工夫を大切にしている
- 主催イベント・ワンダーランドは日曜深夜開催ながら人気を集め、HEAVEN'S GATEなど新進クルーの登場の場にもなっている
- バーテンダーも表に立つパフォーマーだと捉え、お客さん・演者・箱をつなぐ存在として、今後はクラブの核に関わる挑戦を見据えている
