コムドットがYouTubeで勝てたのは「才能がなかったから」。やまとの人生から学ぶ"凡人の戦い方"
The Solutionsに前週に引き続きコムドットやまと5人組YouTubeグループ「コムドット」のリーダー。著書『命の燃やし方』が話題。チャンネル登録者数は約400万人。さんが登場。「人間やまと」の素顔に迫りながら、30代で挑む教育の夢、Xでの嫌われ問題へのガチ相談、そしてコムドットがYouTube界にもたらした革命まで、三浦崇宏The Breakthrough Company GO代表。クリエイティブディレクター。著書『言語化力』など。本番組The Solutionsのホスト。さんとの対話で深掘りされた内容をまとめます。
恋愛より仕事——多忙すぎるプライベートの実態
スキャンダルが出ない理由を聞かれたやまとさんの回答は、あっさりしたものでした。「プライベートの時間がほとんど取れない」——YouTube以外にも様々な事業に取り組む中で、物理的に遊ぶ時間がないのだと言います。
収録当日のスケジュールは朝8時起床からヘアメンテナンス、会議、撮影、編集、収録、さらにこの後も会食が入っており、就寝は深夜3時頃。しかし本人に「律している」という感覚はなく、空いた時間があれば本を読み、会ってくれる人がいれば話を聞きに行くことに時間を使いたいだけ、と語ります。
この仕事が楽しいです。まず友達といるんで
コムドットのメンバーだけでなく、高校や大学時代の友人も社員として一緒に働いている環境。友達と飲みに行くことも、動画の中で遊ぶことも、すべてがシームレスにつながっています。三浦さんが「友達との遊びがそのままビジネスになっている」とまとめると、やまとさんも深く頷いていました。
「決断する前に決断している」——ブレない生き方の方法論
自分を貫く強さの源を問われたやまとさんは、「貫いた方が簡単だと分かっている」と即答しました。ブレていると迷いや悩みが生まれる。自分の方針を決めて走れば、横を見る必要がなくなり、無駄な時間が自動的に消えるのだと言います。
三浦さんは著書『命の燃やし方』コムドットやまと著、講談社刊。自分らしく生きるための方法論を体系的にまとめた書籍。の一節を引用します。「決断が早いのではなく、決断する前に決断している」——こういう条件の時はこう生きると事前に決めているから、あらゆることに迷わず意思決定できるという考え方です。
知識のインプット
本を読む・人に会って一次情報を取る
アウトプット&検証
学んだことを即座に実行し、実際にワークするか試す
足りない部分を補う
知識不足を感じたら再び本や人に戻る
やまとさんは、勉強好きではあるがブックスマート書籍や座学で得た知識は豊富だが、実践経験が伴わない状態のこと。対義語は「ストリートスマート」。になりすぎると「分析麻痺」に陥ると指摘します。ある程度学んだらすぐ外にアウトプットし、ワークするかどうかを検証する。知識と実行を常にセットにすることで、無駄のないサイクルを回しているのです。
30代は教育に挑む——「自分らしく生きてくれ」を届けたい
チームとしての目標は「YouTubeを一生やる」こと。年齢に合った動画を作り続け、メンバーの結婚や子育てといったライフイベントも含めて、ファンと一緒に人生を楽しんでいく。三浦さんはこれを「AIには絶対できないこと」と評します。思い出の共有は、どれだけ技術が進歩してもリアルタイムで歩んだ人にしか得られない価値だからです。
一方、やまと個人としての目標は教育への挑戦でした。多くの大人に導いてもらった経験を、世の中に返していきたいと語ります。動画を見て転職した人、本を読んで起業した人、プロポーズを決めた人——誰かの人生の分岐点になれた瞬間に、魂が震えるのだと。
一番伝えたいのは自分らしく生きてくれっていう、もう本当に普遍的で擦られまくったメッセージ。でも意外にみんなこれができてない
三浦さんが「政治家になる選択肢もあるのでは」と問うと、やまとさんはきっぱりと否定しました。もし政治をやるなら全部を投げ捨ててやるべきで、YouTubeの活動をしたまま立候補するのは国民に失礼だと。何より自分にとって一番大事なのは「仲間といること」であり、人間関係を壊してまでやりたいことは想像がつかないと断言します。
やまとさんは自分の中にある「らしさ」を「種」に例えます。その種を正しい場所に植えさえすれば、誰の人生も花開くと信じている。「自分には才能がない」と思っている人と会いまくって、人生に火をつけて、最終的に日本全体の温度が上がれば、自分の使命を全うしたことになる——そんなビジョンを語っていました。
一番ムカつくのは「自分」——究極の自責思考と解釈の力
「一番ムカつくことは何ですか?」という質問に対し、やまとさんが出した答えは意外なものでした。Xで叩かれること自体ではなく、自分という人間を正しく世間に認知してもらえていない実力不足にムカつくのだと言います。
三浦さんはこれを「究極の自責思考」と評しました。世間が理解してくれないと嘆くのではなく、それを変えられない自分に矛先を向ける。やまとさんは「自責の方が楽」と言い切ります。変えられないものにムカついている時間こそが、最も無駄な時間だからです。
他人の評価・世間のイメージ・過去の出来事
自分の行動・解釈・発信の仕方 → 自分こそ「究極の変数」
「解釈の奴隷」にならないために
変数の中でも最も簡単に変えられるのは「解釈」だとやまとさんは言います。主観とメタ認知自分の思考や認知のプロセスを客観的に捉えること。「考えていることを考える」能力ともいわれる。を行き来することで、世の中の見方は縦横無尽に変えられる。その能力を育てるのに自責思考は最適だと。
三浦さんは柔道の団体戦を例に挙げます。先鋒(1番手)の試合を「負けてもいい」と捉える人と、「自分が勝たないとチームに勢いがつかない」と捉える人では、成長角度がまるで違う。コピー取りのような小さな仕事でも「でかいプロジェクトの一歩目を自分が刻む」と解釈できるかどうかで、人生は変わっていくのです。
やまとさんは現代の「レビュー文化」にも警鐘を鳴らします。映画を観る前にレビューを読んでしまうと、他人の解釈に引きずられて自分の感性が歪む。SNSのコメント欄も同じで、うまいことを言わなければいけないという空気が、自分の言葉で感想を語る力を奪っているのではないかと。
うまいこと言わなくていいのに。自分の言葉で面白いと思ったか、つまんないと思ったかを言うことにその人の価値がある
レビューを見る前にまず自分のストレートな感情をアウトプットし、そこから他人の意見と対比してブラッシュアップしていく。それが最も健全な感性の育て方だとやまとさんは語ります。他人の評価に頼ってしまうのは、結局のところ「自分軸がない」ことの表れ。自分が自分を認められなければ、どれだけ成功しても苦しくなる——これが、やまとさんがこの活動を通じて最も伝えたいメッセージでした。
Xで嫌われすぎ問題へのソリューション
ここから、やまとさんから三浦さんへの「ガチ相談」パートに突入します。各SNSで見せる顔を意図的に変えているというやまとさん。YouTubeが一番素の自分、Instagramはかっこいい路線、TikTokは可愛い系、そしてXは自分の考えを発信する場——しかしXでの印象が「嫌われている」に偏っているのが課題だと打ち明けます。
やまとさんの分析はこうです。YouTubeは長尺なので、わざわざ嫌いな人が1〜2時間も費やすことはない。一方、Xは10秒で読める短文で印象が形成される。認知は取れているが、「嫌い」のまま固定されている状態。どこかでソリューションを入れないと、嫌われたまま死にたくはない——と。
三浦さんのアドバイスは明快でした。
ポイントは2つ。まず、Xのアルゴリズムが現在長文投稿を推しているため、リーチが伸びやすいこと。そして、本の画像を貼るとライターが書いた印象になるが、テキストで書けば「自分で汗をかいている感じ」が伝わること。やまとさんはこのアドバイスに「衝撃的です」と感嘆していました。
The Solutionsへの公開コンサル
逆に三浦さんからやまとさんへ「The Solutionsはこれからどうすればいい?」という質問が飛びます。やまとさんは他のビジネスメディアを分析した上で、具体的な提案をしていきました。
まず量。一旦100本やってみて、上位の再生回数順に並べて、どういう要素で当たったかを徹底分析する
やまとさんの提案をまとめると、以下のようになります。まずメイン動画の本数を増やし、そこからショート動画を切り出す。YouTube全体のトレンドとしてShortsが重要なので、切り抜きの質と量で競合に負けない体制を作るべきだと。
さらに、三浦さんの人脈を活かしてゲストをどんどん呼ぶこと、複数人での対談フォーマットを試すこと、そして他メディアでは聞けていない質問を徹底リサーチして差別化することを提案。三浦さんのトレードマークである黄色いカーディガンも「絶対変えない方がいい」と断言しました。
やまとさんは「そもそも競合ではない」とも指摘します。PIVOTビジネス映像メディア。経営者やビジネスパーソンへのインタビューを中心に展開。やNewsPicksソーシャル経済メディア。ニュースにコメントを付けるSNS的機能と動画コンテンツを展開。とは独自のポジションが違い、「その手があったか」というアイデアの面白さにフォーカスするコンセプトが明確なので、それをやり続ければ必ず勝てると太鼓判を押していました。
天才ではなく「革命家」——コムドットがYouTubeを変えた理由
三浦さんから「やまとさんは天才なのか凡人なのか」という問いが投げかけられます。やまとさんは「心の底から天才ではないと思っている」と断言。ただし、自分のことを「革命家」だと思っていると続けます。
一人で市場の1000倍の報酬を得る人間
(例:佐藤可士和、秋元康)
市場にいる全員の報酬を100倍にする人間
(例:やまと、三浦崇宏)
三浦さんも自分を天才ではなく革命家だと捉えていると共感します。一人で儲かるよりも、自分の周りにいる全員を引き上げる。やまとさんも「一人ではこれだけのバリューは出せない。だからこそ仲間を巻き込み、ファンを巻き込んで大きなムーブメントを作っている」と語りました。
コムドットがYouTubeにもたらした最大の革命
「これまでで一番起こした革命は何か」と聞かれ、やまとさんは自分たちがYouTube界に数字とビジネスの概念を持ち込んだことだと答えます。
コムドット以前のYouTuberは、天才的なセンスで面白い動画を作る人たちが主流でした。数字やお金を気にせず「とにかく面白いものを作ろう」というスタンス。しかしコムドットには動画制作の天才はいなかった。だからこそ、会社を設立し、チャンネル登録者数の目標を公言し、業績を公開するというスタートアップ短期間での急成長を目指す企業形態。目標宣言・数値管理・PDCA運用などが特徴的。的なアプローチを取ったのです。
先輩YouTuberたちが裏側を隠して「クリエイターとしてかっこいい」姿で勝負する中、コムドットは真逆をやりました。編集が朝までかかること、寝ていないこと、うまくいかないことまで全部公開した。才能がないから努力するしかなかった。しかしその「凡人のリアルな挑戦」こそが、ファンを単なる視聴者から「仲間」に変えていったのです。
天才がセンスで面白い動画を作る世界。数字やお金の話はしない。裏側は見せない。
目標を宣言し、業績を公開し、努力の過程も共有する。ファンが「仲間」として一緒に数字を追いかけるスタートアップ型の熱狂。
三浦さんは「YouTubeを天才の遊びから戦略的なビジネスに変えた」と総括。やまとさんは最後に、こう締めくくりました。「一緒に戦ったっていう最強の思い出がある。AIがどんな映像を作れるようになっても、思い出だけは絶対に作れない。だから僕たちは絶対に負けない」。
まとめ
「才能がなかったからこそ勝てた」——一見矛盾するこの言葉が、やまとさんの人生を貫くテーマです。天才ではないと自覚しているからこそ、誰よりも動き、誰よりも学び、誰よりも仲間を大切にする。その姿勢がコムドットを400万人規模のチャンネルに育て、YouTube文化そのものを変えました。
自分の軸を定め、解釈をコントロールし、変えられるもの(=自分自身)に全力を注ぐ。30代で教育の分野に踏み出そうとするやまとさんの挑戦は、まさに「命の燃やし方」の実践そのものでした。凡人であることを武器に変える戦い方には、YouTuberに限らず、あらゆるビジネスパーソンにとってのヒントが詰まっているのではないでしょうか。
- やまとさんは「ブレる方が面倒」と考え、事前に生き方のスタンスを決めておくことで迷いを排除している
- 30代は教育分野に挑戦予定。「自分らしく生きる方法論」を伝えたいという使命感が原動力
- 一番ムカつくのは「自分を正しく認知させられない自分の実力不足」。究極の自責思考が成長を支える
- 解釈のコントロールが人生の鍵。レビュー文化に流されず、自分の感性を大事にする姿勢を説く
- Xの嫌われ問題には「長文投稿で思考プロセスを見せる」のが三浦さんのソリューション
- コムドット最大の革命は、YouTube界に数字とビジネスの概念を持ち込み、ファンを「仲間」に変えたこと
- 天才ではなく「革命家」。一人で突出するより、仲間とファン全員を引き上げるスタイルが最大の武器
