コムドットやまと×三浦崇宏──"仲間と遊ぶだけ"でYouTubeを制した真の成功要因
コムドットのリーダー・やまとさんが、The Breakthrough Company GO代表の三浦崇宏さんがホストを務めるビジネスメディア『The Solutions』に登場。「安定」を捨てて再び挑戦に踏み出した理由、仲間との絆がなぜ7年間ブレなかったのか、炎上との向き合い方、そしてSNS時代に「自分らしく生きる」ために必要な自己分析まで、約40分にわたる濃密な対談の内容をまとめます。
「安定」への違和感と武者修行宣言
コムドットは活動開始から7年が経過し、チャンネル登録者数の急成長期、テレビ冠番組や写真集、東京ドームでのイベント2024年に開催されたコムドット主催の大型イベント。YouTuberとして東京ドームを使用すること自体が異例の規模。など、活動の幅を広げるスケール期を経てきました。しかし、やまとさんは「成功した」と周囲から見られる安定した状態に対して、強い違和感を覚えたといいます。
自分たちもファンのみんなも、なんとなく気持ち的に安心みたいな空気感があって。それを一番自分たちが違和感に感じて、このままだったら面白くなくね?俺ら、って
この「安定」を蹴り飛ばすために宣言したのが、3年間の武者修行です。本当は5年間を想定していたものの、ファンがイメージしやすい期間として3年を設定したとのこと。ビジネスメディアへの出演もその一環で、エンタメ以外のチャンネルに出ることで新しい視聴者との接点を作りたいという狙いがあります。
やまとさんは「自分たちが自分たちにワクワクしていないと、誰もワクワクしてくれない」と語りました。安定よりも挑戦のプロセスを選び続ける姿勢が、コムドットの次のフェーズを形作ろうとしています。
直感に訴えない──コムドットのコンテンツ戦略
YouTubeでは、暴力的な内容や罵り合い、過激な討論など、人間の直感を刺激する「システムワンダニエル・カーネマンが提唱した思考の二重過程モデルにおける「速い思考」。直感的・感情的に反応する思考システムのこと。対になる「システム2」は論理的・熟慮的な思考を指す。的なコンテンツ」がアテンションエコノミー人々の「注目(アテンション)」が希少資源として扱われる経済構造。SNSや動画プラットフォームでは、より多くの注目を集めるコンテンツがアルゴリズムによって優遇される傾向がある。の中で再生数を稼ぎやすい構造があります。しかし、コムドットはその真逆の戦略を7年間貫いてきました。
暴力・エロ・喧嘩・討論で直感を刺激
単発の再生数は高いが、コアファンがつきにくい
仲間の関係性や日常の面白さを届ける
10年後も人気でいられる長期戦略
単発の再生回数を狙うみたいなことは全く考えていなくて、10年後自分たちがどういうふうに人気でいられるかっていう目線で置いてます
台本も役割設定もなく、企画すらメンバーが当日まで知らない回も多いそうです。素の自分たちが「ちょっと一個テンション高い状態」で動画に出るだけ。無理に作り込んだものを出し続ければ、3年後・5年後にきつくなるという判断があります。
「どこにでもいる奴らがただ仲いい」という動画に価値を見出してもらうこと──やまとさんが7年間で一番苦労し、一番力を入れた部分だと振り返りました。誰もが自分の身近なコミュニティに重ね合わせられる「身近な仲の良さ」こそが、この時代に刺さった理由ではないかと分析しています。
売れるまで辞めない覚悟と「仲の良さ」の正体
星の数ほどYouTuberがいた中で、コムドットが勝ち残り、生き残れた理由は何か。やまとさんは「圧倒的に気持ちが強かった」と即答しました。5人全員が「売れるまで絶対に辞めない」と決めており、辞めるという選択肢が完全に排除された状態で活動していたといいます。
三浦さんは、あるギャラリストから聞いた話を紹介します。「値上がりする作品を作るアーティストの条件は?」と聞いたところ、「死ぬまで作品を作るのを辞めない人」という答えが返ってきたそうです。結果が出るまでやり続けること──口で言うのは簡単でも、実行できる人は限られます。
もしも人気になれれば、今まで自分たちがやってきたことをそのまま外に出すだけでとんでもなくお金が稼げて、しかも一緒にいれるっていう、このロマンがデカすぎて
ただし、三浦さんは「ここまでの話なら、まだ普通の若手YouTuberや若手バンドマンと変わらない」と切り込みます。企画が跳ねない、メンバーが就職を考え始める、リーダーだけが注目を浴びて叩かれる──心が折れるポイントはいくつもあります。それでも折れなかった理由をやまとさんに問うと、答えはシンプルでした。
仲いいからですよね。仲良くするのが一番の目的。年を重ねても一緒にいるのが目的なんで、その他のオプションは全部それ以下なんです
「仲の良さ」を最上位の優先順位に置いているからこそ、他のあらゆる困難がそれ以下の問題になる。コムドットの7年間でメンバーの離脱話は「一回もない」とのことです。
友達と仲間を行き来するコミュニケーション術
三浦さん自身も、共同創業者2名がそれぞれ会社を離れた経験を持ちます。「仲間でい続けるのは簡単ではない」と実感した上で、コムドットの絆がブレなかった秘密を探ります。
やまとさんが挙げたのは、中学時代に3年間同じバスケットボールチームでプレーした経験です。友達であると同時に、試合に勝つために厳しいことも言い合う「仲間」の関係性を一度経験し、そこからまた友達に戻り、大人になって再び仲間になるというサイクルを踏んでいたことが大きいといいます。
中学時代:友達
地元で一緒に育った幼なじみとしての関係
中学バスケ部:仲間
試合に勝つため、厳しいことも言い合う関係を経験
高校〜大学:友達に戻る
バラバラの進路でも夜に集まってダベる日々
コムドット:再び仲間
中学時代のコミュニケーションを大人になって再現
コムドットの5人の間では「お前がただの友達だったら全然いいんだけど」という言葉がよく飛び交うそうです。この一言には、「根っこはただの友達だよ」という根本的な肯定と、「でも今はビジネスというゲームをやっているから言うよ」というプロフェッショナルなリクエストが同時に含まれています。
友達としてのお前のそういうだらしないとこ、最高に面白いんだけど、勝つためにはいらなくね?プライベートのお前がそうやってても俺は笑うからって
三浦さんはこのコミュニケーションを「魔法の言葉」と表現しました。人間性を否定するのではなく、チームとして勝つためのフィードバック。友達としての肯定と仲間としての要求を同時に伝えられるからこそ、関係が壊れないのかもしれません。
炎上・批判との向き合い方
やまとさんは、間違ったことをした場合に一定の批判を受けるのは当然だと考えています。問題は「量」です。本人のキャパシティを超える批判が届き続けると、心が壊れるか、心がねじ曲がる可能性が高いと指摘します。
途中からは本人に届いてるってわかってて量を足してるじゃないですか。それは僕、いじめだなと思っていて
大きく炎上した際には、受け付けられない量の殺害予告SNS上で有名人に対して送られる脅迫的なメッセージ。近年は法的措置が取られるケースも増えている。まで届いたことがあり、「メンタルが強いと思っていたが、シンプルに怖かった」と率直に語りました。SNS上の批判者は「人間だと思っていない」感覚で攻撃しており、やまとさんはそれを「キャラクターに言うのと同じ」と表現しています。
では、実際に大量の批判を浴びたときどうするのか。やまとさんの対処法は明快です。
グループであることの強みはここにも表れています。励まし合い、反省し合い、指摘し合い、「もう一回頑張ろう」と肩を抱ける存在がいること。やまとさんはそれを「本当にラッキーだった」と振り返りました。
自己分析と「命の燃やし方」──SNS時代への警鐘
影響力を何に使いたいかと問われたやまとさんは、「自分が人生で学んできたことを世の中に返したい」と答えました。中でも最も伝えたいのが「自己分析の重要性」です。
やまとさん自身、18歳のときに初めて自己分析に出会い、「世の中の解像度が上がった」「視力が上がったような感覚」を得たといいます。この体験を多くの人にプレゼントしたいという想いが、著書『命の燃やし方コムドットやまとの著書。2024年に講談社より刊行。自己分析の方法論や人生の時間の使い方を、自身の経験をもとに解説した一冊。』の執筆につながりました。
三浦さんも同意を示します。スマートフォンを開けば「フォロワーを倍にする方法」「経営者が知っておくべき服のブランド」など、他人が定義した欲望が次々と流れてくる。しかし、それが本当に自分に必要な情報かを立ち止まって考える人は少ないと指摘しました。
SNSから受動的に情報を受け取り、他人の欲望に時間を消費する。お金を稼いでも満たされない状態
自分が本当に欲しいものを理解し、必要な情報を能動的に取りに行く。SNSとの付き合い方が変わり、人生が好転する
究極、お金持ちになりたいっていうのも誰かに刷り込まれた欲望だもんね
やまとさんは「お金を稼いでも不幸そうな人はたくさんいる」と語ります。その人が本当に必要としていたのはお金ではなく別の何かだったかもしれない。正しく自分を理解していれば、お金稼ぎに時間を使う必要すらなかった可能性もある、と。
自己分析は高校卒業後から始められると考えており、「自分が火属性か水属性か」を知っておけば、飛び込むべき環境を見誤らずに済む。30代ではこの領域にさらにチャレンジしていきたいと意気込みを見せました。
まとめ
コムドットやまとさんと三浦崇宏さんの対談から浮かび上がったのは、「仲間と遊ぶだけ」という一見シンプルなコンテンツの裏にある、きわめて強い覚悟と思想でした。
アテンションエコノミーに迎合せず、10年後を見据えたコンテンツ設計。5人全員が「辞めない」と決めた異常な覚悟。友達と仲間を行き来しながら、人間性を否定せずにチームを強くするコミュニケーション。そして、炎上にも自分の信念を貫き通す姿勢。
どれも「仲の良さ」という土台があるからこそ成り立っています。そしてやまとさんが次に目指すのは、この影響力を使って「自分らしく生きる」ことの大切さを世の中に届けること。SNS時代に流されがちな私たちに対して、「自分の命は自分で燃やせ」というメッセージを送っています。
- コムドットは「安定」への違和感から3年間の武者修行を宣言。自分たちがワクワクしていることが、ファンのワクワクの源泉になるという考え
- 直感に訴える過激なコンテンツではなく、仲間の関係性を見せる「長期戦略」で7年間勝ち続けてきた
- 5人全員が「売れるまで辞めない」と決めた覚悟の強さと、「仲良くすること」を最上位に置く優先順位が、離脱ゼロの秘密
- 「お前がただの友達だったら全然いいんだけど」──根本の肯定がある上でのフィードバックが、友達と仲間を両立させるコミュニケーション術
- 炎上時は「スマホを見ない」「仲間と会う」が最善の対処法。ただし自分の信念は必ず外に出す
- 今後は自己分析の重要性を発信し、「自分の命を自分で燃やす」ことを伝えていきたいと宣言
