1年続けてわかった「メディアは徐々に育つ」実感
ポッドキャスト「Off Topic」は2018年の後半にスタートし、この回の時点で1年ちょっとが経ちました。宮武さんによると、合計23回ほどを、およそ2週間に1回のペースで配信してきたといいます。
宮武さんは、1回あたり30〜40分ほどある番組がここまで続いていることに、正直まだ驚いていると話します。そのうえで、1年続けた甲斐はあったと振り返ります。
宮武さんがそう感じた理由の1つは、メディア事業は徐々にユーザーが増えていくものだと実感できたことです。メディアを運営する人たちの苦労も、自分でやってみてよくわかったといいます。
もう1つの理由は、リスナーからの反応です。草野さんがTwitterでのリプライに触れると、宮武さんは毎日「オフトピック」で検索していると明かします。
つぶやいたらすぐ宮武さんからリプが来ます。
私もリプライしたいんですけど、先にも宮武さんがしてるんで、あと思って。
宮武さんは、リスナーの反応があるからこそ続けられていると話し、YouTuberなどのクリエイターがよく口にすることを、自分も実感したといいます。
草野さんにとっての収穫は、番組を通じて、本来なら会うはずのなかった人や声をかけてもらえるはずのなかった人と出会えたことです。「聞いてもらってるんですか?」と驚く場面もあり、恥ずかしいけれど嬉しい体験だったと語っています。
お気に入りの回はどれ? BtoCからフォートナイトまで
宮武さんから「この回は良かった」という回を急に振られた草野さんが最初に挙げたのは、BtoCをテーマにした回です。宮武さんがちょうどニューヨーク出張中で、実際に店舗へ足を運んだ体験を話したことが印象に残っているといいます。
(宮武さんが)実際に店舗行ってきて、こういうことありましたっていう話をしたのはすごく臨場感があったというか。
草野さんは創業ストーリーを調べるのが好きで、その意味でPinterestの回も個人的に気に入っていると話します。
一方で宮武さんは、番組で出している回の多くが「この話は絶対にしたい」という熱から生まれていると振り返ります。挙げたのはNetflix、セラノス ── 血液1滴で多くの検査ができると謳った米国のヘルステック企業。のちに技術の実態が問題となり、創業者が詐欺罪で訴追されました、WeWork、フォートナイトの回です。
宮武さんが特に価値を感じているのは、話題になる前の時点の議論が記録として残っていることです。WeWorkの回は騒動が起きる前に収録しており、フォートナイトの回も、アメリカで勢いが出てきたタイミングで先に話せていたといいます。
アメリカのコンテンツをあまり日本でも共有されてないと思うので、そのコンテンツを日本語で日本に持っていきたいっていう思いがあってやっている
宮武さんは、番組を始めた理由であるこの思いを、1年を通してある程度は実現できたのではないかと話しています。
草野さんも、大型調達をしたスタートアップのニュースは日本にも届く一方で、アメリカのロングフォームのコンテンツには時間差があると同意します。宮武さんは、アメリカで流行ったものは形を変えて日本に来ることも多く、音声の回で話した内容もいずれ日本に来ると考えています。
熱が入りすぎることもあります。ストリーミング戦争の第2弾は、宮武さんがディズニープラス ── ディズニーが提供する動画配信サービス。自社作品群を中心に、2019年11月に米国でサービスを開始しましたの記事を読み込んだ結果生まれた回で、収録中には草野さんが時計を見て「もう30分ぐらいですよ」と促していたそうです。
2019年のテックニュースを振り返るトップ10の回については、お互いに挙げた項目の多くがすでにこの1年で話した内容で、総集編に近くなってしまったと草野さんは振り返ります。ただ宮武さんは、それは番組がトレンドをきちんと押さえてきた証拠でもあると捉えています。
草野さんは、調べたいから調べているだけでも、インプットしてアウトプットすると身になると話します。宮武さんも、端的に説明するには内容をきちんと理解していなければならないと応じています。
草野さんから「日本語は全然うまい」と言われた宮武さんですが、英語でしか記事を読んでいないため言葉が出てこないことは本当にあるといいます。収録中にGoogle翻訳を使うこともあるそうです。
来年のOff Topicは音声の外へ? コミュニティとインタビュー
来年やりたいことを聞かれた宮武さんは、ロングフォームやディスカッション系の音声に加えて、音声以外の形でもコンテンツを出してみたいと話します。テックニュース系なのか、深掘りなのか、まとめなのか、形はまだ決まっていません。
せっかくなんかあの聞いてもらってるリスナーとかがいるので、なんかちゃんと皆さんのあのなんか欲しいものを届け続けたいです
草野さんはテキストや動画に前向きなうえで、リスナーともっとコミュニケーションを取りたいと話します。会ってみたり、イベントを開いたりといったコミュニティづくりのイメージです。
(トレンドの話は)こういうことがあるんですよっていうのだけじゃなくて、こう、自分はこう思うんですって話もできると思うので
草野さんがもう1つ挙げたのはインタビューです。もともとブログでインタビュー記事を書いていて、人の話を聞くのが好きだといい、番組として出演者を募集しています。
宮武さんは、海外ニュースを紹介する番組の性格に関連するテーマがよいとしつつ、1年間自由にやってきたので海外にこだわらなくてもいいとも話します。起業のHowtoやマーケットプレイスの作り方のようなTips系はあまり扱っていませんが、こちらは宮武さんがTwitterで連載しており、パート7を作成中だそうです。
草野さんは、図を使うような内容は音声だけでは伝えにくいと指摘します。実は一度動画を撮ったものの、お蔵入りになっているといいます。ほかにも軽い飲み会のようなイベントで、みんなでWeWorkの話をするというアイデアも出ました。
宮武さんは、エピソードのアイデアでも、見たいコンテンツやテキストの要望でも、リスナーからのフィードバックを歓迎すると呼びかけています。
英語レッスン回の構想と、音質改善の歩み
草野さんが個人的に推したのは、宮武さんによる英語レッスンの回です。「調達の仕方を英語で」のようなイメージだといいます。
宮武さんによると、似た取り組みはすでに知人のVCであるマックスさんが行っています。投資家と話すような場を設定し、すべて英語でやり取りしながら英語のレッスンも受けられる会で、毎回5、6人ほどしか参加できないそうです。
宮武さん自身は、教える側になることに少し気を使うと話します。相手が英語で話してくれても、明らかに日本語のほうが上手なときは、つい日本語で返してしまうことが多いといいます。草野さんは、反応があれば英語の回を実現しようと締めくくりました。
最後に草野さんは、配信をアップロードしている立場から、音量が小さいなどの聞きにくさについて謝ります。宮武さんは、収録環境の変遷を説明しました。
草野さんは、番組はこれからもアップデートしていくので、その改善も楽しみに聞いてほしいと話し、来年もよろしくと呼びかけて1年目最後の配信を終えています。
まとめ
1周年の振り返りでは、リスナーの反応に支えられて続けてきたこと、アメリカのテック動向を日本語で先回りして届けるという目的にある程度手応えがあったことが語られました。来年は音声以外の発信、コミュニティ、インタビューなど、リスナーと一緒に番組を広げていく構想が示されています。
- 宮武さんは、メディアは徐々にユーザーが増えるものだと実感し、1年続けた甲斐があったと振り返った
- WeWorkやフォートナイトの回のように、話題になる前の議論を記録として残せたことに価値を感じている
- インプットしてアウトプットすることが、2人自身の学びにもつながっている
- 今後はテキストや動画、イベント、インタビュー、英語レッスン回などのアイデアがあり、リスナーの意見を募っている
- 収録環境はスマホからマイク2本へと改善が進んでいる




