7年目の恒例企画、2023年のTOP10はどうだった?
テックニュースTOP10の振り返りは、2018年末から続くOff Topicの年末恒例企画です。宮武さんが数えたところ、2024年版で7回目になります。
そろそろ歴代のトップテンを見て、それによってのトレンド分析をするっていう回をやってもいいかもしれないですね。
本題に入る前に、草野さんは2023年のTOP10をおさらいしました。10位「起業家がクリエイターになった年」から1位「AI生成技術のハイプサイクル」まで、AIと規制、VC市場の変化が並んでいます。
宮武さんは、2023年の項目には2024年のランキングにつながるものもあれば、落ち着いたものもあると話します。たとえばOpenAIの話題は2024年もいろいろあったものの、2023年ほど騒がしくはなかったといいます。
もう1年以上経ちましたね。(アルトマン氏が)クビになって戻ってきてから。
今回は10位から6位までを扱い、5位から1位は翌週の配信で紹介する構成です。
10位「Apple新規事業の動き」で何が止まり、何が始まった?
10位はAppleの新規事業です。宮武さんによると、Appleは2024年に大きく3つのプロジェクトを動かし、1つはシャットダウン、1つはローンチしたものの思ったほど成長せず、残る1つはこれからという状況です。
| プロジェクト | 状況 | ポイント |
|---|---|---|
| プロジェクトタイタン(車) | シャットダウン | AIへリソースを振ったとみられる |
| Vision Pro | ローンチ | 短期的にはそこまで売れていないという噂 |
| Apple Intelligence | これから | 日本では来年ごろ登場の見込み |
シャットダウンしたのは、車の開発プロジェクト「プロジェクトタイタン」です。2013〜14年ごろから進められ、推定で10ビリオンほどが投資され、一時期は数百人から数千人のApple従業員が関わっていたといわれます。
宮武さんは、プロジェクトタイタンについて「もう少し辛抱していれば変わっていたかもしれない」と見ています。Appleはペダルもハンドルもない自動運転車を目指していましたが、技術というより規制や自治体との調整が壁になったとみられるからです。
その一方で、Amazonが買収したロボタクシー会社のZoox ── Amazonが2020年に買収した自動運転車の開発会社。運転席のない箱型の車両を開発していますはサンフランシスコでペダルもハンドルもない車両をテストしており、テスラも2024年にサイバーキャブを披露しました。業界全体はAppleが目指した方向へ進んでいたことになります。
もしかしたら(Appleの)最大のミスはテスラを買収しなかったことですかね。
宮武さんによれば、テスラが資金面で苦戦していた時期に、イーロン・マスク氏がティム・クック氏へミーティングを打診したことがありました。しかしクック氏側がそもそも会うことを断り、話は進まなかったといいます。買収に至ったかはわからないものの、プロジェクトタイタンにとっては最大のミスだったかもしれない、という見立てです。
Vision Proはなぜ伸び悩み、Apple Intelligenceに何が懸かる?
2つ目のプロジェクトはVision Proです。ローンチ時は大きな話題になりましたが、草野さんはまだ試したことがないと明かし、宮武さんに使用感を尋ねました。
やっぱりすごいハイエンドなプロダクトなので、価格帯が価格帯っていうのもあって、体験自体はすごいです。
宮武さんは、Vision ProのUXも優れている一方で、ユースケースはまだ限られていると指摘します。面白い使い方として挙げたのが、子どもたちがVision Proで映画を見たがる傾向にあるという話です。
なんかテレビ画面で映画見たくないみたいな。
Appleはソニーと組み、PlayStationのコントローラーをVision Proで使えるようにするなど、ゲームのユースケースを増やそうとしているようです。Vision Proは、ティム・クック氏にとってスティーブ・ジョブズ氏の死後初めての、iPhoneのエコシステムから独立した本格的な新デバイスでもあります。
ただ、Vision Proは短期的にはそこまで売れていないという噂があり、サプライチェーンを見ているアナリストからは夏ごろに生産をかなり止めているという話も出ています。宮武さんは、1秒あたり7台が売れているとされるiPhoneを超えるデバイスは、まだ出てきていないと話します。
そこでAppleの最後のベットとなるのが、2024年に発表されたApple Intelligenceです。日本では来年ごろの登場が見込まれており、草野さんも出たら触ってみたいと話しています。
なお、このランキングは人気投票ではなく、二人がディスカッションして「独断と偏見」で選んでいます。話題性よりも、インパクトや今後の重要性を踏まえて順位を決めているとのことです。
9位「企業が本気でコンテンツ化」、映画スタジオを作る企業たち
9位は草野さんが挙げた「企業が本気でコンテンツ化」です。2023年は、マーク・ザッカーバーグ氏やSpotifyのCEOなど、起業家自身がコンテンツを発信する動きが目立ちました。2024年はそこから一段進み、企業が本気で作品を作る流れになっていると草野さんは見ています。
| 企業 | 業種 | 取り組み |
|---|---|---|
| スターバックス | コーヒーチェーン | 映画制作会社「スターバックススタジオ」を設立 |
| Chick-fil-A | チキンのチェーン店 | 子ども向けの番組・映画・ゲームを配信するストリーミングアプリ |
| Northwell Health | 医療システム | 映画スタジオを設立 |
| LVMH | ラグジュアリーブランド | 映画・コンテンツスタジオを設立 |
宮武さんが特に驚いたのはChick-fil-Aです。動画配信アプリを作るだけでなく、オリジナルコンテンツまで制作し、30分のエピソードで400万ドル、約6000万円規模の予算を持つこともあると聞くと、その本気度が伝わると話します。
宮武さんは、この流れの背景にブランドのマーケティングの変化を見ています。2023年は野外広告などのスペクタクル系、2024年は意外なコラボで目立つ施策が多かったものの、多くの企業がそれだけでは難しいと判断したのではないか、という見立てです。
スペクタクルな野外広告や意外なコラボで、一瞬のアテンションを取る
本気でコンテンツを作り、短期と長期の両方でユーザー獲得とエンゲージメントを狙う
一瞬のアテンションは取れるんですけど、ちゃんとそれが長期のブランドロイヤルティにつながるかっていうと、一瞬で消えてしまう。
企業コンテンツのブームはこの先も続くのか?
草野さんが「企業のコンテンツ化はずっと続くと思うか」と尋ねると、宮武さんは数年がかりの流れを予想しました。
来年
ヒット作品が出て、相乗りする企業が増える
競争激化
競争が激しくなり、失敗作が増える
撤退
多くの会社がコンテンツ制作をやめる
次のステップ
生き残った会社が次の段階に進む
草野さんは、Chick-fil-Aの取り組みは唐突ではないと見ています。マクドナルドに子どもが遊べるキッズスペースがあるように、Chick-fil-Aはオンライン上に子どもの遊び場を作っており、顧客との相性がよい戦略だという考えです。
一方で宮武さんは、ファストフード店が動画配信サービスを作ったというニュースだけを聞くと、正直驚いてしまうと話します。本当に人気になり、長くエンゲージメントする顧客を作れるのかが気になるポイントです。
草野さんはもう1つの背景として、NetflixやAmazon Primeのようなストリーミングサービスが映像の流通の場になっている点を挙げます。企業が映画やドキュメンタリーを作っても、流す場所がすでにある環境です。宮武さんも、かつてのNikeのように既存プラットフォームへドキュメンタリーを出す企業が増えそうだと応じました。
ファーストムーバーが有利かという宮武さんの問いに、草野さんは、作品が面白ければ後発でも成り立つと考えます。Northwell Healthのドキュメンタリーも、コロナ禍の病院を描いた内容で、制作した病院の名前はあまり前に出ていなかったといいます。ただ、トピックが似ると効果が薄れるかもしれないとも付け加えました。
8位「やっぱり盛り上がったAI投資」、ドラッグ扱いだったGPU
8位はAI投資です。2023年の1位だったAIは、順位を大きく下げての登場になりました。宮武さんは、2023年がGPU不足のピークだったと振り返ります。
GPUの扱い方が去年末だともうドラッグだったんですよ。
宮武さんによると、2023年末のGPUは極端に不足しており、起業家もテックリーダーも「GPUないですか?」と聞き回り、二次流通市場も過熱していました。イーロン・マスク氏とラリー・エリソン氏が、NVIDIAのジェンセン・フアン氏との会食でGPUを求めたという話まであったといいます。
2024年はサプライが出始め、まだ不足はしているものの2023年ほどではなくなりました。その結果、GPUを買う人が大きく増え、そこへの投資が膨らんだというのが宮武さんの説明です。アメリカでは、直近の数字でスタートアップ調達全体の35%がAI企業に向かっています。
草野さんが「やりすぎなのか」と尋ねると、宮武さんは、お金の出先を探すVCと、GPU購入のために巨額の資金を必要とするAI企業の需要と供給がうまくフィットした結果だと答えました。
さらにVCも大型のファンドを集め、その資金の一部で投資先のためにGPUを買いに行っています。宮武さんはアンドリーセン・ホロウィッツ ── シリコンバレーを代表するベンチャーキャピタルの1つ。通称a16z。AIや暗号資産などへの大型投資で知られますの例を挙げました。
ビッグテックの巨額投資に、リターンは見合うのか?
宮武さんは、VCやスタートアップ以上に投資しているのはGAFAMなどの大手テック企業だと指摘します。Metaは2024年のインフラコストを38〜40ビリオン、約6兆円とし、10ビリオン規模のデータセンター建設も発表しました。
Microsoftも、2023年に50ビリオンほどだった投資を2024年は75ビリオンに引き上げています。Microsoftほどの規模の会社で1.5倍の伸びです。
その資金の行き先がNVIDIAです。NVIDIAの第2四半期の売上では、1社が14%、続く2社が11%前後ずつ、4社目が10%を占め、上位4社で売上の46%に達したといいます。
草野さんは、各社が投資を増やし続ける流れがずっと続くのかと問いかけました。宮武さんは、まさにそこが2024年に議論され始めた問題だと答えます。
多分600ビリオン分ぐらいのAI売上がないと、そもそも1倍リターンが出せないみたいな状況に今なってるんですよ。
宮武さんによると、この600ビリオンという数字は過去2〜3年の合計投資額から見たもので、そのリターンは正直まだ出ていません。AI市場の売上の大半はNVIDIAが占めており、リターンは徐々に出てくるものだという見方です。
2024年に投資が集まった新しい領域として、宮武さんはヒト型ロボットを挙げます。Figureが675ミリオン、1Xが98ミリオン、Agilityが150ミリオンを調達し、テスラもOptimusを開発しています。
大手テック企業はエネルギー分野にも大型投資をしています。AIを動かすには電力が必要なため、原子力発電所にも大きな資金が向かっているといいます。
AIスタートアップへの投資は増えるのか?インターネットの歴史から考える
草野さんは、OpenAIやAnthropicのような巨大AI企業ではなく、シードやアーリーの新しいAIスタートアップへの投資が今後どうなるかを尋ねました。
絶対的に増えていくと思います。
宮武さんの根拠は、AIのレイヤー構造です。現在は調達額の大半が、OpenAIやAnthropicが入る基盤モデル、つまりインフラのレイヤーに集まっていますが、それが徐々に上のレイヤーへ移っていくと見ています。
基盤モデルレイヤー
OpenAIやAnthropicなどのインフラ部分。現在の調達額の大半が集まる
ミドルウェアレイヤー
インフラの上で動く中間層へ投資が移る
アプリケーションレイヤー
最終的に市場規模が最も大きくなると見られる層
宮武さんは、この流れをインターネットの歴史に重ねます。インターネットでも、NVIDIAによく例えられるCiscoのようなインフラから始まり、最終的にはFacebookやInstagramのようなアプリケーションが大きな市場になりました。Sequoiaなど多くのVCも、アプリケーションレイヤーの時代が来ると信じて投資を始めているといいます。
7位「NVIDIAの時代」、売上3倍成長の衝撃
7位はNVIDIAです。2023年に続き、2024年もさらに大きく成長しました。宮武さんによると、背景はGPUの販売で、需要に供給が追いつかず高値で売れ続けています。
2024年の第1四半期決算で、NVIDIAは過去最高の売上を記録し、前年比3倍の成長を見せました。あの規模の会社で3倍成長はありえない、と宮武さんは驚きを語ります。第2四半期も80%成長し、第3四半期の売上は約35ビリオン、純利益は19ビリオンでした。
| 企業 | 売上 | 純利益 |
|---|---|---|
| NVIDIA | 約35ビリオン | 19ビリオン |
| 88ビリオン | 26ビリオン | |
| Apple | 70ビリオン | 14ビリオン |
Googleの売上はNVIDIAの2倍以上ですが、純利益はそれほど変わりません。Appleの純利益はNVIDIAを下回っています。NVIDIAは、トップ企業と並ぶ実績を出しているといえます。
株価のパフォーマンスも際立っています。宮武さんによると、1999年のIPO時に1万ドル、約150万円を投資して一切売らずにいた場合、現在の価値は約4000万ドルになります。2024年も株価は3倍ほど伸び、一時は時価総額で全企業を抜いて1位になりました。決算発表のウォッチパーティーが開かれるほどだったといいます。
ジェンセン・フアン氏はなぜジョブズを思わせるのか?
草野さんは、NVIDIAのCEOジェンセン・フアン氏のカリスマ性に触れます。話が面白く、いつも革ジャンを着ているというトレードマークもはっきりしています。
宮武さんは、2024年はフアン氏の尖った発言が話題になったと話します。スタンフォードの学生に向けて「あなたに苦難が訪れることを願っている」という趣旨の言葉を贈り、苦しみを味わわないと成長できないと語ったといいます。
フアン氏は、二人も参加した4月のStripe Sessions ── 決済サービスのStripeが毎年開催するカンファレンス。起業家や開発者、テック企業の経営者が登壇しますでも同じ話をしていました。自分はトイレ掃除から始めたと語り、どんな仕事も厭わない姿勢や、期待値が高い人ほどレジリエンスが低いといった考えを示しています。
さらに、1on1ミーティングをしない、直属の部下が60人いるなど、フアン氏の経営スタイルも独特です。宮武さんは、ここ5年ほど見られなかった形だと話します。
スティーブジョブズっぽい経営スタイルを戻してきてるのかなっていうふうに思いましたね。
草野さんは、フアン氏の話は厳しく聞こえる一方で、話している様子にはユーモアがあり、そのバランスがよいと感じています。宮武さんも、公の場ではジョークを交えつつ、裏ではそれなりに怖い人という点がジョブズ氏に似ていると応じました。
NVIDIAの成長はいつまで続く?iPhoneと重なる「配り終えた後」
草野さんが「この成長はずっと続くのか」と尋ねると、宮武さんは、GPUの供給が足りていないため、少なくとも今後1〜2年は続くと答えました。
難しいのは、需要が一巡した後の売上予測です。宮武さんはここでAppleを例に挙げます。iPhoneは2016年ごろにアメリカ市場をほぼ取り切り、Appleでさえその次の四半期の売上を読み切れなかったといいます。
2016年ごろにiPhoneでアメリカ市場を取り切り、次の売上予測が難しくなった
GPUの需要がいずれ満たされた後、どう売上を立てるかが課題になる
配り終えた後にどうなるのかっていうところが、多分NVIDIAとしての大きなポイントになるんですけど、それまでは割と成長はし続けるのかなっていうふうに思います。
NVIDIAもiPhoneのように製品をアップグレードしており、次のBlackwellが控えています。宮武さんは、これまで2年だった製品サイクルを1年にした点も、iPhoneの発表のようだと話します。草野さんは、Blackwellというアップセルしたくなる名前のよさに注目しつつ、中の人は大変だろうと笑いました。
6位「来年どうなる?Googleと独占禁止法」、ビッグテックが負けた日
6位はGoogleと独占禁止法です。宮武さんは、ほぼ毎年この時期に独占禁止法の話をしていると振り返ります。
2023年、アメリカ政府はGoogleが検索市場を違法に独占しているとして訴えました。その判決が2024年に出て、Googleは敗訴しました。宮武さんは、2000年のMicrosoft以来、ビッグテックが負けた瞬間だったと位置づけます。
それでも1位やトップ5に入らなかったのは、戦いが終わっていないからです。Googleは上訴しており、Googleが何をすべきかという是正措置もまだ決まっていません。その判断は来年出る予定です。
アメリカの司法省は、裁判所に是正案を提出しています。宮武さんによると、その内容はGoogleのビジネスの根幹に関わるものです。
- Chromeを別会社として切り離し、売却する
- AppleやMozillaとのデフォルト検索エンジン契約をすべて禁止する
- Androidなどで自社サービスを優先しない
これらがすべて実行されれば、Googleは今の形では成り立たなくなる、と宮武さんは話します。草野さんは、ユーザーとしては無料でChromeを使えることがありがたいと感じています。
Chromeが切り離されたら、Mozillaはどうなる?
宮武さんは、Chromeが別会社になった場合、今のMozillaのように検索エンジンと提携し、デフォルト検索エンジンの枠でライセンスフィーを得る形になるだろうと予想します。
一方で、Mozillaは売上の8割以上をGoogleに頼っています。Googleとの提携が禁止されれば、Mozillaにとっては致命的です。
でもそうするとMozillaは多分潰れます。
逆に、BingやPerplexity、場合によってはOpenAIにとっては、Chromeのデフォルト検索エンジンになれる大きなチャンスになるかもしれません。ただ、Chromebookをどうするのかなど多くの課題が生じ、話はシンプルではないと宮武さんは指摘します。
判決を出した裁判長は、Microsoftの裁判を強く意識しているようです。277ページに及ぶ判決資料のうち、104ページにMicrosoftの名前が登場するといいます。
Googleは2敗、次は誰が狙われるのか?
宮武さんによると、Googleは2024年に検索の裁判だけでなく、もう1つの裁判でも負けており、場合によっては3敗目もありえます。
草野さんは、Googleの敗訴は意外だったのかと尋ねました。宮武さんは、テック業界の見方は分かれていたものの、負けてもおかしくはないという受け止めだったと答えます。他のビッグテックにとっても、他人事ではありません。
結構次は我々だみたいな(感覚はあると思います)。
アメリカ政府や、リナ・カーン氏率いるFTC ── アメリカ連邦取引委員会。反トラスト法の執行や消費者保護を担う政府機関で、ビッグテックへの規制を強めてきましたにとっては、政府が勝てるという手応えになりました。宮武さんは、次はAmazon、次はMetaという動きが加速した年だったと見ています。
| 相手 | テーマ | 状況 |
|---|---|---|
| アメリカ政府 | 検索市場の独占 | 敗訴。上訴中で是正措置は来年決定 |
| アメリカ政府 | 広告テック | 2024年に裁判。負ける可能性がある |
| Epic Games | (Googleとの長年の訴訟) | 判決が出てGoogleが敗訴 |
Googleにとって2024年は、Perplexityなど新しいAIサービスの登場もあり、いろいろな意味で大変な年でした。中でも独占禁止法は、検索というコア事業に直結する問題です。草野さんは、Geminiを伸ばすなら検索やChromeとも連携したいはずだと話し、宮武さんも、是正措置次第ではそれができなくなると応じました。
トランプ政権でGoogleの独禁法問題はどう変わる?
今後の見どころとして、宮武さんは来年出る是正措置の判断と、それに対するGoogleの上訴を挙げます。2000年のMicrosoftのように、政府と別途合意して決着するパターンもありえます。
もう1つの焦点はトランプ政権の誕生です。リナ・カーン氏をそもそも解任できるのかという議論もあり、新しい人が入ったときにトランプ氏がどう考えるかが注目されます。
(トランプ政権は)テックに対してアンチではなく、ビッグテックに対してアンチ。
宮武さんによると、トランプ氏と副大統領のJ・D・バンス氏は、ビッグテックにかなり否定的です。一方で、ビッグテックは買収などでスタートアップ業界を支えている面もあり、VC業界からは必ずしも悪者扱いすべきではないという声も出ています。
元VCのバンス氏をはじめ、トランプ政権には多くのテック系の人材が入っており、トランプ氏がその影響を受ける可能性もあります。トランプ氏は過去にGoogleを分割させたくないという趣旨の発言もしており、Chromeの切り離しが見送られるかもしれません。ただ、宮武さんは、まだ正直見えてこないと話しています。
今回は10位から6位まで。2023年と重なるテーマもありましたが、5位から1位は翌週に紹介されます。
まとめ
2024年のテックニュース6〜10位は、Appleの新規事業、企業のコンテンツ化、AI投資、NVIDIA、Googleの独占禁止法裁判でした。どのテーマも2024年で完結せず、来年以降の展開が注目されるニュースとして語られています。
- Appleはプロジェクトタイタンを中止し、Vision Proは伸び悩み、Apple Intelligenceが次の勝負になります。
- 企業が映画スタジオや配信アプリを作る動きが広がり、宮武さんはヒット作、競争激化、撤退を経た淘汰を予想しています。
- AIへの投資は膨らむ一方で、約600ビリオンのAI売上が必要とされるリターンの問題が議論され始めました。
- NVIDIAは売上3倍成長と株価高騰で時代の主役になりましたが、GPUの需要が一巡した後が課題です。
- Googleは検索の独禁法裁判で敗訴し、Chrome売却を含む是正措置とトランプ政権の対応が来年の焦点になります。





