GAFAシリーズのMeta編、通底するテーマは「脱Apple」
Off Topicは、Microsoft、Google、Appleに続いてMetaを取り上げます。宮武さんによると、前回のApple編は4.5回分に及び、今回のMeta編も少なくとも4回分になる見込みです。
Meta編の初回は、SNSと広告というコア事業が中心です。AIやメタバース、Vision Proに対するQuestの話は、後の回に回されます。
宮武さんは、シリーズ全体を貫くテーマとして「脱Apple」を挙げます。草野さんが「今はAppleに依存しているのか」と尋ねると、宮武さんは即答しました。
完全に依存してます。
Metaのアプリは、Appleのアプリプラットフォームの上で動いています。そのため、iOSのアップデートで大きな影響を受けます。宮武さんは、Appleから切り離すことが今後のMetaの戦略だと位置づけています。
GAFAの中でMetaだけが持つ強みとは?
宮武さんは、GAFAと比べたMetaの優位性を「組織」、具体的には「社長」だと答えます。現在も創業者がトップに残っているのはMetaだけです。議決権の構造上、マーク・ザッカーバーグ ── Facebookの共同創業者で、現在もMetaのCEO。議決権の過半を握り、経営方針に強い影響力を持ちますさんが会社の方向を決められます。
宮武さんは、この体制には良い面も悪い面もあるとしたうえで、代表例として2012〜2013年ごろからのモバイルへのピボットを挙げます。アプリへの注力に加え、InstagramやWhatsAppの買収もありました。宮武さんはこれを、サティア・ナデラ氏によるMicrosoftの立て直しと並ぶほど成功した実行例だと評価しています。
本当にめちゃくちゃうまくいったエグゼキューションですよね、戦略的に。
宮武さんによると、創業者体制のもう一つの利点として、あまり語られないのがコストカットの速さです。Metaは直近で2〜3回のレイオフを実施しています。テック企業の中でも、Metaはよりアグレッシブに進めているといいます。
レイオフを素早く進められる理由として、宮武さんは承認プロセスや社内政治を無視できる点を挙げます。叩き上げで上に立った人は、社内のさまざまな人に恩を抱えています。その最も極端な例が、Twitterの人員を約8割削減したとされるイーロン・マスク氏です。
「Facebookは若者に使われない」は本当か?
アメリカや日本のテック業界では、Metaの調子が悪いのではないか、特に若者に使われていないのではないか、とよく言われます。宮武さんは、その指摘が多少は正しいと認めつつ、数字で見ると実態は違うと考えています。
Metaは投資家向けに、Facebook、WhatsApp、Instagramを合わせたユニークなデイリーアクティブユーザー数を開示しています。この数字は30億人に上ります。
草野さんが「WhatsAppはアメリカでLINE的な存在なのか」と尋ねると、宮武さんは否定します。WhatsAppは海外で強く、アメリカで一番使われているのはSMSだそうです。若い層ではSnapchatなども使われています。
Facebook単体のDAUは、2021年第4四半期を除き、2004年の創業以来、四半期ベースで一度も下がっていません。下がった四半期も19.3億人から19.29億人への微減で、その後は再び増えています。現在のFacebook単体のDAUは20億人以上です。
2004年からこの会社やってますけど、2004年から一度も1四半期を除いてDailyActiveが下がったことないってすごくないですか?
さらに、FacebookのMAUは10年間、四半期ベースで一度も下がっていません。エンゲージメントを示すDAU/MAU比率は、業界では2割以上で良好、5割以上で世界トップクラスとされます。Facebookはこの比率が68%です。
FacebookのDAU/MAU比率は、初期から5割前後を保ってきました。現在のユーザー増加はアジアなど米欧以外から来ていて、米欧はフラットです。宮武さんは、大量の離脱が起きている兆しはなく、「Facebookが死んでいる」という話は今のところなさそうだとまとめています。
TikTokに押されてInstagramは下がっているのか?
Metaについてもう一つよく言われるのが、TikTokの成長でInstagramが下がっているという見方です。宮武さんは、利用時間ではTikTokがInstagramを上回っていると認めます。そのうえで、直近のトレンドは逆だと話します。
インスタは上がっていて、TikTokはフラットなんですよ。
宮武さんによると、アメリカのTikTokはMAUが1.1億人で、横ばいかやや減少しています。モルガン・スタンレーのレポートでも、アメリカでの利用時間はフラットになり始めているそうです。モンタナ州では新規ダウンロード禁止の法案が通りましたが、TikTok側が訴訟を起こしていて、結論はまだ出ていません。
一方、Instagramを伸ばしているのはリールズです。リールズは1日20億回シェアされ、この数字は過去半年で2倍になりました。
2023年第1四半期の数字では、FacebookとInstagramのフィードの約2割、Instagramに限ると約4割がAIによるレコメンドです。宮武さんによると、その結果、Instagramの平均利用時間は24%伸びたといいます。
Twitter対抗の新アプリは何を検証しているのか?
収録は、MetaのTwitter対抗サービス「Project92」のUIがリークされていた時期に行われました。エピソード説明には「Threadsがリリースされる前の収録」と記されています。宮武さんは、この新アプリの考え方は面白いとしつつ、成功するかは正直わからないと話します。
草野さんは、Meta発の新規サービスがうまくいくことはあまりないと指摘します。宮武さんも、Metaは0→1が得意ではなく、1→10や10→100へ伸ばすのが得意な組織だとよく言われる、と応じます。草野さんは、InstagramのDMを別アプリにしたものの、結局Instagram本体に戻った例も挙げました。
それでも宮武さんが注目しているのは、ザッカーバーグさんが語った方針です。新アプリでは、マストドン ── 中央の運営会社に依存せず、複数のサーバーが連携して動く分散型のSNSやブルースカイのような、よりオープンなアプローチを取るといいます。InstagramのソーシャルグラフやIDの仕組みをそのまま使う構想もあります。
こういう機能とか、こういうオープンなアプローチがうまくいくかどうかを検証してるためのものだと思うんですよ。
そのため宮武さんは、この新アプリの100万人や1000万人といったユーザー数はあまり重視していません。見ているのは、インフラとして成立するかどうかです。
広告売上を伸ばす方法は3つしかない
Metaの収益源は広告です。宮武さんは、広告売上、DAU、広告単価、インプレッション数の各成長率を1つのグラフにまとめると、傾向が見えやすいと話します。たとえばインプレッションが増えると広告の供給が増えるため、広告単価はたいてい下がります。
宮武さんは、広告売上を伸ばす方法を大きく3つに分けて整理します。
ユーザー数を増やす
米欧はほぼ取り切っていて、伸びている地域は1人当たり単価が低いため、Metaの注力点ではない
1人が見る広告数を増やす
既存機能に枠を足す「人工的」な方法と、新機能に広告が付いていく「オーガニック」な方法がある
広告単価を上げる
ターゲティングの精度向上と、インプレッション数の変化で動く
「人工的」な方法の例として、宮武さんはInstagramの検索結果に広告枠が出始めたことを挙げます。表示する広告を1つから2つ、3つへと増やせば、ユーザーが見る広告数も増えます。
「オーガニック」な方法の典型は、昔ならストーリーズ、今ならリールズです。新機能ではまずユーザーのコンテンツが集まり、アテンションが集まったところに後から広告が入っていきます。
ストーリーズで起きた「単価が下がって戻る」がリールズでも
宮武さんによると、Instagramがストーリーズを出したとき、ユーザーの滞在時間が増え、インプレッション数が大きく伸びました。供給が増えたため広告単価はいったん下がりましたが、その後徐々に戻っています。
新機能が普及
いいプロダクトなのでユーザーが使い、インプレッションが急増する
単価が下落
ターゲティングが未成熟で効率が悪く、空き枠も多いため安く出せる
単価が回復
広告主がストーリーズの価値を理解して出稿し、単価が戻る
単価の下落はウォール街の投資家を心配させます。しかし宮武さんは、重要なのは単価が戻ってくるかどうかだと話します。いまリールズで同じことが起きていて、ザッカーバーグさんもInstagramとFacebookの両方で単価が戻ってきていると述べているそうです。
リールズの弱点は、1本の視聴時間が長いことです。フィードやストーリーズはすぐ次へ進めますが、リールズは30秒、60秒、90秒と見るため、出せる広告の数が少なくなります。Metaは、アプリ全体の利用時間が増えることでこの分を補い、広告売上を回復させる考えだといいます。
iOSアップデートで失われた「購入データ」
宮武さんは、Metaの広告事業の今後を見るうえで、AppleのiOSアップデートへの対策を打てているかが重要だと話します。宮武さんの見立てでは、iOSのアップデートはMetaの売上に少なくとも10ビリオンドルの影響を与えています。YouTubeやSnapchatも影響を受けています。
iOSのアップデートでは、「このアプリからのトラッキングを許可しますか」という通知が出るようになりました。多くのユーザーは「いいえ」を押します。その結果、サードパーティーデータ ── 自社以外のサイトやアプリで取得されたユーザーの行動データ。自社で直接集めたものはファーストパーティーデータと呼ばれますと自社のデータを組み合わせて広告を出すことが難しくなりました。
宮武さんは、特に取りにくくなったのがコンバージョンだと説明します。Facebookの広告からGlossierのサイトへ移って購入しても、購入はアプリの外で起きています。そのため、Metaにはクリックされたことしかわかりません。
(購入したかどうかが)一番大事なとこですよね。
この穴を埋めるために、MetaはAIを使っています。宮武さんは、AIに何千億円規模で投資できる点がMetaの強みだと話します。対抗できるのはGoogleぐらいで、TwitterやSnapchatにはできないといいます。
宮武さんは、iOSのアップデートが売上面では大きな打撃だったと認めます。ただ、他社に頼らずに広告事業を成り立たせる方法を考えるきっかけになりました。そのため長期的にはMetaにとって良いことだったのではないか、と見ています。実際、2023年第1四半期にはMetaの広告売上が伸び、YouTubeは下がりました。宮武さんはこの差を、iOSへの対応の有無だと個人的に考えています。
ターゲティングをAIに任せる「Advantage+」
Metaが2023年に出した広告ツールがAdvantage+ ── Metaの自動化された広告キャンペーン機能。配信先の選定などを機械学習が担いますです。宮武さんは、これを「アルゴリズムファースト」な広告モデルだと説明します。
広告主が年収や性別などの属性を組み合わせて、配信したい層を指定する
アルゴリズムが、正しい人に正しいタイミングで広告をマッチさせる
Advantage+について、大手のブランドや広告主は「Metaに任せすぎではないか」という懸念を持っています。広告をコントロールできなくなり、出したくない場所にも出てしまうかもしれないためです。
一方で、中小企業ではAdvantage+が比較的うまくいっていて、FacebookやInstagramへの予算を10〜20%増やした企業もあるそうです。宮武さんによると、Advantage+の売上は過去半年でおよそ7倍に伸びています。
広告クリエイティブまで自動化される未来
宮武さんは、Advantage+の次の進化として、Metaが取得した特許を紹介します。ユーザーの興味に応じて、AIで広告のクリエイティブを変えるというものです。
すでに「AI Sandbox」では、広告コピーの書き換えや複数バージョンの作成、背景の変更、縦型への変換などが提供されています。宮武さんは、今はブランドが自分で操作していますが、いずれ完全に自動化されるだろうと見ています。
もう担当者いらないですよね。なんかターゲティングも勝手にしてくれて、クリエイティブも全部作ってくれてって言ったら、すごい。
宮武さんは、チェックする担当者は必要だとしたうえで、自動化によって無限にA/Bテストができ、広告に自分の名前が出るような完全なパーソナライズもできるようになると話します。
宮武さんによると、AIは「これは女性向け」「高収入向け」といった先入観を持たないため、想定外の属性にも配信を試します。リークされた社内資料では、Facebookの広告モデルに使う要素は1.5万以上あったそうです。それらを理解して重み付けすることは人間にはできませんが、AIにはできるといいます。
自動化の落とし穴、ロイヤルカスタマーと大規模バグ
宮武さんが挙げるAI広告の課題の1つ目は、AIが最初の購入には最適化されていても、長く買い続けるロイヤルカスタマーを見つけられるかはわからないことです。男性や日本の女性が1回は買っても、ブランドを好きになって何度も買ってくれるとは限りません。
ロイヤルカスタマーを狙うには自社以外のデータが必要です。しかし、そのデータとの掛け合わせはiOSのアップデートによって基本的にできなくなっています。草野さんが「新規獲得や立ち上げ直後のブランドには相性がいいのか」と尋ねると、宮武さんは「めちゃくちゃ相性いいと思います」と答えました。
課題の2つ目は、Meta側でミスが起きたときの被害の大きさです。2023年4月、バグによって多くのブランドの1日分の広告予算が数時間でほぼ使い切られました。
なんか朝9時に自分のFacebookアカウントの広告予算を見ると、なんかもう9割使われてるみたいな。
Metaは原因を詳しく説明していません。宮武さんは、効率の悪いキャンペーンにも配信するアルゴリズムになってしまったのではないかと推測しています。あるデータ分析会社は、少なくとも3割以上の企業が大きな影響を受けたとしているそうです。
AIで広告は安くなる?それとも高くなる?
宮武さんによると、Meta以外にもGoogleやLinkedInがAIによる広告生成を進めています。ローガン・ポール氏も、自身のドリンクブランド「Prime」の広告をAIで30秒以内に作ったとツイートしていました。宮武さんは、その出来は「割といい感じ」だったと話します。
コンテンツ制作のコストが大きく下がり、動画広告も作りやすくなる
誰もが大量に作るため、限られた人のアテンションを取るコストが上がる
草野さんは、インターネットの黎明期と比べて広告の量はすでに大きく増えているのに、見た広告をあまり覚えていないと指摘します。宮武さんも同意し、広告だけでなく通常のコンテンツも増えるため、ストーリーテリングや話題づくりはますます難しくなると話します。
チャネル戦略も、時期によって変わります。宮武さんによると、アメリカでは今インフルエンサーの広告単価が上がり始めていて、避けたほうがよい局面かもしれないといいます。
草野さんは、全体を見て過小評価されている場所に投資するのが一番ではないかと話します。宮武さんはこれを受けて、2つのポイントを挙げました。1つは「AIを使った」こと自体がまだクリックを集める、コンテンツの新しさです。もう1つは、TikTokやリールズの登場直後のように、プラットフォーム側が後押ししてくれる新しいチャネルに早く乗ることです。
そこら辺はすごい常に過小評価されてる場所に行くっていうところですね。
Amazonが広告で稼げるのはなぜか?
宮武さんは、iOSのアップデートによって、アドテクのインフラとコンテンツを組み合わせる会社が増えたと見ています。わかりやすい例が、AmazonやInstacartのリテールメディア ── 小売企業が自社のECサイトやアプリの中に広告枠を設けて販売する事業です。
Amazonの2023年第1四半期の広告売上は9.5ビリオンドルでした。宮武さんは、年間では40ビリオンドル前後になると見ています。Instacartも2022年の広告売上が740ミリオンドルに達し、2021年から30%伸びました。
AmazonやInstacartは、検索結果やカテゴリーページ、チェックアウト後のレコメンドなどに広告を出しています。ブランドはGoogleやFacebookではなく、こうした小売の広告ツールで直接キャンペーンを組みます。
全部ファーストパーティーデータになるんですよ。
コンテンツと広告ツールを持ち、コンバージョンデータまで自社で取れる戦略を、広告業界では「コンテンツの城」と呼ぶそうです。宮武さんは、データの組み合わせが難しくなった今、ファーストパーティーデータを抱えることがこれまで以上に重要になっていると話します。
Instagramはショッピングを諦めたのか?
2022年11月のMeta社内メモでは、Instagramのショッピング専用タブを廃止し、よりシンプルな「タブライト」を作る方針が示されていました。同時に、コマース組織を広告売上に紐付ける方針も書かれていたといいます。
宮武さんは、このメモを最初に読んだときは多くのメディアと同じく「ショッピングを諦めた」と感じたそうです。しかし、よく考えると、Metaはむしろ広告事業に合ったショッピング体験を目指していると考え直しました。
何かを求めてアプリに行き、特定の商品を検索する
意図的には探しておらず、知らなかった商品が広告で出てきて買ってみる
宮武さんの見方では、ショッピングタブはAmazonと同じ体験を持ち込むものでした。しかも、タブから買われても広告経由ではないため、広告事業にとっては意味がありません。
(Metaは)広告から購入までっていうところを全部アプリ内でやろうとしてますと。
宮武さんは、タブライトは商品広告を押したときに表示される詳細ページになるのではないかと推測しています。さらにMetaは2023年4月、FacebookとInstagramでショップを作る場合、アプリ内でのチェックアウトを必須にすると発表しました。宮武さんはこの発表を見て、これはコンバージョンを獲得するためだろうと感じたそうです。
次の一手はMeta独自のアプリストア?
宮武さんは、完全に予想だと断ったうえで、Metaが次にアプリストアを出すのではないかと話します。ShopifyのアプリではなくゲームやUberのような、普段スマホで使うアプリのストアです。
宮武さんは、背景としてヨーロッパのDMA ── EUのデジタル市場法。巨大プラットフォームを規制し、AppleやGoogleに他社アプリストアの容認などを求める法律を挙げます。この法律により、AppleやGoogleは他社のアプリストアからのダウンロードを認めなければならなくなりました。
アプリ広告を出す
Meta上で広告主がアプリの広告を配信する
Metaのストアへ誘導
AppleのApp Storeではなく、Metaのストアに遷移する
ダウンロード
コンバージョンデータがMetaの手元に残る
広告の改善
取得したデータで配信精度を高める
宮武さんは、Metaがまずヨーロッパだけで始め、場合によっては開発者に手数料の一部を払ってでも進めるのではないかと見ています。草野さんは、この構想を「脱却ですね」と受け止めました。
メッセージ広告と、広告依存が「仕方ない」理由
宮武さんによると、ザッカーバーグさんがもう一つ力を入れているのが、MessengerやWhatsAppといったメッセージアプリ内の広告です。まだ使っている事業者は多くありませんが、すでに売上ランレートは10ビリオンドルに達しているそうです。
Metaは、売上の97%が広告に頼っているとよく指摘されます。宮武さんは、この依存は一部仕方がないと考えています。
(サブスク売上の)15パーから30パー、AppleかGoogleに行っちゃうんですよ。
Metaは、Appleに配信面で助けてもらわなくても十分なディストリビューションを持っています。それなのに手数料を取られるくらいなら、広告に特化したほうがよい、というのが宮武さんの見立てです。宮武さんは、この点も今なおAppleに依存している部分だと指摘します。
iOS17の追跡規制と、Appleを上回る30億人の配信網
宮武さんは、Vision Proの話題に隠れたものの、広告業界にとって重要な変更がiOS17にあると話します。Safari、メッセージ、メールアプリでURLがクリックされると、「?source=twitter」のようなトラッキングパラメーター ── URLの末尾に付けて、どこから流入したかを計測するための文字列。広告の効果測定に使われますが自動的に削除されるようになります。
トラッキングパラメーターが消されると、ブランドはコンバージョンをさらに取りにくくなります。だからこそ、ここ半年から1年でMetaが進めてきた施策は重要だと宮武さんは話します。Metaは、Appleに頼らずコンバージョンデータを取る抜け道を、ようやく手にし始めたといいます。
宮武さんは、MetaにはAppleに対する大きなアドバンテージもあると話します。Metaのサービスは、Appleのデバイスに縛られずAndroidでも使えます。Appleのアクティブデバイスは20億台ですが、Facebook単体で20億人、Metaのアプリ全体では30億人のデイリーアクティブユーザーがいます。
実はAppleよりディストリビューションを持ってるのはFacebookなんですよ。
宮武さんによると、Metaは過去に一度、Appleに頼らない施策を考えながらも抜け出せなかった経験があります。今度は失敗しないために、まず広告事業をAppleの影響から切り離します。そのうえで、メタバースやAIといった次の領域へ進む、というのが宮武さんの描く順番です。
まとめ
Meta編の初回では、ユーザー数の底堅さ、リールズとAIによる利用時間と広告の回復、そしてアプリ内決済やアプリストア構想によるコンバージョンデータの囲い込みが語られました。どの施策も、Appleへの依存から抜け出すという1本の戦略につながっています。
- Facebookは2021年第4四半期を除いてDAUが減ったことがなく、Metaのアプリ全体では30億人のDAUを抱えている
- リールズでは、ストーリーズと同じく広告単価がいったん下がってから戻る動きが起きている
- iOSのアップデートで購入データを失ったMetaは、Advantage+などAIによる広告の自動化で対抗している
- ショッピングの見直しやアプリ内チェックアウトの必須化は、コンバージョンデータを自社で取るための動きと読める
- DMAを活用したMeta独自のアプリストアは、Appleから離れるための次の一手として宮武さんが予想している




