取締役就任から買収提案へ、何が起きた?
イーロン・マスクがTwitterの買収を提案しました。先々週には取締役に就任するかもしれないという話が出ていましたが、そこから一転して、1株54.2ドルで会社ごと買い取るという提案に変わりました。
Off Topicでは、この話題を週の月曜日に配信している10分ニュース番組「bytes」でも取り上げていました。ただ、10分では解説しきれないとして、本編では初めて1週間に2回配信する形にし、前編と後編に分けて扱うことにしています。
宮武さんによると、前編のテーマは次のとおりです。何が起きたかのあらすじ、売却判断のキープレイヤー、約43ビリオンドルの資金をどう集めるか、Twitterが取れる道、そしてポイズンピル制度です。後編では、Twitterの課題、ホワイトナイト候補、テック業界の反応、今後の方向性を扱う予定だと話しています。
イーロン・マスクが買収の意思を表明したレターについて、二人は「やばかった」と口をそろえます。数日前には、取締役就任についてイーロン・マスク側もTwitter側も満足していると言い合い、ジャック・ドーシーも歓迎していたからです。
なんかあれ、数日前にボードに入るのを満足してますみたいなこと、お互い言ってなかったっけ?っていう。
レターの趣旨は、Twitterは言論の自由のプラットフォームであり、今の経営陣ではそれを保てないので、自ら買収して最終的に経営者を入れ替える、というものです。さらに、買収オファーが受け入れられなければ、保有している約9.2%の株を売るとも示しています。
宮武さんは、持ち株を9%台にとどめていること自体に意味があると説明します。10%以上を持つと株の売却に制限がかかりますが、9%台ならすぐに売れます。大株主がまとめて売れば、Twitterの株価に大きく影響すると考えられます。
イーロン・マスクがこの展開を最初から考えていたのか、という草野さんの問いに対して、宮武さんは「オプションとしては考えていたのでは」と答えています。取締役になってプレッシャーをかける道も検討していたものの、Twitterのガバナンスのルールでは、取締役は14.9%、つまり15%以上の株を持てません。その制約で選択肢が減るため、取締役の席は取らなかったのではないか、という見方です。
1株54.2ドルは妥当な提示額なのか
イーロン・マスクが示した1株54.2ドルという価格は、提案直前の株価から約20%高く、保有の公表前と比べると38%高い水準です。一方で、昨年のTwitter株のピークは77ドルだったので、そこから見ると安い価格になります。
宮武さんは、時価総額を売上の何倍で評価しているかという売上マルチプル ── 企業価値を年間売上高で割った倍率。成長が速い企業ほど高くなりやすく、同業他社との比較で割高・割安を判断する目安になりますで他のSNS企業と比べています。54.2ドルで計算すると、Twitterの評価額は約43ビリオンドル、売上の7〜8倍ほどです。
| 企業 | 売上マルチプル | 補足 |
|---|---|---|
| Twitter(提示額ベース) | 約7〜8倍 | 評価額は約43ビリオンドル |
| Snapchat | 約10倍 | Twitterより成長が速い |
| Alphabet(Google) | 約5.3倍 | - |
| Meta・Pinterest | 約5倍 | - |
表のとおり、Twitterの7〜8倍という倍率は、成長の速いSnapchatより低く、Alphabet、Meta、Pinterestより高い位置にあります。宮武さんは、このことから54.2ドルを「割と妥当」なリーズナブルなオファーだと評価します。今の株価の半分で提示されたならすぐに却下できますが、この水準なら取締役が検討せざるをえない、という整理です。
ただし、収録日の月曜日の時点で、Twitterの株価は上がっていませんでした。むしろ少し下がっています。宮武さんは、この株価の動きが、市場が買収の実現をどれくらい見込んでいるかを示していると話します。
(買収が)実現すると思った場合には、そこの株価に近しい株価になるはずなんですよ。
上場企業の大型M&Aでは、買収されそうな会社の株価は提示額に近づくのが普通です。提示額を下回っていれば、市場は買収が起きない、または時間がかかると見ていることになります。例として宮武さんは、Microsoftによる買収が決まっているアクティビジョン・ブリザードの株価が、今も提示額より低いことを挙げています。
市場がいつも正しいわけではないものの、今のTwitterの株価からは「取締役が却下するのではないか」という期待値が読み取れる、というのが宮武さんの見立てです。
イーロン・マスクはどこまで本気なのか?
宮武さんが個人的に疑問に思っているのは、イーロン・マスクがどこまで本気でTwitterを買収しようとしているのか、という点です。取締役就任の話から買収提案まで、あまりにも速いスピードで話が進んだからです。
宮武さんが引っかかっているのは、イーロン・マスクが最初に取締役就任を「アクセプトした」とTwitterで発言していたことです。本気で買収を考えていたなら、取締役になると15%以上の株を持てないことは、調べれば分かったはずです。
なんかそこでオファーもらったけど、リジェクトしましたであればわかるんですよ。でもアクセプトしましたっていう発言が最初出たんで。
これってその重要、十五パー以上持てないことを知りながらアクセプトしたのかなっていう。もしかしたら知らなかったんじゃないかなっていう。
もう一つの疑問は、買収後のプランの具体性です。草野さんは、アルゴリズムのオープン化や編集ボタンの追加など機能改善の話は出ているものの、大きな方向性はまだ見えないと話します。宮武さんも、コンテンツモデレーションの課題について、詳細なプランを持っていなさそうだと感じています。
宮武さんによると、この規模の買収プランは通常、何ヶ月も前から計画されます。後で触れるポイズンピルも、買収を計画していれば当然想定される対抗策です。その対抗策への回避策がまだ見えないことも、本気度への不安要素だといいます。
草野さんは、Twitterの社員の立場にも触れています。これまでコンテンツモデレーションの改善に取り組んできたのに、いきなり方針が変わるとしたら戸惑うはずだという指摘です。宮武さんは、イーロン・マスクがTEDのインタビューでもこの点に明確には答えていないと補足しています。
約39ビリオンドルの資金はどこから来る?
仮にTwitterが買収を受け入れた場合、イーロン・マスクは約43ビリオンドルを用意する必要があります。すでに約9%を持っているので、実際に必要なのは約39ビリオンドルです。日本円で4兆円を超える金額で、個人で出せる人はほとんどいません。
宮武さんは、自分のテスラ株やスペースXの持ち分を売る方法は「絶対取らないオプション」だと話します。未上場のスペースXはともかく、テスラ株を大量に売れば株価が落ちるからです。草野さんは、テスラという事業を抱えながらこの買収に動いていることを面白がり、テスラの社員がどう思っているのかも気になると話しています。
現実的なのは、テスラ株を担保にして借り入れる方法です。テスラの株主は保有株の25%まで担保に出せるというルールがあり、イーロン・マスクはすでに持ち分の一部を担保にしています。宮武さんによると、お金持ちが借り入れで現金を得て、利益を確定させずにその年の税金を抑えるためによく使う方法だそうです。
必要額
保有分を除いて約39ビリオンドル(4兆円以上)
株の売却
テスラ株価が落ちるため、取らない選択肢
株を担保に借り入れ
ざっくり計算で約19〜20ビリオンドル
残りを外部から
約20ビリオンドルを個人投資家、PEファンド、VCなどから集める
残りの約2兆円は、他の富裕層、PEファンド ── 未上場企業や上場企業の株式を買い取り、経営に関わって価値を高めたうえで売却し、リターンを得る投資ファンドのこと、場合によってはVCなど外部から集めることになります。過去には、ByteDanceがTikTokの米国事業の売却を検討していた際、セコイアを含むVCが買収して未上場化する案が出たこともあり、通常なら集められる金額だといいます。
宮武さんが難しいと見るのは、出資者とのインセンティブがかみ合うかどうかです。イーロン・マスクはTEDのインタビューで「エコノミクスはどうでもいい」と発言しています。
もし(Twitterが)トントンで動けばいいっていう話であれば、PEファンドとかからするとリターンが出ない。そしたら「投資する意味ってあるんでしたっけ?」ってなるじゃないですか。
イーロン・マスクがどこまで本気でその発言をしたのかは分かりません。それでも、リターンを求める投資家と、収益を重視しない買い手との利害のずれが、資金繰りの大きな課題になりそうだと宮武さんは見ています。
売却判断のカギを握るのは誰か?
買収を受け入れるかどうかを判断するのは、まずTwitterの取締役です。宮武さんは、Twitterには大株主が少ないという特徴があると指摘します。最大の株主はイーロン・マスクではなく、ファンドのバンガード・グループ ── アメリカの大手資産運用会社。インデックスファンドの大手として知られ、多くの上場企業の大株主になっていますで、10%強を持っています。その後にイーロン・マスク、モルガン・スタンレー、ブラックロックが続き、個人ではイーロン・マスクの次にジャック・ドーシーが大きな株主です。
宮武さんが最も重要なキープレイヤーと見るのが、創業者のジャック・ドーシーです。まだ取締役であることに加えて、創業者としての考え方がTwitter社内に強い影響力を持つからです。ジャック・ドーシーが「この方向性がいい」と言えば、それを信じる人は一定数いると考えられます。
ジャック・ドーシーがイーロン・マスク側につくのか、現CEOのパラグ・アグラワル側につくのかは読めません。ジャック・ドーシーはイーロン・マスクと親しい一方で、パラグ・アグラワルはジャック・ドーシーの後を継いだCEOでもあります。草野さんによると、パラグ・アグラワルはあまり表に出てこないものの、2011年からTwitterにいる人物です。ジャック・ドーシー自身は来月に取締役を正式に退任する予定で、その後は一株主として動くことになります。
取締役以外の重要人物として、宮武さんはPEファンド、シルバーレイクのCEOであるイーゴン・ダーバンを挙げます。以前、アクティビスト投資家のエリオット・マネジメントがジャック・ドーシーをCEOから外そうとした際、両者の合意をまとめたのがイーゴン・ダーバンでした。
当時、エリオットが取締役の席を求める中で、シルバーレイクは「Twitterの味方として」取締役の席を得る代わりに、1ビリオンドル(約1000億円)を出資しました。このときシルバーレイクは、Twitterにとってのホワイトナイト ── 敵対的買収や外部からの圧力に対して、友好的な立場で会社を支援する第三者だったといいます。
ただし今回も同じ役割を担うかは分かりません。当時の提携には、シルバーレイクが5%以上の株を取得してはいけないという条件があります。さらに、イーゴン・ダーバンとイーロン・マスクは別の会社で共に社外取締役を務める仲で、噂ではテスラの非上場化を検討した際にも一緒に動いていたとされます。
エリオット・マネジメントも無視できない存在です。担当者のジェシー・コーンは最近取締役を辞任し、エリオットは現在4%ほどを保有しています。以前の取り決めにあった保有比率の上限はすでに切れているため、理論上はイーロン・マスクと組んで経営権を握りにいく可能性もゼロではない、と宮武さんは話します。ただ、追い出されかけたジャック・ドーシーはそれを嫌がるだろう、という点で二人の見方は一致しています。
最後のキープレイヤーは、Salesforceの共同CEOで、比較的最近Twitterの会長になったブレット・テイラーです。かつてSalesforceがTwitterの買収を検討していた時期もあり、会長として影響力を持つ人物になりうると宮武さんは見ています。
受け入れるか、却下するか、別の売却先を探すか
宮武さんは、Twitterが取れる選択肢をざっくり3つに整理しています。
オファーを断る道。その場合は、株主が納得できるしっかりした説明が必要になる
別の買い手を探すプロセスを走らせ、イーロン・マスクのオファーと比べる
1つ目の「合意して売却する」という道は、Twitterがすでに取らなかったため、基本的にはなくなっています。残るのは、却下するか、他の売却先を探すかの2つです。
草野さんは、他の売却先を探すのは「イーロン・マスクに買われるくらいなら別のところに買われたほうがまし」という意味なのか、と質問しています。宮武さんは、そうした面もあると認めたうえで、本質は価格の検証にあると説明します。
一社しか、イーロンマスクさんしかオファー出してないと、本当に市場がその価格で評価してるのかがわかんないじゃないですか。
より良いオファーとは、株価だけでなく事業シナジーなども含めて判断されるものです。1社の提案だけで決めるのは危険なので、他の候補も見るのは当然だと宮武さんは話しています。
ポイズンピルはどう効くのか?
Twitterが実際に取った行動は、先週末のポイズンピル発動でした。草野さんは「名前がやばい」と反応し、宮武さんも「毒薬ですからね」と応じています。ポイズンピルは、敵対的買収を防ぐための防衛策です。
ポイズンピルの基本的な仕組みは、ある一定の割合以上を持つ株主以外に新株を発行し、割引価格で買えるようにするものです。Twitterの場合は、誰かが15%以上の株を持った時点で発動し、その株主以外の全株主が新株を50%割引で買えるようになります。有効期限は来年の4月までです。
他の株主が半値で株を買い始めると、イーロン・マスクの保有割合は薄まります。宮武さんの試算では、理論上イーロン・マスクは2倍の価格、約86ビリオンドルを払わなければならなくなり、草野さんも「とてつもない数字」に驚いています。
草野さんは金融用語がかっこいいと話し、ホワイトナイトを「敵対的な買収を阻止するための友好的な騎士」と言い換えています。宮武さんは、プリンセスを助ける白馬の王子様と同じイメージだと補足し、ポイズンピルは「相手に毒薬を飲ませないといけない」ような状況だと説明しています。
宮武さんの評価では、買収されたくないTwitterにとって、ポイズンピルは非常に有効な戦略です。乗り越えるにはよほどの資金が必要になるからです。
一方で、既存株主にとっての負担もあります。宮武さんは、自分と草野さんが株を持っている例で説明します。発動後に草野さんだけが割引株を買い、宮武さんが資金不足で買わなければ、宮武さんの持ち分は希薄化してしまいます。同じ保有割合を保ちたければ、追加でお金を払う必要があるわけです。
Netflix、Papa John's、マクドナルドの事例から見えること
ポイズンピルは今回が初めての事例ではありません。宮武さんは過去の3つの事例を紹介しています。
1つ目は2012年のNetflixです。投資家のカール・アイカンがNetflix株の9.98%を取得し、MicrosoftかAmazonに売却するべきだと主張しました。経営陣が売却を判断しないなら、株を買い増してプレッシャーをかけるという姿勢です。当時のNetflixの株価は、1年ほど前のピークから下がって横ばいが続いていました。
草野さんは、そういう人は怖いと率直に話しています。宮武さんは、カール・アイカンとしては事業判断として正しいと考えていたのだろうとしつつも、お金を持つ人がそうしたパワープレーをできる点は怖いと認めています。
Netflixは、個人が10%以上、企業が20%以上を持った場合に発動するポイズンピルを導入しました。その結果、カール・アイカンはそれ以上株を買わず、逆に売り始めました。当時11ドルほどだったNetflixの株価は、現在341ドルで、10年で約30倍になっています。宮武さんは、株価で見ると売らなかったのが正解だったとし、Twitterが参考にすべき事例だと話しています。
2つ目は2018年のピザチェーンPapa John'sです。株の約30%を持つ創業者兼会長のジョン・シュナッター氏は、人種差別的な発言をしたのではないかという噂が出て退任しました。しかしその後に心変わりし、会長に戻れないならさらに株を買い増して経営権を握る、という姿勢を見せました。会社側は31%以上で発動するポイズンピルで対抗し、結局、創業者はそれ以上株を取得せず、復帰もしませんでした。
3つ目は1985年のマクドナルドで、宮武さんにとっても意外だった事例です。このときは個人ではなく、タバコ会社のフィリップ・モリスが買収しようとしていました。マクドナルドはポイズンピルを使って、この買収を防いでいます。
| 年 | 企業 | 買収を仕掛けた側 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 1985年 | マクドナルド | フィリップ・モリス | ポイズンピルで買収を防いだ |
| 2012年 | Netflix | カール・アイカン | 株の買い増しが止まり、アイカンは売却に転じた |
| 2018年 | Papa John's | 創業者 | 31%以上で発動。創業者は買い増さず復帰しなかった |
敵対的買収の成功率について、宮武さんは少し古いデータとして、1997年から2002年の約5年間に行われた約200件の事例を紹介しています。そのうち3〜4割は買収側が失敗し、2〜3割はホワイトナイトが見つかり、残りが成功しました。結果はほぼ均等に分かれていて、わずかに買収される側に有利だといいます。
草野さんは、ポイズンピルが発動することはイーロン・マスクも分かっていたはずだと話します。宮武さんは、そこまでの展開を読めていなかったのか、それでも勝てると考えていたのかは分からない、と答えています。
取締役が見るべきは「よい会社」より「株主価値」
宮武さんは、ポイズンピルを発動した以上、おそらく訴訟になると見ています。ただしその構図は、イーロン・マスク対Twitter取締役ではありません。Twitter株主対Twitter取締役です。ある程度フェアな提示額があるのにポイズンピルで拒み、その結果イーロン・マスクが株を売って株価が下がるなら、株主の利益にならないという主張が出てくると考えられるからです。
取締役がポイズンピルを選んだ理由の一部は、時間稼ぎだと宮武さんは見ています。これ以上株を取得されるのを一旦止め、その間にどう動くかを考えるためです。
宮武さんが重要なポイントとして強調するのは、Twitterの取締役が何を基準に判断すべきかです。判断の軸は、54.2ドルが株主にとって最善の価値かどうかであり、イーロン・マスクのほうが優れた経営者か、言論の自由をより守れるかではないといいます。
来年70ドルになると信じているなら、今54.2ドルで売るのは過小評価だという判断もありえます。逆に、5年後もTwitterの株価が同じなら、株主にとってはイーロン・マスクのオファーを受けたほうがよかったことになります。そのため取締役は、ロードマップなど今後の戦略を具体的に示す必要がある、と宮武さんは話します。
宮武さんがそう考える背景には、Twitterの株価の歴史があります。上場から約10年経っても、株価は上場時とほとんど変わっていません。2013年からS&P500に投資していたほうが、高いリターンが出ていたといいます。草野さんは、プロダクトはいいのに過小評価されていると感じつつも、「それを見せられていない」という指摘には納得しています。
ただし、直近の業績は伸びています。宮武さんが挙げた売上の推移は次のとおりです。
2021年の伸びに加えて、最近は買収にも積極的で、プロダクト面は良い方向に進んでいるのではないかと宮武さんは見ています。そのうえで、取締役が株主に言えるのは、イーロン・マスクのオファーを受けた場合、株主にとってはそこで終わりになる、という点です。
宮武さんは、株価だけで考えれば、売却後にイーロン・マスクがTwitterを良くしても悪くしても株主には関係ない、と話しています。草野さんはその考え方に少し引っかかりながらも、言いたいことは分かると応じています。宮武さんも、多くの人はそれだけで判断しないと認め、Twitterの文化的なインパクトも影響しうると付け加えました。
後編では、Twitterが抱える課題、今の取締役陣が判断を下すべきなのかという問題、ホワイトナイト候補、イーロン・マスクが買収したい理由、そしてTwitterの今後の方向性を扱う予定だと予告されています。
まとめ
前編では、イーロン・マスクのTwitter買収提案について、提示額の妥当性、市場の期待値、資金繰り、キープレイヤー、ポイズンピルの仕組みと過去の事例が整理されました。取締役が問われているのは株主価値をどう示すかであり、その答えは後編に持ち越されています。
- 54.2ドルは売上マルチプルで見ると妥当な水準ですが、株価が提示額に届いていないことから、市場は買収の実現に懐疑的だと読み取れます
- 取締役就任をいったん受け入れた経緯やプランの不透明さから、イーロン・マスクの本気度には疑問も残ります
- 約39ビリオンドルの資金は、テスラ株を担保にした借り入れと外部資金を組み合わせる必要があり、投資家との利害がかみ合うかが課題です
- ポイズンピルは15%以上の取得で発動し、理論上は買収コストを約2倍に押し上げる強力な防衛策です
- 取締役は「よい会社になるか」ではなく株主価値で判断すべきで、株価が10年間伸びていない以上、具体的な戦略を示す必要があります




