D2Cとして初の上場は何を意味するのか
マットレスを販売するD2CスタートアップのCasper ── 2014年にニューヨークで創業したマットレスのD2Cブランド。箱に圧縮したマットレスを自宅に届ける販売方法で知られますが上場に向けてS-1 ── 米国で株式を公開する企業が証券取引委員会に提出する登録書類。事業内容や財務、リスク要因などが詳しく記載されますを公開しました。この回では、そこで明らかになった事業計画や、これまでの実績・トラクションを読み解いていきます。
ミキさんは、デジタルネイティブブランドとしてのD2C企業が上場するのは記念すべきことだと話します。テツローさんは、Purpleのように別の方法で上場した例はあるものの、D2C企業としてはCasperが初めてではないかと見ています。
基本的に多分D2C企業としては初じゃないですかね。本当は多分ウォビパーカーとかも多分もしかしたら今年上がるかもしれないですけど。
テツローさんによれば、Warby ParkerやEverlaneといった少し前に生まれたD2Cブランドも、規模を考えると今年か来年ぐらいに上場する可能性があります。Casperはその「一番乗り」という位置づけです。
Casperの上場がすごいのは、展開がまだアメリカとカナダ、イギリス程度にとどまっている点です。競合もレガシーのプレイヤーも多いなかで、マットレスを「オンラインで買う」という行動の変化を消費者に起こしたことを、テツローさんは高く評価しています。
(マットレスは)結構ユーザーの行動変化しないといけないものなので、そこはよくできたなと思いますね。
5人で創業、社名の由来は背の高いルームメイト
ミキさんの説明では、Casperはマットレスを中心に、ライトや枕、犬用ベッドなど睡眠にまつわる商品を販売する会社です。単なるマットレスの会社ではなく、睡眠を大事にするブランドとして自らを定義しています。
Casperが解決しようとした課題は、マットレスの種類が多すぎて複雑で、消費者が選べないという点でした。
Casperの創業メンバーは5人です。CEOのPhilip Krimさんは、かつてマットレスをECで販売していたシリアルアントレプレナーで、マットレス業界では知られた人物だといいます。
ほかの創業メンバーは、デザインファームIDEO ── 米国の著名なデザインコンサルティング会社。人間中心のデザイン思考を広めたことで知られます出身のデザイナーであるJeffさんと、ブラウン大学を卒業してアクセラレーターに参加していたシャーウィンさん、Neil Parikhさん、デイブ・ブラッドマンさんの3人です。3人がアクセラレーターでKrimさんとJeffさんに出会い、創業に至りました。
シリアルアントレプレナーと新卒の若者、そして腕のあるデザイナーという組み合わせを、ミキさんは不思議な創業ストーリーだと表現します。テツローさんも、5人チームはなかなか見ないと応じています。
大体一から三とかそのぐらいが多いですからね。
社名の由来も話題になりました。アメリカ人の多くは「キャスパー」と聞くとお化けのキャラクターを思い浮かべますが、実際には創業メンバーのルームメイトの名前から取ったそうです。
そのルームメイトはとても背が高く、マットレスから足がはみ出していたことが由来だといいます。テツローさんは「別に彼の課題は解決をしてない」と笑いつつ、二人ともシンプルでいい名前だと受け止めています。
なぜCasperの広告は「明るい写真」ばかりなのか
テツローさんは、Casperのブランディングが面白いと話します。Casperの初期の広告周りを手がけたのは、ニューヨークのブランドエージェンシーのRed Antler ── ニューヨークを拠点とするブランディングエージェンシー。多くのD2Cスタートアップのブランド構築を手がけてきましたで、テツローさんは以前その担当者と話したことがあるそうです。
Red Antlerの担当者によれば、CasperのInstagramや広告でマットレスを写すときに最も気にしていたのは明るさでした。夜には絶対に撮影しないという方針です。
明るい時に撮影するっていうのは、いわゆるいい眠り、いい睡眠ができた後に何ができるかっていうのをブランディングとして出したかったと。
そのためCasperの写真には寝ている姿があまり写っておらず、マットレスのそばで何かのアクティビティをしている様子が多く使われています。テツローさんは、睡眠そのものより、いい睡眠の先にあるライフスタイルを見せる狙いだったと解釈しています。
ミキさんは、もう一つの大きな課題解決として「大きくて運べない」というマットレスの不便さを挙げます。Casperは箱に圧縮して届ける「ベッド・イン・ア・ボックス」によって、自転車に載せて運べるほど手軽にマットレスを買えるようにしました。
テツローさんは、この配送の工夫がそのままマーケティングにもなったと指摘します。当時はYouTubeが伸びていた時期で、箱から取り出すアンボクシング、つまり開封動画と相性がよかったといいます。
逆にそれでセレブがすごいそれ(Casper)の写真を出したりとかしてすごいバズったっていうのもありますね。
ミキさんは、Casperにはセレブの投資家も多く、PRやブランディングが非常にうまい会社だとまとめています。
S-1で明らかになった売上と赤字の規模
テツローさんによると、Casperが上場するのは2月頃の見込みで、3月にずれ込む可能性もあります。S-1を1月に出しているため、およそ1か月後という計算です。調達額や評価額はまだ不明で、噂では100億ぐらいの調達と言われています。
S-1に記載されたCasperの売上は、2017年が2億5100万ドル、2018年が3億6000万ドルほどです。2018年はおよそ9000万ドルの赤字でした。
2019年は最初の9か月で3億1200万ドルの売上です。テツローさんは単純計算で4億1000万〜4億2000万ドル、年末のホリデーシーズンを考えると4億5000万ドルほどになるかもしれないと見ています。2019年もおそらく赤字だといいます。
Casperの平均注文額は、ECサイトで710ドル、店舗で820ドルです。マットレス自体は10万〜20万円ほどで、枕などの関連商品と組み合わせて買う人が多いため、この金額になるといいます。
Casperの自社店舗は60店舗あり、カナダの1店舗を除いて基本的にアメリカにあります。D2Cをうたいながら、Targetなど18社ほどの小売企業ともパートナーシップを組んでいます。
資金面では、2019年初めのシリーズDで評価額が11億ドル程度となり、ユニコーン ── 評価額が10億ドルを超える未上場のスタートアップを指す言葉ですになりました。累計の調達額は3億4000万ドルほどです。
テツローさんが気にするのは成長率です。2018年9月時点と2019年9月時点を比べると、売上の伸びは約20%にとどまっています。
一方で、Casperの認知度は高く、アメリカの消費者の31%がCasperを知っていて、140万人が実際のユーザーだとされています。ミキさんは、感度の高い都市部の人だけでなく30%が知っているのはすごいと驚き、テツローさんは店舗がうまく効いたのではないかと見ています。
マットレス企業と思われたくない「スリープエコノミー」戦略
Casperの現在のプロダクト数は27個です。マットレスだけで2〜3種類あり、シーツやベッドフレーム、ライトなども扱っています。
Casperのライトについて、ミキさんは日本人のデザイナーが手がけたという噂を聞いたと話します。くるっと回すと光が出るコードレスのライトで、ミキさんは「自分も欲しい」と言いますが、テツローさんは店舗で見ておしゃれだと思いつつ、個人で使うかは迷った様子です。
アメリカ人だと家が広いんで。なんでそれ(ライト)を持ってトイレ行くっていうのはわかるんですけど。
ミキさんは、日本のトースターで知られるバルミューダも手持ちのライトを出していると紹介します。バルミューダのライトはキャンプにも使えるタイプで、Casperのものは寝室用という違いがあるという話になりました。
テツローさんが驚いたのは、Casperのプロダクト展開の速さです。2014年のローンチから最初の18か月はマットレス1種類だけでしたが、直近18か月では7個の新プロダクトを出しています。
Casperはプロダクト以外にも、オンラインメディアや雑誌、YouTubeやSpotifyのスリープチャンネルを展開しています。テツローさんは、Casperがマットレス企業ではなく、スリープエコノミーやヘルスケアの会社として見られたがっていると読み解きます。
スリープエコノミー、ヘルスケア系っていう風に思われたいですと。
S-1の表紙にあたるページにも「スリープエコノミー」という言葉が最初に出てきます。ただテツローさんは、そう位置づけたいのであれば、瞑想アプリのようなウェルネス系のプロダクトをもっと早く出しておいたほうがよかったのではないかと考えています。
1台売るごとに赤字になるユニットエコノミクス
テツローさんは、CasperのS-1にはネガティブな材料が多いと話します。最も大きいのがユニットエコノミクス ── 顧客1人や商品1つあたりの収益性を見る考え方。1単位売るごとに利益が出るかを確かめます、つまり1つ商品を売ったときに儲かるかどうかです。
ざっくり見ると、Casperのマットレスは原価が約4万円で、それを10万円で売っています。返却は10%ですが、ディスカウントなども含めると約20%分が戻るため、手元に残る粗利はおよそ4万円です。
しかし、そこから広告・マーケティング費が平均で約3万円、バックオフィスのコストが約2.7万円かかります。結果として、1台あたりおよそ1.6万円のマイナスになっています。
売価
約10万円
原価と返却・割引
原価約4万円に加え、返却やディスカウントで約20%が戻り、粗利は約4万円
マーケティング費
平均で約3万円
バックオフィス
約2.7万円
結果
1台あたり約1.6万円のマイナス
良い兆しもあります。Casperのマージンは45%から50%へ年々上がっています。一方で、平均注文額の伸びは2017年から2018年の17%から、2018年から2019年は3%へと落ちています。テツローさんは、ライトや枕など単価の低い商品を出したことが理由かもしれないとしています。
さらに深刻なのがLTV ── 顧客生涯価値。1人の顧客が取引期間を通じて企業にもたらす利益の総額ですをCACで割った指標です。テツローさんがコンサバティブに計算すると、Casperは約1.4倍でした。
大体まあ大体三倍以上がいいっていうのが大体のベンチマークで、D2C企業でも大体三倍以上がいいんですけど。
テツローさんによると、アーリーステージの会社でもこの指標が2倍以下だと、投資家はたいてい投資しません。仮に2倍だったとしても、良いとは言えない水準です。
加えて、アメリカではインフルエンサーやFacebook・Instagram広告などデジタルチャネルの顧客獲得コストが上がり始めています。テツローさんは、Casperの数字が今後さらに悪化するのではないかと懸念しています。リピート率は14〜16%と、マットレス企業としては高めだといいます。
Apple Storeに次ぐ水準、うまくいっている店舗ビジネス
テツローさんは、Casperの店舗ビジネスは割とうまくいっていると評価します。Casperの店舗サイズは、アメリカの一般的なマットレス店の半分ほどです。
従来のマットレス店は、多数のマットレスがずらりと並び、自由に寝てみられる形式です。ミキさんが日本の家具店と似たものかと尋ねると、テツローさんはまさにそういう雰囲気だと答え、1ブランドが店舗を出す例はあまりないと説明しています。
やっぱりそこのコスト感を考えると、結構まあそもそもそんなにマットレスの店舗に行かないじゃないですか。
アメリカでは、1平方フィートあたりの年間売上で店舗の効率を測ることがよくあります。トップはApple Storeで約5000ドル、Casperは約1600ドルで、Coachと並び大手企業のなかで6位ほどに入る水準です。
| 店舗 | 年間売上(1平方フィートあたり) | 補足 |
|---|---|---|
| Apple Store | 約5000ドル | 最上位とされる |
| Casper | 約1600ドル | Coachと並び、大手のなかで6位ほど |
| Glossier | Appleを超えるとされる | 特にニューヨーク店舗 |
Casperの店舗は18〜24か月で黒字化するといい、これはリテール業界の平均程度です。良い点は、来店客が25分ほど滞在すること、そしてオフライン店舗がある街の売上成長スピードが、オンラインのみの街の約2倍であることです。
こうした結果を受け、CasperはS-1で、今後数年で店舗数を3倍ほどに増やす方針を示しています。
ミキさんは、以前D2Cについて話す機会があったときに話題になった「Dreamery」も面白いと振り返ります。Casperの店舗の裏にある施設で、15ドル払うと45分間、パジャマを借りてCasperのベッドで実際に眠れるというものです。
テツローさんは、今後Casperがサプリや旅行用アクセサリー、睡眠コンテンツなどを出すのではないかと予想します。ミキさんが瞑想アプリのCalm ── 瞑想や睡眠導入のコンテンツを提供するアプリ。著名人による読み聞かせなどで人気を集めていますを買収すればいいと冗談まじりに言うと、テツローさんも相性のよさを認めます。
(瞑想アプリは)全然潰れそうなところを買いにいった方がいいんじゃないですかね。
売上の17%しかない小売パートナー経由の販売
CasperはD2Cをうたいながら、自社以外の販路も早くから持っています。Amazonとは2015年から、Targetとは2017年から、Costcoとは2018年から提携しています。ミキさんは、創業1年後にはもうAmazonに出していたことに驚いています。
ところがS-1の2019年の最初の9か月の数字を見ると、売上の83%はオンラインや自社店舗によるD2Cで、パートナー経由は17%にとどまっていました。
2018年よりはパートナー寄りになっているものの、TargetのほぼすべてのCasperの商品を置いているのに17%しかないのは不思議だと、テツローさんは話します。
ミキさんは、Casperの自社の体験がそれだけ良いことの表れだと受け止めます。テツローさんも、Targetで寝てみて気に入り、Casperのサイトで買うというパターンがあり得ると補足しています。
もしかしたら今後ちょっとD2C系の企業が大手と組むのをためらうかもしれないかなっていうふうに思います。
ただし、テツローさんは認知度の面では大手との提携にメリットがあるとも付け加えています。
黒字化に必要な売上と、リークされた計画との差
財務面で、テツローさんは赤字のまま前年比20%しか伸びていない点を「結構悪い」と見ています。マージンが約50%のまま、マーケティング費が同じ売上比率で、バックオフィスのコストがあまり増えないと仮定しても、Casperが黒字化するには新たに約500億の売上が必要だといいます。
なので多分八百、九百億ぐらいの売上を作らないと黒字化できないっていう、今レベル感になっていて。
Casperのキャッシュは9月時点で6000万ドル余りあり、年間で約5000万ドルずつ減っていく計算です。1億ドルほど調達すれば2年はもつ、というのがテツローさんの見立てです。
テツローさんが特に気にしているのは、シリーズDのときにリークされた2019年と2020年の計画値です。その計画では、2019年の売上は5億5600万ドルで、800万ドルの黒字になるはずでした。
シリーズD時にリークされた計画: 売上5億5600万ドル、800万ドルの黒字
テツローさんの見込み: うまくいっても売上4億5000万ドル、約5000万ドルの赤字
何が起きたのかについて、ミキさんは「思ったより売れない」のではと推測し、上場前の新商品のライトもあまり話題になっていないと指摘します。テツローさんは、計画値がシリーズDの投資家を集めるために社内で作られただけの可能性もあるとしたうえで、社内の想定と現実がずれているのではないかと見ています。
VC調達2ミリオンで黒字のPurpleと何が違うのか
Casperが比べられやすいのが、同じマットレスD2CのPurple ── 米ユタ州のマットレスD2C企業。上場済みの会社を買収する形で株式市場に上場しましたです。PurpleはSlackやSpotifyのような直接上場ではなく、すでに上場している会社を買う形で上場したため、あまり話題にならなかったといいます。
Purpleの2019年9月時点の売上は3億ドルほどで、Casperとほぼ同じ規模です。しかしPurpleは前年比46%伸びており、黒字化もしています。
さらに驚くべきは、Purpleが上場前にVCやエンジェルから調達したのはわずか200万ドルだったことです。Casperの3億4000万ドルとは大きな差があります。
| 項目 | Casper | Purple |
|---|---|---|
| 売上規模(2019年9月時点) | 3億ドル余り | 3億ドル余り |
| 成長率 | 約20% | 46% |
| 損益 | 赤字 | 黒字 |
| 上場前の調達額 | 3億4000万ドル | 200万ドル |
これをちょっと見て学ぶことでいうと、VCから調達しても別にそこの結果は変わらないですと。
テツローさんは、これはあくまでD2Cのマットレスの場合だとしています。Casperは人とマーケティングに大きくお金を投じ、Purpleは採用を抑えつつ、優秀とされるマーケティング責任者のもとで効率よく広告を回したと言われています。
評価額についても厳しい見通しが語られます。PurpleとTempur Sealyの時価総額は売上の1.5〜1.8倍程度で、EC全体の平均でも2.2倍、Amazonですら3.8〜4倍ほどです。
Casperのシリーズドの評価額は売上の2.8倍でした。仮に2019年の売上を4億5000万ドルとして1.5倍をかけると6億7500万ドルで、シリーズDの11億ドルを下回ります。
評価は前回ラウンドより下がるんじゃないかと。
テツローさんは、最初から低く設定しすぎると市場がさらに悪く評価する恐れがあるため、前回並みで株価を設定し、下落を見越して1.6〜1.7倍程度に収める可能性もあると見ています。ミキさんは「しょっぱいですね」と反応しました。
インフルエンサーをリスクに挙げたS-1と、D2C業界への影響
S-1にはリスク要因の記載があり、テツローさんが面白いと感じたのは、Casperがインフルエンサーを明確にリスクとして挙げたことです。インフルエンサーのコスト上昇や、不適切なプロモーション、効果が出ない場合を、マーケティングとは別項目で記しています。
テツローさんは、今後D2C企業が上場する際にこうした記載が増えるかもしれないと話します。ミキさんは、Casperの売上がインフルエンサー経由で大きく伸びたからこそ、それがなくなるリスクを書いたのではないかと解釈しています。
結論として、テツローさんはCasperの上場が時価総額や株価の面でネガティブな方向に行くと予想しています。もしシリーズDで示した5億5000万ドルの売上と800万ドルの黒字を達成していれば、結果は大きく違ったといいます。
逆にD2C企業全然いけるじゃんって、多分市場が、特にVC側とかがなってたと思うんですよ。
実際には、WeWorkの件や、LyftやUberのような赤字企業が厳しく叩かれている状況のなかで、成長も鈍く赤字のCasperが出てくることになります。テツローさんは、Casperでもダメなら、とD2C業界全体が冷めることを心配しています。
ただしテツローさんは、悪影響はVC投資の面に限った話だと断っています。ロードショーでの投資家の反応、特にシリーズDの株主への説明次第では、Postmatesのように上場延期も選択肢になり得ると見ています。
最後に二人は、プロダクトとしてのCasperには高い評価を寄せます。マットレスは高価なものの、レビューはほぼ4〜5で、テツローさんの周りの持っている人も全員がいい商品だと言っているそうです。
やっぱり全員いい商品だっていうので、そこはちゃんとしてるなと思いますし、ちゃんと研究開発してるんで。
まとめ
Casperは、明るいライフスタイル写真や箱で届けるマットレス、効率の高い店舗で強いブランドを築き、D2C企業として初の上場に近づきました。一方でS-1は、1台ごとの赤字、低いLTV/CAC、鈍化した成長を示しており、黒字のPurpleとの比較からも、評価額の下落とD2C業界への逆風が懸念されています。
- CasperはD2C企業として初の上場例になる見込みで、認知度31%、ユーザー140万人とブランド力は高い
- ユニットエコノミクスは1台あたり約1.6万円の赤字で、LTV/CACは約1.4倍とベンチマークの3倍を大きく下回る
- 自社店舗の効率はApple Storeに次ぐ水準だが、小売パートナー経由の売上は17%にとどまる
- 同規模で黒字・46%成長・調達200万ドルのPurpleと比べると、評価額はシリーズDを下回る可能性がある
- Casperの結果次第で、D2C企業へのVC投資が冷え込むことをテツローさんは懸念している


