サンフランシスコからの収録、出張中の一食目は?
この回の収録は、宮武さんがいるサンフランシスコと日本をつないで行われました。宮武さんの現地時間は夜11時ごろで、パソコンの時計はまだ日本時間のままだったといいます。
Off Topicは出張前にまとめて収録することが多く、国をまたいだリモート収録は久しぶりです。出張前は2〜3回分を撮りだめるため、そのぶん忙しくなるそうです。
今回朝着いて、で、昼、もう一食目がチポトレでしたね。
宮武さんは今回長めに滞在し、翌週には草野さんも合流して、インタビューなどのコンテンツを取りに行く予定だと話しています。
Googleに続きMetaも、独禁法裁判はなぜ今動いたのか
宮武さんがまずミニニュースとして挙げたのは、Googleの独占禁止法裁判です。Googleは去年の検索市場の裁判に続き、今年は広告市場のうちアドテクの領域でも、独占禁止法に該当するとのネガティブな判決を受けました。
宮武さんによると、アメリカ政府を含むさまざまな政府機関が、大手テック企業に対してアグレッシブに動いています。その流れの中で、FTC ── アメリカの連邦取引委員会。独占禁止法の執行や消費者保護を担う独立した政府機関ですがMetaを訴えた裁判が、収録の前週からようやく始まりました。
Meta、Instagram、WhatsApp売却します、してくださいっていう話ですね。
FTCは、自らが承認したMetaによるInstagramとWhatsAppの買収を「間違いだった」とし、会社の分割を求めています。今回訴えているのは司法省ではなく、FTCです。
訴訟が起こされたのは2020年でした。宮武さんは、大手テック企業が権力を持ち始めたことへの指摘だとしたうえで、FTCは当時ここまでの状況になるとは想定していなかったのではないかと見ています。
ここに関して、なんか若干後出しジャンケン感があったりはするんですけど。
宮武さんが強調するのは、FTCは独占していること自体を問題にしているわけではないという点です。FTCの主張は、Metaが高い価格を払ってでも競合になりうる企業を買収し、他社が市場に入り込めなくすることを狙っていたのではないか、というものです。
「PSNS」とは何か、市場をどう線引きするか
この裁判を理解する鍵は、FTCが定義した「パーソナルソーシャルネットワーキングサービス(PSNS)」という市場です。背景として、Facebookは2011年に広告主へ、アメリカのソーシャルメディアの95%を占めていると説明していました。
その後スマホが普及し、Instagramのようなサービスが登場します。Facebookは2012年にInstagramを10億ドル、その2年後にWhatsAppを190億ドルで買収しました。今ではいい買い物に見えますが、宮武さんによれば当時は激しく叩かれていたといいます。
宮武さんは、独占禁止法の裁判では「どの市場で独占しているのか」という市場の定義がまず大きなポイントになると説明します。FTCは2021年ごろ、裁判長からPSNSの定義が曖昧すぎると指摘され、定義を詰め直して訴え直しています。
見直し後のFTCの定義では、PSNSは友達や家族とコミュニケーションを取るサービスです。この定義に立つと、アメリカでMetaと競合するのはSnapchatと、ほとんど知られていないMeWeだけになります。
これに対しMeta側は、TikTok、YouTube、LinkedInなど多くのサービスと戦っていると反論しています。FTCが競合を絞り込んだのは、Metaが独占しているように見せたいからだ、というのがMetaの主張です。
友達・家族とのコミュニケーションの市場で、Metaの競合はSnapchatとMeWeのみ
TikTok、YouTube、LinkedInなど幅広いサービスと競争している
草野さんは、友達や家族とのやりとりという意味ならMetaの2サービスは確かに強いと感じつつも、新しい概念をわざわざ作って独占を主張するのは少し違う気がすると話します。
宮武さんもどちらの意見も理解できるとし、YouTubeは定義に入りにくく、TikTokは微妙なライン、LinkedInは重なる部分があると整理します。さらに、アメリカでよく使われるiMessageやSMSがなぜ入っていないのかも疑問だといいます。
何でもありになっちゃうと、何でも独占してないっていう風に見えちゃうので、それもそれで間違いなんですよ。
Metaの人たちは「アテンションの取り合いをしている」と言いますが、宮武さんはそれは全アプリに当てはまると指摘します。市場はある程度狭めて決めないといけない一方で、Facebookの用途が広がるほど競合を決めるのは難しくなっていると話しています。
Facebook Datingやマーケットプレイスは競合に入るのか?
宮武さんによると、FTCはザッカーバーグさんの証言で「コアなユースケースは何か」を何度も問いました。たとえばFacebook Datingは、マッチングアプリと本当に競合しているとは言いにくいといいます。
Metaは、Facebook MarketplaceがeBayと対抗していることも競合として挙げています。宮武さんは、対抗していること自体は認めつつ、今回の裁判はSNS領域の話なので、eBayを含めるのは個人的には間違っていると考えています。
参考になるのが、アメリカ政府対Googleの検索市場の裁判です。政府は特定分野に特化したバーチャル検索とジェネラルな検索エンジンを分けて市場を定義し、Google側は「TikTokやAmazonとも競合している」と主張しました。
Googleは、検索はクエリの勝負であり、コマースのクエリがAmazonに取られていると訴えました。しかし裁判長はジェネラルな検索を見るべきだと判断し、Googleは敗訴しています。
何を含めて何を含めないかっていうのが、この独占禁止法の裁判のめちゃくちゃ重要な定義になるんですよ。
その定義を最終的に決めるのは裁判長です。草野さんは、今回の裁判長はテックに詳しい人ではないと触れ、何が競合かは人によって感覚が違うと話しています。
Metaの冒頭陳述スライドは何を示したのか
裁判の冒頭では、証人尋問の前に双方の弁護士が主張とエビデンスを示します。Meta側は公開された約88ページのスライドを使い、独占していないことを訴えました。
最初の主張は、サービスの価格がすべて0ドルだという点です。独占すれば自由に値上げしてユーザーに害を与えられますが、無料であることは競争が激しい証拠だとMetaは主張しています。
次にMetaは、FTCが重視する友達とのコミュニケーションが、サービス上で減っていることを数字で示しました。友達が共有したコンテンツを見る時間の割合は、ある時点でFacebookが22%、Instagramが11%でしたが、その後17%と7%に下がったといいます。
Facebook 22%、Instagram 11%(2023年)
Facebook 17%、Instagram 7%
TikTokとの競合を示すため、MetaはTikTokがアメリカで一時的にアプリ停止した日の影響も示しました。その日はFacebookのエンゲージメントが20%、Instagramが17%、YouTubeが14%増えたといいます。
逆に2021年にMetaのサービスが落ちた際も、TikTokやYouTubeにトラフィックが流れたとしています。ほかにも、リールズとTikTok、InstagramのDMとiMessageの画面を並べ、これほど似ているのになぜMetaだけがPSNSに含まれるのかと問いかけました。
機能が似てくるのは競争の証か、意図的な寄せか
草野さんはMeta側の主張に理解を示しつつ、Instagramがリールを推し、フィードでも友達以外のコンテンツが増えている点に注目します。友達の投稿を見る時間が減ったのは、意図的にそうしているからではないかと一瞬思ったといいます。
インスタ好きですよ。インスタ好きなんですけど。
草野さんは、InstagramがStories ── 24時間で消える短い投稿の機能。Snapchatが先に広め、Instagramが2016年に導入しましたをSnapchatから取り入れたことを公に認めている点も挙げ、どちらの気持ちもわかると話します。
宮武さんは、Metaの立場では動画でTikTokに、StoriesでSnapchatに先を越され、ユーザーの時間やエンゲージメントを奪われて売上にも悪影響が出たと説明します。だから機能を出して対抗するしかなく、機能が似るのはユーザーの取り合いの結果だ、というのがMetaの主張です。
MetaはYouTubeのプロダクトマネジメント担当シニアディレクターが「Facebookは競合」と語った発言もスライドで示しました。一方で証人として呼ばれたGoogleのメンバーは、FTC側では「競合ではない」、Meta側では「競合だ」と言う形で、言い合いになっていると宮武さんは話します。
別になんか「このスライドがあるから絶対勝つ」みたいなものは基本的にないです。
TikTokを入れればシェアは何割まで下がるのか
市場シェアについても両者の見方は大きく異なります。滞在時間ベースで、SnapchatとMeWeだけを競合に入れると、FTCの指摘ではMetaのシェアは約85%になります。
Metaによれば、TikTokを入れると約6割、YouTubeだけを入れると約3割、両方を入れると3割以下に下がります。iMessageなども入れると2割以下になるため、独占ではないというのがMetaの主張です。
| 競合に含める範囲 | Metaのシェア | 主張した側 |
|---|---|---|
| SnapchatとMeWeのみ | 約85% | FTCの指摘 |
| TikTokを追加 | 約6割 | Meta |
| YouTubeのみ追加 | 約3割 | Meta |
| TikTokとYouTubeを追加 | 3割以下 | Meta |
| iMessageなども追加 | 2割以下 | Meta |
もう1つの争点は買収の意図です。FTCは、戦略的に競合を潰す目的で買収したのか、そしてInstagramやWhatsAppが買収されなくてもここまで伸びたのかを示す必要があります。
MetaはInstagram共同創業者のケビン・シストロムさんの「Facebookがなければこれだけ成長できなかった」という発言を挙げています。Instagramは2012年に約390万人だったユーザーが現在は約23億人で、機能や広告システムなどMetaのインフラがあってこそだと主張しています。
宮武さんも、マネタイズしていなかったInstagramにとってMetaのインフラは大事だったと見ています。ただし、単体で生き残れたかは仮説でしかなく、FTCがそこを議論すべきかは微妙だと話します。
空想上の話でしかないので。
ザッカーバーグの社内メッセージは何を語ったのか
裁判で最初の証人に立ったのは、マーク・ザッカーバーグさんです。宮武さんによれば、最大のスター証人を最初に出すのはレアですが、過去の社内メッセージが多く残っているため、FTCはそこを追及しました。
FTCが示したのは、Instagramを買収しても機能はあまり追加せず残しておけば、競争が入りにくいのではないかと書かれたメッセージです。ザッカーバーグさんは「それは初期段階の考えで、結果的には投資している」と答えています。
FTCは過大評価の買収だったとも指摘しています。2番目の証人となった元COOのシェリル・サンドバーグさんは、Instagramを10億ドルで買うのは高すぎるかと聞かれ、「当たり前でしょ」と返したといい、そのやりとりはSMSに残っていました。
さらにザッカーバーグさんは2012年11月のサンドバーグさん宛てメールで、MessengerはWhatsAppに、FacebookはInstagramに勝てていないため、10億ドルで買うしかなかったと書いています。
当時FacebookはInstagramの競合アプリ「Facebook Photos」を作っていましたが、うまくいっていませんでした。裁判では担当がインターンだったことも明らかになり、FTCは本気で作っていなかったのではないかと指摘しようとしていたと宮武さんは見ています。
てかそんな、あのメッセージのやりとりまで見るんですね。てか残ってるんだ。
宮武さんによれば、過去のメールは基本的にすべて見られます。FTCはまた、ザッカーバーグさんが2006年に「コアな事業は友達をつなげること」と語ったことも持ち出しました。
Meta側は、戦略は変わるものであり、現在はFacebookとInstagramのエンゲージメントの半分以上が動画だと反論します。友達をつなげる方法は多様で、動画の共有もその1つだから、TikTokと競争しているという論理です。
「友達を全員リセット」という未公開アイデアとは?
裁判では、ザッカーバーグさんの社内でのぶっ飛んだアイデアも明らかになりました。2022年、彼は社内で「Blueアプリ」と呼ばれるFacebookアプリが、カルチャー的にイケてる感を失いつつあると危機感を持っていたといいます。
宮武さんは、FacebookのDAUは伸び続けており、国によっては欠かせないインフラだと補足します。それでも文化的な影響力は落ちており、ザッカーバーグさんはその理由の1つを友達が多すぎることだと考えていました。
なので、まあこれ別に彼がとりあえず出したワンアイデアでしかないんですけど、全員ゼロにリセットするっていう。
登録はそのままに、友達関係だけをゼロにして申請し直してもらう案でしたが、もちろん却下されました。草野さんは、ネットワーク効果が途切れると驚きつつも、年に1回か数年に1回リセットされる仕組みは良さそうだと面白がっています。
TikTok急成長でInstagramの売上計画はどう変わったか
TikTokをめぐっては、なぜ前身のMusical.ly ── 口パク動画で人気を集めたアプリ。2017年にByteDanceに買収され、TikTokに統合されましたを買収しなかったのかも議論されました。ザッカーバーグさんは、中国との関係性があって触りたくなかったと話していたといいます。
取締役会の資料からは、2020年にInstagramの売上計画が見直されたこともわかりました。理由はTikTokの急成長で、2019年の計画より滞在時間が落ち、30億〜60億ドルの売上損失が出ると結論づけています。
TikTokの急成長
2020年時点で急速にユーザーを伸ばす
滞在時間の減少
2019年計画よりInstagramの滞在時間が落ちる見込み
売上損失
30億〜60億ドルの損失を想定し、計画を見直し
Metaはこれを、TikTokが実際に競合である証拠として示そうとしています。また、買収時のザッカーバーグさんは、Instagramが1000万人から1億人に成長することを期待していたといいます。
宮武さんは、YouTubeにはGoogle、TikTokにはByteDanceがいるように、巨大プラットフォームの裏には大企業がいることが多いと指摘します。
Path、Snapchat…ほかに検討された買収は?
MetaはInstagram以外の買収も検討しており、その1つがクローズドSNSのPath ── 少人数の親しい友人とだけつながることを特徴としたSNS。2010年代前半に人気を集め、2018年にサービスを終了しましたです。草野さんもよく使っていたといいます。
パスはそうじゃないですかって言っても、パスがもしうまくいってたら「パス買収して」って言われますよね。
ザッカーバーグさんの立場では、Instagramが成功したから指摘されているだけで、チェリーピッキングされているのではないかという主張になります。Metaは多くのソーシャル系アプリを買収し、失敗も多くしています。
ザッカーバーグさんの予想では、Instagramが独立のままならTwitterやSnapchat並みの3億〜4億MAUまではいけたかもしれないが、現在の約10億人には至らなかったといいます。2018年には、5〜10年以内に強制される可能性を見越して、Instagramのスピンアウトも検討していました。
Snapchatについては、3億ドル程度で買収しようとした話が知られていますが、実際には60億ドルのオファーを出していたことも明らかになりました。創業者のエヴァン・スピーゲルさんは当初前向きでしたが、5時間後に折り返しの電話で見送ったといいます。
和解金は4億5000万ドル対300億ドル、なぜ決裂した?
2025年3月末、ザッカーバーグさんは新FTC会長のアンドリュー・ファーガソンさんに電話し、裁判をせずに和解金で解決したいと申し出ました。宮武さんは、2000年に政府と争ったMicrosoftも和解していると例を挙げます。
桁が、桁が二個違いますよね。
宮武さんは推測と断ったうえで、Metaはある程度勝てる自信があり、時間やネガティブな印象を避けるためにお金で解決しようとしたのではないかと見ています。
Metaは勝てるのか、証人尋問から見えたこと
草野さんの「勝てそうですか?」という問いに、宮武さんは難しいとしつつ、市場の定義の点でMetaがある程度優位だと答えます。iMessageが入っていないことには納得できず、YouTubeはFTCが競合でないと言い切れても、TikTokは曖昧だといいます。
おそらくまあメタ側が勝つんじゃないかなっていうふうには、えっと、なんとなくですけど、えー、思ってますね。
ザッカーバーグさんは最初の3日間ほどで約13時間証言し、続いてサンドバーグさん、WhatsAppに投資していたセコイア ── シリコンバレーを代表するベンチャーキャピタル。Apple、Google、WhatsAppなど多くの有名企業に初期から投資してきましたのジム・ゲッツさんが証言しました。
ザッカーバーグさんは、WhatsAppは買収前、大きくなろうとしておらず、広告もソーシャル機能も入れようとしなかったと主張しています。それらはFacebookが買収後に押し切って入れたものであり、独立していれば今の成功はなかったというのがMetaの論理で、ゲッツさんも似た証言をしたといいます。
公開されたセコイアの社内メモでは、Facebook、Microsoft、Yahoo、Google、Twitter、Tencent、LINEの親会社だったNHNなどがWhatsApp買収に関心を示していました。ザッカーバーグさんは特にTencentを警戒し、創業者のヤン・クームさんに「Tencentからオファーが来たら連絡してください」と伝えていたそうです。
WhatsAppはアメリカのサービスですが、初期の利用は東南アジアなど国外が中心でした。直近ではGoogleの人が証言し、YouTubeはMetaと違う市場で戦っていると話しています。
社内チャットは消せる?証拠の残し方に潜むリスク
宮武さんは、大きくなるサービスは政府からこう見られるという参考になり、情報の取り扱いや戦略を考える必要があると話します。草野さんは、数年後に議事録を掘り返されることもありうると受け止めました。
ただし今から証拠を消すのは違法です。Googleでは社内チャットをシークレットモードのように自動消去できる設定があり、その直前に「この話そっちに移そう」というやりとりが残っていて、スンダー・ピチャイさんらの発言も含まれていたといいます。
割と初歩的なミスだと思います。
Telegramに移そうという例もあり、電話で済ませても証言者が出てくれば証拠を残さないようにしていたと指摘されます。宮武さんは、ちゃんとした戦略をとるのが一番だと話します。
過去の買収を今裁くのはフェアなのか?
なんか過去のインスタの買収を今から掘り起こされて、なんか良くなかったんじゃないかっていうのを、その過去の議事録見て、「今やらなきゃいけないの?」みたいなのはめっちゃ思いますよ。
宮武さんも同感だとし、今回の裁判は個人的には良くないものだと話します。仮にMetaが独占していて、今まさに競合が入れないようにしているなら違法ですが、過去の意図を問うのは当時やるべきだったという考えです。
宮武さんは、今の行為を問うGoogle裁判のやり方は正しいと評価します。司法省がGoogleを訴えた裁判は、現在の検索のデフォルト独占契約が違法かを争うものだからです。
独禁法を扱う部隊は司法省とFTCの2つあり、担当の分け方は曖昧です。OpenAIとMicrosoftの提携をどちらが訴えるかで揉め、最終的に一方が譲ったという話も紹介されました。
Off Topicは2018年から独禁法の波が来ると言い続けており、宮武さんはここ1〜2年でようやく本当に来ていると話しています。
分割されたら広告やユーザーに何が起きるのか
草野さんは、Metaが分社化した場合の日本のユーザーへの影響を尋ねます。宮武さんは、運営母体をどうするかによってサービス間の連携が失われる可能性を挙げました。
具体的には、Instagramが別の広告システムを使うか、Metaからライセンスを受けるかで広告価格が変わるかもしれません。FacebookではAIを使った広告運用ができても、Instagramではできなくなる可能性もゼロではなく、Threadsの扱いも課題になります。
判決はおそらく年内に出ますが、その後の対応の議論にも時間がかかります。Googleの検索裁判では判決から半年以上後に対応の議論が始まり、さらに数カ月から半年以上かけて裁判長が指示を出す流れです。
その間も和解は可能で、お金だけでなく、WhatsAppだけ分離するといった提案もできます。FTCが合意すれば一件落着になる、と宮武さんは説明します。
ザッカーバーグ「第二章」は映画になるか?
草野さんは、映画『ソーシャル・ネットワーク』以上の苦難を今のザッカーバーグさんは経験していて、第二章の映画が作れそうだと話します。宮武さんも、まだ40歳ほどなのに苦労しかないと応じます。
だいたい、だいたい嘘じゃないですか。あのソーシャルネットワークもほとんど嘘なんで。
最後に草野さんは、4月はMetaが大変な月だったとし、今後もウォッチしてアップデートするかもしれないと締めくくりました。
まとめ
FTC対Metaの裁判は、PSNSという市場の定義をめぐる攻防と、InstagramやWhatsApp買収の意図をめぐる内部資料の応酬が中心です。宮武さんはMetaがやや優位と見つつ、過去の買収を今裁くやり方には疑問を呈しています。
- 争点の中心は市場の定義で、TikTokやYouTubeを含めるかでMetaのシェアは約85%から2割以下まで変わる
- ザッカーバーグさんの社内メッセージやサンドバーグさんとのSMSなど、過去のやりとりが証拠として掘り起こされた
- 和解交渉はMetaの4億5000万ドルに対しFTCが300億ドルを求め、決裂して裁判が始まった
- 宮武さんは、過去の意図を問う今回の訴訟は後出しじゃんけん感があり、フェアではないと見ている
- 分割されれば広告システムや連携に影響が出る可能性があり、決着までには数年かかる見通し


