Twitter Spacesを実際に使ってみてどうだった?
この回のテーマは、Twitter SpacesやClubhouseなど、ここ最近増えている音声系サービスの動向です。草野さんと宮武さんは、宮武さんのアカウントで使えるようになったTwitter Spaces ── Twitter(現X)が提供する音声のライブ配信機能。フォロワーを集めてリアルタイムで会話でき、Clubhouseの対抗サービスとして注目されましたを、Off Topicとして試しています。
宮武さんの感想は「面白いけれど、まだ未完成」というものでした。日本語対応が十分でないうえ、ツイートを参加者に共有する機能はコンセプトとして面白いものの、前回試したときはツイートがきれいに表示されなかったといいます。
でもなんかやっぱまだまだっていうところでもあるんですけど、結構TWITTERスペースってすごいそこ(機能)の改善スピードって早い気がしていて。しかもすごいオープンにしてて。
一方で宮武さんは、Twitter Spacesのチームが改善のスピードが速く、アップデートの告知もオープンに出している点を評価しています。草野さんも、Twitter SpacesのUIやサービスの作り方を分析する人が多いと感じていました。
草野さんがTwitter Spacesで良かったと感じたのは、SNSに直結していることです。Clubhouseでは会話がClubhouseの中で完結し、そこからTwitterやInstagramへ移る必要がありますが、Twitter Spacesならそのまま配信者のアカウントをフォローしてもらえ、ツイートのリンクも踏んでもらえます。
SNSに直結していて、聞き手がそのままフォローしたり、共有されたツイートのリンクを踏んだりできる
通知が来ず、Webブラウザでは聞けないため人が集まりにくい。ツイートを見に来る場所で音声が始まっても聞かれにくい
課題について、宮武さんはTwitterアプリの下部メニューに5つ目のボタンができるのではないかと予想しています。現在4つあるボタンの隣に、フォロー中の人が今何を話しているか、今後のスケジュールがどうなっているかを見られる場所ができる、という見立てです。
Twitter Spacesはスケジュール機能を入れようとしているため、その形で通知が飛ぶようになるのでは、と宮武さんは話しています。草野さんも、聞く側にも配信する側にもありがたい変化だと応じました。
Clubhouseはコミュニティではなく「カルト」?
Clubhouseについて宮武さんは、日本では人気が落ちているように見える一方、アメリカでは今も人気で、むしろ伸びていると見ています。その背景として、SNSのあり方そのものが変わってきていると指摘しました。
これまで多くのSNS企業はコミュニティを作りたがってきましたが、宮武さんによると、コミュニティは声が多すぎてごちゃごちゃしやすいといいます。特にSlackのコミュニティが1000人以上の規模になると、誰の話を聞けばいいのかわからなくなり、抜ける人も出てくるそうです。
そこで宮武さんが重要になると考えるのが、コミュニティ内の権力の差、つまりコミュニティ内のインフルエンサーです。Discordでは特定の人に権限を与えられるように、誰かが中心に立つ設計がコミュニティの活性化に効くという見方です。
それ(コミュニティ内の権力の差)がクラブハウスがめちゃくちゃうまくできていると思っていて。クラブハウスだとコミュニティではなくてカルトだと思ってるので、あのUIの設計って。
宮武さんの説明では、宗教にリーダーがいるように、Clubhouseではスピーカーとモデレーターがその役割を担います。従来のイベント系アプリでは、進行する人と話す人は別であることが多いものの、Clubhouseではあえて同じ人にしているといいます。
その結果、Clubhouseのルームの主催者は、誰が話せて誰が話せないかを決める圧倒的な権限を持ちながら、自分のフォロワーに言葉を届けることになります。宮武さんはこれを、少し強い言い方で「洗脳する言葉を伝える」と表現しました。
例えば週一で、まあオフトピックも週一でやってますけど、週一でやるって、週一でコミュニティが集まって、リーダーから洗脳を聞くって教会ですよね。
宮武さんは、番組化したClubhouseのルームが増えていることもこの見方の裏付けに挙げています。さらにClubhouseのUIには「前列の人たち」という概念があり、毎週必ず集まる大ファンが教会の最前列に座る信者のような位置にいるといいます。
宗教ではスピーカーとして選ばれることがフォロワーにとって重大な意味を持ちますが、宮武さんは同じ感覚がClubhouseで壇上に上げられることにもあると見ています。
ただし宮武さんは、Clubhouseがカルト的な設計だけのサービスだとは考えていません。超カジュアルにいろいろな人が集まれる場も作れる、幅の広いサービスだという評価です。
例として挙がったのが、Clubhouseで開かれたスティーブ・ジョブズの面白い逸話を語り合う会です。8人で集まってポッドキャストを収録するのはスケジュール調整だけで大きなコストですが、Clubhouseならそれが可能で、聞き手が手を挙げて話に加わることもできます。
なぜインターネットは「カルト化」へ向かうのか
草野さんは、Clubhouseのカルトっぽさは良いことなのかと宮武さんに尋ねました。宮武さんの答えは「いいと思います」で、今のインターネットはまさにその方向に進んでいるからだといいます。
そのバンドル化してアンバンドル化されて、バンドル化されてアンバンドル化されるっていう流れがどんどん起きるじゃないですか。それと同じようにコミュニティ化されてカルト化されて、コミュニティ化されてカルト化されると思ってるだけなので。
宮武さんの見立てでは、今はコミュニティが大量にあり、その中のノイズが大きいため、人々が個人のインフルエンサーを探す時期にあります。そのため今のSNSのUI設計では、一人の中心人物に人が集まるタイプのサービスが流行りやすいと考えています。
コミュニティ化
多くのSNS企業がコミュニティづくりを目指し、多くのコミュニティが生まれる
ノイズの増加
規模が大きくなると声が多すぎて、誰の話を聞けばいいかわからなくなる
カルト化
人々が個人のインフルエンサーを探し、その人のもとに集まる
宮武さんは、Discordなどでも今後は「みんなが必ず入りたいロール」が出てくるだろうと話しています。単なるコミュニティではなく、その中のよりプライベートな場や、コミュニティ内のインフルエンサーを見せるUI設計が必要になってきているという考えです。
草野さんも、誰でも平等に入れる場よりも、プライオリティがある場のほうが今っぽいと応じています。
1時間の番組を切り取るショート音声アプリは何を変える?
宮武さんは、Clubhouseの台頭でポッドキャストが消えるわけではないと強調しています。ポッドキャストは1つのメディアとして十分に立ち上がる余地があり、Clubhouseと一緒に育っていくという見方です。
最近のポッドキャスト領域の面白い動きとして話題に挙がったのが、草野さんがツイートしていたShuffle ── ポッドキャストの短い切り抜きを次々に再生できるアプリ。縦スクロールで番組の面白い部分に出会える設計ですと、Off Topicが以前Twitterの分析回で取り上げたPodz ── 機械学習を使ってポッドキャストから聞きどころを切り出し、短い音声として届けるサービスです。
草野さんによると、Shuffleはポッドキャストの面白い部分だけをランダムに聞けるアプリです。さらに草野さんはverb.fmという音声アプリも紹介しました。ポッドキャストの面白かった箇所に、ユーザーが音声でコメントを付けて投稿できるサービスです。
verb.fmが一時期バズったのは、有名人がこの機能で投稿していたためだそうです。草野さんは、誰かがポッドキャストで話したことに有名人が答えるような、音声版Cameo ── 有名人に料金を払って、個人あてのメッセージ動画を撮ってもらえるサービスのような使われ方もあり得ると話しています。
(ポッドキャストは)一話に対して一時間聞くのって結構なコストがかかるので、そこの中で面白いものをピックアップするっていうのと、その好きなポッドキャストでもその面白い部分だけ、そのそのトピックだけ見れるっていうのは面白いなとは思います。
草野さんは、日本のポッドキャストの課題として、ApplePodcastとSpotifyの中でしか番組を発見しにくいことも挙げています。短く切り出された音声は、発見の入り口になり得るということです。
宮武さんはverb.fmについて、TikTokの強みと通じるものを感じています。TikTokの良さは既存のコンテンツを簡単にリミックスできることにあり、ポッドキャストにコメントや分析を付けて別のコンテンツにする発想は面白いという評価です。
切り出し方について、草野さんによればShuffleはユーザーも投稿しつつ、最初は投稿が少なかったためかShuffle側でも切り出しているようです。動画を付けた縦スクロールでランダムに出会える点が、TikTokっぽくて面白いと草野さんは話しています。
Podzを実際に使った宮武さんは、機械学習で切り出しているとは思えないほど、的確に面白い部分を選んでいたと驚いています。Podzは英語のみの対応です。
その切り取る場所って基本的に人間がやらないとわからないっていう発想だったんで、そこを機械がちゃんと分かったんだっていうのはすごい面白いなと思っていて。
ただ、宮武さんはこうしたアプリが実際にどれだけ番組のフォローにつながるのか、コンバージョン率が気になるといいます。草野さんも、良い番組が見つかればSpotifyなどでフォローして聞き続けることになりそうだと話しました。
二人とも、日本語版があればOff Topicでも使ってみたいと話しています。ただDescriptをはじめ、日本語に対応した音声系サービスはなかなか出てこず、日本語の壁は大きいという認識です。宮武さんは、人間がカットする方式は厳しくても、機械学習で切り出すなら試してみたいと話しています。
社内向けポッドキャスト「Storyboard」は経営者の声を届けられるか
次に宮武さんが紹介したのが、社内向けのポッドキャストサービスであるStoryboardです。宮武さんによると、ハリー・ステビンスさんも投資しているといいます。
草野さんは、Anchorで配信した番組を社内だけに公開するのが難しいということかと尋ね、宮武さんはおそらくそういうことだと答えています。宮武さんは、スタートアップの何社かが実際にStoryboardを使っているのを見かけているそうです。
宮武さんが挙げた使い方は、経営陣同士のミーティングの一部を社内に公開したり、全体戦略の話を全社員が聞けるようにしたりするものです。コロナ禍だからこそ広がっている面もあると見ています。
もう1つの使い道が記録です。5年前に何を言っていたのかを確認するための、音声で残すメモのような役割で、書き起こしと組み合わせれば議事録にもなります。
草野さんによれば、日本では社内報をオープンにしてポッドキャスト化する例がよく見られ、ブランディングや採用にもつながっています。社内だけに重要なミーティングを公開すれば、「あの話を聞いた?」「聞いてない、やばい」という空気が生まれそうだとも話しました。
なんか結構その、特に会社が大きくなると、経営者の思いってなかなか伝わんないんですよね。一般社員に。
宮武さんは、社員が100人、300人と増えると、社長の声を聞けるのが月1回あるかどうかになりかねないと指摘します。その間に社員の思いがずれたり、ビジョンが変わったりすることもあるため、社長が毎週自ら収録して思いを伝えるだけでも効果がありそうだという考えです。
草野さんは、スライドを用意するより気軽で、声の温かさも伝わる点を評価しています。宮武さんも、音声だからこそ、ちょっとふざけた話や関係のない話もできると話しています。
スクリプト通りに話さなければという感覚になり、脱線しにくく、真面目な話が中心になる
違うトピックにすぐ飛ぶことがあり、人となりや親近感が伝わりやすい
草野さんは、一人でプレゼンするより、ポッドキャストで誰かと話しているほうが親近感が出ると感じています。宮武さんはその理由を、二人で話すと脱線が起きやすいからだと説明しました。
SpotifyのStream Onが見据えるクリエイターの稼ぎ方とは
最近の音声業界で最も話題になったのは、Spotifyのオンラインイベント「Stream On」です。SpotifyだけでなくAnchor側も、さまざまな発表を行いました。
草野さんが気になった発表は、Instagramのストーリーズのような機能「Spotify Clips」です。アーティスト側からファンにコミュニケーションできるツールになりつつある点が面白いといいます。
なんか曲という音楽、アーティストというコンテンツって、いろんな曲だけでは語れない、いろんなコンテンツに溢れたものじゃないですか。
草野さんは、ライブに至るまでのストーリーや曲づくりの話、ミュージックビデオなど、曲以外の部分までSpotifyで届けられたら面白いと話しています。ライブ前の様子が見られるなら、Spotifyを使いたくなりそうだといいます。
宮武さんは、以前Spotifyが導入した、ポッドキャストの中に曲を入れられる機能にも触れました。アルバムを作ったときの思いを説明しながら一曲ずつ流すなど、アーティストにとって使いやすい機能だという評価です。
宮武さんによれば、Stream OnでCEOのダニエルさんは、ミュージシャンやクリエイターのマネタイズをどう支援できるかを重視していました。VCのリー・ジンさんが語っていた「ミドルクラスのクリエイターを持ち上げたい」という領域に、Spotifyが入ろうとしているように見えるといいます。
宮武さんが改善の必要性を感じたのは、Spotifyが発表した数字です。
93か国で展開していながら、1000万円以上稼ぐミュージシャンが7500人しかいないのは少ない、と宮武さんは見ています。その状況を変えるために、Spotifyはマネタイズモデルの提供や広告の拡大など、さまざまな取り組みを発表したという見方です。
Spotifyはなぜ広告とフォートナイトまで見ているのか
宮武さんは、サブスクリプションや投げ銭を可能にする方向性にも注目しています。投げ銭はまだ実装されていないものの、ポッドキャスト制作者がグッズを販売したり、ミュージシャンがツアーのチケットを売ったりできるようになるといいます。
あわせてSpotifyは、Facebookのオーディエンスネットワークに近い「Spotifyオーディエンスネットワーク」を作っています。これまではジョー・ローガンの番組に出すといった番組単位の広告でしたが、今後は属性ベースでターゲティングできるようになるそうです。
番組内に差し込む広告もダイナミックに変わるようになり、しかもSpotifyの外でも同じことができるようにしていると宮武さんは説明しています。
宮武さんは、Spotifyがポッドキャストに力を入れる理由もこの広告ネットワークにあると見ています。そこにSpotifyのフライホイール ── ある施策が次の成長を呼び、その成長がまた施策を強める、はずみ車のような好循環の仕組みがつながっているという考えです。
独占コンテンツの獲得
ジョー・ローガンのような独占コンテンツを大金を払って獲得する
ダウンロード
それをきっかけにリスナーにSpotifyをダウンロードしてもらう
回遊
他のコンテンツへ誘導する
定着
最終的にSpotifyを好きになってもらう
草野さんに「昔からの戦略とはAnchorを買収したときの話か」と聞かれた宮武さんは、それより前からだと答えています。ダニエルさんはマスを取りに行くことを優先し、マージンやビジネスモデルはそこまで考えず、ユーザーを集めて「耳のシェア」を取りに行ってきたといいます。
宮武さんによれば、ダニエルさんは広告が正しいモデルかどうかは正直わからないと言い切っています。サブスク、投げ銭、グッズ販売のアフィリエイトなどを試し、成功するメディア企業は複数のビジネスモデルを抱える必要があるという考えを持っているそうです。
宮武さんがさらに驚いたのは、ダニエルさんの競合の捉え方です。Clubhouseの影響を見ているだけでなく、同時にフォートナイト、マインクラフト、ロブロックスも見ていると言い切っていたといいます。
宮武さんは、ロブロックスが直近の投資家向けアップデートでボイスチャットを入れると話していたことにも触れています。これまでロブロックスのユーザーはDiscordを使っていましたが、ボイスチャットに加えて音楽の領域も入ってくるといいます。
3LAUのNFTアルバムが示す、音楽ビジネスモデルの次の変化
Spotifyと関連しつつ、Spotifyから少し離れたアメリカの動きとして宮武さんが挙げたのがNFTです。例として、アーティストの3LAUさんの取り組みを紹介しました。
3LAUさんは3年前のアルバムをNFT ── 代替不可能なトークン。ブロックチェーン上で、デジタルデータに唯一性や所有の記録を持たせる仕組み化し、特殊なカバーアートなどを付けて販売しました。さらに、二次流通で売買された場合にも3LAUさん本人にお金が入る仕組みにしています。
宮武さんによると、収録の前日にリリースされた33個のNFTは、合計1160万ドル(11.6ミリオン)で売れました。買い手はファンと、クリプトに詳しい投資家の組み合わせだといいます。
宮武さんは、音楽のビジネスモデルが技術の発展に合わせて大きく変わってきた流れの中に、このNFTを位置づけています。
宮武さんは、ストリーミングは一般消費者にとってとても良かった一方、アーティストの収益性にとっては痛かった部分もあると見ています。Spotifyとレーベルの手数料を引いた後にミュージシャンが受け取るのは、だいたい10%から15%だといいます。
極端な例として宮武さんが比べたのがSubstack ── 有料ニュースレターを配信できるプラットフォーム。書き手が読者から直接購読料を受け取れますです。Substackの取り分は10%で、Stripeの手数料を含めてもライターは86%から87%程度を受け取れるといいます。
その差を考えると、そのNFTっていう形で自分の音楽を自分で売るっていう概念は割と自然な流れなのかなと思っていて。
ただし宮武さんは、アーティストがSpotifyから離れるとは考えていません。Spotifyでの配信は続けつつ、曲の所有権や特殊版を欲しい人にはNFTで販売するアーティストが増えるのでは、という見方です。
草野さんは、ストリーミングをめぐって揉めていたテイラー・スウィフトの例を挙げました。宮武さんは、テイラー・スウィフトさんが曲を自らレコーディングし直して所有権を取り戻したと説明し、草野さんもApple Musicの広告に出ていたことから、配信サービスとの問題は解決したのではと話しています。
宮武さんは、NFTはSpotifyも乗れる動きだと考えています。3LAUさんは以前からNFTを試してコミュニティを作り、オークション中にはClubhouseのルームを立ち上げて、音楽やNFTについて議論していたそうです。
Spotifyもストーリーズのような機能を出している今、同じことができるはずだと宮武さんはいいます。耳のシェアを一番取っているSpotifyがNFTのような新しいものにどう取り組むかが、宮武さんが今注目しているポイントです。
有名YouTuberが動画ポッドキャストを始める理由
最後の話題は、前回少し触れた、YouTuberがポッドキャストに力を入れ始めている動きです。草野さんは、デイビッド・ドブリックさんが動画版も含めたポッドキャスト番組「VIEWS」を始めたことや、ローガン・ポールさんもポッドキャストを始めたことを挙げました。
草野さんは他にも、元々YouTuberだったジョー・ローガンさんや、Vine出身でSpotifyオリジナル番組も始めたレレ・ポンズさんの例を紹介しています。動画チャンネルとは別にポッドキャストを始めるYouTuberが増えているという実感です。
宮武さんは、こうした流れは自然であり、特に動画ポッドキャストを撮る人がこれから大きく増えると見ています。ポッドキャストとしても聴けてYouTube動画としても見られる形は必ず増えるはずで、Spotifyもそれに気づいているといいます。
個人的にはSpotifyがviewsを独占配信を買うんじゃないかと思ってるんですけど。
宮武さんは、Spotifyが100億円を出すのではないかとまで予想しています。草野さんは、VIEWSがYouTubeで急上昇1位になっていたことに触れ、40分や50分ある動画が1位になるのはすごいと話しました。
宮武さんがYouTuberにとっての動画ポッドキャストの利点として挙げるのは、YouTubeの動画よりもライトに作れて、ネタを大量に生み出せることです。そのネタを切り取って、さらに別のコンテンツにできます。
宮武さんによれば、ローガン・ポールさんたちは、動画ポッドキャスト専用のチャンネルに加えて、切り抜きを大量に上げる別チャンネルも作っています。場合によっては、切り抜きチャンネルの再生回数がメインのYouTubeチャンネルを超えることもあるそうです。
メインチャンネル
従来の動画を上げるYouTubeチャンネル
動画ポッドキャスト
ポッドキャスト専用の別チャンネルで、長尺の会話を配信する
切り抜きチャンネル
切り取った短い版を大量に上げ、メインを超える再生回数になることもある
宮武さんは、Off Topicでも話してきた「長尺コンテンツを切り取ってミニコンテンツにする」という考え方が、ポッドキャスト領域に入ってきていると見ています。短いコンテンツはシェアしやすく、動画ならさらに見やすいといいます。草野さんも、YouTubeショートとの相性も良さそうだと応じました。
宮武さんがSpotifyによるVIEWS獲得を予想する根拠は、Spotifyが最近テストしているビデオポッドキャスト機能です。最初にテストした人たちを見ると、デイビッド・ドブリックさんの仲間内のチーム「Vlog Squad」の友人2人だったといいます。
デイビッド・ドブリックの「VIEWS」は現代版レイトナイトショーになるか
草野さんは、ジョー・ローガンとデイビッド・ドブリックではリスナー層がかなり違うと指摘します。デイビッド・ドブリックさんのほうが若い層に聞かれていて、カルチャーやエンタメ寄りで、絶大な支持もあり、いろいろなゲストを呼べることから「神コンテンツ」だと評しました。
宮武さんは、動画ポッドキャストはインタビュー形式が多く、複数の人が登場するなら映像があるほうがやりやすいと話しています。そのうえで、デイビッド・ドブリックさんのVIEWSには明確な狙いが見えるといいます。
草野さんによると、VIEWSのセットは丸ごとトークショー型です。一般的なポッドキャストのスタジオでは2人が向かい合って1つの画面に映ることが多いのに対し、VIEWSではホストがマグカップを持って良さそうな机に座り、ゲストはソファでリラックスしているといいます。
宮武さんは、デイビッド・ドブリックさんが進行役であることが明らかに見える構図や、複数のカメラでいろいろな角度を見せる撮り方からも、トークショーを完全に意識していると見ています。週1回配信すると言っている点も、高い頻度で続ける意志の表れだと捉えています。
ゲストも豪華で、直近ではチャーリー・ディアメリオさんとディクシー・ディアメリオさんが出演しました。草野さんは、ソファでマイクを持って気ままに話しているだけなのに、ポッドキャストとして聞いても音が良かったことに感心しています。
宮武さんは、これで多くのゲストがデイビッド・ドブリックさんのショーに出たがるだろうと見ています。Vlogでたまにセレブとコラボしていた形から、毎週のトーク番組へ移ることで、デイビッド・ドブリックさんの活動は大きく変わるかもしれないと話しています。
まとめ
今回の対話では、Twitter SpacesやClubhouseのようなライブ音声、短く切り出すショート音声、社内向け音声、Spotifyのマネタイズ戦略、NFT、YouTuberの動画ポッドキャストまでが取り上げられました。宮武さんと草野さんの見立ての共通点は、音声が単体のメディアではなく、SNS・動画・ゲーム・新しい収益モデルと結びつきながら広がっているという点にあります。
- Twitter SpacesはSNSに直結する強みがある一方、通知やブラウザ対応など人を集める仕組みに課題があると話されています
- 宮武さんは、Clubhouseを一人のリーダーに人が集まる「カルト型」の設計と捉え、インターネットはその方向に進んでいると見ています
- ShuffleやPodz、verb.fmのようなショート音声は、1時間の番組を聞くコストや発見の難しさを補う存在として紹介されました
- Spotifyは広告ネットワークや複数の収益手段でクリエイターの稼ぎを支えようとし、競合をフォートナイトなどエンタメ全体の時間と捉えています
- 3LAUのNFTやデイビッド・ドブリックのVIEWSは、アーティストやYouTuberが音声を軸に新しい稼ぎ方と番組の形を作り始めている例として語られました





