リーグ・オブ・レジェンドのモバイル化とフォートナイトの「ゲーム終了」騒動
テツローさんがこの回で取り上げたのは、アンドリーセン・ホロウィッツ ── シリコンバレーの著名ベンチャーキャピタル。通称a16z。テック業界の潮流を分析する記事も多く発信していますの新しいパートナーが書いた、次世代ゲームが今後どう伸びて世界を変えるかという記事です。その記事と同時期に、ゲーム系のニュースが相次いだことがきっかけになっています。
1つ目のニュースは、PCのeスポーツタイトルリーグ・オブ・レジェンド ── Riot Gamesが運営するPC向けの対戦型オンラインゲーム。世界的なeスポーツタイトルとして知られますが、今後モバイルアプリに対応すると発表したことです。テツローさんによると、中国にはリーグ・オブ・レジェンドの「パクリ」があり、そちらはすでにアプリ対応して日本でもまあまあ使われているそうです。
テツローさんは、リーグ・オブ・レジェンドのモバイル対応の背景には、そのパクリの存在とフォートナイトの影響があるのではないかと見ています。ミキさんも「次のフォートナイトになりそう」と反応しています。
2つ目のニュースは、フォートナイトのゲームが先週日曜日に突然「終わった」という出来事です。プレイ中に小惑星のような星が落ちてきて、プレイヤーは宇宙へ飛ばされ、画面にはブラックホールしか映らなくなりました。
でもプレイしてない人たちもロード画面が同じ現象が起きてて、飛ばされてブラックホールしか見えないっていう状況になってて。
フォートナイトはその後、Twitterのツイートをすべて消し、普段から続けているTwitchとTwitterのライブ配信でブラックホールの映像をひたすら流しました。結果として、これはシーズン2を始めるためにシーズン1を終わらせる演出だったといいます。
めちゃくちゃソーシャルメディアというか、オンラインゲームだからこそできるPRというか。うまいですね。
ゲームは「買い替える」ものから「進化し続ける」ものへ
テツローさんは、フォートナイトのような最近のゲームは、昔のゲームとは成り立ちが違うと説明します。昔はゲームがCDに入っていたり、今年のバージョンを買い、翌年に続編が出ればまた買って一からやり直したりするのが普通でした。
一方で最近のゲームやeスポーツは、キャラクターの力加減やスキルセットが変わり、新キャラクターが追加され、ゲームの中身そのものも変わっていきます。フォートナイトは週1回アップデートするほどのペースで進化していたそうです。
CDなどで1本ずつ販売。続編が出たら買い直して一からやり直す
同じゲームがアップデートで進化し続ける。フォートナイトは週1回ペースで更新
無料とクロスプラットフォームが生んだ画期性
テツローさんは、フォートナイトのヒットの要因として、進化し続けることに加え、無料であることとクロスプラットフォーム ── 異なる機種やOSのあいだで同じサービスを使えること。ゲームでは異なるハードのプレイヤー同士が一緒に遊べることを指しますであることが大きかったと話します。PC、モバイル、タブレット、Nintendo Switch、家庭用ゲーム機のどれでもプレイできたといいます。
フォートナイトのクロスプラットフォームで画期的なのは、別々の機種のプレイヤーが同時に一緒に遊べる点です。ミキさんが「アプリはアプリで独立してやってるんじゃなくて」と確かめると、テツローさんは、そこが画期的なポイントだと答えています。
ハードを買わないとプレイできない
無料で、手持ちの機種から誰でもプレイでき、機種をまたいで一緒に遊べる
ミキさんは、まずアプリで試してみて、やり込みたくなったらハードを買う、という使い方を挙げます。テツローさんもそこの使い方がうまいと同意しています。
テツローさんは、今後もクロスプラットフォームは増えていくと見ています。実際にある1社が、もともと対応していなかったゲームをクロスプラットフォーム化したところ、3〜4週間でユーザー数が3倍に伸びたという話もあるそうです。
フォートナイトは「遊ぶ」のではなく「行く」場所
テツローさんは、フォートナイトは今やゲーム感覚ではなくなったと話します。アメリカでよく言われるサードプレイス ── 家庭や職場・学校とは別の、くつろいだり人と集まったりできる第三の居場所を指す言葉、つまり家と学校、家と職場に次ぐ3つ目の場所になっているという見方です。
第三の家をつくることは、スタートアップや大企業の夢であり、スターバックスもカフェをサードホームにしたかったといいます。テツローさんは、そのサードホームに今の子どもたちにとってなっているのがフォートナイトだと説明します。
昔は学校が終わるとモールやカフェに集まって遊んでいましたが、今はフォートナイトで集まっているそうです。テツローさんが注目するのは、子どもたちの言い方です。
フォートナイト上の会話を見ても、ゲーム用語やゲームの話だけでなく、「今日一日どうだった?」といった話や愚痴も交わされているそうです。テツローさんは、そこがゲームだけをしている人同士のコミュニケーションとは違うのではないかと見ています。
放課後の集まり
昔はモールやカフェに集まって遊んでいた
集まる先の移動
今はフォートナイトで集まる
言葉の変化
「プレイしよう」ではなく「フォートナイトに行こう」と言う
会話の変化
一日の出来事や愚痴まで話す場所になる
コミュニティ化を狙うシーズン2と「ゲームがSNSになる」説
テツローさんは、フォートナイト自体もコミュニティ化をかなり意識していると考えています。その例として、直近でビデオ通話アプリのハウスパーティー ── 友人同士で複数人のビデオ通話ができるアプリ。2019年にフォートナイトの開発元Epic Gamesが買収しましたを開始したことを挙げています。
これから始まるフォートナイトのシーズン2も、コミュニティ感を意識しているのではないかという噂が出ているそうです。テツローさんは「シーズン2」という言い方自体がストーリーっぽく、コンテンツ化とコミュニティ化を意識していると話します。
テツローさんによると、アンドリーセン・ホロウィッツの記事でも、次のSNSはFacebookのようなSNSではなく、ゲームがSNSになるのではないかと論じられています。フォートナイトにはグローバルに何千万人もが集まり、同じ言葉を話さなくても同じ場所に行けるからです。
Facebookだと誰かと繋がってないと乗っからないので。でもフォートナイトだと知らない人同士で集まって一緒に変なダンスをして。
誰かとつながっていないと乗っからない
世界中の知らない人同士が同じ場所に集まり、一緒に遊べる
テツローさんは、DJアーティストのマシュメロのコンサートをフォートナイト上で試したことも、シーズン2をどう設計するかを考えた一環だったのではないかと見ています。ミキさんは、プレイしたことはないものの、新しいことが起きそうなワクワク感があると話しています。
なんか本当にやってることが新しいから、なんか私もフォートナイトプレイしたことないんですけど、なんかワクワクしますよね。
次のマーベルはゲームから生まれる?
最後の話題として、テツローさんはIPの話を持ち出します。マーベル・ユニバースのような強い映画フランチャイズやストーリーは、これまで日本では漫画、アメリカではコミックから生まれてきましたが、次はゲームから生まれるのではないかという話が今話題になっているそうです。
IPビジネスと聞くとディズニーやマーベルを思い浮かべがちですが、テツローさんは、実は日本がIPビジネスに強いと話します。去年出たメディアフランチャイズのトップ25のランキングで、トップ10のうち5つが日本のIPだったといいます。
ポケモンの1位について、テツローさんは直近のポケモンGOが大きく効いていると見ています。ハローキティの2位にはミキさんも驚き、海外ではディズニープリンセスの横に大体ハローキティがいると話しています。
3位のくまのプーさんが4位のミッキーを上回ったことも、2人にとっては意外な結果でした。テツローさんによると、トップ10のほとんどはグッズやおもちゃなどのマーチャンダイズが中心だといいます。
アンパンマンってアメリカでやってないですよね。
テツローさんがまとめたのは、トップ10のうち1つ以外は日本かディズニーのIPという点です。日本のIPがディズニーと肩を並べているという見立てに、ミキさんも「強みですね」と応じています。
日本の漫画IPとゲーム発IPのこれから
テツローさんは、日本はすごいIPをたくさん抱え、漫画文化も強いので、本来はIPがどんどん生まれるはずだと話します。アニメも世界で人気があり、NetflixやAmazon、Appleなどが今後注力する部分ではないかと見ています。
一方で、これからのIPは漫画だけでなくゲームからも生まれるとテツローさんは考えています。日本がそこでうまくやれるかはわからないとしつつ、アメリカではオーバーウォッチを手がけるBlizzardなどがさまざまな作品をつくっていると触れています。
ミキさんも、フォートナイトの実写版やグッズは十分あり得ると応じ、この回は締めくくられました。
まとめ
フォートナイトは、無料で機種を問わず遊べ、週1回ペースで進化し続けることで大ヒットしました。テツローさんは、ゲームが子どもたちのサードプレイスやSNSになり、さらに次のIPの源泉にもなりつつあると見ています。
- フォートナイトのブラックホール騒動は、シーズン2に向けてシーズン1を終わらせる、オンラインゲームならではの演出だった
- 無料とクロスプラットフォームで参加のハードルを下げたことが、フォートナイトの画期的なポイントとされた
- 子どもたちは「フォートナイトに行こう」と言い、ゲームが放課後に集まるサードプレイスになっている
- ゲームがFacebookに代わる次のSNSになる可能性が語られた
- IPランキングのトップ10の半分は日本のIPで、次のIPはゲームから生まれるかもしれない





