2018年の10大ニュースはどうだった?
2019年12月、草野美木さんと宮武徹郎さんは、アメリカで話題になったテック・ビジネスのニュースをランキング形式で振り返る企画を行いました。この企画は2018年の年末にも一度行われています。
草野さんは、まず2018年版のランキングを振り返ります。10位は動画アプリの大流行で、TikTokなどが挙がっていました。9位はフェイクニュース、8位はFacebookの人事問題で、宮武さんはInstagramの社長が辞めた件を補足します。
2018年版の上位は、7位が大型M&AとIPO、6位がLimeやBirdなどの波乱のスクーター競争、5位がニューリテールとD2Cの流行、4位が大型調達でした。3位はソフトバンクエフェクト、2位はフォートナイトの大流行、1位はデータプライバシーのスキャンダルです。
2019年版の選び方は、二人がそれぞれトピックを出し合い、アメリカを中心に話題になったものや影響が大きかったものをランキングにするというものでした。宮武さんによれば、二人の候補は結構かぶったそうです。
はい、いろいろ揉めた結果で。
かぶりましたね。これ(ランキング)は絶対入ってくるっていうのは。
第1位、WeWork問題はなぜここまで大きくなった?
2019年の第1位に選ばれたのはWeWork問題です。宮武さんは、WeWork問題は今も影響を及ぼしており、WeWork以外の市場にも影響が広がった大きな事件だと話します。
草野さんは、WeWork問題が1年中話題になり、IT業界以外の人にも知られていたと振り返ります。宮武さんは、そもそもWeWorkがテック企業かどうかという論点もあるとしたうえで、問題の重さをこう表現します。
やっぱIPO直前にこういうことをやってしまうと、まあ結構つらいですよね。
一方で草野さんは、東京・渋谷のスクランブルスクエアにWeWorkが入っていることに触れ、日本では意外とうまくいっているのではないかと話します。宮武さんによれば、日本のWeWorkは儲かっているようで、孫さんも日本からは撤退しないと述べているそうです。逆に中国は売却先を探しているという報道もあったといいます。
孫さんの再建プレゼンは本当に単純だったのか
WeWorkの今後について宮武さんが紹介したのは、ソフトバンクの株主向けの場で孫さんが行った、WeWorkの再建策の説明プレゼンです。宮武さんによれば、このプレゼンはアメリカのVCからは馬鹿にされていたそうです。
すごい単純なプレゼンで、そのコストを下げて売上を伸ばすみたいな。まあそれは黒字化するよねっていう話だったんで。
ただし宮武さんは、ソフトバンクがきちんと運営すれば黒字化する可能性はあると見ています。その理由として挙げたのが、ソフトバンクの出資前と後でWeWorkの戦略が変わったという経緯です。
WeWorkは、もう少し早めに黒字化する戦略を描いていた
ソフトバンクに「もっとでかいことを考えな」と促され、より赤字を踏む形に。結果的にバリュエーションは8000億まで下落
宮武さんは、ソフトバンクが1年間しっかり見て、もう一度やり直す局面だと話します。草野さんの「また返り咲く日が来るかもしれない」という言葉に、宮武さんも「もしかしたらそういう日が来るかも」と応じています。
第2位、ソフトバンクショックで見えた投資の危うさ
第2位はWeWork問題とつながるソフトバンクショックです。2018年版では「ソフトバンクエフェクト」として、孫さんがVC業界のレイトステージの概念を変えたことが話題になっていました。宮武さんは、2019年にはその投資先に微妙なところが多く、きちんとデューデリジェンスをしていなかったのではないかという話に変わったと説明します。
具体例として挙がったのが、犬の散歩代行を探すマーケットプレイス「ワグ」です。宮武さんによれば、散歩役のトレーニングが十分でなく、預けた犬が逃げ出すケースが多々あったといいます。
宮武さんの説明では、ワグのカスタマーサポートは迷子の犬を探すために地域のお店へひたすら電話をかけていました。ところがアメリカの法律上、会社としてこうした依頼をすると営業電話のような扱いになり、してはいけないそうです。
なので、ワグのカスタマーサポートが何やったかというと、友達が友達の犬が迷子になっちゃってっていう話をして。
草野さんは、そこまでやってくれるのは好感が持てると反応します。しかし宮武さんは、ユーザーからすれば自分の犬が迷子になり、亡くなったケースも出てきていると指摘します。その結果、ワグはレピュテーションとマーケットシェアを大きく落とし、社長も辞め、買い手を探しているという話も出ているそうです。
ブランドレス、ピザ、農業。ほかの投資先は?
ワグ以外のソフトバンクの投資先として、宮武さんはブランドを持たないことを打ち出すブランド「ブランドレス」を挙げます。ブランドレスも社長が辞め、キャッシュのバーンレートが非常に高かったうえ、クオリティコントロールが悪く売上目標に届かなかったそうです。
さらに宮武さんは、バーティカルファーミング ── 建物の中で棚を縦に積み重ね、照明や水の管理によって作物を育てる農業の手法。都市部でも狭い土地で栽培できる点が特徴です事業のプレンティや、車の移動中にピザを作るズームの名前も挙げ、投資時のバリュエーションより評価が下がっている可能性に触れます。
宮武さんが問題視するのは、ビジョンファンド内部の投資判断のスピードです。内部の人たちによると、数分で投資判断がされることも普通だったといいます。
それでミニマム100億とかなんで、それはちょっとやばいだろうっていうところで。
その影響もあり、ビジョンファンドの2号ファンドはファーストクローズで2000億しか集まらなかったと宮武さんは説明します。投資結果が悪かっただけでなく、最初のデューデリジェンスや投資判断にも問題があったのではないか、という見方です。
宮武さんは、ビジョンファンドの投資先で働く友人から、社名は言えないものの内部がかなり荒れているという話を聞いたそうです。投資先にはバックオフィスがしっかりしていない会社も多く、宮武さん自身も聞いた話にショックを受けたと話しています。
第3位、アメリカ政府とGAFAは何で揉めているのか
第3位は「アメリカ政府VS GAFA」です。宮武さんによれば、2019年はFacebook、Google、Amazon、Appleが強すぎるのではないか、独占禁止法に違反しているのではないかという声がずっと上がっていました。
宮武さんは、各社がどんな点で批判を受けているのかを具体的に挙げていきます。
| 企業 | 指摘されている点 | 具体例 |
|---|---|---|
| 競合になり得る企業の買収、プライバシー問題 | InstagramやWhatsAppの買収、ユーザーデータの無断利用 | |
| 自社サービスの優遇 | 検索結果で自社サービスを上位に表示 | |
| Apple | 自社サービスの優遇 | App Storeの検索でSpotifyよりApple Musicが先に出る(Spotifyからのクレーム) |
| Amazon | 購入データを使った模倣 | 売れている商品を見てまねる。オールバーズの件 |
Amazonの件について、草野さんは自身の体験を話します。最近買ったパソコンケースとほとんど同じ商品がAmazonベーシックから出ていたそうです。宮武さんは、検索時にそのAmazonの商品が上に表示されていたのではないかと尋ね、草野さんも「出てた」と答えています。
草野さんは、プラットフォーマーが強すぎると他社が勝負できなくなると話し、宮武さんもそこは本来、独占禁止法によって守られるべきだと応じます。
宮武さんは、この1年間は政府や政治家とGAFAの戦いが続いてきたと振り返ります。そのうえで、次の大統領選の結果によって対立の構図が変わる可能性を示します。
解体したいっていうエリザベスウォーレンさんですよね。が、最近なんか新しい提案をしているんで。
宮武さんは、エリザベス・ウォーレン ── アメリカの民主党の上院議員。2020年の大統領選に向けた民主党予備選に立候補し、巨大テック企業の分割を公約に掲げていましたさんが次の大統領になった場合、政府とGAFAの関係はかなり敵対的になるのではないかと見ています。
第4位、TikTokを見ていない会社はなぜやばいのか
第4位は「TikTok旋風」です。宮武さんによれば、TikTokは2018年に続き2019年も伸び、少し勢いが落ちた時期はあったもののインドで大きくユーザーを増やしました。
アメリカでのTikTokについて、宮武さんはユーザー数自体はそこまで増えていないとしつつ、若い世代が圧倒的に使い始めていると話します。TikTok発のミームやインフルエンサーも生まれ、草野さんはコスメなど企業側の注目も高まっていると補足します。
なのでそこは逆に多分今見てTikTokを見てない会社は結構やばいと思っていて。
TikTokに参入した企業の例として、草野さんはAppleが公式アカウントを作ったことを挙げます。自撮りする男性が登場するTikTok風の動画で、草野さんは「TikTokらしさとAppleらしさが入り混じった」と表現しています。宮武さんも、空港の保安検査を担うTSA ── アメリカ運輸保安庁。2001年の同時多発テロをきっかけに設立され、空港での保安検査などを担当する政府機関ですがTikTokアカウントで動画を作ったことを紹介します。
さらにTikTokでは、アメリカでもコマース機能がベータ版として追加されたそうです。宮武さんは、中国ではすでに長く行われていると話し、今の時点で何らかのマーケティングを試すことを勧めています。
第5位、テックIPOが相次いだ1年
第5位は「祝テックIPO」です。草野さんは、2019年はテック企業のIPOが非常に多く、ポジティブなニュースだったと話します。以前の回で扱ったダイレクトリスティング ── 新株を発行せず、既存株主の株式をそのまま市場に上場させる方法。引受証券会社による価格設定を経ないため、上場時の値付けが市場に委ねられますにも触れ、今後IPOしやすい環境になるのかを尋ねます。
宮武さんは、IPOはしやすくなり、いろいろな方法が出てくると見ています。2019年に上場した会社の多くは、次の経済環境を恐れて上場した面もあるとしつつ、Uber、Lyft、Pinterestなど大型の消費者向け企業が多かったと振り返ります。
草野さんは、中国企業のニューヨーク市場でのIPOも多かったと補足し、ラッキンコーヒーの株価が意外と下がっていないことに触れます。宮武さんによれば、ラッキンコーヒーは上場初日から1週間ほど株価が下がり、そのせいで悪い会社と見られるようになったものの、その後は上がっているそうです。
多分IPOをしてから半年後ぐらいの株価を見るのがいいと思うんですよね。なんとなくですけど。
宮武さんは、上場直後の値動きだけで会社の良し悪しを判断してしまうメディアの報じ方にも問題があると話し、その解決策の一部がダイレクトリスティングだと見ています。
ほかにも2019年に上場した企業として、歯の矯正サービスのスマイルダイレクトクラブ、ペロトン、そしてSlackやZoomなどのSaaS企業が挙がりました。宮武さんによれば、SaaS企業のバリュエーションは平均でARRの11倍ほどになり、おそらく過去最高だったそうです。
第6位、「伸びろ」から「コストを管理しろ」への転換
第6位は「不況の恐れと黒字化へのプレッシャー」です。宮武さんは、このテーマにもWeWork効果が大きかったと話します。上場したUberやLyftが大幅な赤字だったことが株価下落の理由の一つであり、ペロトンやスマイルダイレクトクラブにも一部同じ面があったと見ています。
宮武さんによれば、不況を本気で恐れる投資家が出てきたことで、スタートアップへの要求が変わってきたそうです。
過去7〜10年ほどは、ひたすら「伸びろ」と成長を求めるグロース志向
黒字化の重要性やコスト削減が重視され、「コストコントロールをちゃんとしろ」と求められる
宮武さんは、こうした変化はおそらく10年ぶりぐらいだと話します。具体例として、Airbnbの取締役会で社長がコストコントロールの方法を詰められたという話を紹介しています。
コスト削減の動きは、オフィスの場所にも表れているそうです。宮武さんによれば、Stripeは一部をサンフランシスコの本社から離すと発表しており、サンフランシスコのオフィスをサブリースして他のスタートアップに使わせる会社も増えています。人が増えている地域として、宮武さんはテキサス、デンバー、シアトル、ユタ、シカゴ、アトランタを挙げます。
さらに宮武さんは、ある人材系スタートアップが、サンフランシスコで働くテック従業員に100万円を払うので別の地域に移ってくれないか、というオファーを出していると紹介します。
草野さんは、アメリカの人は他の州へ移ることに抵抗があるのかを尋ねます。宮武さんは、転勤自体は普通にあるとしたうえで、ニューヨークのような大都市が好きな人には離れるのが難しい場合もあり、地域ごとに文化が全く違うので、そこに耐えられるかどうかだと答えています。
第7位、ストリーミング戦争の正体はエコシステム争い
第7位は「ストリーミング戦争」です。この番組では2019年に2回取り上げたテーマで、Apple、HBO、Amazonプライム、ディズニー、Netflixなど、大手のIPホルダーやIT企業が次々に参入しました。
なんかやっぱりこれはエコシステムの戦い合いなので、ストリーミング戦争っていう名のエコシステムの戦争だと思ってるので。
宮武さんは、ストリーミングが流行った理由を顧客獲得のためだと見ています。動画視聴はユーザーが多くの時間を使うため、各社がそこにフォーカスしたというわけです。
草野さんは、ディズニーにとってストリーミング事業は本業ではないと指摘し、宮武さんも同意します。そのうえで草野さんは、ストリーミングを本業にしているNetflixにとっては戦いが厳しいのではないかと話し、宮武さんも「ちょっと厳しいですよね。頑張ってほしいですけどね」と応じています。
第8位、AirPodsは「自然なサイボーグ化」なのか
第8位は「音声デバイスの普及」です。草野さんは、音声市場の伸びに最も影響したのはAirPodsの普及だと話します。2016年の発売から2019年で5000万台ほどが出ており、2020年にはその倍になるという話もあるそうです。
宮武さんは、音声デバイスの主役がスマートスピーカーからAirPodsに移った流れを説明します。
一昨年ごろに流行し普及はしたが、家に置くものでユースケースが少なく、そこまで使われなかった
常に耳に入っていて、つけたまま普通に生活でき、外の音も聞こえる。AirPods Proでは設定も変えられる
宮武さんは、スマートグラスやスマートコンタクトが今後流行るといわれる中で、最も自然なサイボーグ化はAirPodsなのではないかと話します。草野さんも、ARグラスと比べると拡張されている感覚がシームレスだと応じます。
AirPodsを基盤にしたサービスもアメリカで出てきているそうです。草野さんが紹介したのは、ワイヤレスイヤホンを使う人だけが使える音声アプリで、聴いている音楽をシェアしたり、グループ通話をしたりできるといいます。アプリ名は書き起こしでは「TTYA、TTYL」とされており、アプリ名です。
宮武さんは、AirPodsが若い世代の行動を変えたと話します。若い世代は普通の電話は嫌いでも、ビデオ通話は好きなのだそうです。
何やってるかというと、ビデオ電話をかけて、あの携帯をあのベッドの上に置いてるんですよ。で、なんか掃除したりとか、他のことやってるんで、基本的に天井しか見えないんですよ。
草野さんも、通話をつなげっぱなしで1日中友達と過ごす人がいると話し、宮武さんは、こうした文化もAirPodsのおかげで出来上がったのではないかと見ています。
第9位、ビッグテックはなぜヘルスケアを狙うのか
第9位は「ビッグテックたちのヘルスケア参入」です。宮武さんによれば、AppleはAirPodsの周辺で、心拍や頭の向き、発汗量などを測るセンサーの特許を申請しているそうです。Appleは前年から、Appleヘルスのパートナー企業との提携も進めています。
宮武さんは、2019年はGAFAを中心にヘルスケア企業の買収が多かったと振り返ります。Googleはフィットビットに加えて、何百万人分ものヘルスデータを持つヘルスケアシステムのアセンションとも組み、そのデータを機械学習の訓練に使って個人向け医療サービスを考えているといいます。
Amazonについては、オンラインで病気をチェックできるようなサービスを、現時点では従業員向けに行っているそうです。宮武さんは、Amazonが従業員のためだけに始めるはずはなく、いずれ一般向けに展開すると見ています。
個人ヘルスデータを握れる、握ると結構強いんで、やっぱり。
第10位、プラットフォーマーはなぜ決済を握りたいのか
第10位は「プラットフォーマーの決済戦略」です。宮武さんは、ヘルスケア、フィンテック決済、ストリーミングの3つは戦略として似ていると話します。
入口を押さえる
ストリーミング、ヘルスケア、決済でユーザーを獲得する
データを握る
ユーザーの時間や健康、購買のデータが集まる
ほかで稼ぐ
獲得したユーザーを使い、別の領域でマネタイズする
決済の代表例として宮武さんが挙げるのがUberです。Uberはスーパーアプリ ── 配車、決済、フードデリバリーなど多様なサービスを1つのアプリにまとめたもの。東南アジアのGrabやGojek、中国のWeChatなどが代表例です化を目指しており、草野さんは決済がその第一歩だと話します。
宮武さんによれば、UberはインドネシアのGojekやGrabを参考にしています。Grabでは決済や金融ビジネスの売上が本業を上回っているそうで、Facebook、Google、Amazon、Appleもその重要性をわかっているため、FacebookはFacebook Payを作ったといいます。
草野さんは、WhatsAppでもスーパーアプリ化はできなかったと指摘し、Facebook Payがどうなるのか気になると話します。宮武さんは、アメリカでスーパーアプリ化できそうなのはUberとFacebookくらいだと見ています。
Googleがスーパーアプリになれない理由
草野さんは、Googleが一番スーパーアプリ化できそうだと疑問を投げかけます。ここから、Googleをめぐる二人のかけ合いが始まります。
SNS持ってないですよね。と決済持ってないんで。
えーでもGoogle、GooglePayないですか?
GooglePayってそんな使われます?っていう話でApplePayの方が使われる。
草野さんがデバイスやPixelを挙げても、宮武さんはPixelはそこまで流行っておらず、iPhoneを持つAppleの方が力を持っていると返します。一方Facebookは、圧倒的なユーザー数とソーシャルグラフを持っている点が強いそうです。宮武さんは、GoogleがGoogle+を手がけた理由や、Twitter買収を検討した理由の一部もそこにあったと見ています。
Googleも決済に入りたがっており、2019年には当座預金口座を作れるようにしたそうです。逆にAmazonはなぜか決済から撤退したと宮武さんは驚いています。Appleはゴールドマンと提携し、アメリカ在住者向けにAppleカードを出しました。
宮武さんは、ユーザーが何を買っているかという決済データは圧倒的に大事なデータだと話します。草野さんは、それがまた政府との問題になるのではないかと指摘し、宮武さんも同意します。
特にヘルスケアデータ取るとで、決済データ取ると圧倒的にユーザー支配する時代になっちゃうので、まあ何かしらあの法律が変わる可能性はありますよね。
ヘルスケアと決済をめぐる話は、第3位の政府とGAFAの対立にもつながります。宮武さんは、健康と購買のデータを握る企業がユーザーを支配することへの懸念から、法律が変わる可能性を示しています。
最後に宮武さんは、WeWorkとソフトバンクの話はVC業界でもとても話題になり、特にWeWorkは一般のアメリカ人にも知られていたと振り返ります。草野さんは、ソフトバンクが2018年に3位、2019年に2位だったことから、2020年は1位になる可能性もあると笑いながら話を締めくくっています。
まとめ
2019年のアメリカのテック業界は、WeWorkとソフトバンクの問題をきっかけに、成長一辺倒から黒字化とコスト管理へと空気が変わった1年でした。同時に、TikTokやAirPodsが若い世代の文化を変え、大手テック企業はストリーミング、ヘルスケア、決済でユーザーとデータの囲い込みを進めています。その強さが、独占禁止法をめぐる政府との対立にもつながっています。
- 1位のWeWork問題はIPO直前の騒動として業界外にも広く知られ、ソフトバンクによる立て直しが進められている
- ソフトバンクの投資先では、数分で投資判断がされるなどデューデリジェンスの甘さが指摘された
- 不況への恐れから、投資家はスタートアップに「伸びろ」よりも「コストをコントロールしろ」と求めるようになった
- TikTokとAirPodsは、ミームやつなぎっぱなしのビデオ通話など、若い世代の新しい文化を生んでいる
- ストリーミング、ヘルスケア、決済はいずれもユーザー獲得とデータ確保のための戦略で、今後の規制強化につながる可能性がある





