前回のNotion対Loopと、決算に見るMicrosoftの規模
Off Topicの今回のエピソードは、前回に続いてMicrosoftを扱うパート2です。前回はNotionとMicrosoftのLoopを比べ、Microsoftのバンドルの強さが話題になりました。
宮武さんは前回の結論として、Microsoftのバンドルは強い一方で、Notionには次世代のアプリとして戦う勝ち筋があると振り返ります。Office 365と他のアプリを併用する会社も増えており、NotionやZoomにもまだ伸びる余地があるという見方です。
今回のパート2は、Microsoftの中身、とくにCEOサティア・ナデラさんのビジョンと戦略が中心になります。宮武さんは本題の前に、Microsoftが上場したときの資料であるS-1 ── 米国で株式を新規上場する企業が証券取引委員会(SEC)に提出する登録届出書。事業内容や株主構成、財務情報などが記載されますを読んだときの驚きを紹介しました。
(Microsoftは)上場時に創業メンバー、ビル・ゲイツさんとポール・アレンさんの2人で会社の7割ぐらいまだ持ってたんですよ。
宮武さんによると、Microsoftはベンチャーキャピタルからの調達をあまりしておらず、上場時点でビル・ゲイツさんが45%、ポール・アレンさんが25%を保有していたといいます。
続いて宮武さんは直近の四半期決算に触れます。Microsoftの四半期売上は51ビリオンドルで、4倍すると年間200ビリオンドルほどのペースになり、利益も20ビリオンドル弱出ているといいます。Office 365やAzureなどの部門だけで22.1ビリオンドルの売上があり、Office 365を数ドル値上げするだけで売上が5ビリオンドルほど増えるという噂もあるそうです。
意外な数字として挙がったのが広告売上です。LinkedInなどを含めたMicrosoftの広告売上は10ビリオンドルあり、Twitterの4.2ビリオンドル、Snapchatの3.7ビリオンドルを上回っています。
この数字の比較から、Microsoftは広告事業でも存在感があることがわかります。宮武さんは今回の流れとして、政府との関係、M&A戦略、ゲーム事業の戦略を順に話し、それらがサティアさんのビジョンとMicrosoftの次の展開にすべてつながると予告しました。
なぜMicrosoftだけが政府に睨まれないのか
宮武さんが最初に挙げたMicrosoftの強みは、アメリカ政府との関係性です。比較として、FacebookによるGiphyの買収がブロックされた件や、Kustomerの買収でイギリスはようやく承認したもののドイツはまだ承認していない件が紹介されました。
Microsoftが今回買収を進めるActivision Blizzardについても、宮武さんはFacebook、Google、Apple、Amazonも検討したかったはずだと見ています。それでも動かなかったのは、FTC ── 米連邦取引委員会。独占禁止法の執行や消費者保護を担うアメリカの政府機関で、大型買収の審査も行いますを通せないと考えたからではないか、という推測です。
Microsoftが承認を見込めた理由として、宮武さんはいくつかを挙げます。HoloLensなどで政府と一緒に事業をしていること、後で話す協力的なビジョン、そしてエンタープライズ事業が中心で、メディアのカバレッジが少ないことです。
政治家の目線から見た理由も語られました。政治家は市民の代表なので、市民からクレームが多い企業に対応したほうが人気を得やすく、選挙にも有利になります。
MicrosoftOfficeに対してのクレームよりも、多分Facebook、Google、Amazonのクレームの方が多いと思うんですよね。
いやー、なんかでも面白いですね。そこでこう標的にされるかされないかが決まってくるっていう。
草野さんは、一般消費者向けの問題のほうが取り上げられやすく、自分たちの問題でもあるから注目が集まると応じます。宮武さんは、子どもに関わる問題になればなおさら解決したいと思われる、と付け加えました。
独占禁止法訴訟でMicrosoftは何を失ったのか
Microsoftが政府との関係を気にする背景には、過去に独占禁止法で苦しんだ経験があります。宮武さんによると、1994年に最初の争いが始まって一度解決し、1998年にアメリカ政府が改めてMicrosoftを訴えました。
1998年の訴訟の争点は、Windows 95にInternet Explorerを無料でバンドルしていたことです。訴訟の過程で、Apple対Epic Gamesの訴訟のように社内のメールのやり取りが公開され、ライバルのNetscapeに対する強い言葉が明らかになりました。
宮武さんは、社内で「Netscapeの空気の供給を止める」、つまり息の根を止めるという趣旨の言葉や、Netscapeが販売するものをすべて無料で出すという話が交わされていたと紹介します。
2000年には裁判長が独占禁止法違反と判断し、MicrosoftをWindowsの会社と、Officeを含むそれ以外の会社の2つに分割するよう命じました。ただ、当時の社内では、WindowsとOfficeのチームは別々に動いていたため、なぜ分割なのか誰も理解できていなかったといいます。
当時の報道で出ていた論点は、今の独占禁止法の議論とよく似ていたと宮武さんは指摘します。
- Microsoftが大きすぎるのではないか
- Windowsが独占しているのではないか
- PCをユーティリティとして見るべきではないか
- OSとアプリを一緒に売ってよいのか
最終的には2001年に判決が覆り、Microsoftとアメリカ政府の交渉の結果、会社を2つに分けなくてよくなりました。しかし、訴訟とネガティブな報道が数年にわたって続いたことで、会社のナラティブが変わってしまいます。
ビル・ゲイツがその天才的なファウンダーから、他社を潰すやばい奴みたいなイメージになって。
宮武さんは、社員の立場も想像します。家族と集まったときに、ニュースでMicrosoftが敵だと言われているのに「なんでお前Microsoftで働いてるんだ?」と言われてしまう状況です。
訴訟と報道
数年にわたる訴訟とネガティブな報道が続く
弁護士の増加
何もかも弁護士を通す必要があり、イノベーションが通りづらくなる
イメージダウン
社員が肩身の狭い思いをし、人が辞める
人材流出
急成長中のFacebook、Google、Amazon、Appleへ人が移る
宮武さんは、大手テック企業から人がクリプトなどへ移っている今の状況も、当時のMicrosoftと似ていると見ています。2代目のCEOであるスティーブ・バルマーさんの時代が長続きしなかった一因も、まだ政府から目をつけられていたことにあると考えています。
サティアさんはどう政府・メディアとの関係を立て直したのか
サティア・ナデラさんはCEOになってから、政府との関係構築に力を入れ、ネガティブなメディア報道ができるだけ出ないようにしてきたと宮武さんは話します。TikTokの買収候補にMicrosoftが選ばれたことも、関係が良好な証拠だという見方です。
宮武さんは、他社が目をつけられている状況をMicrosoftがうまく活用している面もあると話します。さらに、Microsoftへのメディアのカバレッジが少ない理由についても、自身の考えを述べました。
それ(FacebookとGoogleへの批判)って一部、FacebookとGoogleってメディア業界をディスラプトしてるからでもあって。
SNSによって一般の人がニュースを拡散できるようになり、メディアの信頼も揺らぎました。一方で記者がMicrosoftの製品で使うのはWordくらいなので、課題を感じるのはFacebookやGoogleのほうになりやすい、と宮武さんは考えます。
宮武さんは、真実を届けるというメディア本来の役割には反するかもしれないとしつつ、自分たちのビジネスモデルを覆そうとする相手に対抗するのは、生き残るためには自然なことかもしれないとも話しています。
年間56社の買収は何を狙っているのか
政府との関係が良いからこそMicrosoftにできることとして、宮武さんはM&A戦略を挙げます。Microsoftは2021年に56社を買収しており、過去10年で最多の社数でした。同じ年、Googleは22社、Amazonは29社で、両社にとっても過去10年で最多だったといいます。
宮武さんは、政府に目をつけられる前のMicrosoftが買収をあまりしていなかったことを、一つのミスだったと見ています。目をつけられる前に買収を重ねて良いバンドルを作るべきだったところ、それを見たGoogleがYouTubeやDoubleClickを、FacebookがInstagramやWhatsAppを買収しました。
(キャッシュを)ただただ積み重ねるだけではなくて、もういろんな会社を買収しに行かないと。
Microsoftは130ビリオンドルほどのキャッシュを持っており、買収そのものがコアビジネスの一つになると宮武さんは言います。サティアさんが2014年にCEOになってから、買収のペースは大きく上がりました。
大型買収の狙いは、コミュニティやネットワークを持つアセットだと宮武さんは説明します。サティアさん自身が、2014年当時は「SNSがMicrosoftの一番の弱みだった」と語っていたそうです。
| 対象 | 内容 | 金額や補足 |
|---|---|---|
| ビジネスSNS | 26.2ビリオンドルで買収 | |
| Minecraft | ゲーム | 2.5ビリオンドルで買収。1億本の販売でほぼ回収したと宮武さんは推測 |
| GitHub | 開発者のコミュニティ | 8ビリオンドルで買収 |
| Nuance | ヘルスケア、音声認識 | Siriの裏の技術も担っていた |
| TikTok、Pinterest、Discord | コミュニティ | 買収を検討 |
買収した会社のサービスをすべてMicrosoft Azureへ移行できる点も、AWSやGCPとの競争の中で意味があります。サティアさんは「次のコミュニティはどこだ」とよく尋ねているといい、宮武さんはGitHubの「開発者」に続き、今は「クリエイター」が次のコミュニティだと考えられているのではないかと話します。
小さな会社をなぜ数億円で買うのか
宮武さんによると、Microsoftは大型買収だけでなく小規模な会社の買収もうまいといいます。大手テック企業なら、エンジニアを動員すれば小さな会社と同じ技術はたいてい作れます。それでも2、3億円をかけて買うのは、人材が目的だからです。
どちらかでいうと「他社に渡さない」。もしくは「起業させない」っていうのが結構重要な戦略だと思っていて。
根拠として宮武さんが紹介したのが、FTCのレポートです。Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoftの5社による2010年から2019年の買収歴をまとめたもので、1ミリオンドル以上の取引だけで616社が買収されていました。
買収先の多くは創業5年以下のスタートアップだったといいます。Microsoftにとっては、人材が他社へ移ったり起業したりするより、数億円を払って囲い込むほうが得だという見方で、宮武さんは自ら「悪い言い方だと」と添えています。
宮武さんは、ドラマシリコンバレー ── IT起業家たちを描いた米HBOのコメディドラマ。架空の巨大IT企業Hooliが登場し、業界の内幕を風刺していますで、Hooliに買収された起業家が何もせず、ストックオプションを待ってただいるだけの場面が実際に描かれていると紹介しました。
Activision Blizzardの買収についても、優れたアセットやコンテンツに加えて、メタバースで重要になるゲームの経営者を確保したという、守りの意味があるのではないかと宮武さんは考えています。こうした買収のやり方が良いのかは疑問が残り、独占禁止法案で変わるかもしれないとも話しました。
ゲーム事業はなぜXbox本体から離れていくのか
Microsoftのゲーム事業は、Activision Blizzardを除いても2021年に16ビリオンドルほどの売上がありました。Activision Blizzardを含めると25ビリオンドルほどになり、Microsoft全体の売上の1割を超える重要なセグメントになると宮武さんは話します。
Microsoftはもともと持っていたXboxに加え、Minecraftや多くのゲームスタジオを抱えています。戦略の軸は、Xboxというハードウェアに頼らず、クラウドへ寄せていくことで、その中心がGame Passです。
PlayStation 5や4、Switchといった専用機を持っていないと、サブスクがあってもアクセスできない
コンソールを持たなくても、スマホなど様々なデバイスからXboxのエコシステムに参加できる
Game Passはいわば、Xboxのエコシステムへの入口を多くのデバイスに作る取り組みです。クロスプラットフォームだからこそゲームスタジオを買収してGame Passの価値を高められる、と宮武さんは説明します。最近ではアニメ配信のファニメーション ── アメリカのアニメ配信サービス。日本のアニメ作品を中心に英語圏へ配信していますを2か月無料で見られる特典もあり、宮武さんはAmazonプライムのような戦略だと見ています。
2018年から2020年にMicrosoftが買収した33社のうち、4分の1以上がゲームスタジオでした。草野さんがNintendoを買収しようとしていたというニュースに触れると、宮武さんはNintendoは多分OKしないだろうと答えています。
ゲームがメタバースの入口になる理由
宮武さんは、ゲームがメタバースへの入口になると考えています。そのためMetaも今年、大きめのゲームスタジオを買収しようとするだろうと予想しつつ、承認されないだろうとも付け加えました。
ちょっと承認されるかわかんないですけど。多分承認されないですけど。
じゃあ無理じゃないですか。
メタバースを抜きにしても、ゲームの市場は大きくなっています。YouTubeで毎日ゲーム関連の動画を見るユーザーは2.5億人おり、アメリカ人の6割が毎日ゲームをしているといいます。
だからこそMicrosoftにとっては、デバイスセントリックな時代からプレイヤーセントリックな時代へ移り、クロスプラットフォーム化することが重要だと宮武さんは話します。このクロスプラットフォーム化が、サティアさんのビジョンにつながっていきます。
サティア・ナデラは何を180度変えたのか
宮武さんは、サティアさんがMicrosoftに最も貢献したのは、Azureを伸ばしたことよりも、会社のビジョンを変えたことだと考えています。それも、もともとの哲学から180度変えたといいます。
前任のスティーブ・バルマーさんは、オープンソース開発やLinuxを嫌っていましたが、サティアさんはそれをサポートしました。当時のMicrosoftはWindows中心の会社でしたが、サティアさんはCEOとしての最初の登壇でWindowsという言葉を一切使わず、Office for iOSを発表しました。
Windows中心。オープンソースやLinuxを嫌い、自社製品を軸に他社と戦う
クロスプラットフォーム化。オープンソースを支援し、Windows AzureをMicrosoft Azureに改称するなど分散化された協力的なビジョンへ
宮武さんは、サティアさんのビジョンを、Microsoftが1つの会社としてOSになるのではなく、連携を通してOSになることだと表現しています。
もともとMicrosoftは対抗心の強い会社で、Netscapeとの争いもその一例でした。サティアさんはCEOになって最初に経営陣を集め、『Nonviolent Communication』という本を読むよう求めたといいます。
怒りではなく、お互いが利益を得る形で協力しようという考え方を持ち込んだのがサティアさんだ、と宮武さんは説明します。Microsoft TeamsとMetaのFacebook Workplaceの連携、WindowsでのAndroidアプリ対応とAmazonのアプリストアとの連携も、その流れにあるといいます。
Microsoftって他のみんなと一緒に協力的にAppleを潰そうっていう。優しく見えて実は怖いっていう。
草野さんは、Officeを見ていてコラボレーションのイメージはなかったと話します。宮武さんは、Officeがどのデバイスでも使えること自体、実現の難しい協力的な取り組みだと応じました。
サティア・ナデラが考える「本当のプラットフォーム」とは
宮武さんは、プラットフォームという言葉は多くの人が少し間違って使っていると話します。サティアさんの定義では、プラットフォームの上で人や会社、組織が何かを作れなければなりません。
判断の物差しは、プラットフォーム自体がどれだけ儲かるかと、その上で開発する人たちがどれだけ儲かるかの比較です。その好例がWindowsで、Windows自体はあまり売上を取らず、その上で作られたアプリが価値を生んできました。
有名な逸話として、Microsoftが2007年にFacebookへ投資した際の話が紹介されました。Facebookは当時、自社の仕組みを「Facebook Platform」と呼んで売り込んでいましたが、それを見たビル・ゲイツさんが「これはプラットフォームじゃない」と言ったといいます。
これを聞いた草野さんは、最近Microsoftがよく掲げる「クリエイターのための会社」という言葉の意味に気づきます。半信半疑だったものの、実は初期からクリエイタードリブンだったのだと納得していました。
ただし宮武さんは、WindowsやAppleのアプリストアでも、作り手がコントロールを握りすぎる問題があったと指摘します。とくにAppleが3割を取る仕組みは大きいといいます。FacebookやGoogleはプラットフォームではなく情報のアグリゲーター ── 多くの情報やサービスを集約してユーザーに届ける事業者。ユーザーとの接点を押さえることで、供給側に対して強い立場を持ちますで、ユーザーとの関係を支配しているという整理です。
上で作る人の経済価値が、プラットフォーム自体の価値を上回る。例はWindows
情報を集約し、ユーザーとの関係をコントロールする。例はFacebookやGoogle
(サティアさんは)「プラットフォーム以上のものが生まれることができなければプラットフォームではない」って言い切ってて。
サティアさんは例として、もしWindows経由で全てのコマースを通さなければならなかったら、Amazonは生まれていなかっただろうと語っているそうです。Windowsで他社のゲームストアに対応すること、XboxをGame Passでクロスプラットフォーム化すること、Discordの買収を検討したことも、この考え方で説明がつくと宮武さんは話しました。
Microsoftの次の展開はメタバースなのか
宮武さんは、こうしたビジョンがMicrosoftの次の展開であるメタバースにつながると語ります。Microsoftは多くのプロダクトを持つホールディングスカンパニーのように見えますが、各プロダクトの関係性が重なり合い始めているといいます。
Z世代はビデオゲームで育った世代なので、ゲームが重要になります。Xboxのトップが、今後はTeamsとゲームをつなげると話していたことも紹介されました。発言者について宮武さんは「フィル・シラーさんかな?」と言っていますが、Xbox責任者の名前(一般にはフィル・スペンサー氏)です。
宮武さんの予想として挙がったのが、HTCの買収です。HoloLensはAR機器でVRのハードウェアをMicrosoftは持っておらず、VR機器のHTC VIVEを手がけるHTCの時価総額は2000億円以下まで下がっているため、買収できるのではないかという見立てです。
各部門に共通するのは、ほぼ全てがクロスプラットフォーム化できる点だと宮武さんは話します。GitHubで最もアクティブな会社はおそらくMicrosoftで、FedExとの提携でも「クロスプラットフォーム・ロジスティクス・アズ・ア・サービス」という言葉が使われており、Amazonへの対抗だと宮武さんは見ています。
メタバース普及の鍵はなぜエンタープライズなのか
宮武さんは、メタバースの最初の使い道はゲームやエンタメかもしれないが、一般に普及するにはエンタープライズが必要かもしれないと考えています。その理由として、パソコンを最初にどこで使ったかを草野さんに尋ねました。
学校か仕事場なんですよ。ほとんどの人が最初パソコン触れた時って。自ら買わなかったんですよ。
人々は会社でパソコンの良さを知ったうえで、自分でも購入するようになりました。ゲーム・エンタメにもエンタープライズにも強いMicrosoftは、メタバースの切り口になる会社になり得る、と宮武さんは考えています。
宮武さんは、他の大手テック企業と比べたMicrosoftの有利な点を挙げます。巨額のキャッシュがあり、広告事業に頼っていないことです。Microsoftの広告売上は10ビリオンドルですが、GoogleやFacebookは100ビリオンドルほどの規模で、広告が崩れれば終わってしまいます。
草野さんは「無敵ですね」と反応します。宮武さんは、ビル・ゲイツさんやスティーブ・バルマーさんら歴代経営陣の貢献の上に、今その方向へ会社を導いているのがサティアさんだと話しました。
宮武さん自身も、調べる前はMicrosoftがメタバースの切り口になる会社だとは思っていなかったといいます。草野さんは、リスクが少なく守りが強いことこそMicrosoftの強みだとまとめました。
まとめ
今回のエピソードでは、独占禁止法訴訟で苦しんだMicrosoftが、サティア・ナデラさんのもとで政府との関係を立て直し、協力的でクロスプラットフォームなビジョンへ転換した流れが語られました。買収、ゲーム事業、プラットフォーム観はすべて、メタバースという次の展開につながっていると宮武さんは見ています。
- 1990年代末の独占禁止法訴訟でイメージ低下と人材流出を経験したことが、現在の政府との関係重視につながっている
- 2021年に56社を買収したMicrosoftは、コミュニティの獲得と、人材を他社へ渡さず起業させないことを狙っている
- Game Passを軸に、ゲーム事業はデバイス中心からプレイヤー中心へ移り、クロスプラットフォーム化が進んでいる
- サティアさんは、上で作る人の経済価値が上回らなければプラットフォームではないと考え、Windows中心の会社を協力的な会社へ変えた
- エンタープライズとゲームの両方に強く、広告に頼らないMicrosoftは、メタバースの切り口になり得ると宮武さんは見ている





