働きながら質の高い情報を集めるには
最初の質問は、経営の仕事と両立しながら、どうやって質の高い情報を集めているのかというものでした。
はりまは、情報源として一番多いのは本だと話します。ペースは1テーマ2冊ほどで、週にすると2冊ほどになるそうです。
ただし、すべてをじっくり読むわけではありません。あらかじめ「この辺の話をしたら面白いかな」とアタリを決めて、その話が載っていそうな本を調べる読み方だと言います。
本を読むというより、知りたいことがどこかに載ってないかなと言ってパラパラしている感じですね。
情報を素早く集めると忘れるのも早いのでは、というやーまんの問いに対し、はりまは忘れることをあまり気にしていないと答えます。
その内容は忘れてても、そこで得た何かは絶対残るはずなんで。内容覚えてないなっていうのは気にしなくていいですね。
本を読むのに一番いい場所は「本屋」
続いて話題は、働いていると本が読めないという悩みへ移ります。はりまは、この悩みが多いことを示す本として『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を挙げました。
やーまんも、このラジオで薦められたサンデル教授の『これからの正義の話をしよう』を買ったものの、まだ一ページも開いていないと打ち明けます。
すいません、まだ一ページも開いてないです。届いたって言って、リュックには入れて、ずっと持ち歩いてるっていうだけでまだ開いてないですね。
そこではりまが提案する解決策が、本を読むのに一番いい場所は「本屋」だという考えです。
理由はシンプルで、買った瞬間に読まなくなるからだと言います。家に帰れば、スマホや映画、家族との会話など、本より優先順位の高い選択肢がいくらでもあります。
家に着いたら別にスマホを触ってもいいし、映画見てもいいし、家族と喋ってもいいし。選択肢が多い中で本を読むのが一番上に来ることってないんですよ。
だからこそ、本を読む選択肢が自然と一番上に来る場所として、はりまは本屋での立ち読みを勧めます。2、30分ほど集中すれば、ある程度内容はつかめると話します。
執筆者に怒られないかというやーまんの心配には、こう返しています。
こっちは読者なんで好きに読ませてもらいます。文句は本屋に言ってください。
もっとも、はりま自身は普段からたくさん本を買っている読者でもあります。だからこそ「立ち読みぐらい許してください」というスタンスだと補足していました。
会社を辞めずに起業する「スライド起業」
3つ目は、独立起業のタイミングに関する相談でした。今の仕事も家族との時間も大切にしたいため準備が進まず、来年に延期したものの、勢いのあるうちに振り切るべきか葛藤しているという内容です。
相談者は「Whynow」を意識して早く動くべきではという思いも書いていました。
やーまんは、自分の中の勢いはコントロールできても、マーケットの需要は自分ではコントロールできないと指摘します。
あの時やってたらすごいフィーバーしてたのに、一年遅れると後発になっていまいちだなみたいな現象が起こったり、早すぎてもあの時全然ヒットしなかったけど、今やってたらすごい当たってたなとか。
その上でやーまんが勧めるのは、退職と起業をイコールにせず、会社に勤めながら少しずつ事業へ比重を移していくやり方です。
会社勤めを100%、起業を0%とし、それを10%、20%と少しずつずらしていくイメージだと説明します。
会社100%・起業0%
今は本業に集中している状態
会社90%・起業10%
副業として小さくアイデアを試し始める
比重を移していく
80%、70%と少しずつ事業側を膨らませる
会社の給料を超えたら独立
やっていけると確信したタイミングで振り切る
これはやーまん自身の経験でもありました。会社の給料をもらいながら副業で仕事を受け、月に3、4万円だった収入を10万、20万と伸ばし、会社の給料を超えたところで辞めたと振り返ります。
一方ではりまは、この模範解答が全員に当てはまるわけではないと補足します。最初の一歩が重い人もいて、はりま自身がそのタイプだと言います。
僕自身はそもそも就職しないという選択を選ぶことで、やらなきゃいけない状況に自分を追い込んでやり始めた。一回就職しちゃうとコンフォートゾーンから抜け出せないマンだという自己認識だったんで。
さらにやーまんは、相談者が真面目な性格に見えることにも触れました。会社に黙って副業を進めることが性格に合わない可能性もあると気遣います。
結論として二人は、可能であれば会社にいながら時間を作り、小さく検証して軌道に乗せてから独立するのが現実的だと話しました。ただし、それが誰にでもできるとは限らない、というニュアンスも残しています。
AI時代に価値が出る「編集者思考」
最後の質問は、AIで文章もデザインもコードも一瞬で作れる時代に、人間側のどこに価値が出るのかというものでした。
やーまんの答えは明確で、「編集者」だと言い切ります。
ここで言う編集者とは、情報を整理し、誰に何を届けるかを考える人のことです。テーマを決め、情報を集め、そこから伝えるものを取捨選択して再構成する役割だと説明します。
昔は情報をたくさん持つ人に価値がありましたが、AI時代は情報過多です。だからこそ、集めた情報をどう組み合わせて誰に届けるかを考える力が効いてくるという考えです。
その具体例として挙げられたのが、リクルートの「リボンモデル」でした。
結婚式場を探す人と挙式サービス、住宅を探す人と不動産情報、美容サービスを受けたい人とサロン。左右で集めた情報を真ん中で組み合わせて届ける仕組みが、SUUMOやホットペッパービューティー、タウンワークなどに共通していると言います。
たくさん情報がある中をいっぱい集めて、必要なものに編集して、必要な人に届けるっていう能力が、これからめちゃくちゃ物を言うなと思いますね。
この編集をやーまんはオーケストラにもたとえます。ライターやカメラマン、デザイナーなど各担当を組み合わせ、一つのシナリオに仕立て上げるのが指揮者としての編集者だという整理です。
話はさらに、商品のストーリー設計にも広がりました。はりまが例に出したのは、HIKAKINが手掛けた麦茶「おにちゃ」です。
麦茶自体はどれもおいしく大きな差はありませんが、HIKAKINが作ったというストーリーがあると、ただの麦茶とは違って見えてくると話します。
お茶がおいしいのかおいしくないかよりも、HIKAKINがお茶を出すっていう現象の方が効果がでかい。どういう効果をもたらすかっていう編集ができる人、それが強いなと思いますね。
二人はこの力を、シナリオ力やプロデュース力、ディレクション能力とも言い換えていました。AIを道具として使いこなしながら、全体を組み立てる人間の役割がこれからより重要になる、というのが結論です。
まとめ
今回は、読書や情報収集の工夫、リスクを抑えた起業の進め方、そしてAI時代に効く編集者思考まで、実体験を交えて語られたQ&A回でした。
- 本は「知りたいことを探す」つもりで読み、買う前に本屋で立ち読みするのが読み切るコツ
- 内容を忘れても、そこで得た何かは残るので気にしなくてよい
- 退職と起業をイコールにせず、会社に勤めながら少しずつ比重を移す「スライド起業」が現実的
- ただし性格やタイプによって最適解は異なり、あえて自分を追い込むやり方もある
- AI時代は情報を集めて編集し、誰にどう届けるかを考える「編集者思考・プロデュース力」に価値が出る
