競馬1年目のとんぼ。さんと「トンボ軍団」
この回は、前回に続いてYouTubeチャンネル「とんぼ。deNight」のとんぼ。さんとほたる。さんがゲストとして参加しています。冒頭では、とんぼ。さんとほたる。さんの「トンボ軍団」に今後どんな仲間が加わるか、ムカデやダンゴムシ、アゲハなど虫の名前を挙げる雑談で盛り上がりました。
東端さんは「ドラゴンフライ」と書いたステッカーを作ったら面白そうだと提案し、とんぼ。さんも作ってみたいと応じています。
2月の14日から競馬を始めたので、半年過ぎて1年は経たないって感じです。
とんぼ。さんは毎週ひとりで競馬を楽しみ、ほたる。さんは競馬場に行くときだけ一緒に馬券を買うスタイルだといいます。東端さんは二人を「健全な方と勤勉な方」と紹介しました。
今回は、とんぼ。さんから事前に届いた「競馬1年目のリアルな疑問」に、競馬歴25年の大和田咲綺さんが答えていく構成です。本人は「にわか歴25年」と笑いながら、質問に向き合っていきます。
G1とG3、予想が簡単なのはどっち?
最初の疑問は「G1、G2、G3で予想や馬券の判断を変えますか」というものです。まず出たのは、G1なら馬体重がマイナス10キロでも仕上げてきたと受け取り、G3で同じ減り方ならコンディションを疑って外す、という感覚でした。
これに対して大和田さんは、意外な答えを返します。大和田さんが25年やってきた馬券は、基本的にG1が中心だといいます。
ぶっちゃけG3、G2、下に行けば行くほど私難しいと思ってるんですよ。G1が一番簡単だと思ってるんですよ。
とんぼ。さんは「逆だと思っていました」と驚きます。大和田さんの理由は、G1に出る馬はピラミッドの上の一部で母数が少なく、同じレースで戦ってきた馬同士の再戦が多いため、比較がしやすいという点です。
大和田さんはデータ派で、G3以下になるといろいろな路線から馬が集まり、対戦していない馬同士を比べることになるため、データで絞りにくいと話しています。
出走できる馬が限られ、再戦が多いので馬同士を比較しやすい
いろいろな路線から馬が集まり、見る馬が多く比較しにくい
さらに大和田さんは初心者に向けて、G1は年に24レースしかないので、まずそこに絞るのがおすすめだといいます。G1だけを追えば1年間のスケジュールが見え、G1に紐づくステップレースもわかるようになるからです。
だからあえてG2、G3は見るだけにしとくっていう。それもいいかもしれないなと。私G3弱いです。
絞れないG1は「買わない」という選択肢
一方のとんぼ。さんは、G1になるとどの馬も捨てられなくなると打ち明けます。G2やG3なら「こいつはない」と消せるのに、G1では16頭のうち10頭以上に丸がついてしまい、パニックになるそうです。
大和田さんは、残る馬が多いG1は買わないという選択肢も持っていると答えます。逆にデータで消していって1頭しか残らないレースでは、その馬を3連単の1着に固定する勝負に出るといいます。
G1でも意外と予想のファクターが増えてったり、知識とかがついてくると、あ、これで消せるなとか、もうちょっと絞れるかもしれないなっていう。
大和田さんの話では、G1で馬を絞れないのは知識の不足だけが理由ではありません。消すための判断材料が増えれば、G1でも少しずつ絞れるようになるという見立てです。
G1だから多く賭ける、は正しい?
東端さんは、レースの格と賭ける金額は関係ないという立場です。G1は出走する側の賞金こそ高いものの、馬券を買う側から見ればオッズや払い戻し率が上がるわけではない、という理由です。
自分からするとG1も未勝利戦も馬券という意味では同じなんですよね。馬の情報の取り方が違うだけ。
東端さんは、勝負すると決めたら午前中の1レース目でも5桁を賭け、G1だからといって1万円使うと決めることもないといいます。とんぼ。さんは、メインレースだから今までで一番賭けようとして、1日をマイナスで終えた経験を明かしました。
東端さん自身も最初はそうだったそうです。2年目ごろ、自信のあった午前中のレースは単勝500円しか買わず、自信のない重賞に何千円も使っていることに気づいたといいます。
午前中のレースは少額、重賞やメインレースは多めに買う
レースの格ではなく、自信があるレースにお金を使う
大和田さんも、格が大きいほど金額を増やしたくなる気持ちはわかるとしたうえで、金額は自信度で変えればいいとまとめました。未勝利戦でも絶対に来ると思えば突っ込めばいい、という考え方です。
人気を見ると予想がぶれるのはなぜ?
次の疑問は「予想の自信度をどう馬券にするか」です。とんぼ。さんは、気に入った馬の人気が低いと弱気になり、上位人気の馬に乗り換えてしまうといいます。そして買わなかった自分の本命が来て、後悔することが多いそうです。
大和田さんも同じ経験があるとして、予想の段階ではなるべく人気を見ないようにしていると答えました。人気を知ると先入観が生まれるからです。
どうしても大衆の人気、所詮って言ったらあれですけど、みんなもしかしたらわかってないかもしれないんですよ。
大和田さんの説明では、上位人気の馬も「3番人気だから強いのかも」という理由で買われている可能性があります。そこで大和田さんは過去の出走データを見て、人気に関係なく傾向に近い馬を自信の1頭として選んでいるといいます。
とんぼ。さんも最近は「自分の競馬をする」と意識しているそうです。11頭立ての11番人気でも本命を買ったレースがあり、出演者の会話からシートゥーサミットではないかという話になりました。その馬が来たことで、自分の予想を信じる大切さを実感したといいます。
本命にしたら単勝を買う、というルール
東端さんが自信の有無で買い方を変えるかを尋ねると、とんぼ。さんは自分なりのルールを紹介しました。
もう本命にしたやつは絶対単勝で買うって決めて。本命ってそういうことだろみたいな。
とんぼ。さんはそれまで、丸をつけた馬を人気順に並べ、一番人気から本命にしていたそうです。その結果、一番気に入っている馬が穴扱いになり、気に入っていない馬が本命になるという混乱が起きていました。
丸をつけた馬を人気順に並べ、上位人気から本命にしていた
自分で本命を決め、本命にした馬は必ず単勝で買う
東端さんは、急に強気な口調になるとんぼ。さんを「鬼ヤンマモード」と呼んで笑いつつ、単勝は大事だと応じます。単勝で買えない馬は、そもそも好走する確率がそれほど高くないという見方です。
大和田さんは3連単しか買わず、しかも1000円以内と決めています。そのため1着に置く馬は1〜2頭に絞るのがほぼ必須で、「1着を取れるか」だけを考えるとふるいにかけやすいといいます。
本命なんだから単勝だろうなんですよ、発想としては。
東端さんは、競馬はメンタルとの戦いだと話します。1着に来たのに単勝を買っていなかったという後悔が、次のレースの予想をぶれさせるからです。軸としては勝つ馬を選ぶことが大事だ、というのが東端さんの考えです。
単勝200倍と「オッズの歪み」の見つけ方
話は、競馬場で一緒に馬券を買うほたる。さんの買い方に移ります。とんぼ。さんによれば、当たってほしくて複勝を選びがちな自分に対し、ほたる。さんは思い切りがよいタイプだそうです。
ほたる。さんの最高配当は、夏競馬で100円だけ買った単勝約200倍の馬でした。前走を芝で勝っていて馬体重もよさそう、という理由で選んだのに人気がなく、その1頭だけでその日の負けを取り返したといいます。
こういうのはやっぱりあの、歴が長くなればなるほど買えないんですよ、そういう馬。
東端さんは、単勝44倍ほどの名将激輪を自信を持って買い、当てた経験を紹介しました。東端さんが見ているのは、レースそのものへの自信ではなく、オッズに対して勝つ確率が見合うかどうかです。
単勝2倍の馬って勝率50パーセント以上ないと理論上マイナスになるっていう。
東端さんは、勝率が50%に届かない馬が単勝1.8倍なら、当たっても儲からないので基本は買わないといいます。逆に44倍の馬なら、25回に1回勝てばいいと割り切れるため、展開なども加味して勝つ要素がいくつもあれば買えるという判断です。
東端さんにとって予想とは、大衆心理の歪みを見つけるゲームだといいます。だからこそ、人気がない馬でも平常心で選べるそうです。
パドックは横ではなく縦で比べる
続く疑問は「どの順番で予想しているか」「競馬場で次のレースまで時間がないとき、何を優先して見るか」です。とんぼ。さんは競馬場に行くと1レースから全部やりたくなり、トイレ休憩もできないほど忙しくなるといいます。
とんぼ。さんは、パドックで何を見ればいいかわからず、今は新聞を見るほうに切り替えたそうです。大和田さんもパドックの意味には迷いがあるとしつつ、矢作調教師の考えを紹介しました。
パドックはその時だけ見てもわかんない。その他馬と比較するんじゃなくて、その馬を比較しないとわかんないって。
東端さんは、これを「横の比較じゃなくて縦の比較」と言い換えています。一般にチャカチャカしている馬は来ないと言われますが、その馬が以前も同じ様子で勝っているなら、それがその馬にとってよい状態だという考え方です。
その日のパドックで、他の馬と見た目を比べる
同じ馬の、馬券になったときのパドックと比べる
大和田さんは、黒い馬が好きなので見た目のよさに引っ張られる、とも話しています。とんぼ。さんが推し馬を追いかければわかるようになるかと尋ねると、大和田さんは1頭を追う楽しみ方はいいかもしれないと答えました。
とんぼ。さんの予想手順と継続騎乗
とんぼ。さんの普段の予想は、順番が決まっています。東端さんは、その丁寧さを「教科書競馬」と評しました。
とんぼ。さんは、当てはまる項目が少ない馬を落としてミスすることがあるといいます。最近は騎手が継続騎乗かどうかも見るようになり、ファクターが増える一方だそうです。
東端さんは、継続騎乗だけが正解とは限らないと話します。鮫島騎手が3戦続けて乗っていた馬にジョアン・モレイラ騎手が乗れば、世の中の評価はガラッと変わる、という例です。
一方で大和田さんは、G1では継続騎乗が大事なファクターだと強調しました。日本ダービーは乗り替わりの馬が来ないと言われており、例外は外国人騎手くらいだといいます。
騎手の影響について、大和田さんはタケさん武豊騎手の言葉を紹介しています。騎手は馬の力を120%にするのではなく、持っている力を100%に近づけることしかできない、という考え方です。
若手のジョッキーだと50パーセントぐらいしか出せてないところを、トップジョッキーは80、90出せるから。
斤量も調教も見ない、捨てる情報の選び方
東端さんは、自分は捨てる情報が多いと明かします。斤量も馬体重もまったく気にせず、パドックは1年目から写真を撮る場所、坂井瑠星騎手を見る場所だと思っているそうです。
調教については、東端さんも大和田さんも重視していません。大和田さんは、調教も馬をずっと追っていなければわからず、単体で見てもあまり意味がないと考えているといいます。
調教派の人からしたらふざけんなよって思ってると思いますけど。
東端さんは、調教を重視する人が良くないわけではなく、自分は左右されなくてもいいと思っているだけだと補足しています。血統も、最初は亀谷孝昌さんの予想に影響を受けたものの、覚えきれなくなったそうです。
大和田さんは、血統は母系まで見なければならずキリがないと話します。そのうえで東端さんは、自分の考え方を先にAIに入力し、中山の1〜12レースについて期待値が高い馬を出してもらい、その中から買う馬を選んでいるといいます。
予想家を真似るのは近道?
とんぼ。さんが参考にしているのは、YouTubeの「競馬の学校」というチャンネルです。ホワイトボードで「この馬が前でこうするから」と展開を説明する入門的な内容で、馬柱の読み方もそこで学んだといいます。
最初のころは、その予想と自分の予想があまりに違い、いったん見るのをやめたそうです。最近は自分の推し馬と重なるようになってきたといいます。また「牝馬」「時計」のような競馬特有の言い方は、最初はわかりにくかったという話も出ました。
東端さんは、お気に入りの予想家を見つけたら、その人の言うことを全面的に信じるスタイルです。5年目ごろ、会社員が片手間でする予想より、専業のプロを信じたほうがいいと気づいたといいます。
俺が見てる情報、この人たちが作ってる情報じゃんとか思った瞬間に、え、じゃあこの人の言ってること信じればいいんじゃない?って思って。
東端さんは、競馬新聞うまさぶろうで特定の予想家だけが印を打つ穴馬のレースを全部買うなど、時短を徹底しています。午前中に予想が終わるので、競馬場では早くからお酒を楽しむそうです。
時間がないなら先行力と着差を見る
大和田さんが一番シンプルな方法として挙げたのは、先行できる馬を選ぶことです。差して勝てるのは本当に強い馬だけで、大体は先行した馬が勝つ、と大和田さんは言います。特に下級条件で効きやすいそうです。
見るのは、馬柱に小さく書かれたコーナー通過順です。前走から3走前あたりまで、「3-3-3」「2-2-2」のように4番手以内につけている馬は、先行力があると判断できます。
大和田さんはさらに、上がり3ハロンで3位以内の脚を使えているかも見ます。上がり3ハロンはレースの最後の600mのことです。
もう1つの柱が、着順より着差です。10着でも1着から0.3秒差なら問題ない場合があり、3着でも0.8〜0.9秒離されていればかなり負けている、という見方です。
とんぼ。さんは、着差をいつも見逃すといいます。YouTubeで「なぜこの馬が買えるのか」と思ったとき、コメント欄に着差の指摘があることが多いそうです。大和田さんは、負け続けていても着差が小さい馬や先行できている馬に、穴馬が潜みがちだと応じました。
東端さんは、前に行く人気のない馬を3頭選んでワイドのボックスで買うくらいでいい、と提案しています。とんぼ。さんも、試してみたいと前向きでした。
大和田さんは、予想に正解はなく、しっくりくるやり方の人を真似るのが一番いいかもしれないと話します。始めたばかりのころは、まず1つのファクターを最重視して自分のスタイルを作ればいい、という結論です。
1番人気だから買う、は理由になる?
最後に東端さんは、競馬初年度に読んだ本の言葉を紹介しました。馬券の買い方ではなく、競馬場や場外馬券売り場でのメンタルの保ち方を書いた本だったといいます。
東端さんは、その本にあった「だから1番人気は買う理由にならない」という考えに納得したそうです。G1も未勝利戦も払い戻し率は同じこと、最終レースで取り返そうとむきにならないことも書かれていたといいます。
大和田さんは、楽しめる範囲でやることが大事で、人生がめちゃくちゃになるほどの競馬中毒にはならないでほしいと付け加えました。
次に実践したいことを聞かれたとんぼ。さんは、競馬場ではまず先行できる馬をチェックし、人気順に引っ張られないようにしたいと答えています。とんぼ。deNightは毎週日曜日をめどにトークや回顧を投稿していて、初めての有馬記念に向けて、競馬1年目がどう締めくくられるかが楽しみな終わり方でした。
まとめ
競馬1年目の疑問への答えは、人気やレースの格、パドックの見た目といった周囲の情報に流されず、自分なりの基準で絞り込むことに集約されていました。
- 大和田さんは比較しやすいG1が最も簡単だとし、初心者は年24レースのG1に絞ることを勧めた
- 賭け金はレースの格ではなく自信度で決め、本命にした馬は単勝で買えるかを基準にする
- パドックや調教は、同じ馬の過去と比べる縦の比較でなければ判断しにくい
- 時間がないときは、コーナー通過順で見る先行力と、着順より着差を優先してチェックする
- 9割が負けるファンの投票で決まるのが1番人気であり、人気そのものは買う理由にならない

