ステーブルコインの前に、まず量子コンピュータの疑問から
話は種市さんの「ステーブルコインって知ってる?」という問いかけから始まります。
種市さんはまず、以前YouTubeで見たビットコインの話を持ち出します。AIが進化すると鍵がわかってしまい、ビットコインの価値がなくなるのではないか、という内容だったそうです。
ちょっとやめようかなって一瞬ひいたもん。ただ、でもみんながこうやってネガティブで下がってる時こそチャンスなんじゃないかなとも思ってるから、一応買ってる。
小畑さんは、これは量子コンピュータの話だと補足します。ビットコインはまだ大丈夫だ、と話します。
ビットコインはね、まだ大丈夫。量子コンピューターができたら、番号が破られちゃって価値がなくなるってずっと言われてる。
ブロックチェーンの技術は暗号学がベースになっている、と小畑さんは説明します。秘密鍵と公開鍵を使う公開鍵暗号方式暗号化する鍵と復号する鍵を分ける仕組み。片方を公開しても、もう一方がなければ内容を解けないため、安全な通信や取引に広く使われていますがビットコインの土台にあると話されています。
もし量子コンピュータでその暗号が破られたら、影響はビットコインどころではないと小畑さんは言います。銀行のネットバンクなど、暗号を使うあらゆるサービスが危うくなるからです。
ステーブルコインとは何か
ここで本題のステーブルコインの説明に入ります。ステーブルは「安定」という意味です。
1円イコール1コイン、1ドルイコール1コインというように、法定通貨に連動しているのがステーブルコインだと小畑さんは説明します。
一方、ビットコインやイーサリアムは価格が大きく上下する「アンステーブル」なものだと対比されます。1BTCが数百万円で上下するような性質です。
代表的なステーブルコインとして、アメリカでよく使われるUSDCとUSDTが挙げられます。USDCはCircle社、USDTはTether社が発行していると話されています。
ドルなどに連動し価値が安定。USDCやUSDTが代表例
価格が大きく上下する。数百万円で上がり下がりする
ステーブルコインが使われるDeFiの世界
では、ステーブルコインは今どこで使われているのでしょうか。メインはDeFiだと小畑さんは説明します。
DeFiでは、持っている暗号資産を預けて金利を得たり、他の暗号資産と交換して利ざやを稼いだりできると話されています。預金や証券のようなサービスが、ブロックチェーン上で提供されているイメージです。
DeFiは運営する人がおらず、仕組みが基本的にすべてプログラムだと小畑さんは言います。そのため効率よく取引でき、利回りが高かったり手数料が安かったりするのが特徴だそうです。
ただし日本では法律が厳しく、免許がないと日本人相手に商売できないため、あまり使われている実感はないと話されています。
こうしたブロックチェーン上のサービスで使う通貨は、ブロックチェーンに乗っていないと扱いづらいと小畑さんは説明します。だからこそ、その基軸通貨がステーブルコインなのだと話されています。
USドルだとここのサービス使えないんですよ。USDCっていうブロックチェーンに乗っかったお金を払うと、それがまた貸し出してもらえるとか、利回りが出てくるとか。
AIエージェントが勝手に買い物をする未来
日本ではJPYCという会社が金融庁からライセンスを取り、流通できるようになったと話されます。そしてその本丸はAIエージェントでの決済だと言われているそうです。
AIエージェントでの決済ってどういうこと?
小畑さんは、服を買う場面を例に説明します。今は自分でECサイトを調べ、クレジットカードを登録して買っていますが、その時代はもうすぐ終わると言います。
旅行のチケットまで先回りで取ってくれるような世界が、1、2年以内に来るのではないかと小畑さんは話します。
一方で種市さんは、勝手に買われてしまう怖さを口にします。ポロッと言っただけで全部決済されたら大変だ、という不安です。
勝手に買われちゃったら怖いよね。ポロッと言ったら全部決済されて勝手に買われちゃったりとか色々しちゃったらすごい大変と思っちゃって。
小畑さんも、その論点は大きいと認めます。エージェントをどう制御するか、買われる側もそのエージェントが誰の指示で動いているかをどう確認するかなど、課題があると話されています。
サイトは人間向けからAI向けへ
インターネット登場前は「オンラインで服なんて買わない」と言われていたのに、今は普通に買っている、と小畑さんは変化を振り返ります。次の変化として、サイトそのものの作り方が変わると話します。
今のサイトは人間向けに作られています。ZOZOTOWNのように写真やカテゴリーが綺麗に並び、人が見て選ぶ前提です。しかしその手前にAIがいて、人はAIに相談するようになる、というのです。
AIにとっては写真より、情報がAI用に整理されていることが大事だと小畑さんは説明します。だからサイトはAI用に構造化する必要が出てくると話されています。
人がサイトを訪れ、写真やカテゴリーを見て自分で選んで買う
人はAIに相談し、AIがサイトの情報を取ってきて先回りで買う
種市さんは、セレクトショップのEC担当者こそこの話を聞いた方がいい、と反応します。人が選ぶ時代からAIが選ぶ時代になると、店側が整理すべき情報がまったく変わるからです。
種市さんは、かつてBEAMS時代にレーベルのホームページを作った経験を語ります。当時からSEOやサイトの動きを意識していたと振り返り、AI時代の変化にも通じるものを感じたようです。
そこで鍵になるのがAPIだと小畑さんは言います。AIは目でサイトを見るのではなく、コンピュータの言語で会話するため、適切に答えを返す仕組みをどれだけ用意できるかが勝負になると話されています。
決済の裏側と、ステーブルコインが変える常識
最後に小畑さんは、今の決済の仕組み自体が非効率だと指摘します。損をしているのは最終的に消費者だと言います。
クレジットカードには3〜5%ほどの手数料がかかり、それはビジネスモデル上かからざるを得ないと説明されます。VISAやマスターなどのブランド、加盟店側のカード会社が関わる構図だからです。
さらに、決済してから実際に現金が口座に入るのは30日後などになると小畑さんは話します。飲食店ではキャッシュフローが重要なため、本当は現金でその場でもらいたい、というのが本音だそうです。
PayPayも同様で、お店に払われた現金が入ってくるのはかなり後になると小畑さんは説明します。裏側に銀行があるためです。
俺そのままスポーンって入ってるのかと思った。
ステーブルコインなら、その場で払われたお金がそのまま入り、すぐ使えると小畑さんは話します。銀行やカード会社を飛ばせるため、手数料やキャッシュフローの問題が解消されるというのです。
だからこそ金融機関も脅威を感じて動いていて、ステーブルコインが注目されているのだ、とこの回はまとめられます。
まとめ
ステーブルコインは価値の安定した暗号資産で、今はDeFiで使われていますが、その本丸はAIエージェントによる自動決済だと語られました。サイトは人間向けからAI向けへ、決済は銀行を介する形からステーブルコインへと、少し先の未来の解像度が上がる回でした。
- ステーブルコインは法定通貨に連動した、価格の安定した暗号資産
- 現在の主な用途はブロックチェーン上の金融サービスDeFi
- AIエージェントが先回りで買い物・決済をする世界が1〜2年で来るかもしれない
- サイトは人間向けからAI向けへ、APIや構造化された情報が鍵になる
- 銀行やカード会社を飛ばせるステーブルコインは、手数料やキャッシュフローの常識を変える可能性がある
