予測市場とは何か、そしてポリマーケット
この回は、最近続いたファッションやライフスタイルの話題から離れて、ブロックチェーンやWeb3寄りのテーマから始まります。
小畑さんが持ち出したのは「予測市場」という言葉でした。
何予測市場。
小畑さんは、説明するより見せた方が早いとしてポリマーケットというサービスの画面を提示します。
一見すると株式市場のようですが、その正体は賭けだと説明されます。
簡単に言うと、例えばトランプがグリーンランドを侵略するか、2027年の前にイエスかノーっていう。
対象は政治だけではありません。アーセナル対リバプールの勝敗が62パーセントと17パーセント、2026年ワールドカップの優勝国はスペインが16パーセント、といった形で数字が並びます。
ニュース、政治、スポーツ、クリプト、ファイナンスなど幅広いカテゴリーの出来事に、お金を賭けられる大きな賭博場のような仕組みです。
なぜトランプ選挙で注目されたのか
予測市場が一気に話題になったきっかけは、2024年のアメリカ大統領選でした。
選挙戦は、SNSやポッドキャスト、テレビなどメディアをどう使うかの戦いになります。そこで示される支持率には、恣意的に作られる部分もあると小畑さんは話します。
当時、多くのメディア、特にオールドメディアはトランプ氏が厳しいと報じていました。ところがポリマーケットはトランプ勝利を示しており、結果的に賭け事側の数字の方が正しかったのです。
結局リアルなのはこれだったんだっていうことで、これの信憑性というか、それが上がったんだ。
ここで種市さんは、用語の関係を整理し直します。予測市場というジャンルがあり、その中の一つの大きなプラットフォームがポリマーケットだ、という理解です。
賭博とデリバティブ、そしてカルシ
ここで種市さんが引っかかったのは、賭け事ならアメリカでは違法ではないのか、という点でした。
実際、ポリマーケットはアメリカ在住者は使えないようになっています。ただしVPNなどでアメリカ以外のIPからアクセスすれば、実質的に使えてしまうと説明されます。
一方で、後発のカルシというサービスは、同じような体験を「金融商品」として合法的にアメリカ人に提供しています。
その理解の入り口として、小畑さんはデリバティブを例に出します。
大雨がどれぐらい降ったら、決めた以上に大雨が降った場合にお金をもらえるみたいな商品って、いわゆる金融の領域でデリバティブって言うんですよね。
カルシは、この賭け事に見える仕組みを金融商品として整理し、金融業者として登録することで合法的に運営していると小畑さんは話します。
結局ユーザーからすると、ポリマーケットもカルシも同じということでいいのか。
ユーザー体験としてはほぼ変わらないと小畑さんは認めます。ただし業者側から見ると、金融ライセンスを取るための負担は大きく違うとも補足しています。
なぜ予測市場は精度が高いのか
小畑さんが強調するのは、これが「ただのギャンブル」ではなく、精度の高い仕組みだという点です。
多くの人が真剣にお金を賭け、中には内部事情に詳しい人もいるかもしれません。その結果として出るオッズは、一般的なリサーチの支持率より正しいのではないか、という発想です。
その信頼を裏づける動きとして、Googleがポリマーケットやカルシの指標を今後表示するようになる、という話が紹介されます。
種市さんは、お金を賭けるからこそみんな真剣に調べる、という点に納得します。
どっちがいいってなった時に、なんとなく好きとかでやって、外れたらお金が無くなっちゃうから、みんな真剣になる。それは精度高くなるよね。
ここで種市さんは、賭け金の多い人がオッズを動かせるなら操作できるのでは、と疑問を投げます。
小畑さんは、確かに大口は動かせるが、外れれば損をするため、あえて操作するインセンティブは小さいと答えます。
また種市さん自身も、これは投票そのものではないと気づき、影響力についての心配を整理し直しました。
何を信じるのか、そして日本の可能性
話題はさらに、リアルな金額の大きさに広がります。
イーロン・マスクのツイート数を当てる市場に約14億円、UEFAチャンピオンズリーグの優勝チームを当てる市場には約300億円がかかっているといいます。
種市さんは、こうした数字を見られること自体に面白さを感じます。テレビの言うこととは別の「本音の数字」が見えるかもしれない、という感覚です。
テレビとかがこういうこと言ってるけど、実際こっちの方が真実というか、そうなのかもなという意味でもみんな注目してるんだ。
小畑さんは、この仕組みを服の2次流通にも重ねます。メルカリで買い手と売り手の希望価格がマッチして適正価格が決まるように、予測市場もインセンティブによって正しい答えに近づいていく、という見立てです。
選挙予想の話にも戻ります。総裁選で小泉進次郎氏が有力とされながら高市氏になった例を挙げ、メディアや調査会社が集める母集団や世論操作の余地に触れます。
それに対し、多くの人がお金を賭けて参加する集合知の方が、より正しいデータを出しうる。これが予測市場が盛り上がる理由だと小畑さんはまとめます。
日本では賭博法があるため、この仕組みは基本的に賭博になってしまいます。ただし社会的な意義もあり、日本でもやらなくていいのか、という議論が生まれ始めているそうです。
賭け事ではなく、お金じゃないところでの何かのインセンティブでできると面白い。もうメディアの意味がなくなってきそうな気もするけど。
まとめ
予測市場は、お金を賭けるからこそ人々が本音で真剣に動き、その集合知が既存メディアの予想を上回りうる仕組みだと語られました。賭博と金融商品の境界という難しさを抱えつつ、私たちが何を信じて情報を判断するのか、という問いを投げかけるテーマです。
- 予測市場は将来の出来事の結果に賭ける仕組みで、ポリマーケットやカルシが代表例
- 2024年のトランプ勝利を当てたことで、既存メディアより正確だと注目された
- ポリマーケットは賭博、カルシは金融商品として登録し合法運営という違いがある
- 多くの人が真剣にお金を賭けるため、集合知として精度が高まると考えられている
- 日本では賭博法の壁があるが、社会的意義から導入の是非が議論され始めている
