年末の白馬と妙高、実際どうだった?
話は二人のシーズンインから始まります。年末に白馬へ行った小畑さんに対し、種市さんが実際の混み具合をたずねます。
小畑さんは栂池とコルチナに行き、コルチナ手前のホテルに泊まったと話します。リフト待ちは全体で十分ほどだったそうです。
混雑とかでいうと混んでましたね。リフトに並ぶのが十分ぐらい。栂池も行ったんですけど、そっちも混んでました。ただ激混みって感じではなかったです。
今シーズンは雪の巡り合わせが難しかったようです。十二月中旬に大雪が降ったものの、クリスマス前から降らず暖かくなり、雪が解けていったといいます。
十二月の中旬ぐらいに雪めちゃくちゃ降ったんですよ。今年超いいじゃんってなって。でもクリスマス前ぐらいからずっと降んなくて、あったかくてどんどん解けて。コルチナもクローズしてたんですよ。
小畑さんは毎日予約状況を見て、ドタキャンで空いた枠を押さえたそうです。二十六日にちょうど大雪が降り、現地では「昨日降ってよかった」と言われたと話します。
インバウンドについて聞かれると、白馬は日本人と外国人が半々くらいの感覚だったと答えます。白馬はもともとオーストラリアからの客が多い印象だといいます。
一方、種市さんは友達夫婦と妙高へ。三が日に行ったものの、覚悟していたほど混んでおらず、雪も良かったといいます。ただし体感で八割方が外国人だったと話します。
混んでるのかなって思ったら結構空いてて、雪も良かった。ただ比率的に言うと八割方、体感、外国の方かな。中国系というよりオーストラリアとか欧米系の方々がすごい多かったイメージ。
日本発ブランドTETON BROS.と、環境素材のジレンマ
話題は種市さんが今季着ているウェアへ。お世話になっている会社が手伝う日本発のブランド、TETON BROS.です。
種市さんが着ているのは、同ブランドが新たに展開する欧米向けの「グローバル」ラインです。ロゴデザインを一新した際に出会った、スイス在住のデザイナーがディレクションしたモデルだといいます。
そこのデザイナーのスイスの人と会って、元ドイツのフリースタイルのスキーのオリンピック選手なんだけど、めちゃめちゃスタイリッシュでかっこよくて。その人がディレクションしたモデルを今季着始めたんだ。
ここで種市さんは、環境配慮素材と性能のジレンマに触れます。グローバルモデルはヨーロッパの基準に合わせ、東レと共同開発した環境にいい素材を使っているそうです。
ざっくり言うと環境にいい素材だから、その弾きだったりとか、いろんな意味での性能があんまり強く作れないんだ。そういうモデルのデビューのやつだから、逆にどういう感じかって聞かせてくださいって言われて着始めて。
種市さんは、機能性を基準にしていた自分が、今回はデザインの良さで納得している点も正直に語ります。斜めジップは肩を痛めた身には脱着しにくいものの、それでも着たいと話します。
スポーツウェアってとにかく機能性がすごく大事じゃん。それを基準に考えてたけど、すげえかっこいいから我慢する。ファッションは我慢だみたいなところ、久しぶりに思いながら。ただ着ててかっこいいのよ。
一方の小畑さんは、二、三年着ているノースフェイスのゴアテックス製ウェアを引き合いに出します。撥水は優秀だが硬い、とメリットとデメリットを対比させます。
環境に配慮した素材で、生地が柔らかく着心地が良い。ただし撥水などの性能は強く作りにくい
撥水性能はものすごいが、生地が硬いと感じられる
種市さんはウェアのデザインに込められた思想にも惹かれたと話します。ビブの空気孔は低気圧をイメージして開けられており、ロゴも自然の流れを想起させるコンセプトだといいます。
真ん中の空気孔の穴のとこが、低気圧をイメージして穴を開けてるのよ。普通は機能的にどうしようって考えるじゃん。でもなんか自由で牧歌的というか、自然とテクノロジーの混ざり方にグッと惹かれて。
種市さんは、ネット上の情報をかき集めて足し引きするのではなく、スイスの自然の中でピュアに落とし込むデザインの姿勢に共感すると語ります。自身も雪山や海、サウナといった場面のほうが発想が浮かぶと話します。
一本の板で「自分の乗り方」を作るという考え方
話は板選びへ。種市さんは今もチェイサーの「パフォーマンス」という原点の板に乗り続けているといいます。バランスの良さが自分に合っているからだそうです。
友人には二十本ほど板を持ち、場面ごとに使い分ける人もいるといいます。しかし種市さんの考え方は少し違います。
いろんな板を持って乗り味を楽しむ人もいるけど、俺はどっちかっていうと、板というより自分の乗り方でスタイルを出したいタイプ。だから乗り込まないと出せない。いろんな板乗っちゃうと自分が作れないから。
これは種市さんがサーフィンでも持っている感覚だといいます。リラックスして、ぶにゃっとした自分のスタイルを一本の板で出したいという考え方です。
一方、小畑さんはもともとスノーボーダーで、後にサーファーになった人物です。始めた頃はバートンの柔らかい板でグラトリやハーフパイプ系から入ったといいます。
しかし小畑さんの思考は次第に変わっていきます。ジャンプは肩などを痛めるし、新雪で滑るほうが気持ちいいと感じるようになったそうです。
もうジャンプ痛いし、新雪で滑る方が気持ちいいなってだんだんなってきて。ニセコでバックカントリーやったり、白馬のコルチナも上の方はそういう感じで、ツリーとか新雪の中を行くのが結構いいなってなってきて。
そうして小畑さんはゲンテンスティックのパウダーボードにたどり着きます。板が浮いて気持ちよく滑れることに「これ違うな」と感じ、その世界の良さに惹かれたといいます。
海は一期一会、山は平等。二つの遊びの違い
終盤、話は海と山の遊びの違いへと展開します。種市さんは、雪山には争いがないところが好きだと語ります。
雪山っていうのは争いがないのがいいんですよ。海は一本の波に一人しか乗れないから。スノーボードは全員お金払えば平等、全員乗れる。海は波いい時に上手い人いたら乗せてもらえないでしょ。
種市さんは、これがスノーボードを好きになった一番の理由かもしれないと話します。海はコンディションが整う時が少なく、まさに一期一会だといいます。
小畑さんも、行く前の期待値の読みやすさが違うと応じます。海は現地に行かないとわからないが、雪は「昨日降った」とわかるからです。
海は今日行けそうだなっていうのが、その場所行かないとわかんなくて、めちゃくちゃ難しい。でもスノーボードは昨日降ったってわかるから。期待値の変動が、海はもうめちゃくちゃ難しい。
さらに種市さんは、雪山なら最悪でも滑れるが、サーフィンは状況によっては乗れないこともあると付け加えます。一つの波に三、四十人、湘南の鵠沼なら何百人ということも起きるといいます。
二人は、そうした厳しい状況で乗り続けないとうまくならないのがサーフィンの難しさだと語ります。だからこそ脱落する人も多いといいます。
最後は、東京に住むなら海のほうが行きやすいという現実も踏まえ、両方をバランスよく楽しむのがいいという結論に落ち着きます。
一本の波に一人しか乗れず一期一会。現地に行かないとコンディションがわからず、乗れないこともある
お金を払えば全員が平等に乗れる。前日に雪が降ったかで期待値を読みやすく、最悪でも滑れる
まとめ
年末の雪山事情からギア選び、そして海と山の遊び方の違いまで、二人の実感を軸にゆるく語られた回でした。ブランドや板に込められた思想と、それぞれが求めるスタイルの話が印象に残ります。
- 白馬は日本人と外国人が半々、妙高は体感八割が外国人と、混み具合には差があった
- TETON BROS.のグローバルモデルは環境配慮素材で、性能とデザインのバランスに揺れがあると語られた
- 種市さんは一本の板を乗り込んで「自分の乗り方」でスタイルを出す派、小畑さんはパウダー志向でゲンテンスティックへ
- 「海は一期一会、山は平等」という違いが、二人の遊び方の核心として語られた
- 東京在住なら両方をバランスよく楽しむのがいい、という結論に落ち着いた
