メリノウールのシャツから始まった「素材」の話
話の入口は、小畑さんが買った某BEAMSのウールラボのシャツでした。半袖TシャツとロンTを買い、素材の気持ちよさに感動したと話します。
種市さんは、そこで下着を買わなかったことを少し残念がります。理由は、その下着の機能にあるようです。
あれがなんで推しかっていうと、簡単に言うと匂わない。ハイブリッドのメリノウールで消臭効果がすごいから。旅の時も持っていくし、乾きも早い。
コットンやポリエステルの服と嗅ぎ比べればわかる、と種市さんは言います。焼肉屋に行った後の匂いでも差が出るそうです。
小畑さんも、パタゴニアやノースフェイスといったアウトドアブランドが好きだと共感します。ここから、種市さんが関わるリカバリーウェアへと話は移っていきます。
そもそもリカバリーウェア市場はどうなっているのか
小畑さんの最初の問いは、リカバリーウェア市場が今どうなっているのか、というものでした。値段の幅も広く、どう選べばいいかわからないと言います。
リカバリーウェアって今市場ってどうなってるんですか。値段も高いものからそんなに高くないものまであって、どう選んでいけばいいのかよくわからなくて。
結論から言えば、市場は今かなり盛り上がっている状態です。リカバリーという言葉が「売れるワード」になり、アパレル以外の企業まで参入していると種市さんは話します。
種市さんはこの盛り上がりを、小畑さんの分野になぞらえて説明します。
だからブロックチェーンとかみたいなもんなんで、今。もう流行って、リカバリーって素材を使えば売れるんだみたいな。
ただし、リカバリーという言葉の定義自体がまだ曖昧だと指摘します。コンプレッション生地や吸湿発熱の素材でも、広い意味では「リカバリー」と言えてしまう状況だと話します。
眉唾だった種市さんが「これマジかも」と思った瞬間
種市さんがベネクスに関わる前、実は昔に別のリカバリー系の生地を紹介された経験がありました。そのとき、生地の中身を聞いて拍子抜けしたと言います。
よくよく聞いたら、生地自体は単純にコンプレッション生地とか吸湿発熱の素材で作ってるんですって。これ、ルートとお金を持ってる人がいたら手に入れられちゃう生地じゃんって、正直思ったの。
だから最初は、ベネクスの説明を受けても半信半疑だったそうです。転機は、伊豆へのサーフトリップでした。
同じような波のコンディションと日程で、二泊三日のサーフトリップを二度行いました。二回目にリカバリーウェアを着て試したのです。
着て行ったら同じコンディションだったの。着てたら朝、明らかに疲れなかったんだよね。腰とか痛みとか。あ、これマジかもって思って。
この体感がきっかけで、種市さんは大人っぽいコレクション作りを手伝うようになります。それが評判を呼び、今のベネクスとの関わりへとつながりました。
ベネクスが「元祖」であるということ
ベネクスは元々、介護シーツの分野から始まった会社だと種市さんは説明します。素材開発をゆっくり進めてきた、誠実な会社だと語ります。
その独自素材が、ナノプラチナセラミックを練り込んだPHT繊維です。体の微弱なエネルギーに反応し、血流改善や自律神経のバランス調整が期待されると説明されています。
種市さんが強調するのは、ベネクスが「リカバリー」という言葉を独占しなかった点です。
ベネクス自体もみんなで使えばいいじゃんみたいな、そんな閉鎖的にならずに広めてった。でも私たちは元祖であり、唯一無二の特許を取って、本物のリカバリーウェアを愚直に作っていくだけですっていう。
その結果、今年になってリカバリーという言葉が一気にブレイクしたと種市さんは見ています。前回の番組で話した「AIが10年かけて急に来た」という感覚に近いようです。
価格と機能をどう見極めるか
小畑さんは得意の2軸マッピングで整理を試みます。横軸を価格、縦軸を機能性に取り、本来なら機能が高いほど値段も上がるはずだ、と考えます。
ここで小畑さんが突っ込もうとすると、種市さんは急にディフェンシブになります。他ブランドを名指しで批判することは避けたい、という姿勢です。
俺は基本的にはピースだから。他者を攻撃して、なんかあれだとか、ペプシとコカコーラの戦いじゃないけど。
種市さんが例えるのは、Tシャツの価格差です。500円から5万円まであっても、機能だけで見れば大きくは変わらないと言います。
粉末スープとか、出汁を自分たちで作ってるところでも、結局じゃあ同じ味噌汁ですよって言ってるようなもん。どっちがいい悪いとかの話じゃないよ。
つまり、生地から独自に開発しているかどうかが、値段の背景にある違いだという整理です。安いものが悪いわけではない、と種市さんは繰り返します。
毎日着る種市さんの使い方と、注意点
種市さんは、ベネクスを日常的に着ていると明かします。寝るとき、移動中、飛行機や新幹線、車中泊など、リラックスしたい場面が中心です。
一方で、着用を避けたほうがいい場面もあると言います。リラックス効果が強く、眠くなりやすいためです。
最初に言われたのが、車の運転とか仕事してる時は着ないでくださいって。緩まるから、すごく。リラックスして眠くなっちゃう。
だからこそ種市さんは、「働きながら着る」という宣伝の仕方には少し違和感があるようです。会議で着て眠くなったら困る、というわけです。
使い勝手の面では、旅先での使い方が魅力的です。旅館の館内着のように着たまま、そのまま食事にも行けるデザインになっていると話します。
旅先のホテルの館内着みたいに、そのまま飲みに行けるようなデザインにしてあるから。そのまんま寝れるっていう、めっちゃ気持ちいいみたいな。
弱点は匂いだと言います。快適な素材ほど汗の匂いはつくため、洗い替えを含めてローテーションが必要になります。種市さんは日常用に2セット、全体で4セットほど持っているそうです。
うんちくより先に「佇まい」があるという考え方
種市さんが大事にしているのは、機能の説明だけで選ぶのではなく、まず見た目や佇まいが良いことです。
結局うんちくって大事だけど、まず佇まい、そのオーラがあるものを作った方がいいよねって。うんちくがあっても、ちょっとスタイリッシュでかっこいいものの方がいいじゃん。
ウェルネスとファッションが今つながってきている、という感覚も語られます。快適に気持ちよく着ることそのものが、ライフスタイルになるという考え方です。
種市さんは、この盛り上がりの背景に情報過多や速すぎる社会へのカウンターを感じ取ります。小畑さんも、疲弊やスピードへの反動ではないかと応じます。
最後に種市さんは、決して回し者ではないと念を押します。安いものが効かないとも言っていない、と何度も強調しました。
どっちがどうこうっていう話じゃないけど、ちゃんと1回買って着比べてみた方がいいよ。皆様自己責任で、自己判断で。
まとめ
リカバリーウェア市場は今バブルのように過熱していますが、リカバリーという言葉自体の定義は曖昧です。種市さんは、生地から独自に開発しているかという点に本物との差を見て、まずは着比べて自分に合うものを選ぶことを勧めています。
- 市場は盛り上がっているが、リカバリーの定義はまだ曖昧
- コンプレッションや吸湿発熱の素材でも広義には「リカバリー」を名乗れる
- ベネクスは介護シーツから始まり、独自のPHT繊維を開発した元祖
- 種市さんはサーフトリップでの疲労差を体感し、以後毎日着用している
- うんちくより先に佇まいを大事にし、自分に合うものを着比べて選ぶのがよい
