島根の小さな牧場からおはようございます
配信は島根県出雲市の小さな牧場から。スーパーやコンビニで手に入る牛乳の魅力や酪農の魅力を、酪農家が語る番組です。
この日は3月17日火曜日。最高気温14度の晴れで、お昼に動いていると冬服では汗が止まらないほどの暖かさだったそう。
仕事のあとには出雲の酪農部会の役員会も控えていて、もみ殻の受け取りや共進会の準備もあり、バタバタの一日になりそうだと話します。
液体窒素のトラブルで種が全滅
乾杯の前に、川上さんはちょっとした失敗を打ち明けます。牛の種を保存する液体窒素のボンベに不調があり、買い換えたところ、トラブルで種が全滅してしまったそうです。
安い種しか買ってないので。いやまあでもそれでもまあ落ち込んでます、かなり。もう考えないようにしてるんですけど。
数年に一回はこういうことがあるとのことで、聞いている人にもボンベの管理には気をつけてほしいと呼びかけていました。
今日の相談は「農業大学に入る前にやっておくこと」
ここからが本題です。SPOONのカノさんから、農業大学への進学に関する相談が届きました。
実は農業大学に進学しようと思っていまして、受験や入学までにやっておいた方がいいことや勉強はありますか?
農業を志す人が増えるのは、酪農家としてとても嬉しいと川上さん。この日は「入る前にやっておくと良いこと」「資格」「勉強」の3つに分けて答えていきます。
なお川上さん自身は農業大学校という、各都道府県にある農業専門の学校で学んだそうです。相談者が進むのは農業大学なので、大まかな方向性としてのアドバイスだと前置きしています。
一番のおすすめは「現場を見て、少しやってみる」
結論から。川上さんが一番おすすめするのは、実際の農業を見ること、そして自分で少しやってみることです。
具体的には、農家に直接行ってみる、農業体験に参加する、酪農に興味があるなら酪農教育ファームの牧場を見学してみる、といった方法が挙げられました。
夢のなかで思い描く農業と、実際の現場は違うことがよくあるので、まずは現場を見てほしいというわけですね。
大がかりなことでなくても大丈夫。ホームセンターやAmazonなどで苗やプランターを買い、ミニトマトやイチゴ、ネギなどを育ててみるのもいいと勧めます。
買ってきたネギを水に植えて生やしてみる。あんなのからでもいいんで、農作物が育って、自分で収穫するっていう体験を少しでもやってみてほしい。
理科と免許、そして「経営」という視点
続いて、やっておくと役立つ勉強です。農業大学では理科系の科目が基礎として役立つとのこと。特に生物、化学、数学が挙げられました。
農業は土や植物、動物、微生物を扱うので、理科の知識が生きる場面が多く、なかでも生物との関わりは深いそうです。
資格については、入学前に必須のものは特にありません。ただ、取れるなら普通自動車免許や大型特殊免許(農業機械用)が将来役に立つといいます。
農地は田舎にあることが多く、車が必須の場所も多いため、普通免許はほぼ必須。さらに軽トラなどはミッション(マニュアル)車も多いので、マニュアル免許も取っておくといいと具体的に助言していました。
そしてもう一つ大切なのが、農業の経営を見ることです。農業は作物を作る仕事であると同時に、経営の仕事でもあると川上さんは強調します。
収入やコスト、設備投資、市場価格といったこともとても重要で、経営がうまくいかないとやりたい農業も続けられない、というのが理由です。
川上さん自身の原体験と、経営シミュレーションのすすめ
最後に川上さんは自身の話を。小学校の頃から酪農家になりたくて、図書館で「農家になるには」といった本をよく読んでいたそうです。
得意科目も理科、とくに生物。今も牛の繁殖管理が大好きで、そのルーツが学校で好きだった生物にあると振り返ります。
カエルの卵が分化して、受精卵が動くみたいな、理科の生物のやつがめっちゃ好きだったんですよね。
数学はそれほど得意ではなかったものの、化学や実験も好きだったそう。苦手意識があるなら、まずは自分の好きなものから始めてみるといい、とアドバイスします。
育てる・作るという体験に加えて、経営の視点も一緒に。苗をいくらで買い、肥料がいくらかかり、できた成果物をいくつ、いくらで売ればプラスになるか。ノートに書いてシミュレーションすると、夢が少しずつ形になっていくといいます。
番組の最後には、川上牧場初のKindle本や酪農DXサミットのアーカイブチケットの案内も。配信を聞いてチケットを買った人がいたことが、種の全滅から立ち直る力になったと嬉しそうに語っていました。
まとめ
農業大学を目指すなら、まずは現場を見て、少しでも自分で育ててみること。そのうえで理科(とくに生物)を学び、免許を取り、経営の視点も持っておくと入学後に役立つ、という酪農家からのリアルなアドバイスでした。
- 一番のおすすめは、農家訪問や牧場見学など現場を見て、自分で少し育ててみること
- 理科系、とくに生物は農業の基礎として役立つ科目
- 普通免許は必須級で、トラクター用やマニュアル免許もあると便利
- 農業は経営でもあるので、コストや価格をシミュレーションしてみるとよい
- 苦手があるなら、まずは自分の好きなものから始めるのがおすすめ
