リスナーからの質問「模様は成長で変わる?」
この日のお便りは、TikTokネームEMILYさんから届いた質問です。
牛さんの体の模様は成長と共に変わるのでしょうか?
SNSで生まれたばかりの子牛を紹介すると、「柄がハート形に見える」「顔がパンダに見える」なんて声がよく届くそうです。
そんな身近だけど奥が深い質問に、川上さんはまず結論から答えます。
結論から言いますと、基本の模様は変わりません。でも見え方は変わっていきます。
模様は生まれた時点でほぼ決まっている
そもそもホルスタインの白黒模様は、遺伝情報で決まっているそうです。
お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんの血統の流れによって、遺伝情報によって変わっています。
しかも柄は胎児の段階でもう決まっていて、皮膚と毛の色がそのときに定まります。
だから白かったところが黒になったり、黒が白に入れ替わったりすることは、基本的にないそうです。
川上さんは、これを人間の指紋にたとえます。
これは人間の指紋と少し似ていて、成長していても指紋の配置そのものは変わらないというのと似ているということですね。
模様が変わって見える3つの理由
模様そのものは変わらないのに、なぜ「変わった気がする」人が多いのか。川上さんは主な理由を3つ挙げます。
3つ目の汚れや日焼けについては、色そのものが変わったわけではありません。
でもこれは色が変わったわけではなく、見た目の問題で、洗ったり毛が抜け替わると元に戻りますということですね。
ごくわずかな例外と、視覚効果
完全に変わらないかというと、ごく一部の例外もあるそうです。
子牛の産毛が抜けて模様の輪郭がはっきりしたり、成長にともなって小さな白い模様が目立たなくなったりすることがあります。
ただ、これも模様そのものが変わったというより、成長による視覚効果だと川上さんは説明します。
模様は個体識別に欠かせない情報
牛の模様は、酪農家や人工授精師にとって「顔」と同じくらい大事な個体識別の手がかりです。
この模様の入り方は「あの牛だな」と、番号を見なくてもわかることも多いです。それくらい模様は一生ほぼ変わりませんということですね。
同じ模様の牛は2つとなく、そこに気づくと牛を見る目が変わって、もっと面白くなるといいます。
耳標がなかった時代、模様が「証明書」だった
最後に川上さんは、自身が血統好きであることにふれつつ、模様が現場で果たしてきた歴史的な役割を語ります。
いまは耳に個体識別番号の耳標をつけていますが、昔はそれがなかった時期があったそうです。
BSEという病気が流行って、吉野家の牛丼がなくなったので、肉骨粉がどうだのこうだのみたいなニュース、見たことある方おられますかね。あの時から耳標をつけるようになったんです。
それまでは血統登録証に牛の横の柄を書き込んで、この牛はこういう柄だと個体を見分けていたそうです。
意外とですね、その模様で、現場で使われている技術情報だったっていうところもあったりしますね。
まとめ
牛の白黒模様は生まれた時点でほぼ決まっていて、成長しても配置そのものは変わりません。体の成長や毛の生え替わりで「変わったように見える」だけなんですね。そして模様は、牛を見分けるための一生ものの個性でもあります。
- ホルスタインの模様は遺伝で決まり、胎児の段階でほぼ確定する
- 成長・毛の生え替わり・汚れや日焼けで「変わって見える」ことがある
- 模様は酪農家や人工授精師にとって顔と同じ個体識別情報
- 耳標がなかった時代は、血統登録証に柄を書いて牛を見分けていた
