リスナーからの質問「やっててよかったと思う瞬間は?」
今回の放送は、リスナーから届いた一つの質問に答える回です。
酪農は一番大変だけど、やっててよかったと思う瞬間ってどんな時ですか?
川上さんは、この質問に対して少し照れながら答え始めます。自分のことを話すのは得意ではないと前置きしつつ、それでも酪農の魅力を伝えるのがこの配信だからと向き合います。
なかなか自分のこと喋るのはあんまり苦手で、あんまり話したくはないんですけども。でも皆さんに酪農の魅力、牛乳の魅力をお伝えするのがこの配信ですんで、これをお答えしていこうかなと思います。
そこで川上さんは、いつもと違う方法を取ります。まずAIに「川上牧場の川上になったつもりで答えてください」と壁打ちして出させた文章を読み、そのあとに自分自身の言葉で語る、という二段構えです。
多分に世の中の人とちょっと感覚がずれてる部分がいっぱいあって、なかなか伝わりにくいところもあるなと思うので。AIはそこら辺をしっかり皆さんに届く言葉にしてくださるんで、そちらをまず聞いていただけたらと思います。
AIが整理した「やっててよかった」4つの瞬間
AIがまとめた答えは、大きく4つの瞬間に分かれていました。特別な出来事ではなく、日々の積み重ねの中にある瞬間だという点が特徴です。
最初の「子牛が生まれた瞬間」については、川上さんも本音で強く共感します。川上さんは家畜人工授精師の免許を持ち、繁殖管理や品種改良を酪農の中で一番面白いと感じているそうです。
どの牛にどの牛をかけ合わせたらどんないい牛が生まれるだろうっていうのを日々考えて。自分はこういう牛が欲しいと思ったやつが生まれるっていうのが最高に嬉しい瞬間ですね。
二つ目の「何もない日常」も、川上さんにとって実感のあるものでした。堆肥やもみ殻を運んで人が牛舎にいない時、牛たちがそろってリラックスしている様子を遠目に見る瞬間だといいます。
人が全くいない時に全頭牛がビターって全部寝てて、リラックスして、反芻もぐもぐしてるのを遠目でダンプを動かしながら見たりすると、よしよしよし、今日もうまいこといってるわって思いますね。
大変な仕事だからこそ生まれる感覚
AIの回答は、酪農の大変さにも正直に触れていました。休みが少なく、天候に左右され、牛の命を預かる仕事だからこそ、うまくいった時の重みが違うという内容です。
やっててよかったは楽な仕事じゃ出ない感覚ではないでしょうか。
そして「誰かに伝わった時」が一番リアルかもしれない、とAIは締めくくります。川上さんもこの言葉に「うまいこと言うなぁ」と感心していました。
川上さん自身の本音とコロナ禍の経験
AIの回答を読み終えたあと、川上さんは自分自身の言葉で振り返ります。子牛の誕生や牛のリラックスした姿、牛乳を使ったカヌレやチーズを喜んでもらえること。瞬間ごとの嬉しさはたくさんあると話します。
ただし、川上さんが「本当にクソ真面目なこと」として挙げたのは、コロナ禍の経験でした。消費者とつながる酪農教育活動ができなくなり、餌代が高騰し、酪農家が次々と辞めていくというニュースが流れた時期です。
餌代がめちゃめちゃ上がって、もう酪農の危機だみたいなことになった瞬間に、あの時は本当に何で酪農やったんだろうって思いましたね。本当にきつかったです、あの時は。
その状況を何とかしようとSNSや音声配信を始めたところ、リスナーから「牛乳飲んでくれます」といった反応が返ってきました。それが本当に支えになったと川上さんは語ります。
命救われたとは言い過ぎかな。でもそれぐらい本当に助かったんですよね。毎日配信して皆さんのリアクションや反応をいただけるのはやっぱり嬉しいので。
だからこそ川上さんは、いいねやコメントといった小さな反応でも励みになると伝えます。それだけで牛乳が美味しくなっている、とも話しています。
さらに川上さんは、自分だけでなく、SNSや動画配信で発信している他の酪農家も一緒に応援してほしいと呼びかけました。
番組からのお知らせと今後の展開
放送の後半では、いくつかのお知らせが紹介されました。川上牧場初のKindle本「酪農未経験者のために」が発売中で、Kindle Unlimitedの読み放題対象にもなっているそうです。
また、3月6日に行われた酪農DXサミットで川上さんが講師として話した内容は、noteのメンバーシップ限定で記事として公開されています。酪農でのAI活用に興味がある人向けの内容です。
さらに、サミット参加者を中心にChatGPTのグループチャットも作られています。AIの使い方がわからない人がチャットに投げかけると、AIと川上さんがサポートしながら教えてくれる仕組みだといいます。
まとめ
酪農家が「やっててよかった」と思う瞬間は、子牛の誕生のような特別な出来事だけでなく、何もない普通の日や、牛乳が誰かに届いている実感、そして誰かに伝わった時の積み重ねの中にあります。川上さんはコロナ禍の苦しい時期を経て、リスナーの小さな反応こそが支えになったと本音で語りました。
- リスナーの質問に、川上さんはAIの回答と自分の言葉の二段構えで答えた
- 「やっててよかった」瞬間は、子牛の誕生・何もない日常・牛乳が届く実感・誰かに伝わった時の4つ
- 川上さんは繁殖管理や品種改良を酪農の中で一番面白いと感じている
- コロナ禍で酪農の危機に直面した際、SNSや音声配信で得たリスナーの反応が支えになった
- いいねやコメントといった小さな反応が酪農家の励みになると呼びかけている
