台風で足止め、東京のホテルからの配信
この日はあいにくの台風。川上さんは出張中で、東京のホテルから収録しています。
予定では夜の飛行機で帰るはずでしたが、天気予報を見て翌朝の一番早い便に変更したそうです。
今台風がね、来ておりまして、予定なら今日の夜の便で飛行機で帰ろうかなと思ってたんですけど、ちょっと帰れなさそうな天気予報になっておりまして。飛行機を変えて、明日の朝の一番早い便に変えたので、もう今日も東京に宿泊ということになります。
いつもの牧場配信とは違う雰囲気ですが、こんな日もあるとのこと。手元にはボスのカフェラテのペットボトルを準備して、いつものように乾杯から始まります。
今日の質問「牛のネイリストは年に何回来る?」
今回はリスナーからの質問に答える回です。質問はポポポという配信アプリのリンさんから届きました。
牛のネイリストさんは年に何回来てもらいますか?
牛のネイリストとは、俗に言う削蹄師のことです。牛の爪を刈る仕事で、人工授精師と同じように国家資格になっています。
この質問について川上さんは、酪農家にとって獣医さんと同じくらい重要な存在だと話します。
川上牧場では月に一回、頻度は牧場によってさまざま
結論から言うと、川上牧場では月に一回ほどの頻度で削蹄師さんに来てもらっているそうです。
これは近所に削蹄師さんがいてよく来られること、そして頭数が少なく午前中の数時間で終わり、牛の負担も少ないことが理由です。
一般的には年に二回ほどが多く、三回、多いところでは四回という牧場もあるとのことです。
そもそも削蹄とは何か、なぜ必要なのか
削蹄とは、簡単に言うと牛の爪切りです。牛のひづめは人間の爪と同じで、一生伸び続けます。
野生なら毎日何キロも歩いて自然に削れますが、乳牛は牛舎の生活です。コンクリートの上を歩くことが多く、削れる部分と伸びる部分のバランスが崩れてしまいます。
すると、ひづめが変形して体重のかかり方が偏り、足が痛くなって歩きたがらなくなるという問題が起きます。
牛の体は大きく、大きいものだと七百キロから一トンにもなります。それに対して足首は人間の腕ほどの太さしかありません。
足首のところは本当に人間の腕と同じぐらいの太さなんですよね。それを四つで支えているので、皆さんの腕に一本まあ百五十キロから二百キロの重量が乗るっていう、それをパカパカ歩きながら爪が伸びていくっていう感じなので、本当にこの削蹄というのは大事なんですよね。
牛は歩けなくなると、餌を食べに行けず、水も飲みに行けなくなります。足が痛いと発情も出にくくなり、寝てばかりになって乳量も落ちてしまいます。
つまり、足の健康は牛の健康そのものだと川上さんは強調します。
削蹄師の仕事は「牛の足の専門医」
削蹄師さんはただ爪を切っているだけではありません。蹄の長さを整え、左右のバランスを調節します。
さらに、足の裏にできる蹄病を発見して治療します。腫瘍や白帯病といった病気を見つけることもあり、歩き方を確認するところまで行います。
ほぼ牛の足専門のお医者さんのような仕事です。削蹄が終わると、それまで足を引きずっていた牛がスタスタ歩くこともあるそうです。
削蹄をしてもらうと、終わった後に牛がスタスタ歩くことがあります。これ本当に見ててびっくりするんですけど、今まで足を引きずるような感じにしてたのが、痛みが取れて歩けるようになったっていう感じですね。
人間で例えるなら、窮屈な靴で足が痛かったのが、ぴったりのサイズに履き替えたような感覚だといいます。
削蹄師の不足と、牛乳の値段が支えるもの
削蹄師さんは大きな牛の足を持ち上げ、何百頭も削るかなり特殊な職業です。体力も技術も必要で、削りすぎても削らなさすぎてもダメという職人技です。
最近は牛を固定する専用の削蹄枠を使いますが、それでも危険な仕事だといいます。
全国的に削蹄師さんは不足していて、予約が何ヶ月も先になることもあります。酪農家件数が減ると削蹄師の仕事も減り、地域によっては採算が合わず行けないというケースもあるそうです。
そこで川上さんは、牛乳の値段への理解を呼びかけます。
牛乳高いよ高いよって言ってるんですけど、そこら辺はもう削蹄師さんの給料にもなってるよっていうイメージを持っていただけたら嬉しいなと思います。
実は前日にも削蹄師さんから連絡が来ていたそうですが、出張中のため、今月は飛んで二ヶ月に一回になる可能性もあるとのことでした。
それでも月に一回来てもらえる環境は本当にありがたいと話します。牛の値段も今は高く、こまめなケアがとても大切だからです。
川上さんは、削蹄師は体を使い高い技術も必要だけれど、夢のある仕事だと語り、興味がある人はぜひ調べてみてほしいと呼びかけました。
まとめ
今回はリスナーの質問をきっかけに、牛の削蹄という仕事の重要性を紹介しました。牛が快適に過ごし、しっかり食べて休むことが、毎日の美味しい牛乳につながっています。
- 川上牧場では月に一回、削蹄師さんに来てもらっている(一般的には年2〜4回)
- 牛のひづめは一生伸び続け、放置すると足が痛くなり乳量も落ちる
- 「ノーフットノーカウ」――足がダメなら牛もダメという言葉があるほど足の健康は重要
- 削蹄師は蹄を整え病気を治療する、牛の足の専門医のような職人
- 削蹄師は全国的に不足しており、牛乳の値段が彼らの仕事も支えている
