リスナーからの質問「小学3年生にもわかる牛の胃袋の話」
今回の配信は、お便りコーナーに届いた質問からスタートします。TikTokネームのあきのさんから、小学3年生のお子さんに向けた質問が寄せられました。
小学校3年生にわかるように、牛の胃袋のお話、食事のお話をしてくださいという質問が来ております。
川上牧場は酪農教育ファーム牧場での体験を通じて食やいのちの大切さを子どもたちに伝える活動。認証を受けた牧場が学校の食育体験や出前授業などを担う制度です。の認証を受けていて、小学校の食育体験や出前授業もやっているそう。ここからはお子さん向けのモードで話が進んでいきます。
小学校3年生に教えるなんて、もうお茶の子さいさいですよ。
牛乳が嫌いでも大丈夫?身近な食べ物とのつながり
話はまず、牛乳が身近な食べ物にたくさん使われている、というところから始まります。
牛乳嫌い?でもアイスクリームは好きでしょ?ケーキも好きでしょ。チーズとかヨーグルトは?
牛乳は嫌いでもいろんなやつに牛乳入ってるからね。牛乳がなくなったら、みんなが好きなもの全部なくなっちゃうからね。
アイスやケーキ、チーズやヨーグルト。牛乳が苦手でも、実はいろんな食べ物のなかに牛乳が入っている、という話でぐっと身近に感じられますね。
牛の胃袋は4つ?大きな1つの胃のしくみ
いよいよ本題の胃袋の話へ。まずは人間と牛の胃袋の数をくらべます。
人間の胃袋はふつう1つ。でも牛さんの胃袋は4つに分かれているように見えます。川上さんは、これを「4つに分かれているように見える大きな1つの胃袋」と説明します。
4つの胃袋にはそれぞれ名前があって、1番目がルーメン、2番目がレティキュラム、3番目がオマスム、4番目がアボマスムと呼ばれます。ただ、名前は無理に覚えなくても大丈夫だそう。
大事なのは名前よりも、牛さんが「食べたものをもう一回食べる動物」だということ。ここが牛のいちばんおもしろいポイントです。
食べたものをもう一度噛む「反芻」ってなに?
牛さんはいつも口をもぐもぐしていますが、最初はあまりよく噛まずに飲み込んでいるんだそう。
そのあと、飲み込んだものをもう一度口に戻して噛みなおします。これが反芻牛などの反芻動物が、一度飲み込んだ食べ物を口に戻して噛みなおすこと。硬い草を細かくして消化しやすくするための行動です。です。牛さんはこれを1日に10時間以上もやっているとのこと。
皆さんもガムを噛み続けることがありますよね。牛さんはそれをずーっとやってる感じです。
なぜそんなことをするのかというと、草はそのままだととても硬いから。とくに茎の部分は硬くて、そのままでは消化しきれないんですね。
草を栄養に変える「お腹の中の小さな仲間」
ここで川上さんは、人間と牛の大きなちがいを話します。
人間は草を食べても栄養にはできません。でも牛さんには特別な力があります。それが、ルーメンという大きな胃袋の中にいる、目に見えない小さな生き物たちの働きです。
この小さな生き物は微生物と呼ばれ、草を分解してくれます。つまり牛さんは、自分ひとりで消化しているというより、お腹の中の微生物と一緒に草を消化しているんですね。
牛さんは自分で草を消化しているというより、お腹の中の小さな微生物と一緒に消化してます。これすごくないですか?
牛さんはなんでも食べていいの?酪農家のごはん作り
牛さんは草だけを食べているわけではありません。チモシーやアルファルファなどいろんな種類の草に加えて、トウモロコシや大豆のカス、ビタミンやミネラルもバランスよく食べています。
川上さんはこれを、人間でいう「ご飯だけじゃなくておかずもいろいろ食べる」ことにたとえます。好き嫌いせずに食べる感じですね。
一方で、牛さんはなんでも食べられるわけではありません。お菓子やジュース、人間の食べ物をそのままあげることはできないそう。
理由は、お腹の中の微生物がびっくりして、バランスが崩れてしまうから。バランスが崩れると牛さんはお腹を壊してしまいます。だから酪農家は、今日はどんなご飯をどれくらいあげるかを毎日ちゃんと考えているんですね。
草を食べる
牛さんが硬い草をもぐもぐ食べて飲み込みます
反芻する
飲み込んだ草を口に戻し、もう一度噛みなおします
微生物が分解
ルーメンの中の微生物が草を分解して消化を助けます
牛乳になる
草の栄養が牛さんの体を通って牛乳やお肉に変わります
草からできた牛乳、命のバトンのおはなし
最後に川上さんがまとめます。牛さんの胃袋は4つに分かれていて、草をしっかり消化できる特別な体をしています。
人間が食べられないものを食べて、人間が食べられる牛乳やお肉に変えてくれる。牛さんは、お腹の中の小さな仲間と一緒に生きている動物なんですね。
次に牛乳を飲む時、ちょっとだけ思い出してみてください。この牛乳は草からできたんだなって。
川上牧場では、Zoomやオンラインで教室と牧場をつなぐ食育のお話もできるとのこと。学校の先生や保護者の方は、DMで気軽に相談できるそうですよ。
まとめ
牛の4つの胃袋と反芻、そしてお腹の中の微生物の働きを、小学3年生にもわかるようにやさしく解説した回でした。草を牛乳に変える「命のバトン」を、次に牛乳を飲むときにちょっと思い出してみてくださいね。
- 牛の胃袋は4つに分かれているように見える、大きな1つの胃。名前は覚えなくてもOK
- 牛は飲み込んだ草を口に戻して噛みなおす「反芻」を1日10時間以上している
- ルーメンの中の微生物が草を分解し、牛は微生物と一緒に消化している
- 牛はお菓子やジュースは食べられない。微生物のバランスが崩れるとお腹を壊すため
- 牛乳は、草が牛と微生物を通ってできる「命のバトン」の結晶
