角についての質問に答える回
今回の配信は、リスナーからの質問に答えるお便りコーナーが中心です。
質問はポポポという配信アプリのリスナー、リンさんから届いたものです。
角はどの辺りまで血管や神経が通っていますか?
川上さんも、角の血管や神経までは詳しく知らなかったといいます。今回のために改めて勉強してきたそうです。
角の話、血管や神経のところまではあまり知らなかったので、これちょっと勉強してきまして。角ってこんな風になってたんだっていうのを改めて知ることができたんで。皆さんの質問のおかげですね、これもね。
まず結論から示されます。
角の根元には血管も神経も通っています。一方で、先端に行くほど血管や神経は少なくなります。
ただし、先端だから折れても切れても大丈夫、という単純な話ではないと川上さんは話します。
年齢で変わる角の中身
実は牛の角は、年齢によって中身が変わっていくそうです。
牛の角は、お母さんのお腹の中にいる妊娠3か月頃から作られ始めます。川上さんもこれは初めて知ったといいます。
生まれた直後は角はほとんど見えません。ただ、よく見ると毛の渦があり、そこが将来角になる場所だとわかります。
生後1週間ほどで角の元が少しずつ盛り上がり、子牛の頭を触ると角の位置がわかるようになります。
小さい子牛の頃、角の中は骨に近い組織が詰まっています。
ところが成長すると、頭の骨の中にある前頭洞牛や人の頭の骨の中にある空洞。呼吸器につながる副鼻腔の一つで、牛では成長にともない角の内部まで広がっていきます。という空洞が発達してきます。
そして生後6か月頃から、その前頭洞が角の中まで入り込んできます。
つまり大人の牛の角は、中が空洞なのです。
完全に空っぽというわけではなく、骨の中に空気が入るスペースができてくるイメージです。
そのため、成牛の角を根元近くで切ると、出血だけでなく前頭洞が露出することがあるといいます。
成牛の角は単なる硬い角質ではなく、頭の骨の一部みたいなものなんですね。
神経と角の痛み
では、神経はどこにあるのでしょうか。
角の痛みを伝える神経は、主に根元側から入ってきます。
獣医が大きな牛の序覚牛の角を取り除く処置。除角とも呼ばれ、牛どうしや人のけがを防ぐために行われます。をするときには、角神経という神経に麻酔をかけるそうです。
逆に言えば、根元に近いほど痛みを感じやすいということです。そのため成牛の序覚は大仕事になります。
なぜ小さいうちに角の処置をするのか
こうした理由から、酪農現場ではできるだけ小さいうちに序覚を行います。
生後1〜2か月頃の序覚が推奨されているといいます。牛にも人間にも負担がかかりにくいのがこの時期です。
理由は単純で、小さいうちは前頭洞がまだ角の中まで伸びておらず、出血も感染リスクも少ないからです。
酪農家は大きくなってから切るのではなく、大きくなる前に処置するという考え方なんですね。
最近は、生まれつき角が生えない無角遺伝子を持つ牛も増えてきているそうです。
将来的には、序覚そのものが不要になる時代が来るかもしれない、と川上さんは話します。
角は牛の体の一部
質問への答えをまとめると、角の根元には血管と神経が通っています。
子牛の頃は中が詰まっていますが、生後6か月頃から前頭洞が入り込み、空洞化していきます。
成牛の角は頭の骨とつながった構造になるため、大きくなってから切ると出血や感染のリスクが高くなります。だからこそ、子牛のうちに序覚することが多いのです。
川上さんは、他の動物の角にも触れます。サイのような立派な角は、髪の毛の一部からできているものもあるといいます。
角の構造は生き物ごとに違います。そこから他の動物にも興味を広げてほしい、と締めくくっています。
まとめ
リスナーの素朴な質問から、牛の角の意外な構造が見えてきた回でした。角は成長とともに骨や空洞とつながっていき、だからこそ小さいうちの処置が選ばれています。
- 牛の角の根元には血管も神経も通っている
- 子牛の頃は角の中が骨に近い組織で詰まっている
- 生後6か月頃から前頭洞が入り込み、大人の牛では中が空洞化する
- 成牛の序覚は出血や感染のリスクが高いため、生後1〜2か月頃の処置が推奨される
- 近年は角が生えない無角遺伝子を持つ牛も増えてきている
