今日の質問「牛乳はダメでもシチューは平気」
今回の配信は、リスナーからのお便りに答えるコーナーが中心です。
配信アプリのポポポから、ポポポネーム「かんしんさん」の質問が届きました。
牛乳を直接飲むとお腹がゴロゴロしますが、シチューにするとゴロゴロしないのはなぜですか?
川上さん自身は牛乳を飲んでもお腹がゴロゴロしないため、冷たい牛乳でもゴクゴク飲めるそうです。
ただ、お腹がゴロゴロする人にとっては「料理に使ってもゴロゴロするのでは」と心配になることもある、と話されています。
川上さんは調べてまとめてきたと前置きし、なぜ加工した料理だとゴロゴロしにくいのかを解説していきます。
不思議ですよね、これはね。冷たい牛乳はやっぱりゴロゴロしますよね、さすがに。
お腹がゴロゴロする原因は乳糖不耐症
結論から言うと、これは気のせいではなく、ちゃんと理由がある、と川上さんは話します。
一番の原因は乳糖不耐症です。
牛乳には乳糖という糖分が含まれています。乳糖牛乳などに含まれる糖の一種。小腸で「ラクターゼ」という酵素によって分解されて吸収される。
この乳糖を分解するには、小腸でラクターゼという酵素が必要になります。
ところが、日本人を含む東アジア系の人は、大人になるとこの酵素が減る人がかなり多いそうです。
その結果、乳糖を分解できずに腸で発酵してガスが出て、お腹がゴロゴロしてしまう、という流れになります。
なぜシチューやグラタンだと平気なのか
では、なぜシチューだと平気なのか。川上さんはいくつかの理由を挙げます。
一つ目は、少量ずつゆっくり取っていることです。
牛乳をコップ一杯ゴクゴク飲むと、一気に大量の乳糖が腸に入ります。
一方でシチューは、牛乳が他の食材に混ざっていて、しかも少しずつ食べます。熱々のシチューを一気にかき込む人は少ないですよね。
そのため、腸への負担が分散されます。
二つ目は、脂肪や他の食材が消化をゆっくりにすることです。
シチューにはジャガイモ、お肉、小麦粉、油脂などが入っていて、これが胃から腸への移動スピードをゆっくりにしてくれます。
すると、ラクターゼが少ない人でも処理が間に合いやすくなるそうです。
三つ目は、加熱による体感の変化です。
ここは誤解されやすい点だと川上さんは注意を促します。乳糖そのものは、普通の料理の加熱ではほとんどなくなりません。
つまり、加熱したから乳糖がゼロになるわけではない、ということです。
ただし、熱々で少量ずつ、他の食材と一緒にゆっくり食べる。これらが合わさることで、結果的にお腹がゴロゴロしにくくなることは十分にありえる、と話されています。
ヨーグルトやチーズが平気な人がいる理由
牛乳がダメでも、ヨーグルトなら平気という人もいます。
これは、乳酸菌が乳糖をある程度分解してくれるからだそうです。
また、チーズも熟成によって乳糖がかなり減るものがあります。
だから「牛乳がダメ=乳製品が全部ダメ」ではない、と川上さんは話します。
温めたり、料理に混ぜたり、少量で細かく食べたり、ヨーグルトやチーズにしたり。自分に合う形の乳製品の取り方を見つけることが大事だといいます。
無理に飲まなくていい、どう付き合うかが大事
酪農家として伝えたいこととして、川上さんは「牛乳を絶対に飲め」とは言わない、と話します。
飲めない人もいますし、アレルギーの人もいるからです。
大事なのは、どう付き合うと体に合うかを考えることだといいます。
乳糖不耐症は世界的にも珍しくなく、むしろ日本人ではお腹がゴロゴロする方が多い傾向があります。
だから「お腹がゴロゴロする自分は異常だ」とは思わなくて大丈夫だ、と川上さんは伝えます。
お腹ゴロゴロする自分は異常なんだとは思わなくて大丈夫です。むしろ日本人ではお腹ゴロゴロする方が多い傾向があります。
ただし、少量でも激しい腹痛や蕁麻疹、呼吸症状などが出る場合は、乳糖不耐症ではなく牛乳アレルギーの可能性があります。
その場合は医療機関に相談してほしい、と注意が添えられています。
食べ残しシチューの保存には注意
最後に、川上さんから梅雨時の注意点も語られました。
シチューやグラタンにして食べればお腹がゴロゴロしにくいものの、大量に食べればやはりゴロゴロすることもあるそうです。
だからこそ「少量ゆっくり」がポイントだといいます。
そして、次の日のシチューも美味しいものですが、これからの梅雨の時期はカビが生えやすくなります。
加熱したシチューは、タッパーなどに詰めて冷蔵庫にしっかり入れてほしい、と川上さんは呼びかけます。
「加熱しているからそのままでも大丈夫」と思いがちですが、牛乳が入っているぶん雑菌が増えやすく、食中毒の危険があるそうです。
加熱しているからそのままでも大丈夫だろうと思いがちですけどもね。カレーとかもそのまま置きがちですが、危ないです。
まとめ
牛乳でお腹がゴロゴロする一番の原因は乳糖不耐症ですが、シチューやグラタンなら平気なのは「少量ずつ・他の食材と一緒に・ゆっくり」という食べ方が重なるからだと解説されました。無理に飲むのではなく、自分に合う乳製品の取り方を見つけることが大事だという回でした。
- お腹がゴロゴロする主な原因は、乳糖を分解する酵素ラクターゼの不足による乳糖不耐症
- シチューが平気なのは、少量ずつ・他の食材と一緒に・ゆっくり食べることで腸への負担が分散されるため
- 加熱しても乳糖自体はほとんど減らないので、加熱だけが理由ではない
- ヨーグルトやチーズは乳糖が減っているため、牛乳がダメでも平気な人がいる
- 少量でも強い腹痛・蕁麻疹・呼吸症状が出る場合は牛乳アレルギーの可能性があり、医療機関への相談を
