「牛乳を飲むと背が伸びる」は本当か
この回では、リスナーからのお便りに川上さんが答えていきます。
小さい頃に牛乳を飲むと背が伸びるってまことしやかに言われていましたが、真実はご存知ですか?
川上さん自身も、学校給食で牛乳を飲めば身長が伸びると言われて育った世代です。
バスケットボール部だったんで身長伸ばしたかったんですよね。牛乳飲めば身長が伸びるというね。しっかりバスケットの練習すれば身長伸びると思ってたんですけども、今169ですか。170届かず。
ただ、小学5年生の頃は150センチちょっとしかなく、そこから20センチほど伸びたとも話しています。
結論は「牛乳だけでは伸びない、でも大事な栄養源」
川上さんはまず結論から示します。
牛乳だけで背が伸びるはまあ言い過ぎですね。実際、僕もいっぱい飲みましたけど、そこまで身長伸びなかったです。しかし、成長を支える重要な栄養源なのは事実です。
なぜ「牛乳で背が伸びる」というイメージが定着したのか。理由はシンプルだと説明されています。
牛乳にはカルシウム、タンパク質、ビタミンB群、リン、脂質など、成長期に必要な栄養がバランスよく入っているためです。
成長期の子どもは、骨だけでなく筋肉や内臓、脳、ホルモンが同時に成長します。手軽に栄養を入れられる点で、牛乳は優秀な選択肢だったといいます。
戦後の日本は栄養不足の時代で、学校給食の牛乳や脱脂粉乳で平均身長が伸びていきました。この経験から「牛乳で背が伸びた」というイメージが強く残ったと考えられます。
遺伝も睡眠も運動も関わる、単純ではない話
一方で、牛乳だけ飲んでも身長は伸びないと川上さんは強調します。
栄養が偏っていたり運動不足だと、当然ながら身長は伸びにくいといいます。背の高さには遺伝要素も強く、睡眠、総合的な栄養、運動、病気、ストレスなど、多くの要因が関わります。
牛乳飲めば180センチになるぞっていうのは、本当にジャイアント馬場だみたいなことを言われましたね。僕らの世代はね。そんな話ではないっていうことをお伝えしていこうと思います。
ただし逆に言えば、成長期に必要な栄養が不足すると骨や筋肉の発達に影響が出る可能性があります。その中で牛乳は効率よく栄養を取れる食品という立ち位置だと整理されています。
2025年、世界は「全乳回帰」へ
ここ最近の栄養学では、大きな変化が起きていると紹介されます。
昔は「脂肪は悪」という流れが強く、その影響で子どもにも低脂肪牛乳や無脂肪牛乳が推奨されてきました。これは主にアメリカの事例だといいます。
ところが2020年代後半に向けて、この流れが変わってきているそうです。2025年時点では全乳を見直す「ホールミルク回帰」の動きが世界で出ていると話されています。
脂肪は悪とされ、子どもにも低脂肪・無脂肪牛乳が推奨された
全乳を見直す動きが広がり、脂肪=悪とは限らないという考え方へ
象徴的な例として、川上さんはカナダの研究に触れています。全乳を飲んでいた子どもの方が、低脂肪牛乳を飲んでいた子どもより将来の肥満リスクが低かったという結果が出ているそうです。{要確認: チャイルド弧放牧研究}
理由として考えられるのが、全乳に含まれる脂質による満腹感です。お腹が空きにくくなり、間食やジュース、お菓子が減る可能性があったと説明されています。
さらに脂溶性ビタミンの吸収には脂質が必要で、「脂肪=悪」ではないという考え方に変わってきているといいます。アメリカでは2025年に学校給食で全乳を再び認める流れも出ているそうです。
酪農家として思う「魔法でも毒でもない」
続いて、川上さんは酪農家としての率直な思いを語ります。
牛乳って魔法の食品ではないんですよね。でも逆に、意味のない食品では全然ありませんね。SNSを見ていると、牛乳は毒だとか、飲めば全部解決だとか、本当に極端な情報があるじゃないですか。
現実はもっと地味だと川上さんは言います。牛乳は成長を支える土台の一つで、しっかり寝て、ご飯を食べて、適度に運動し、ストレスなく暮らす。その中の一つとして適切に取ることが大切だという整理です。
総合的な栄養
牛乳はその中で効率よく栄養を取れる食品
睡眠
しっかり寝ることが成長を支える
運動
適度な運動が発達に関わる
ストレスの少ない生活
日々の暮らし全体が土台になる
さらに川上さんは、牛乳をたくさん飲む国ほど身長が高いという世界的な傾向にも触れます。遺伝の影響もありますが、動物性タンパク質やカルシウムの摂取量と身長には相関があると言われているそうです。
昔の人の牛乳飲めは完全に間違いでもありません。でもちょっと単純化しすぎてた、そんな感じですね。
減り続ける酪農家と、給食の牛乳が支えてきたもの
話は給食制度と酪農の現状にも広がります。
日本では給食制度と牛乳が子どもの栄養を充足させ、健康寿命の延びにつながった事例として、海外でも参考にされてきたと語られます。学校給食のなかった地域があるインドでも、日本の給食制度が広がっているといいます。
一方で、国内の酪農家は加速度的に減っていると川上さんは危機感を示します。
今SNSで出てるのは、一日二、三件のペースで酪農家が減っていまして、もう今年度中には九千件以下になるんじゃないかって言われてます。餌が高くて、今牛の値段が高いんで、辞め時ではあるので。
さらに北海道への生産の集中にも触れ、大型災害などで国内生産の7割が止まればパニックになりかねないと話します。だからこそ、都府県で多様な形態の酪農が続けられる環境を作る必要があるといいます。
最後に川上さんは、6月の牛乳月間と6月1日の世界牛乳の日に向けた「牛乳で歌おうライブ」の企画も告知し、配信を締めくくりました。
まとめ
「牛乳を飲めば背が伸びる」は言い過ぎだけれど、成長を支える重要な栄養源であることは確か——川上さんはそう整理します。最新研究では全乳を見直す流れも出ており、牛乳をめぐる常識は今も更新され続けています。
- 牛乳だけで背は伸びないが、成長期に効率よく栄養を取れる食品ではある
- 背の高さには遺伝、睡眠、運動、栄養など多くの要因が関わる
- 2025年は「脂肪=悪」を見直す全乳回帰の流れが世界で出ている
- 戦後の給食と牛乳は子どもの栄養を支え、海外でも参考にされてきた
- 国内の酪農家は加速度的に減っており、多様な酪農を続ける環境づくりが課題
